第21回「健康思考のススメ」

「健康志向は広まったけど、健康思考は減っているかも」

2016年における世界の健康食品市場規模は約7,000億ドル。これが2021年には約8,100億ドルにまで拡大すると言われています。スマートフォン市場が約4,800億ドル。スマートフォン市場の約1.7倍と考えれば、その大きさがお感じいただけるでしょう。

これだけ健康志向が広まったにも関わらず、健康の人が増えたとは言えません。周りを見回してもそう感じますし、統計的にもそれが明らかです。例えば、食生活が大きく関わる糖尿病。2005年に5.6%だった糖尿病人口(米国)が、2010年には7.0%、2015年には7.4%となり、10年間で1.3倍以上に増加しています。
増加の原因はなんでしょうか。食生活や運動習慣が関わっているのはもちろんです。しかしそれらに加え、「健康思考」も深く関わっているのではないかというのが多くの方のカウンセリングを通じて感じた私の考えです。
そこで本稿では、健康志向を無駄にしない“健康思考”について考えてみたいと思います。

ごめんなさい、○○を食べてしまいました・・・

カウンセリングでよく聞く言葉です。○○に入るのは、ケーキやドーナツのようなお菓子から、ピザやフライドチキンのようなおかず系まで様々です。共通するのは食べたことへの反省と自責の念。後ろめたさを感じているような口調で報告してくださいます。正直に報告してくださって嬉しいと伝えていますが、それでもどこか引け目を感じていらっしゃるよう。
たかが食事です。そして何を食べるかは、自分のために自分で判断すること。私に謝る必要も全くありません。逆に反省し過ぎたり謝り過ぎたりすることで、必要以上に落ち込まれていることが心配になります。健康志向が広まったことで、こういう自責に苦しむ方が増えているように感じます。

食べるものが無くて困ります・・・

この言葉もよく聞きます。「近所のスーパーに行ったら、身体に悪いものばかりで何も買えなかった」とか、「旅行先で良質なレストランを見つけられず、空腹のまま歩き続けた」とか。これは完璧主義の方によく見られる傾向。手に入るものの中で最良の選択をすればいいだけなのですが、「より良いものを」と思い、店から店へ渡り歩いてしまうようです。私も以前はその傾向があり、ランチ難民と自虐ネタにしていました。健康志向が広まり、ランチ難民の方が増えているように感じます。

食事を楽しめないので、さらに困ったことに

自責やランチ難民化はさらに大きな問題をはらんでいます。それは、食事が楽しくなくなることです。食事が楽しくないと、消化吸収が不十分になってしまいます。食べ物の消化や栄養吸収は副交感神経系の機能であり、リラックスしていないと十分に機能しません。とても健康的なものを食べても、その食べ物を消化吸収できないのでもったいない。健康志向が原因で健康になれないという皮肉な結果になってしまいます。また楽しい時間が減る分、相対的にイライラする時間が増えてしまいます。本当にまさかの結末です。
さらに楽しくないので、せっかく始めた食生活の見直しを辞めてしまう方もいます。こんな想いをしてまで健康にならなくていい、と考えるようです。どんなに小さな変化でも続けていれば、目に見える結果が必ず出ます。食生活の見直しは、続けられる程度で楽しみながら続けるのがなによりのコツです。

では一体、どうしたら楽しみながら健康的な食生活を続けられるのでしょうか。

その答えが健康思考です。健康志向だけでは不十分。それを実現する健康思考も必要です。以下では健康志向の中でも最も大切な二つの思考をご紹介します。

身体に悪い食べ物はないと知る

私も最近気づいたことなんですが、実は身体に悪い食べ物はありません。
例えば身体に悪いものとしてよく例に挙げられる炭酸飲料。大量の糖質を含むため血糖値を乱高下させ、肥満や副腎疲労等、多岐にわたる生活習慣病の原因になります。香料や着色料などの添加物の影響もよく指摘されます。カフェインを含むものも多く、中毒性も問題です。しかし食糧難でまともな食事すら摂れない状況にいたら、その炭酸飲料のひと口によって死を免れる可能性があるのも事実です。そこまで極限の状態でなくとも、炭酸飲料が効果を発揮することもあります。水だけの誕生日パーティは味気ないですが、そこに炭酸飲料が1杯でもあれば楽しい誕生日としての想い出が残ります。これは決して、毎日炭酸飲料を飲んでほしいと言っているわけではありません。状況や考え方次第で、身体にいい/悪いという解釈が大きく変わるということです。

さらに言えば、毒キノコでさえも身体に悪いとは言い切れません。なぜなら、それを食べて身体を壊す経験をすることで、またはそういう人を傍目に見ることで、同じ間違いを犯さないようになるからです。

そう考えれば、身体に悪い食べ物はないと言い切れないでしょうか。あるのは、どちらとも言えない食べ物か、身体にいい食べ物。このように食べ物をとらえ、より身体にいいと感じるものを選んでいけば、過剰な自責や難民化は起らないはずです。

すでに健康であると知る

もう一つの健康思考がすでに健康であると知ることです。
「健康になりたい」という言葉には多くの場合、「いまは健康ではない」という不満が含まれています。そして「だから幸せではない」という想いが見え隠れします。そのため、食生活の見直しが進まないと、また不幸な自分に戻ってしまうと考えがちです。

しかしいま、本当に健康じゃないのでしょうか。
例えば私がカウンセリングする方はほとんどの場合、現在通院していない方です。つまり普通に生活できる方々ばかり。これは素晴らしいことです。不自由なく五感を使え、行きたいところに行け、会いたい人に会える。それが出来るだけで十分に健康であり、幸せな状態だと言えないでしょうか。そう思えると、自分が満足いかない食生活をしたとしても、幸せなままなので全く気になりません。そしてもし満足いく食事をしたら、さらに健康に、さらに幸せになれます。

健康志向 + 健康思考でよりよい生活を

ご紹介した二つの健康思考はあくまで私見です。科学的エビデンスもありません(もしあれば、ぜひ教えてください!)。そんな私も以前は、身体にいいもの/悪いものリストを作ってカウンセリングしていたことがあります。そのため、異論反論が少なからずあることは承知しています。しかしこれまでのカウンセリング経験や自身の試行錯誤から、私なりに行きついた考え方がこの健康思考です。信じる信じないは皆さんの自由です。でも少しでも取り入れる余地がありそうなら、ぜひご自分の生活に役立ててみてください。

ご愛読いただき誠にありがとうございました。

2016年7月の初稿から早3年が経過し、今回で第21回にも至りました。そして本稿の大いなる私見をもち、お伝えしたいことのほとんどをお伝え出来ましたので、今回を最終稿として本連載を終了させていただこうと思います。長期にわたりご愛読いただき、誠にありがとうございました。
食生活で最も大事なのは食事を楽しむこと。その上で、日々変わっていく身体と相談しながら、多様な食材を一番おいしい旬の時期に味わって食べることが何よりの食事法だと思います。
今後もご質問などあれば、リダックくらぶ事務局や弊社ウェブサイト(https://www.open-laboratory.com/)からお気軽にお問合せください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

試して欲しい食材:ビーツ

(photo from Flickr)

肝臓にいい野菜として有名なビーツ。血流ののって運ばれてきた不要物を濾し、消化管を通じて排泄する役割を持つ肝臓。このデトックス機能のフル回転が、健康維持に必須であることは自明です。またビーツには多様な栄養素が含まれており、ビタミン、ミネラル補給にも有効です。

ビーツ料理として有名なのがボルシチ。そのほかにも東欧、北欧地域の料理にはビーツを使う料理が多くあります。赤カブとも呼ばれるビーツは、カブと同じようにも調理できます。我が家では0.5 cmくらいの厚さにスライスしてローストしたり、ぬか漬けにもしています。ぜひ多様な使い方を試してみてください。

(photo from Flickr)

参考:
●Statista (https://www.statista.com/statistics/502267/global-health-and-wellness-food-market-value, https://www.statista.com/statistics/237505/global-revenue-from-smartphones-since-2008/
●CDC(Centers for Disease Control and Prevention) (https://www.cdc.gov/diabetes/statistics/slides/long_term_trends.pdf

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。

LINE@やニュースレターにご登録ください!

21 days体質改善challengeの最新情報を、共同運営している関由佳医師とともに公式LINE@アカウントニュースレターからお知らせしています。皆さまのご登録をお待ちしています!また味噌汁ファスティングも始めました。こちらも合わせてご覧ください!



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第20回「甘いものとのお付き合い(ホリデーメニューの楽しみ方)」

スーパーマーケットの陳列棚で見かける言葉。分かったようで分からない。そうお感じになったことはないでしょうか。日々入れ替わるトレンドワードを理解していくのは容易ではありません。その多くは商品の特徴を説明しています。意味をきちんと理解すれば、自分に相応しい商品を見つけることができます。しかし意味を取り違うと、自分に合わないものを選んでしまう危険性もあります。
何がよいかは一人一人異なります。一般的によいとされるものであっても、個々に見ていくと合う合わないはどうしても出てきます。最後は自分の判断。よく見かける言葉の意味を理解し、賢い選択に役立てましょう。本稿では、ここ数年多く見かけるようになったLocal、Rawという言葉を解説します。

(写真提供:flickr)

「甘いものとのお付き合い(ホリデーメニューの楽しみ方)」

「甘いものは身体に悪い」と思っていませんか。

甘いものは太りやすい。甘いものは人を衝動的にする。甘いもので頭が悪くなる。このような言葉を聞き続け、甘いものは身体に悪いと思いこんでいる方は少なくなりません。糖質制限ブームもこれに拍車をかけています。
しかし本当に、甘いものは身体に悪いのでしょうか。

10月から米国ではイベントが目白押し。ハロウィーン、感謝祭、クリスマス。年が明けてもニューイヤー、バレンタイン・デーと約半年にわたり、イベントが続きます。
イベントに甘いものはつきもの。楽しいイベントも罪悪感を持ちながら甘いものを食べていたのでは楽しくありません。
甘いものは本当に身体に悪いのか。改めて甘いものについて考えてみたいと思います。

甘さの正体は糖。糖は炭水化物の一部

そもそも甘いと感じるのはなぜでしょうか。それは食べ物に糖が含まれているからです。
一言で糖と言っても、白砂糖から果物に含まれる果糖、イモ類に含まれるデンプンまで多くの種類があります。違いは、糖の最小単位である単糖の数。ブドウ糖や果糖は単糖ですが、デンプンは単糖が多く連なってできた多糖類です。
ただ多糖類であっても、身体の中で消化・分解されて単糖になるため、体内にある糖は単糖と考えて問題ありません。我々が糖を獲得する方法は二つあります。一つは食べ物から。炭水化物は糖と食物繊維で構成されており、これを消化することで糖を獲得できます。炭水化物は、脂肪、タンパク質と並ぶ三大栄養素の1つ。
具体的には下記のような食べ物が炭水化物に該当します。

  • 穀物:お米、パン、パスタ、うどん、そば等
  • 豆類:大豆、小豆、ピーナッツ等
  • 果物:リンゴ、みかん、メロン等
  • 野菜:レタスなどの葉物野菜、ゴボウなどの根菜、じゃがいも等のイモ類

糖を獲得するもう一つの方法は、脂肪から糖を作る方法です。身体には体脂肪を糖に変換する機能があるため、必要な量の糖を食べ物から取れない場合は体脂肪を糖に変えてます。食事制限すると痩せるのは体脂肪が糖になって使われるためです。

糖は身体に必須

糖の最も大切な役割はエネルギー源になること。糖は生命活動に不可欠な栄養素です。糖が無ければ、話すことや、座っていることすらもできません。瞬発的な動きには特に、食べ物からの糖が必須です。
身体の中で最もエネルギーを必要としている臓器をご存知でしょうか。それは脳です。脳の重さは体重の2%程度。その脳がエネルギーの20%を消費しています。しかブドウ糖しか使わないという、こだわり臓器です。
この他にもタンパク質や脂肪の代謝を助けたり、骨や皮膚の成長を促進する役割も糖は持っています。このように生命を維持する上で欠かすことのできない栄養素である糖。ではその糖がなぜ、身体に悪いと思われているのでしょうか。

なぜ甘いものが身体に悪いと思われているか

それは「大量の糖」を「一度に摂る」食生活が当たり前になっているからです。またそれが、体脂肪からのエネルギー生成能力を弱体化させていることも懸念されています。

摂取量が多すぎる

ナショナル・ジオグラフィックによると、日本人の砂糖摂取量は1日当たり69グラム、米国人は95グラムだそうです。一方、世界保健機構(WHO)の推奨値は50グラム(総摂取カロリーの10%)、理想値は25グラム(同5%)。
これら推奨値/理想値を超えると、肥満や虫歯の発生傾向が高まるそうです。
* 上記数値に果物や穀物から得る糖は含みません。白砂糖や黒糖、とうもろこし等から作る異性化糖等の量を指します。肥満はほぼ全ての生活習慣病の原因と考えられています。虫歯は口腔内の細菌バランスの乱れが原因と考えられており、口腔内の細菌バランスの乱れは腸内環境の乱れも示唆します。
腸内環境は免疫システムの大半が集中している場所であり、第二の脳とも呼ばれるほど大切な場所です。日本人の砂糖摂取量は米国人ほどではありませんが、遺伝的な糖代謝能力の違いを踏まえれば、リスクの大きさは同程度と考えてもおかしくないでしょう。

一度に摂りすぎる

仮に摂取量は同じでも、糖を一気に摂ると身体への負担が重くなります。大量の糖を短時間に代謝しなければならないからです。糖からエネルギーを作るためには、血液中の糖を細胞内に取り込む必要があります。取り込みを助けるのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモン。
血液中の糖が一気に増えると、すい臓は大量のインスリンを短時間に生成しなければなりません。たまにであれば問題ありませんが、1日数回もあってはすい臓が疲弊し、いずれインスリンの生成能力を失ってしまいます。これが糖尿病です。
糖を受け取る細胞側にも影響が出ます。大量の糖がたびたび細胞内に流れ込むと、いつしか糖の受け取り口の反応が悪くなり、いくらインスリンがあっても糖を取り込めなくなってしまいます。
これがインスリン抵抗性と呼ばれる症状です。慢性疲労になったり、脳細胞にインスリン抵抗性が生じれば脳の働きも悪くなってしまいます。

脂肪燃焼力の弱まり

過剰な糖質摂取により、体脂肪からのエネルギー生成能力も弱まってしまいます。前述の通り、人間は体脂肪から糖を作る能力を持っています。しかし食事から大量の糖が提供され続けると、体脂肪からの糖生成機能が使われずに弱まってしまいます。
これがいわゆる「やせにくい体質」です。また脂肪から糖を作れないため、いままで以上に食事から糖を欲するようになってしまいます。

甘いものを味方につける食べ方

甘いものが悪いわけではありません。特定の疾患がある方を除けば、糖はなくてはならない栄養素であり、いきいきと生活するために必須のものです。
気を付けるべきはその量と摂り方。適量をゆっくり摂ることさえできれば、甘いものを味方につけることができます。その方法をご紹介します。ぜひホリデーシーズンにお役立てください。
炭水化物以外から食事を始める糖が吸収されるのは小腸です。空っぽの小腸に糖が流れ込むと一気に糖は吸収されてしまいます。それを防ぐ一番簡単な方法が、糖質の少ない食材を先に食べておくこと。
例えばサラダやスープなどを先に食べておくと、糖の吸収が緩やかになり、身体への負担を軽減できます。メインディッシュでも構いません。

炭水化物以外をしっかり食べる

メインディッシュをしっかり食べましょう。「甘いものは別腹」という方でも効果は見込めます。感謝祭のターキーなど、その日にしか食べないようなメニューもあります。ホリデーはメインディッシュを楽しむ場と考えましょう。

デザート以外の炭水化物を控える

ホリデーパーティであれば、ほぼ間違いなくデザートがあるでしょう。それを存分に楽しむために、他の炭水化物を控えるのも一手です。例えば、感謝祭やクリスマスで添えられるパンやマッシュポテトは控えめにして、デザートを楽しむようにしましょう。

よく噛んでゆっくり食べる

食べる速度でも調整できます。早く食べれば一気に糖が吸収されます。ゆっくり食べれば、ゆっくりと糖は吸収されます。コツはよく噛むこと。よく噛めば自然と食べる速度がゆったりします。

通常日は糖分控えめで過ごす

毎月のようにパーティがあるホリデーシーズン。このパーティを最大限に楽しむため、それ以外の日は糖分控えめで暮らしましょう。それが罪悪感を和らげ、パーティの楽しさをより引き出してくれるはずです。

食べないストレス、食べるストレス

糖分の摂り過ぎは身体的なストレスになります。しかし過剰な糖質制限は精神的なストレスにもなります。著名なカイロプラクターであり、食事療法の専門コースも運営しているクリス・クレッサー氏によれば「厳格な糖質制限で生じる心理的ストレスの方が、多少の糖質摂取よりも大きな問題である」とのこと。

食べないストレスと食べるストレス。ホリデーシーズンを通じ、甘いものとの上手な付き合い方を手に入れてください。

試して欲しい食材:シナモン

(photo from Flickr)

今日はシナモンをご紹介。
シナモンは甘いものへの欲求を緩和する効果があると言われています。
樹木の皮から得られる香辛料で、漢方の世界では桂皮とも呼ばれます。

シナモンの楽しみ方は様々です。焼き菓子に使ったり、トーストにかけてみたり。
紅茶に添えて香りづけに使うこともあります。個人的には、Tinctureと呼ばれる有効成分の抽出液を水などに入れて飲むのが好みです。
ホリデーシーズンのお料理やお菓子作りでも活用してみてください。

(photo from Flickr)

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。

LINE@やニュースレターにご登録ください!

21 days体質改善challengeの最新情報を、共同運営している関由佳医師とともに公式LINE@アカウントニュースレターからお知らせしています。皆さまのご登録をお待ちしています!また味噌汁ファスティングも始めました。こちらも合わせてご覧ください!



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第19回「日本食はヘルシーでしょうか?」

スーパーマーケットの陳列棚で見かける言葉。分かったようで分からない。そうお感じになったことはないでしょうか。日々入れ替わるトレンドワードを理解していくのは容易ではありません。その多くは商品の特徴を説明しています。意味をきちんと理解すれば、自分に相応しい商品を見つけることができます。しかし意味を取り違うと、自分に合わないものを選んでしまう危険性もあります。
何がよいかは一人一人異なります。一般的によいとされるものであっても、個々に見ていくと合う合わないはどうしても出てきます。最後は自分の判断。よく見かける言葉の意味を理解し、賢い選択に役立てましょう。本稿では、ここ数年多く見かけるようになったLocal、Rawという言葉を解説します。

(写真提供:needpix.com)

「日本食はヘルシーでしょうか?」

「日本食、大好き!」。日本人だと分かると、多くの方が米国ではそう言ってくれます。最初はお世辞かなと思っていましたが、そうでもないようです。都市部ではお寿司やラーメンが定番メニューになっていますし、彼らの食生活を見ていても確かに日本食を選択する機会が多いです。 「日本食はヘルシー!」。これもよく聞くフレーズです。米国人に限らず、南米やヨーロッパ、他のアジア諸国の方々からもそう言われます。世界的に見ても、日本食の本当にいい評価を得ています。
しかし、日本食は本当にヘルシーなのでしょうか。最近招待されたパーティでもこれが話題となり、改めて考えてみました。
答えはYes and No。
本稿では日本食がどのようにヘルシーか?、ヘルシーでない日本食とは?、そして日本食をご馳走するとしたらどんなものが喜ばれるか?をご紹介したいと思います。

日本食はヘルシー!と称賛される背景

日本食がヘルシーだと考えられている背景には日本人の二つの特徴があります。
1つは寿命が世界一であること。経済協力開発機構のデータによると、2017年の日本人の平均寿命は84.2歳。2016年に続き、平均寿命が84歳台である唯一の国です。2位のスイスの平均寿命(83.6歳)とは0.6歳も差があります。ちなみに米国の平均寿命は78.6歳と、日本とは大きく離れています。
肥満人口が少ないことも、日本食のイメージをよくしています。世界保健機構のデータによると、BMI*が25以上の肥満人口比率が日本では27.2%のみ。調査対象の191か国中163番目に少なく、先進国では最も低い比率です。参考までに米国は15位で、肥満人口比率は67.9%。つまり3人中2人以上が肥満に該当しています。
*BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長2(m)。基準値は22。18.5未満でやせ型、25.0以上だと肥満と判定される。
この二つの特徴から、日本食はヘルシーに違いないという評価が広まっていったのだと推測します。

最新研究と合致する日本食の特徴

実際、日本食は最新の研究で解明されているヘルシー食の特徴を有しています。

腸内環境を整える発酵食品

日本食で特徴的なのが発酵食品。味噌、納豆、ぬか漬けなどが代表例。発酵食品は日本人の食生活に欠かせません。
発酵食品はどの年代にも愛されています。子供たちに人気なのが納豆。ご飯と納豆さえあれば十分というお子さんをよく見かけます。高齢者にとっても発酵食品は強い味方。なぜなら発酵過程で食材の一部が分解されているため、胃腸での消化負担が少ないからです。
腸内細菌が免疫細胞の生成に関わっていることも分かっています。乱れた腸内環境では免疫力が落ち、病気がちになったり回復に時間がかかってしまいます。
さらに発酵食品を日常的に摂ることで腸に善玉菌を補充でき、保存料や抗生物質等で乱れがちな腸内環境を整えてくれます。

生魚がオメガ3脂肪酸を補充

生魚が多く含まれるのも日本食の特徴です。
海外で日本食と言えば、何と言ってもお寿司。日本人は毎日お寿司を食べていると勘違いしている人も多く、日本人としては苦笑いするしかありません。ただそれだけ、お寿司が日本を代表する料理として認知されているということでしょう。
栄養面では、魚に含まれるオメガ3が健康維持に大きな役割を担っています。脂肪にはそれぞれ役割があり、例えば、バターやお肉に含まれる飽和脂肪酸は、細胞膜の形成に大きく貢献しています。
魚に多く含まれるオメガ3には二つのとても大切な役割があります。一つは脳神経機能の補助。オメガ3無しに脳は適切なメッセージを全身に送ることができません。
もう一つが炎症抑制。皮膚炎などの外皮炎症と同様に、私たちの体内では多くの炎症が発生しています。炎症は大切な免疫反応ですが、過剰炎症は病気の原因になります。生活習慣病の多くは炎症に端を発しているとも言われています。オメガ3にはこの炎症の抑制に効果を発揮します。
オメガ3と対照的なのがオメガ6という脂肪酸。オメガ6は植物性の油に多く含まれ、こちらには炎症促進の作用があります。オメガ3とオメガ6をバランスよく摂ることが正常な炎症反応には必須です。
なおオメガ3とオメガ6はどちらも多価不飽和脂肪酸という種類の脂肪酸で熱にとても弱いため、魚を生で食べることが多い日本食は、活きたオメガ3を摂るのに非常に適しています。

食物繊維が豊富な日本食

食物繊維が多いことも日本食の特徴でしょう。ほうれん草等の葉物野菜だけでなく、イモ類や根菜も多く含む日本食は、世界有数の食物繊維の豊富な食事と言えます。
食物繊維には気を付けるべきことがあります。それは人間の消化液では食物繊維を消化できないということ。食物繊維を消化しているのは腸内細菌です。つまり健康な腸内環境無しに食物繊維は消化できません。発酵食品と食物繊維は切っても切れない関係にあるのです。

気を付けたい米国での日本食

ヘルシーな面の多い日本食ですが、米国では気を付けるべきことがあります。日本食レストランだからといって、本来の作り方や味付けを継承しているとはいいがたいことも多いからです。

濃い味付けやソース

最も気を付けるべきは味付けです。特に味の濃さと甘さには注意が必要です。高級店ならさほど気になりませんが、郊外の日本食レストランでは非常に濃い味付けやふんだんに砂糖を使った料理を目にします。
分かりやすいのは照り焼きソース。テネシーなどのBBQを思い起こさせるようなドロッとした味の濃いソースがかかっていることが多くあります。見た目のテカリも明らかで、おそらく大量の砂糖が使われていると思います。
煮物も同様。不自然にテカリの多いものには大量の砂糖が使われている可能性があります。
米国人の食べ慣れない食材を使うときも、濃い味付けになる傾向があります。仮に美味しいものであっても、食べ慣れない食材をそのまま食べるのは誰でも抵抗があります。それを防ぐために少し濃く味付けしているのだと思います。

サラダ油で揚げられた大きな天ぷら

天ぷらも気を付けたい料理の1つです。日本でも同様ですが、高級店を除くと、てんぷらの多くは植物性の油(いわゆるサラダ油)で揚げられています。しかし植物性の油は熱に弱く、高温調理ですぐに酸化してしまいます。
酸化した油は体内で細胞をサビさせ老化現象を早めてしまいます。抗酸化作用のある食材も一緒に食べればある程度防げますが、それでも限界があります。特に衣が大量に付いた大きな天ぷらにはそれだけ多くの酸化した油が付いていることを知っておくべきでしょう。
天ぷらに適した油は米油です。米油も植物性油の1つではありますが、熱に強く酸化作用を最小限に抑えてくれます。米油ならカラッと揚げることができ、高級店でもよく使われています。英語ではRice Bran OilもしくはRice Oilと呼ばれます。米国では少し値が張るため、一時帰国した時などに買い置きしておくとよいでしょう。

簡単手作り料理で日本食アピール

日本食のイメージがいいおかげで、作って欲しい、作り方を教えて欲しいと頼まれた方も少なくないでしょう。そんなときのために、簡単に喜ばれる日本食をご紹介します。

子供に大人気なおにぎり

日本人にとって、おにぎりは基本中の基本。基本すぎて、人のために作ったり、作り方を教えるようなものではないと考えがちです。私もそんな一人でしたが、実は国籍問わず、子供たちに大人気。娘の誕生日などで作れば間違いなく完売します。一人平均2個くらい作っても完売です。
具無しでも喜ばれます。ゆかりやほぐし鮭などの混ぜご飯で作るおにぎりも人気です。カリフォルニアロール風に揚げ玉やアボカドを入れても人気だと思います。逆に、梅干しは子供には不人気ですのでお気を付けください。
海苔は食べる直前に巻いてもらいましょう。ふやけた海苔には馴染みがなく、敬遠されてしまいます。食物アレルギーの子がいる場合は、中身が分かるように簡単な説明書きを添えてあげてください。

大人には手巻き寿司

大人には手巻き寿司が人気です。好きなものだけ選べるので安心ですし、オリジナルのお寿司を作れるのはそれ自体が楽しみです。お寿司の具としては、魚の他にキュウリやニンジン、卵焼き、アボカド、チーズなどを用意しておくと、生魚が苦手な方でも楽しめます。
そして、ぜひ作っているところを見せてあげてください。ご飯の量やご飯と具のバランス等、日本人なら当たり前のことでも初めての方には大切なノウハウです。市販の手巻き寿司はご飯が外側にあることも多いので、海苔が外側という概念すら彼らには新鮮だったりします。醤油の付け方もきちんと教えてあげましょう。海苔部分に少しつけるように伝えれば、醤油さしがご飯だらけという、米国あるある状態を避けられます。

味噌ドレッシング

手軽に日本食を楽しんでもらうには、味噌を使ったドレッシングもおすすめです。Sweetgreen等、米系サラダ屋さんでも味噌をドレッシング素材として取り入れているほどであり、喜ばれること間違いなしです。作るのも簡単。ご自宅にあるものだけで作れます。例えばキャロットジンジャー味噌ドレッシングなら下記材料だけで作れます。
人参・・・100g
生姜・・・10g
水・・・大さじ2
味噌・・・大さじ2
酢・・・大さじ2
オイル・・・大さじ4
胡椒・・・適量
(レシピ詳細はこちらのページをご参照ください)

日本食のよいイメージを壊すことなく、楽しく美味しい日本食で多くの方を楽しませてあげてください。

試して欲しい食材:食用花

夏はサラダが美味しい季節です。新鮮な葉物野菜とシンプルなドレッシングだけで、目にも嬉しいサラダが出来上がります。そんなサラダに添えたいのが食用花。春から夏にかけてファーマーズマーケットなどで多く見かけます。比較的大きなスーパーマーケットでも見つけることができます。 菜の花などは日本でも食用として販売されていますが、米国ではさらに多くの種類の花が食用として販売されています。

例えばバジルの花。サラダに添えるのに最適です。グリルしたお肉や野菜と一緒に食べても美味しく召し上がれます。味はバジルと似た味がしますが、苦いものもあるため、事前に味見するようにしてください。

(Photo from Wikimedia Commons)

調理用に使える花もあります。例えばズッキーニの花。炒め物や揚げ物の具として使うことができます。花の中にリコッタチーズやベーコン等を詰めるスタッフィングという手もあります。

(Photo from flickr)

花を上手に使った料理にもぜひ、トライしてみてください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。

LINE@やニュースレターにご登録ください!

21 days体質改善challengeの最新情報を、共同運営している関由佳医師とともに公式LINE@アカウントニュースレターからお知らせしています。皆さまのご登録をお待ちしています!また味噌汁ファスティングも始めました。こちらも合わせてご覧ください!



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第18回「Local、Raw:分かったようで分からない言葉たち」

スーパーマーケットの陳列棚で見かける言葉。分かったようで分からない。そうお感じになったことはないでしょうか。日々入れ替わるトレンドワードを理解していくのは容易ではありません。その多くは商品の特徴を説明しています。意味をきちんと理解すれば、自分に相応しい商品を見つけることができます。しかし意味を取り違うと、自分に合わないものを選んでしまう危険性もあります。
何がよいかは一人一人異なります。一般的によいとされるものであっても、個々に見ていくと合う合わないはどうしても出てきます。最後は自分の判断。よく見かける言葉の意味を理解し、賢い選択に役立てましょう。本稿では、ここ数年多く見かけるようになったLocal、Rawという言葉を解説します。

(写真提供:Public Domain Pictures)

Local(ローカル)とは?

生鮮食品から加工食品まで、多くの食品に添えられている言葉です。日本語だと「地産地消」。近隣農家が栽培した食材であったり、地元企業や近隣の工場で生産された商品にこの言葉が添えられています。

サステナビリティに配慮した商品である

得意な人が得意なことを担当し、それぞれが生み出したものを共有する。これが生産量を最大化できる最適な方法であると経済学では考えられています。自由貿易が支持される理由もそこにあります。
しかしこの考え方を食品製造に適用した弊害が近年では指摘され始めています。一つは拡大する輸送エネルギー。生産地が限定された結果、輸送経路が長くなり、輸送エネルギーが多く必要とされてしまうからです。地球上を商品が駆け巡る現代の食品流通。地球の反対側から数ヶ月かけて商品が届くことも少なくありません。
もう一つは、大規模農業によるモノカルチャーが進み、土地がやせ細るという懸念。同じ土地で単一作物を繰り返し栽培すると、生産量は上がるものの、土がやせ細ってしまい、人工肥料なしに栽培できなくなってしまいます。輪作(複数作物を同じ土地で育てる農法)すれば上記懸念は生じないのですが、一般的にコストが高くついてしまいます。
これら二つの懸念から、多少価格が高くとも小規模の近隣農家から食材を購入する消費者が増えてきており、これがLocalという表示につながっています。加工食品であっても、Local商品の場合は近隣農家などから原材料を調達しているケースが多く見られます。

栄養価が高く、保存料も少ない

近隣農家で栽培された食材は通常、輸送時間が短く、新鮮な状態で店頭に並びます。採れたての野菜や果物が美味しいのは決して感覚的なものではありません。生鮮食品は収穫直後が最も栄養価が高く、時間が経つにつれて栄養価が目減りしていきます。収穫直後の栄養価を維持する技術も発展していますが、それでも新鮮なほうが望ましいのは変わりません。
収穫から消費までの時間が短ければ、保存料をゼロ、もしくは最小限にとどめることもできます。保存料の恩恵は無視できないものの、使わなくてもいいのであれば極力少なくしたいというのが消費者心理であり、それがLocal表示につながっていると言えます。

地元を応援する

地元農家を応援したい、という地元愛もLocal表示が広まった背景にあります。自分の住んでいる地域に愛着を持つのは自然なことです。そこが自分の生まれ育った地域であれば、なおさらです。この傾向はグローバル化が進めば進むほど強まっているように感じます。

地元経済の発展もLocal商品を指示する理由です。地元企業や地域にある工場で作られた商品を購入することで、結果的には地元の自治体の財源をサポートすることになり、地元に多くの職を根付かせることになります。

品質は自分の目でチェック

Local商品を選ぶ際に注意したいのは品質です。通常、Local表示されている商品の多くは良質なものです。しかしLocal表示が意味しているのは場所(産地や製造場所等)だけ。品質は各自で判断するしかありません。

Raw(ロー)とは?

(写真提供:flickr)

Rawという言葉はナッツやチョコレート、チーズなどでよく見かけます。Rawは「生(なま)」を意味し、加工段階で加熱処理していない、もしくは低温加熱のみであることを説明しています。ナッツであれば、ローストしていないことを意味します。チョコレートの場合は、製造工程に加え、原材料であるカカオやカカオバターが非加熱もしくは低温加熱のみで製造されていることを意味します。チーズの場合は原料のミルクに殺菌処理が施されていないことを意味しています。

栄養素が生きている

栄養、特にビタミンは熱に弱いため、加熱処理によってその多くが失われてしまいます加熱時間や加熱方法によって異なりますが、お肉をグリルした場合は6割程度のビタミBが失われ、野菜を茹でると半分近いビタミンCが失われるという研究結果もあります。
コールドプレストジュース(Cold Pressed Juice)が注目されたのも、ジュース製造工での熱処理を避けたいという想いが背景にあります。低温殺菌の乳製品を支持している造者や消費者は、高温殺菌によって栄養素や酵素が失われることを懸念しています。

加熱工程での副作用が少ない

加熱により生じ、身体に負担となる成分を避けることもRawが支持される理由です。例えば植物性オイル。植物性オイルの主成分はオメガ6と呼ばれる脂肪酸です。オメガは熱に弱く、加熱ですぐに酸化します。酸化したオイルが身体に入ると体内組織をサビさせてしまいます。オイルを使いまわして作った揚げ物が不健康であると言われる所以です。

ちなみ、高温調理する際はラード等の動物性脂肪やココナッツオイル、米油を使うようしましょう。これらは熱に強いため、熱による酸化負担を最小化できます。

Raw Foodという食事スタイル

このような懸念を背景に近年支持されるようになったのがRaw Foodという食事スタイルです。生のまま、もしくは40度以下の調理のみで作った料理のみを食べます。加熱できないのでお肉がメニューに含まれることが少なく、結果的にビーガン食(動物性食材をく使わない食事)のようなメニューに落ち着きます。
全ての食事をRaw Foodにする方は限られていますが、極力Rawのものを選ぶようにするというトレンドは一部の消費者に広まっています。

栄養不足や消化負担に注意

Raw Foodを志向する際に気を付けたいのは栄養不足です。前述の通り、Raw Foodを志向するとお肉や魚といった動物性食材を口にする機会が減ります。そのため、動物性食材に多く含まれるビタミンB群などの栄養素が不足する傾向あります。

またビタミンA、D、E、Kといった脂溶性ビタミンは、オイルと一緒に食べないと身体に吸収されません。Raw Foodの場合、オイルを使った調理が少なくなるため、これら栄養素の吸収が不十分になる可能性があります。
消化負担もRaw Foodのデメリットです。調理や下ごしらえには、食べ物を消化しやすくするという意味合いもあります。例えば難消化な食材であるナッツは、一晩水に浸けて発芽させることで、消化しやすくなります。なぜなら、ナッツや穀物、タネ類は害虫から自分を守るために反栄養素を持っているからです。反栄養素は人間の身体の中に入ると、消化酵素の働きを阻害します。つまり発芽させることで消化酵素が十分に働ける状態を作り出せるのです。ナッツを購入する際は、Rawであるだけでなく、Sprouted(発芽している)であることも確認するようにしてください。

本日はLocalとRawというトレンドワードを解説しました。こんな言葉を取り上げて欲いというご要望があれば、お気軽にリダックくらぶ事務局までお知らせください。

試して欲しい料理:いつものサラダを簡単グレードアップ

(写真提供:Pxhere)

サラダって美味しいんだなと欧米諸国でよく感じます。使っている素材は同じでも美味しく感じるのはなぜでしょうか。よく観察してみると、秘訣は塩加減とドレッシング。そして卵やチーズ、ナッツの使い方もさすがだなと感じることが多くあります。
例えば、半熟卵を使ったサラダ。半熟の目玉焼きを葉物野菜に和えてもいいですし、半熟ゆで卵をサラダの上にのせるだけでも美味しいです。

チーズやナッツをかけたサラダも美味しく感じます。チーズ専用のおろし器(Cheese Grater)でハード系チーズをおろしてかけたり、細かく刻んだナッツやベニバナの種(Safflower seed)をかけたり。

少しの工夫でいつものサラダがぐっとアップグレードされます。ぜひお試しください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。

LINE@やニュースレターにご登録ください!

21 days体質改善challengeの最新情報を、共同運営している関由佳医師とともに公式LINE@アカウントニュースレターからお知らせしています。皆さまのご登録をお待ちしています!また味噌汁ファスティングも始めました。こちらも合わせてご覧ください!



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第17回「Hot bar/Cold barをおすすめる理由」

Hot bar/Cold barをご利用の方は多いでしょう。Hot barには温かい料理が1種類ずつトレーの上に並べられ、購入者は所定の容器に好きな料理を好きなだけ盛り、その重さに応じて料金を支払います。この冷たいバージョンがCold barで、サラダやカットフルーツなどはCold barに並べられます。何度も利用なさっている方は定番の盛り方も見い出し、生活の一部となっていることも多いと思います。 一方、渡米から日の浅いうちは、気になりつつも遠巻きに見ているだけという方も多いはず。そこで今回はそんな方のためにHot bar/Cold barの活用術をお伝えします。通いなれた方にも新たな発見があるかもしれません。ぜひお読みください。

Hot bar/Cold barをおすすめる理由

具体的な活用術に入る前に、Hot bar/Cold barをおすすめする理由をご紹介します。

多様な食材を摂れる

複数メニューを組み合せることで自然と食材に多様性が出ます。気の利いたお店であれば10種類近い食材を使ったメニューも少なくなりません。またヘルシー志向のお店であれば、旬の食材を優先的に使っていることもあります。自宅だとマンネリしがちでも、Hot bar/Cold barに来ればマンネリを解消できます。

新しい食材に出会える

自分では購入しない食材をHot bar/Cold barでなら気軽に試せます。新しい食材に躊躇してしまう最大要因は、調理法が分からない、味が分からない、の二つです。Hot bar/Cold barなら一つ目の理由はクリアーできます。勇気を出して新しい味を試してみてください。

量を調整できる

アメリカのレストランは大盛り傾向です。アメリカ人でさえ残し、持ち帰っておやつやその後の食事にするほど。しかし日本人は食べ切るクセが付いているため、出されるとつい食べ過ぎてしまいます。Hot bar/Cold barを上手に使って適量の食事回数を増やしてください。

お金も時間も節約できる

経済的であることが最大の理由という方も少なくありません。お腹いっぱいに盛っても$10前後。レストランの2~3割引きで同じようなクオリティのものを召し上がれます。イートインコーナーが併設されているお店も多く、1人ランチなどでも重宝します。

Hot bar/Cold bar活用のポイント

では本題の活用術に入ります。一つでもお役に立てれば嬉しいです。

① シャカシャカして自己流サラダ

Cold barには何種類ものサラダが並んでいます。でも食べたいサラダが見つからないこともあるはずです。いつも行くお店の定番サラダに飽きてしまったり。そんなときは自己流サラダを作りましょう。

Cold barのあるお店には大抵、食材コーナーがあります。切っただけの野菜やチーズ、ゆで卵、お肉、魚、ナッツ類が並んでいます。ここで好みの食材とオイルやビネガー類を容器に入れて蓋をし、“シャカシャカ”してください。オイルやビネガーが満遍なく食材に行きわたり、とても美味しいサラダが作れます。私の好きな味付けは、オリーブオイル、バルサミコ酢にアップルサイダービネガー(りんご酢)を少し足した組み合わせです。

② 部分取りも躊躇しない

食材コーナーにないものはどうするか?アボカドやHot barにしかない魚などでそういうことが起きます。そんなときは躊躇せず、その食材を使っているトレーから部分取りしましょう。あまりにあからさまな量を取るのは控えるべきですが、多少であれば全く問題ありません。量が減れば、どんどん足されていく仕組みです。あとの人にも迷惑は掛かりません。食べたいものを躊躇せず手に入れましょう。

③ スープがお買い得

もっとも投資対効果の高いメニューはスープです。大抵2~3種類は用意されており、小さめの容器(お椀約1杯分)で$3~4。これにおかずを少し添えれば立派なランチが出来上がります。それでいて値段は$10未満におさまるはず。私はチリにゆで卵を1~2個のせて食べるのがとても好きです。これだけでもお腹が十分、満たされます。

④ お弁当との組合せ

アメリカではお弁当を持参している方を多く見かけます。前日の夕飯の残り物や簡単なサンドイッチなど。でもそれだと物足りない。そんな時にもHot bar/Cold barは活躍します。おにぎりを持参しておかずを購入、持参したおかずに合わせてお米を購入など。手作りのお弁当が一番ではあるものの、毎日用意するのは大変です。Hot bar/Cold barを上手に活用して手軽に充実したランチを作りましょう。

⑤ 狙いめは早めの時間

狙いめは早めの時間です。ランチであれば12:00前後。それより早いとブレックファーストメニューのままであったり、ランチメニューが出揃っていないことがあります。1時を過ぎるとトレーが荒らされていたり、いろんな方が取り終えたあとのトレーは衛生面も気になります。神経質になる必要はありませんが、選べるときは12時前後を目指してください。 なお、夕方以降の利用はおすすめしません。ディナー用にトレーを入れ替えているお店は少なく、味も衛生面も満足いくものである可能性は低いです。一見、きれいに見えても、古いものを混ぜていることも多いので、お気を付けください。

Hot bar/Cold barの注意点

いいことばかりをご紹介しましたが、もちろん注意点もあります。

① サラダはドライフルーツとイモに注意

欧米諸国を旅するとサラダが本当に美味しいと感じます。これはアメリカも同じ。塩やフルーツの使い方、オイルやビネガーの合せ方が上手です。ナッツやチップスを上手に使って歯ごたえよくしているサラダも多く見かけます。そんなサラダ術を体験できるのがCold barのサラダです。
ただし気を付けていただきたいサラダが二つあります。一つは、ドライフルーツを使っているサラダ。フレッシュフルーツに比べ体積が小さいため目立ちませんが、大量に入っているとそれなりの糖質量になります。レーズンやデーツ、マンゴーなど、甘みの強いドライフルーツが入っているときは摂り過ぎないように気を付けてください。
イモ類をふんだんに含むサラダにもお気を付けください。イモ類は穀物であり糖として吸収されます。体重を気にされている方などは、イモ類を含むサラダは取る量をお気を付けください。

② 葉物野菜はオーガニックを選択

葉物は農薬の残りやすい野菜です。特にほうれん草やセロリは残留農薬の多い食材ランキング(Dirty Dozen)でそれぞれ2位、10位にランクインするほど。レタスやケールもそれぞれ15位、19位にランクインしています。カットレタスなどの葉物野菜が並んでいるときはオーガニックのものを選ぶようにしてください。オーガニックがない時はせめて、ほうれん草とセロリは避けた方がいいでしょう。

③ 照りの強いソースに気を付けましょう

Hot barをのぞくと照りが不自然に強い料理があります。照りの原因はほとんどの場合、砂糖です。避ける必要はありませんが、他とのバランスを考えて、意識的に量を調整しましょう。

④ アレルギー食材に注意

Hot bar/Cold barでは使われている食材を細かく表記しているお店が少なくありません。非常にありがたいことですが、アレルギーのある方はこの表記に頼り過ぎない方が賢明です。他の料理が混在している可能性があるためです。盛りつけ用に用意されたスプーンやトングが複数のトレーで利用されている状況をよく見かけます。残念ではありますが、小麦や卵、大豆やナッツなど、混入しやすい食材にアレルギーのある方は、Hot bar/Cold barの利用は控えた方がよいでしょう。


今回はHot bar/Cold barの活用術と注意点をお伝えしました。これらを頭に留めながら、多様な料理を楽しんでください。

LINE@やニュースレターにご登録ください!

21 days体質改善challengeの最新情報を、共同運営している関由佳医師とともに公式LINE@アカウントニュースレターからお知らせしています。皆さまのご登録をお待ちしています!また味噌汁ファスティングも始めました。こちらも合わせてご覧ください!

試して欲しい食材:リンゴ酢

欧米の栄養療法界でリンゴ酢(Apple Cider Vinegar)の効能を知らない者いない。そう言っても過言ではありません。日本で言えば梅干しのような存在。2大効能の1つが消化促進。食事の30分くらい前に飲むと胃酸の分泌が促されます。胃酸分泌が十分でないと腸での消化も不十分になります。リンゴ酢で胃腸の消化力を高めましょう。 もう一つの効能がカンシダ菌の抑制。カンシダ菌は誰もが持っている常在菌です。しかしこれが過剰に増殖すると胃腸の不調、しいては精神的な不調にまで及びます。リンゴ酢はそのまま飲む、ドレッシングとして使う、料理に使う等、多くの利用方法があります。そのまま飲む場合は原液を大さじ一杯程度か、それを水で薄めてお飲みください。 おすすめはファーマーズマーケットで販売されている自家製リンゴ酢です。お近くのマーケットに見当たらない場合はオーガニックのものをスーパーなどで購入してください。日本語表記の商品を購入する際は「純リンゴ酢」と表記されているものを選んでください。なお、他のお酢では同様の効果が期待できないだけでなく、カンシダ菌の“増殖”につながることもあるようです。効果を期待する場合はリンゴ酢をお使いください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第16回「腸活しやすい国、アメリカ」

「腸活」という言葉をよく耳にするようになりました。試しに「腸活」をグーグル検索してみると3,110万件の結果が出ました。「糖質制限」の2,750万件を超える件数ですので、非常に注目されている言葉のようです。
腸活とは、腸内環境を整える活動全般を指します。代表的なのはプロバイオティクスや“プレ”バイオティクスの摂取。プロバイオティクスは乳酸菌等の善玉菌、“プレ”バイオティクスはプロバイオティクスのエサにあたるものでニンニクや玉葱等に含まれる食物繊維を指します。これらのサプリメントは多く販売されています。もちろん発酵食品からもこれらの摂取は可能です。日本食は味噌、納豆、ぬか漬けといった発酵食品が非常に豊富ですので、日本人にとっての腸活はトレンドというより、伝統的な生活習慣と言えるでしょう。
では米国が腸活に向かいない国かと言うと、そんなことはありません。むしろ米国は腸活に適した国です。本稿ではなぜ米国が腸活に適しているのかをご紹介していきます。ぜひ米国滞在中にアップグレード版の伝統的な生活習慣を試してみてください。

本題に入る前に腸活の目的や腸の重要性を簡単に整理します。

腸活の目的は、健康な腸壁と腸内細菌バランスを得ること

腸内環境は腸壁の状態と腸内細菌バランスで決まります。
腸は約8メートルに及ぶちくわのような管です。腸壁はその内側の側面です。ここに大量の小さな突起が存在しています。これは表面積を広げるために進化した結果であり、腸壁の表面積はテニスコート1面分とまで言われています。
さらにその腸壁の上にびっしりとコケのように生息しているのが腸内細菌です。100~1,000兆個、重さにして1~2 kgの腸内細菌が生息しており、その数は細胞の数の10倍にあたるほどの量です。

これら腸内細菌は、善玉、悪玉、日和見の3種類に分かれます。日和見は状況次第で善玉的にも悪玉的にも働く細菌です。
余談ですが、この3つの分類は人間が人間の都合で勝手につけただけの分類です。また悪玉菌が本当に悪さをしているかは誰も分かりません。これまで発見されたことを総合的に踏まえると人間に都合の悪いことを多くしていそうなのが悪玉菌というだけです。腸内細菌の研究はまだ超初期段階であり、この勢いで研究が進めば数年内には腸内細菌界の下克上が確実に起こると私は思っています。
話を戻します。腸内細菌を考える上で重要なのはこの3種類のバランスです。善玉が多すぎても、悪玉が少なすぎても、望ましくありません。これは学校のクラスに例えると理解しやすいかもしれません。学校で新しいクラスが出来てしばらくすると、優等生グループ、不良グループ、その他大勢の3つのグループが自然と出来上がります。ここで仮に不良グループが全員退学しても、しばらくすれば優等生が悪知恵を働かせたり、日和見として影を潜めていた生徒が不良化したりして、不良グループが再結成されます。腸内細菌も人間も同様です。悪玉菌を排除しようとするのではなく、3つのグループが共存できるような状況を作ることが賢い腸活です。
具体的には善玉菌の補充が得策です。現代人の食生活は糖質過多になる傾向があります。糖質は悪玉菌の好物であり、意識せずに食事していると自然と悪玉菌が勢いづきます。そのため増殖した悪玉菌とバランスを取るために、発酵食品等からの善玉菌を意識的に補充することが重要になるのです。そしてそのことを裏付けるように、日本同様、善玉菌豊富な発酵食品が世界各地の伝統食に組み込まれています。

腸が果たす重要な役割
腸は人間が生きていく上で非常に大切な役割を担っています。

1. 栄養吸収
我々が食べた物は口を含む消化器官で物理的、化学的に粉々に粉砕されます。これが消化です。そして消化された食事が腸壁を通り抜け、体内に取り込まれます。これが栄養吸収です。逆に消化不良の食事は腸壁を通り抜けられず、排泄されます。つまり、どれだけいい食事をしたとしても、消化されない食事は無意味に終わってしまいます。また無意味なだけでなく、大きな粒として腸壁にぶつかることで腸壁を傷めます。これが続くと、腸壁がボロボロ・スカスカの状態になります。

2. 防御壁
このように腸壁がボロボロ・スカスカになってしまうと二つ目の役割を担えなくなってしまいます。その役割とは、病原菌や消化不良の食事を跳ね返す防御壁の役割です。ちくわに例えた腸管ですが、ちくわの穴の中は身体の外です。練り物の部分が身体の中、その境界線が腸壁です。つまり腸壁がボロボロ・スカスカになれば、外から不要なものが入りたい放題になってしまい、食品アレルギー等の様々な不調の原因になります。

3. 神経伝達物質作り
腸が担う3つ目の役割は神経伝達物質の産生です。脳は神経伝達物質を介して、全身に指令を出します。神経伝達物質の多くは腸で作られています。例えば、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの9割近くは腸で作られます。腸壁がボロボロ・スカスカではセロトニン生成もままなりません。これが腸内環境の乱れが精神疾患や自閉症等の原因とも言われている所以です。

急速に見直され始めた腸内細菌の重要性

腸内細菌も重要な役割を担っています。

1. 食物繊維の消化
人間の消化液では食物繊維を消化できません。食物繊維は腸内細菌が消化しています。裏を返せば、腸内環境の整っていない方は食物繊維を消化できず、むしろ未消化の食物繊維が腸に留まり、腐敗したり腸壁を傷めつけたりしてしまいます。食物繊維にはいいイメージがありますが、腸内環境が整わないうちは、食物繊維の摂取は控えめにしておいた方が賢明です。

2. 栄養作り
脂肪酸やビタミンK、ビタミンB群は腸内細菌が作ります。脂肪酸やビタミンK、ビタミンB群は動物性食品に多く含まれます。そのため動物性食品を取らないベジタリアンやビーガンの方は、これら栄養素の摂取を腸内細菌に頼らなければなりません。しかし仮にこういった方の腸内環境が乱れているとその栄養作りも期待できなくなってしまいます。動物性食品も含めたバランスよい食事を私がおすすめする理由の一端はこういったところにあります。

3. 免疫サポート
まず腸内細菌が壁の役割を果たし、病原菌などが腸壁から体内に忍び込むのを防いでくれます。また白血球や身体の抗菌物質作りを助けたり、白血球が抗体を生成するのを助ける働きも担っています。
上記は腸内細菌が担っている代表的な役割です。腸内細菌に関する研究はまだ始まったばかり。腸内細菌の新しい役割が日々報告されています。

腸活しやすい国、アメリカ

腸活の目的や腸や腸内細菌の重要性をご説明しました。少し込み入った内容もあったと思いますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
これらを踏まえて、なぜ米国が腸活しやすい国なのかを解説します。

1. グルテンフリー、カゼインフリー、ソイフリーが浸透している
消化不良の食事は腸壁を傷めます。しかしながら、現代人は胃酸分泌が不足傾向な上に、食事にかける時間も限られているため咀嚼が不十分で、これが消化不良をさらに助長します。
消化不良になりやすく腸壁を傷めやすいのがグルテン、カゼイン、レクチンです。それぞれ小麦、牛乳、大豆に含まれるタンパク質です。そのため腸壁への負担を軽減するためには、これらタンパク質の摂取を控えることが求められます。
米国の食品業界はこういったニーズに対応できています。スーパーマーケットにはグルテンフリー、カゼインフリー、ソイフリーの食品が多く陳列され、多少値が張るものもありますが、健康意識の高い消費者の強い味方になっています。
ちなみに小麦、牛乳、大豆はいずれも、発酵食品として摂取すれば腸壁への影響を抑えられます。なぜなら発酵過程ですでにこれらタンパク質の分解が進むためです。例えば長時間の発酵工程を経たサワードウブレッド(Sourdough Bread)やヨーグルト(Yogurt)、味噌(Miso)など。昔ながらの製法により時間をかけて作られたものが重宝される理由の一つです。
* グルテン、カゼイン、レクチンなどに対する消化力の強さには個人差があります。一般的に日本人はグルテンやカゼインの消化力が低いと言われています。

発酵食品が豊富

手軽に多様な発酵食品が手に入るのも米国ならではです。食品スーパーには多くの商品が並んでいますし、ファーマーズマーケットに行けば手作りのこだわり発酵食品を簡単に手に入れられます。
日本を含むアジア系の発酵食品の代表例としては、味噌(Miso)、納豆(Natto)、ぬか漬け(Japanese Pickles)、キムチ(Kimchi)など。最近はインドネシアの伝統的な大豆発酵食品であるテンペ(Tempeh)も比較的簡単に手に入るようになりました。
西洋の発酵食品といえば、ヨーグルト(Yogurt)、ケフィア(Kefir)、ザワークラウト(Sauerkraut)、ピクルス(Pickles)、コンブチャ(Kombucha)など。日本だと高価なものも多いためぜひ米国生活中に試してみてください。

(Photo from flickr; Kombucha, Kefir)

良質なサプリメントが手に入る

サプリメントの品質の高さも米国の特徴です。米国ではFDA(米国食品医薬品局)が厳しい製造管理基準を規定しており、基準を満たさない商品を販売することは許されません。一方、日本ではサプリメントに米国レベルの厳格な基準は課されず、あくまで製造元の自己責任による管理に留まっています。もちろん全ての日本製サプリメントが米国製に比べて劣っているとは思いませんが、平均的な品質は米国製の方が高いと思います。
腸活に活かせるサプリメントは2種類あります。一つはプロバイオティクス(Probiotics)。腸内細菌そのものです。また、腸内細菌のエサとなる“プレ”バイオティクス(Prebiotics)が含まれる商品も多くあります。プロバイオティクスの商品数は年々増えており、含まれる腸内細菌の数や種類、胃酸の影響を受けないような特殊カプセルの使用有無などによって価格も千差万別です。
もう一つの腸活向きサプリメントは胃酸(Hydrochloric acidまたはHCL)のサプリメントです。胃酸不足は現代人の特徴です。特にストレスフルな時期などは胃酸分泌がさらに弱まります。胃酸不足だと消化不良は必至です。
例えば、逆流性食道炎(いわゆる胸やけ)の方は胃酸不足を疑いましょう。逆流性食道炎は胃酸の出過ぎが原因であると考えている方がいらっしゃいますが、多くの場合はその反対です。胃酸不足で消化に時間がかかり胃の中に残り続けた食事が、なんらかのきっかけで食道に逆流した際に食道壁を傷めているケースが大半です。
サプリメントを常用すると、本来身体に備わっている消化力自体を弱めてしまう恐れがあります。そのためサプリメントの常用はおすすめしません。しかし一時的な消化力の補完目的であれば、胃酸のサプリメント利用も賢い選択です。
サプリメントの種類が多すぎてどれを選んだらよいか分からないという方はお気軽にご相談ください。

防腐剤を控えた生活ができる

ファーマーズマーケットやローカル食品が身近であることも腸活向きです。なぜなら防腐剤の摂取量を抑えられるからです。
防腐剤は食品を新鮮に保つためにとても有効な添加物です。しかし腸活のためには決して大歓迎できるものではありません。防腐剤は細菌の繁殖を抑える効果があります。つまり善玉菌の繁殖も抑えてしまうということです。
現代生活を送る上で防腐剤をゼロにすることは非常に困難です。しかしファーマーズマーケットの野菜や果物には通常、防腐剤は使われていません。またローカル(Local)の表示のある野菜であれば、運送時間が限られるため、使われる防腐剤の量も抑えているはずです。これらの生鮮食品を優先的に購入することで、防腐剤摂取を最小限に抑えましょう。

番外編:体操でも腸活

私の友人であり、日本における健康経営サービスのビジネスパートナーでもある、パーソナルトレーナーの千本さん(通称:忍者先生)が腸活体操を考案なさいました。こちらのYouTube動画
でご覧いただけます。
冗談のように見せかけたとても奥の深い体操です。ご興味ある方は体操による腸活も試してみてください。

試して欲しい食材:テンペ(Tempeh)

今日ご紹介するのはインドネシアの伝統的な大豆発酵食品であるテンペです。最近ではベジタリアン/ビーガンレストランなどで見かけるようになりました。しかしベジタリアン/ビーガンでなくても美味しく手軽に楽しめる発酵食品です。

(photo from Wikimedia Commons, flickr)
食べ方は様々ですが、炒め物の具にしたり、トースターで焼いて焼餅のように食べるのも美味しいです。お子様にも食べやすい食材だと思います。ぜひお試しください。
その他、腸活向けには過去記事でご紹介した発酵食品のザワークラウトやボーンブロスも効果的です。ぜひ合わせて活用してみてください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。

21 days 体質改善チャレンジのLINEアカウント

21 days体質改善challengeの公式LINE@アカウントを作成しました、当プログラムを共同運営している関由佳医師とともに日々発信しています。当プログラムの開催予定や参加者の声に加え、LINE@限定ギフト企画やSNS等では明かさない情報も発信しています。皆さまのご登録をお待ちしています!


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第15回「米国でも出来る、体質改善10箇条」Part4

これまで3回に渡り、体質改善10箇条を9つ目まで解説してきました(過去記事:1~3条、4~6条、7~9条)。

1.大切なのは食材バランス。カロリー・体重を気にしない
2.毎日、最低一杯のお味噌汁
3.毎回、両手分のお野菜と片手分のタンパク質
4.穀物・イモ類・根菜は、グーの量を添え物程度に
5.オリーブオイルやナッツオイルを積極利用
6.食べる順は汁物、野菜、タンパク質。 穀物・イモ類・根菜は食事の後半
7.よく噛んで腹7-8分目
8.間食も食事の1つ
9.水分摂取を欠かさない

今回がとうとう最終回。10箇条の10個目をご紹介します。
何を食べるかという話は1~5および8、9でお話ししました。食べるものが整えば、栄養の偏りが解消され代謝負担も減るため、原因不明の症状がいつの間にか消えたり、発症しなくなります。
ただし、これだけでは道半ば。どんなにいいものを食べても、食べ方を間違うと全て無駄になってしまいます。食べ方を説いたのが6と7。身体への負担を考慮した食べる順番や、食べた物を物理的・化学的に粉々にする食べ方を取り入れると、食べたものがきちんと私たちの身体やエネルギーになってくれます。
この食べ方にもうひとつ追加したいのが、今日お伝えする10箇条目です。そして実は番外編としての11箇条目が隠されており、非常に重要なこの内容も今回お伝えします。
体質改善10箇条の概要や実践時の留意事項は第12回の「体質改善10箇条とは?」をご参照ください。

をご参照ください。

10. 食事を楽しむ。一度の乱れは気にしない。次が大事、次から戻す。

何を食べるべきかという話をしていると、「そんな食事は楽しくない。楽しくない食事をするくらいなら病気になったほうがいい。」という方がいらっしゃいます。もちろん私も同感です。楽しくない食事はしたくありません。
こんな方もいます。「好きなものしか食べていないあの人があんなに元気なのに、いろいろ気を付けている自分がどうして病気がちなんでしょう?」と悩む方。実際にそういう例はときおり見掛けます。例えば世界最高峰の資産家であり、88歳になる現在も投資業界のトップに君臨するウォーレン・バフェットさん。この方はチェリー・コークを愛飲し、マクドナルドを朝食の定番メニューにしています。ファストフード中心の偏食傾向が健康を阻害することは、科学的にも、人間の食物史的にも実証されています。しかしそれでも、なぜこういった例外ケースが生じるのでしょうか。
その答えの鍵が食事を楽しむということ。身体の仕組みを考えても、食事を楽しむことはとても大切なんです。食事を楽しむと自律神経のバランスが整い、健康体を維持しやすくなるのです。

神経システムと食事の深い関係

自律神経とは心拍や呼吸、ホルモン分泌等の調節を行っている神経システムで、交感神経と副交感神経に分けられます。この二つのバランスが保たれていると、身体の内部環境が整い、病気になりにくくなります。

交感神経系はストレス状態で優位になる神経系で、「闘争か逃走の神経」とも呼ばれます。狩猟時代の人類は常に、野生動物から襲われるリスクと隣り合わせで生きていました。そしていざ危機に瀕したら、闘争か逃走を判断し、全力をそのために注ぎました。全身に大量の酸素や栄養素を送りこむために血管を収縮させ、エネルギー源である血糖を増やしたのです。一方、悠長にご飯を食べている場合ではないので、消化や排泄系の機能は抑制されます。
安全圏に身を置き、リラックスしているときに優位になるのが副交感神経系。血管の緊張を緩め、エネルギーをセーブするために血糖値は低めに保たれます。身体を新鮮な状態に保つためのデトックス機能も高まります。そして、この間に栄養や糖を蓄えておくために消化系機能が活発にさせるのです。
つまり、副交感神経が優位な状態でないと消化吸収が進まないということ。言い換えれば、楽しい食事でないと食べた物の消化が進まず、消化不良の食べ物が胃腸に滞留し、場合によっては腐敗してしまいます。これが逆流性食道炎(いわゆる胸やけ)に代表される胃腸の不調につながるのです。

副交感神経優位な食生活を送るには?

ではどうやったらリラックスして、消化力高く食事できるのでしょうか。コツは3つあります。

1つ目は80点主義。10箇条を完璧に1日3食×365日継続できる人はいません。完璧主義を目指すことはできますが、それがストレスになって消化吸収が進まないのでは全く意味がありません。それよりは、20%くらいは好きなものを存分に楽しみながら、羽目を外しすぎないように80%を維持するのが賢明な判断です。週に21食。そのうち4-5食は好きなように食べれると考えれば、10箇条実践はさほど難しいものではありません。

2つ目のコツは「どっちがいいかな?」。10箇条を完全に実践したいと思っても、自分にコントロールできない状況はあります。例えば、見ず知らずへの出張で夕飯が遅くなり、近くで開いているのはDinerが1件というケース。そんなときは、そのDinerのメニューを見て、その中で食べたいと思うもの(楽しく食事できるもの)をいくつか選び、その中で10箇条に最も合致しているものを選んでください。つまり与えられた環境下で最善を尽くすということ。避けたいのは無理に夕飯を抜いたり、となり街にまで出かけて行って寝不足になることです。

3つ目のコツは終わったことは悔やまないこと。罪悪感を引きづったり、言い訳するのは止めましょう。どんな結果であれ、食べると決めたら食べて、次をことを考えましょう。仮にそれで体調を崩したら、また一つ賢くなったとお考えください(実際そうなので!)。

完璧主義は自律神経的にも、継続性という点でも逆効果です。ぜひ80点主義を自分のものにしてください。

なお、症状次第では一定期間(数ヶ月から数年)、完璧主義を徹底しなければならないケースはあることはあります。その場合は一時的に80点主義を中断し、(そして回復後に80点主義に返り咲くことを夢見ながら)症状回復に100%注力してください。

番外編:食材品質

世の中にあふれる栄養関連情報の9割近くは、個々の栄養素や食材の種類の話に終始しています。「知られざる葉酸パワー」「低糖質ダイエットで痩せるワケ」「脂肪は身体にいいのか、悪いのか」「次に来るスーパーフードはコレ!」など。
しかし食生活を考える上で忘れてならないのは、食材の質。良質な食材さえ揃えていれば、食材の種類はさほど問題ないとすら考えています。事実、食生活をどうしても変えたくないという頑固な方に最後に提案するのが食材の質だけ向上してもらうこと。実際、それだけでも一定の効果が得られます。
下記が品質面で懸念のある食品です。これらは取り過ぎないことを心がけてください。

過度に加工された食品
現代生活者のニーズに応えるため、大量の加工食品がスーパーマーケットに並んでいます。これら食品無しに現代生活が成り立たなくなっているのは事実。そして、これら加工食品を利用することは私もあります。
しかしながら、加工処理の過程で食材が本来持っている栄養素や酵素が失われるのも事実です。人工的に作られた栄養分が補填されることもありますが、残念ながら天然の栄養素と同様には代謝されず、場合によっては身体に余計な負荷をかけることにもなりかねません。
安全性も気になります。相次ぐ食品汚染のニュースを見ていると、加工食品の安全は消費者の判断に委ねられていると言っても過言ではありません。しかし加工食品であるがゆえ、何が中に入っているのかを商品から推測することは非常に難しく、原材料ラベルからも一定範囲の情報しか得られません。

見慣れない原材料の多い食品
原材料ラベルをご覧になったことはありますか。そこに記載されたものがご自宅のキッチンに置いてあるようなものばかりであれば、その商品は概ね安心です。逆に、ご自宅のキッチンで一度も見かけたことがないようなもの、もしくは、そもそもそれが何か分からないようなものが多く記載されていたら、要注意です。非常に高い確率でそれは食品添加物でしょう。
食品添加物は一長一短あります。現代生活を可能にしている一人の立役者であることは確かです。特に都市生活者が無理なく3食食べられるのは、食品添加物のおかげです。
しかしながら、食品添加物の安全性はいまだ完全には確認されていません。食品添加物の認可は動物実験の結果だけでも足りてしまいますし、その実験も一定の条件下における結果でしかありません。また複数添加物が混合した場合の影響はほとんど検証すらされていません。ハーバード大学やロックフェラー大学における研究生活を経て、現在は青山学院大学教授である世界的な生物学者、福岡伸一さんも「食品添加物は微量であっても体内の動的平衡に負荷をかけることになり、長期的に摂取し続けることは壮大な人体実験をしているようなもの」と警告しています。

食品購入も投票と同じ
上記のような食品をゼロにする必要はありません。ただし別に選択肢があるなら、上記に該当しない良質なものを選んでください。時として倍以上の価格差があるかもしれませんが、値段にすれば数十ドル程度。外食を一度控えれば、まかなえる金額です。
購買活動は投票と同じ。良質なものを購入すれば、その商品の流通量が増え、結果的に良質のものが安価に入手できるようになります。出来る範囲から少しずつ始め、ご自分の手で理想の食品流通を手に入れてください。

あとは実践あるのみ!
以上が体質改善10箇条+番外編です。すぐにも出来そうなものから、すぐには難しそうなもの、内容に納得のいかないものまであったと思います。あくまで私の信じる10箇条ですので、すべての方に10箇条全てに賛同していただけるとは思っていません。
ただ一つでも賛同し、やってみようかなと思えるものがあれば、ぜひ今日から始めてみてください。そして日々の体調や精神状態にどんな変化が生じているかを感じてみてください。その繰り返しが自分だけの最適食を見つける一番の近道です。

※体質改善10箇条は一般的な体質改善を目的としています。疾病の治療等は目的にしておりませんので、予めご了承ください。

試して欲しい食材:ハーブチンキ(Tincture)

今回は最近私がハマっている飲み物をご紹介します。ハーブチンキで作るフレーバー・ティーです。ハーブチンキとは、ハーブをウォッカなどのアルコールに漬け込んで成分抽出したものです。英語だとTinctureと言います。
飲み方はいたって簡単。ゆるま湯にハーブチンキを1~2滴たらすだけ。ハーブの効果が凝縮しており、持ち歩きも簡単。ティーバッグ等と違い、ゴミも出ません。
AmazonやWholeFoodsでも簡単に購入できます。種類が多いので迷ってしまいますが、私のお気に入りは以下の3つです。

•シナモン:抗酸化作用や抗炎症作用があります。甘いものが欲しくなったときに飲むと、食欲を抑制することができます。
•ジンジャー:免疫強化の作用があります。風邪の引き始めに飲むと症状が和らぎます(消すわけではないのがポイントです!)。
•レモンバーム:香りがよくリラックスできます。
ぜひお試しください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。

21 days 体質改善チャレンジのLINEアカウント

21 days体質改善challengeの公式LINE@アカウントを作成しました、当プログラムを共同運営している関由佳医師とともに日々発信しています。当プログラムの開催予定や参加者の声に加え、LINE@限定ギフト企画やSNS等では明かさない情報も発信しています。皆さまのご登録をお待ちしています!



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第14回「米国でも出来る、体質改善10箇条」Part3

体質改善10箇条の1~3および4~6はお試しいただけましたか。

1.大切なのは食材バランス。カロリー・体重を気にしない
2.毎日、最低一杯のお味噌汁
3.毎回、両手分のお野菜と片手分のタンパク質
4.穀物・イモ類・根菜は、グーの量を添え物程度に
5.オリーブオイルやナッツオイルを積極利用
6.食べる順は汁物、野菜、タンパク質。穀物・イモ類・根菜は食事の後半

1~3をお知らせしたのが4か月前。そのころから続けていたらすでに身体にしみこみ、体調のよさも当たり前になってきているはずです。食材バランスを意識した食事や味噌から得られる多様な栄養素のおかげで、栄養の偏りが解消され、疲れにくくなる、慢性症状が和らぐ、という効果をお感じのはずです。
また4~6を実践いただいた方も2ヶ月とは言え、大きな変化があったでしょう。最も顕著なのは食後のだるさや気分のムラの減少です。これは血糖というエネルギー源が安定的に供給されるようになったために起きた現象です。
身体の変化に敏感になればなるほど、自分に合った食生活、さらには運動や休息といった他の生活習慣を主体的に考え実行できるようになります。今後もぜひ継続していってください。
本稿では体質改善の7~9を解説します。これまでの6項目に比べると格段に取り組みやすい内容です。未着手の方はこの3つから始めましょう。そしてご家族やご友人も巻き込んであげてください。

体質改善10箇条の概要や実践時の留意事項は前々稿の「体質改善10箇条とは?」をご参照ください。

7. よく噛んで腹7-8分目

「よく噛んで食べなさい!」と言われて育った方も多いでしょう。私もその一人です。しかしなぜよく噛まないといけないのかをきちんと理解できていませんでした(おそらく母も)。食べ物に感謝の意を表すためにゆっくり味わって食べる。それが理由だと思っていました。それは間違いだとは思いませんが、栄養療法的な大切さもあります。
よく噛む理由は食べた物からの栄養を完全に吸収するためです。食べ物の消化吸収は口に始まり、胃を介して、腸で完了します。口の中で咀嚼され物理的にこなごなにされ、胃酸等の消化液で化学的にも分解され、腸壁を通り抜けて吸収されます。消化の最初の一歩が咀嚼ですので、これを不完全に終えると正常な消化吸収は見込めません。物理的に大きなブロック状態の食べ物は消化液では分解しきれず、腸壁を通り抜けられないからです。結果、仮にいい物を食べても、排泄されるだけです。
これだけなら栄養(とお金も!)が無駄になるだけですが、実はそれ以上のダメージがあります。未消化の食べ物が胃や腸に留まり、腐敗し、膨満感やガスの原因になります。その食べ物が逆流すれば逆流性食道炎(胸やけ)の原因にもなります。余談ですが、逆流性食道炎は多くの場合、胃酸過多ではなく、消化不良の食べ物が逆流したことにより起こります。
さらに腐敗した食べ物や消化不完全な食べ物が腸壁を傷め、免役力を下げます。なぜなら、本来なら腸壁を通り抜けられない病原菌や毒素が傷んだ腸壁を通り抜けてしまうからです。これが現代人に蔓延している「リーキーガット(Leaky Gut)」という症状です。加えて腸内環境バランスも乱すため、食物繊維が分解できず便秘の原因になるほか、脂肪酸やビタミンB群等の栄養素も生成されなくなってしまいます。咀嚼が不十分であることは、その先にあるすべての消化器官の不調を引き起こしてしまうのです。 では十分に噛むとはどの程度でしょうか。私は最低20回をおすすめしています。一口が大きい方は30回、野菜や肉などの消化負担の大きい食べ物も30回程度は噛むようにしてください。食べ物を口に運んだらお箸やフォークをテーブルに置くのがコツです。お箸やフォークを持っていると噛み終わる前からついもうひと口足してしまいますからね。 満腹量は7~8分目を目安にしましょう。実際にお腹に入っている量を脳が感知するまでに多少のタイムラグがあります。つまり「お腹いっぱい食べた」と思った時にはすでに「お腹以上に食べている」のです。
7~8分目の量は人それぞれです。身体の大きさに比例すると思われがちですが、実際はそうでもありません。身体の大きさに惑わされず、自分の感覚を信じて、自分なりの7~8分目を見つけてください。よく意識を向ければ誰でも分かります。

8. 間食も食事の1つ

忙しい現代生活で1日3回の食事を理想的に摂るのは簡単ではありません。簡単な朝食で一日を始め、限られた時間でランチを終え、疲れて帰ってから用意する夕飯には限界があります。結果的に簡単に用意できる食材や調理法、外食に頼ることになり、栄養バランスは崩れる一方です。
おやつは栄養バランスの偏りがちな現代生活において、栄養バランスを整える絶好の機会です。ご褒美としてのおやつも必要でしょう。しかし毎日おやつを食べるのであれば、それはご褒美ではなく、食事の1つです。ご自分の食生活の傾向を振り返り、不足しがちな栄養素をおやつで摂るように心がけてください。
一般的な傾向として、不足しがちなのはタンパク質と脂肪です。パンやおにぎりなどの炭水化物は手軽で持ち運びしやすいため、どうしても朝昼晩の食事で多くなりがちです。またランチはサラダだけという方も多くいらっしゃいます。その結果、不足するのはタンパク質と脂肪です。
タンパク質は身体を作る主原料です。代謝機能を助ける代謝酵素、身体を病原菌から守る抗体、酸素を全身に運ぶ赤血球、組織間コミュニケーションを統制するホルモン。全てタンパク質であり、タンパク質無しに身体は成り立ちません。
脂肪も身体作りに必須です。脳の6割が脂肪です。脂肪無しに頭脳労働を支えられません。細胞膜は多様な脂肪によって、そのしなやかさが維持されます。そして脂肪はとても燃費のいいエネルギー源です。脂肪の種類にもよりますが、脂肪1分子から生成されるエネルギー量はブドウ糖の約4倍です。
ではタンパク質や脂肪を補ってくれるおやつとはどんなものでしょうか。一番のおすすめはゆで卵です。携帯性もよく、私のカバンにも毎日、ゆで卵が一つ入っています。小魚スナックやビーフ・ジャーキーもタンパク質補給に向いています。アボカドは良質な脂肪が豊富です。切って、塩をかけるだけで立派なおやつになります(塩はSea Saltを使いましょう)。
意外かもしれませんが、飲み屋のおつまみメニューもおやつに最適です。例えば、もろきゅう。味噌はアミノ酸(タンパク質の分解生成物)が非常に豊富です。味噌だけを買い置きしておけば、いつでもどこでも簡単に作れます。漬物、特にぬか漬けは腸内細菌を補充し、腸内での脂肪酸生成を助けてくれます。前日に時間があれば枝豆を用意しておくのもいいですし、臭いが許されるなら納豆もいいですね。 一度始めるとどれも病みつきになります。栄養補充としてのおやつをいろいろと試してみてください。

9. 水分摂取を欠かさない

最も基礎的な栄養素、それは水です。水こそが最高の天然セラピーです。人間の身体の55~60%は水で出来ています。食べ物がなくても8週間くらいは生きられますが、水無しでは数日しか生きられません。宗教的行事としての断食は多く見られますが、水まで断つ宗教は限られています。
水は身体の中で非常に多くの役割を担っています。栄養や酸素を運ぶのは水分ですし、毒素や老廃物の排出も水分です。細胞の構成要素として水分の占める割合は大きく、水分が不足すると関節などを健康に保てなくなります。
アメリカでは水分補給への意識が年々高まっていると感じます。ウォーターボトルの種類も豊富で、意識の高い方は金属製やBPAフリーのプラスチック製のものをよく使っているようです。例えばこちら。私はガラス製のものを愛用しています。
水分補給はとても効果的なダイエット法でもあります。好きな言葉の一つが「You are not hungry. You are just thirsty」。おなかが減ったら水を飲んでみてください。不思議と食欲がおさまります。
残念ながら水分補給の重要性は十分に広まっていません。水分補給が不足して、倦怠感を感じたり、頭痛になっている方がいらっしゃいます。イラだったり、逆にふさぎ込んだりする方もいらっしゃいます。水分摂取がさらに不足すると、関節や背中の痛みなども引き起こします。そして体内の水分が必要量の90%を下回ると死に至ると言われています。

ではどのくらいの水分を摂ったらいいのでしょうか。少なくとも体重(kg)に20をかけた量(ml)は摂るようにしてください。例えば、65 kgの方は65に20をかけた1,300 mlが必要な水分の最低量です。発汗の多い季節やコーヒーやビール等の利尿作用のあるものを飲んだときはその分も補填してください。最低量でもちょっと多いなと感じた方は、生活ルーチンに水を飲む習慣を足してみてください。例えば、朝起きてコップ1杯、ひと仕事終えたらコップ1杯、お風呂の後にコップ1杯、就寝前にコップ1杯。これだけで1日の最低摂取量の半分近くには達するはずです。
水分摂取で気をつけたいのがその飲み方。がぶ飲みは止めましょう。身体が一度に吸収できる水分量は100 ml程度。少しずつ口に含みながら、頻繁に飲むのが理想です。水分摂取を増やしてトイレの回数が異様に多くなった場合はミネラル不足が疑われます。Sea Saltなどから意識的にミネラルを摂るようにしましょう。

本稿では体質改善10箇条の7~9をご紹介しました。前稿の1~6と合わせ、できそうなものからで結構ですので、皆さまの食生活に取り入れてみてください。

※体質改善10箇条は一般的な体質改善を目的としています。疾病の治療等は目的にしておりませんので、予めご了承ください。

試して欲しい食材:サツマイモ(Sweet Potatoes)

サツマイモを知らない日本人はいないでしょう。しかし多品種のサツマイモを試している方が意外に少ないとカウンセリング等から感じます。
米国の食品スーパーに行くと大抵、中が黄色・白・オレンジ・紫の4種類のサツマイモを見かけます。中の色は外皮の傷ついている部分を見れば分かります。日本でおなじみの黄色のサツマイモもJapanese Sweet Potatoとして売られていますが、それ以外も手軽に試せるのは海外生活ならではでしょう。
(中が黄色のサツマイモとひとくくりにしましたが、その中にも多くの種類があり、日本だと一般的なスーパーでも数種類は手に入ります、黄色のサツマイモ間の違いもご帰国時にお楽しみください。)

黄色のサツマイモに食感や甘みが一番近いのは白いサツマイモです。黄色のサツマイモより水分量が多いものもありますが、黄色のサツマイモの代替として十分に成り立ちます。Japanese Sweet Potatoの代用はこちらで。
オレンジのサツマイモ(Garnet Yam)は水分量が多めです。そのため焼いたり、蒸かしたりすると、べちゃっと水っぽくなってしまい、食感がよくありません。しかし、すり潰してスープにすると、その水分量がちょうどよく美味しく召し上がれます。甘みがしっかりしているのでお子様にも向いています。ショウガと一緒にスープにしたものは寒くなるこれからの季節に最適です。
紫のサツマイモは水分量が少なく、甘みも控えめです。また部分によっては苦みがあることもあります。個人的には黄色や白のサツマイモは甘みが強すぎると感じるので、あえて紫のサツマイモを購入して、焼き芋にしたりします。糖質制限中の方にはむしろ好ましいサツマイモとも言えますね。

(写真提供:WikimediaCommons, flickr)

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第13回「米国でも出来る、体質改善10箇条」Part2

前回、第12回でご紹介させて頂いた体質改善10箇条の1~3(下記)はお試しいただけましたか。
1.大切なのは食材バランス。カロリー・体重を気にしない
2.毎日、最低一杯のお味噌汁
3.毎回、両手分のお野菜と片手分のタンパク質
この3つだけでも一定期間継続すれば、体感できるほどの違いが出ます。食材バランスを意識した食事や味噌から得られる多様な栄養素のおかげで栄養の偏り/失調が解消され、疲れにくくなる、慢性症状が和らぐ、という効果が期待できます。
本稿では体質改善の4~6を解説します。これらも合わせて実践すれば、その効果はさらに大きく、より明確に出ます。頭がすっきりしたり、集中力が高まるという、パフォーマンスアップの効果も期待できます。ご本人はもとより、ぜひご家族でお取組みいただければ嬉しいです。

体質改善10箇条の概要や実践時の留意事項は第12回「体質改善10箇条とは?」をご参照ください。

4. 穀物・イモ類・根菜は、グーの量を添え程度に

主食と称される米、パン、麺類や、糖質の多いイモ類・根菜の合計摂取量は、片手のグーの大きさ程度に抑えてください。例えば、お茶碗に山盛り一杯のご飯を召し上がる場合は、イモ類や根菜を使ったおかずは避け、葉物野菜や肉類中心のおかずをお召し上がりください。逆に、煮物などでイモ類・根菜がふんだんに使われている場合、お米を控えるようにしてください。

これは過剰な糖質摂取に伴う低血糖や免疫異常を避けるのが目的です。人間が活動するためには糖が必要です。しかし過剰な糖は毒になりかねません。「日本人は炭水化物を多く摂取してきた歴史がある」と主張される方もいらっしゃいます。確かに炭水化物の割合は高かったかもしれませんが、食事の絶対量は現代よりも少なかったと推測します。3回の食事に加え、日に1~2回の間食が習慣化している現代において、1回の食事で摂取する炭水化物を控えるのは決して特別なことではないはずです。

糖質摂取に関しては、第8回「糖質制限はするべきか!?」や、第9回「疲れが抜けない、は立派な病気」も合わせてお読みください。

5. オリーブオイルやナッツオイルを積極利用

脂肪は3大栄養素の1つです。燃費のいいエネルギー源であるだけでなく、細胞膜やホルモンの原料でもあり、ビタミン吸収を助ける役割もある、人間に欠かせない栄養素です。言い換えれば、脂肪無しでは健康な細胞も、体内の情報伝達手段であるホルモンも作れず、身体が正常機能できません。

1970年代ごろから低脂肪信仰が広まり、脂肪=悪、という方程式が社会全体に根付いてしまいました。しかしこの考えが間違っていたことは近年の研究結果から明らかになっています。FDA(米国食品医薬品局)も、気を付けるべきは脂肪の量ではなく、脂肪の種類であることを認めています。

脂肪の種類は多岐に渡ります。バターやココナッツオイルに代表される常温でも固形の脂肪から、魚や植物に多く含まれ常温だと液状のサラサラしたオイルまで。またその中間で、常温でドロッとした状態のオリーブオイルやナッツオイルもあります。

大切なのはこれら脂肪/オイルを偏りなく摂取することです。なぜなら、それぞれの役割が異なるからです。例えば、細胞膜は脂肪で出来ています。これが常温でも固形の脂肪のみで作られてしまっては、柔軟性のない細胞膜になり、栄養素を細胞内に取り込むことができません。逆に、常温でサラサラなタイプの脂肪だけで細胞膜が作られたとすると、毒素や病原菌が細胞に入り放題のスカスカな細胞膜になってしまいます。そもそも細胞としての形状を維持できません。柔軟かつしなやかな細胞膜形成には多様な種類の脂肪が必要なのです。

偏りのない脂肪摂取を考えたときに重視すべきなのがオリーブオイルとナッツオイルです。なぜなら、一般的にこれら脂肪が不足気味なためです。ベジタリアンやビーガンの方を除けば、動物性脂肪はバターや肉類から一定量は摂取できています。サラサラの油は魚介類や豆類の消費が多い日本人なら一定量は摂取できています。したがって、オリーブオイルやナッツオイルのようなドロッとしたオイルを意識的に増やすことで、自然と摂取する脂肪の偏りが解消できるのです。

余談ですが、揚げ物などの高温調理には動物性脂肪(バターやギー※)または米油をおすすめします。なぜなら、これらは高温でも化学的に安定しており、体内吸収されたときの悪影響が少ないからです。一方、高温下で科学的に不安定になってしまうサラダ油などを高温調理に使用するのは控えましょう。身体の酸化を早めてしまい、老化や生活習慣病の進行を早めてしまいます。

※ギーは、インドを中心とした南アジアで古くから作られ、食用に用いるバターオイルの一種。

さて、ここからは「食べ方」に移ります。1~5のルールに則った食事を用意したとしても、食べ方によってはその効果が薄まってしまいます。せっかく用意した食事ですから、それを無駄にしないように食べましょう。

6. 食べる順は汁物、野菜、タンパク質。 穀物・イモ類・根菜は食事の後半

汁物がある場合はまず汁物に手を付けましょう。飲み干さなくていいので、最初のひと口を汁物にしてください。消化器官が湿ることで消化効率が上がります。また食品が消化器官に触れることで消化液の分泌が促進され、それ以降に食べるものをきちんと消化できるようになります。さらに温かい汁物であれば身体がリラックスし、消化効率があがります。汁物は固形物を流し込むためのもの、と勘違いしている方もいらっしゃいますが(私も以前はその一人でした)、汁物は汁物のみでゆっくりと飲むようにしてください。

次が野菜です。野菜を前半に食べる最大の理由は血糖値の上昇を和らげるためです。また、事前に野菜である程度お腹を満たしておけば、タンパク質や穀物などの食べすぎを防ぐこともできます。味覚という意味でも、サラダなどは葉物がしおれる前に召し上がった方が美味しいはずです。

その次が満を持して、お肉や魚のタンパク質です。タンパク質の消化には十分な胃酸が不可欠です。そのため胃酸分泌の不十分な状態でタンパク質を食べてしまうと、タンパク質を消化しきれずに栄養(アミノ酸)を取り込めなくなってしまいます。また未消化のタンパク質が消化器官で腐敗し、消化器官を傷つけ、悪玉菌の増殖も促してしまいます。こういったことを避けるため、汁物や野菜によって胃が刺激され、胃酸分泌が十分に高まった後半にタンパク質を食べ始めることをおすすめします。

最後が穀物やイモ類などの炭水化物です。この時点でお腹はほぼ満たされているはずです。そのため「グーの量の炭水化物」でも十分にご満足いただけると思います。おかずも大半は食べきっているので、「濃い味付けを中和するためのご飯」という必要もないはずです。仮に食べたとしても、野菜やタンパク質を事前に食べているため、血糖値の上昇が和らぎ、食後の身体のだるさや眠気を防止できます。

本稿では体質改善10箇条の4~6をご紹介しました。前稿の1~3と合わせ、ぜひできそうなものから、皆さまの食生活に取り入れてみてください。

※体質改善10箇条は一般的な体質改善を目的としています。疾病の治療等は目的にしておりませんので、予めご了承ください。

試して欲しい食材:ベリー類

(写真提供:Celeste Lindell, Max Pixel)

夏の果物と言えばベリーです。お馴染みのいちごから、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリーまで、米国では非常に多くの種類を簡単に手に入れることができます。 一粒食べるだけで甘みと酸味が口の中に広がるベリー類は夏のおやつに最適です。また甘さが控えめで血糖値が急上昇しないため、安心して量を食べられる数少ない果物の1つです。日本では高価なベリー類も米国では比較的安価に手に入れられますので、ヨーグルトなどを一緒に贅沢に食べてみるのも夏の楽しみです。

ベリーを選ぶ際は必ずオーガニックのものを選んでください。特にいちごは最も残留農薬の多い果物ですので、オーガニックのものを購入するか、ファーマーズマーケットで信頼できるベンダーの方から購入するようにしてください。 ドライフルーツも避けてください。生であれば血糖値上昇の少ない優秀な果物ですが、ドライフルーツとなると話が変わってしまいます。また夏場はドライフルーツにカビなどが生えやすい時期でもあります。ベリー類は生で召し上がることを強くおすすめいたします。

21 Days体質改善チャレンジプログラムのご紹介

ご紹介した体質改善10箇条の実践をオンラインサポートするプログラムを開催しています。日本で栄養療法を長年実践されてきた内科医の方との共同プログラムです。現在、期間限定のモニター価格で提供しており、リダックくらぶ会員様向けに更に20%の割引が適用になります。(詳細はこちらの特典ページを参照してください)。
完全オンラインでのプログラム運営に加え、米国東海岸時間や西海岸時間に合わせた開催も予定していますので、リダックくらぶの方は非常に参加しやすい内容になっています。
プログラムに関する詳細はこちらを参照してください

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第12回「米国でも出来る、体質改善10箇条」

暦の上では夏真っ盛り。薄着の季節になり、体型の改善・維持を意識なさっている方も多いのではないでしょうか。しかし一般的によいとされている体型が本当によいのかは疑わしいところ。そもそも最適な体型は人それぞれ。健康という観点から考えれば、体型よりも体質の方が重要。よい体質を目指した結果の体型が、その人の最適な体型と考えるのが自然でしょう。

私の考えるよい体質とは、気力・体力に優れた体質です。ただし「いつも元気いっぱい」が必ずしもいいわけではありません。むしろ不自然だとすら感じます。疲れたり落ち込んだりしてもすぐに回復できる柔軟性・耐久性、異常があれば発熱や炎症により早めに対処できる免疫性などが優れた体質の特徴です。

これまでの記事では、米国における食材の選び方やトレンド・ワードの解説、よくある症状への対処法といったテーマ別の内容をお伝えしてきました。そこで本稿からは、これらテーマを横断する形で、体質改善のためのより実用的な食生活の基礎をお伝えしたいと思います。

名付けて体質改善10箇条。誰にでも実践できる10箇条です。米国でももちろん実践可能です。気に入ったものだけでも結構です。ぜひ日々の食生活に組み込んでみてください。そして真の健康体に向けた食生活の探求に活かしてください。

体質改善10箇条とは?

個々の解説の前に、体質改善10箇条の概要や留意点をご説明します。

体質改善10箇条とは、その名の通り、よりよい体質になるための食生活のキホンです。当然ながら一人一人は異なりますし、食事はあくまで健康維持の一要素ですので(休息や身体の使い方なども大いに関係します)、この10箇条を実践するだけで最高の健康体を手に入れられるわけではありません。

しかし誰にでも共通するキホンはあります。そして、この共通項を実践するだけで、これまで多くの方が過去に経験したことがないほどの身体の軽さを感じていらっしゃいます。そんな共通項を、栄養療法を専門にしている内科医の方とともに10箇条に落とし込んだものが、この体質改善10箇条です。

誰にでも共通すると言っておきながら恐縮ですが、一部の例外はあります。まず食品アレルギーがある場合はその食材はいかなる場合もお控えください。加えて、食べ慣れない食材がある場合は少しずつ食べる量を増やしてください。また量を増やしていく過程で不調を感じた場合は、その食材の摂取をしばらく控え、念のため、医療機関や栄養療法の専門家にもご相談ください。さらに、通院中や他の食事療法を実践中の場合はかかりつけの医師や食事療法師にこの10箇条の実践について事前にご相談ください。

ではここから体質改善10箇条を一つずつ解説していきます。

1. 大切なのは食材バランス。カロリー・体重を気にしない

食事において最も大切なのは食材のバランスです。多様な食材をバランスよく摂ることが偏りのない栄養摂取につながるからです。逆にカロリーや体重を気にして食事すると、食材に偏りが出て、栄養が偏ってしまいます。

もともと偏った食事をしている方が、別の偏りのある食事に切り替えると、体調がよくなると感じることがあります。なぜなら、それまで不足していた栄養素を取り込めるようになるからです。しかし、しばらくすると新たなバランス喪失状態に陥り、この効果は長続きしません。長く続けられるよう、食材バランスを何よりも大切にしてください。

では食材のバランスとは具体的に何を意味するのでしょうか。肉、魚、野菜、穀物といった食材の種類はもちろんです。しかしこれ以外の見方もあります。

例えば色。赤、緑、黄色、紫といった多様な色の食材を使うことで、多様な栄養素を取り込むことができます。味も同様。甘さや辛さ、渋さなどの多様な味を出すためには多様な食材が必要になります。旬の食材を使うのも食材バランスを維持するのに効果的です。旬のものを食べ続ければ、1年を通して適切な食材バランスを実現できます。さらにお肉などは、部位の種類を広げることで栄養の偏りを防げます。例えば鶏肉を食べるにしても、手羽なのか、モモなのか、胸肉なのかで摂取できる栄養が異なります。

米国生活では、日本では珍しい食材にも日常的に出会うことができます。新しい食材に出会ったら積極的に取り入れ、食材バランスの向上に努めてみてください。

2. 毎日、最低一杯のお味噌汁

味噌汁は日本が誇る健康食の代表格です。味噌が持つアミノ酸や出汁に含まれるミネラル類に加え、具材を工夫することで本当に多様な栄養素を取り込むことができます。加えて、お腹を温める免疫効果や消化促進の効果も見逃せません。

味噌汁の具は豆腐、わかめ、貝類に限りません。カリフラワーやアボカド、ズッキーニ、トマト等、日本古来の野菜でなくとも美味しい味噌汁はいくらでも作れます。

出汁も、昆布や鰹に限る必要はありません。健康食として近年注目を浴びているボーン・ブロス(動物の骨でとったスープ)を味噌汁の出汁に使うことも可能ですし、試してみた方のほとんどに気に入っていただけています。実際、Miso Bone Brothが定番メニューになっている人気レストランもニューヨークにあります。

味噌の種類も、色(赤、白など)、麹の種類(麦、豆、米など)、味(甘口、辛口など)など多様です。慣れ親しんだ味噌をつい選びがちですが、米国に来たらどれも母国の味。日本で食べるのとは一味違った味わいがあると思います。日本に居るころは試さなかった新しい味噌もぜひトライしてみてください。

味噌(Miso)は日系スーパーでなくとも比較的簡単に手に入ります。良質な味噌はむしろ米国ブランドであることも多く、Whole Foodsなどの高級食品スーパーで手軽に見つけることができます。自宅近所のファーマーズ・マーケットでは、日本ですら入手困難なくらいの昔ながらの製法で作られた米国産味噌が手に入ります。米国にいる間に、ぜひローカル味噌も試してみてください。

3. 毎回、両手分のお野菜と片手分のタンパク質

「1. 大切なのは食材バランス。カロリー・体重は気をしない」を実践する上で参考にしていただきたい野菜/タンパク質/炭水化物の分量目安をお伝えします。

まずお野菜は両手の平に山盛りになる量(生の状態での分量)を毎食摂るようにしてください。毎食が難しければ、一日で最も大きな食事でこの量を目指してください。少し量が多いなと感じるかもしれませんが、生でなければ量はそれほど多くありません。スープや炒め物に入れたり、漬物を上手に使えば、無理なくこの量を召し上がれます。

ただし気を付けていただきたいことが二つあります。一つは野菜の種類。ここに糖質の多いイモ類やカボチャ、トウモロコシなどは含まれません。含まれるのはそれ以外の野菜。例えば、キャベツやレタスなどの葉物野菜、カリフラワー、ブロッコリー、アスパラガス、ナス、キュウリ、ピーマン、トマト、ズッキーニなどです。これらを十分に摂ることで、血糖値の上昇を抑制でき、食べすぎも防ぐことができます。つまり意識せずとも緩めの糖質制限ができます。

気を付けていただきたい二つ目は調理法です。胃腸、特に腸内環境に不安のある方は調理していない状態、つまり生の野菜を大量に召し上がるのはお控えください。人間は野菜に含まれる食物繊維を消化できません。食物繊維を消化するのは腸内細菌です。しかし腸内環境が乱れていると、食物繊維が消化不良の状態で腸にとどまり、腸を傷めてしまいます。お腹を下し気味であったり、便秘気味の方はこの傾向が疑われます。食後に腹部の膨満感を感じる方も疑いありです。こういった方は生野菜は控えめにして、発酵食品から野菜を摂るようにしてください。日本であればぬか漬け、米国であればザワークラウトなどです。これらの食品は発酵過程で食物繊維の消化が進むため、食べたときの腸への負担が軽くて済みます。

タンパク質(肉、魚、卵など)は片手にのる量を目安にしてください。重量にして100g前後。日本の定食屋さんにある焼き魚定食や焼肉定食などのメイン料理の量のイメージです。糖質制限が広まったことでお肉を大量に召し上がる方も出てきました。減量目的であればお肉を大量摂取しても問題ありませんが、消化負担はありますので、日常的には片手の量を目安にしてください。

本稿では体質改善10箇条の最初の3つをお伝えしました。全てでなくても結構です。できそうなものから、皆さまの食生活に取り入れてみてください。

※体質改善10箇条は一般的な体質改善を目的としています。疾病の治療等は目的にしておりませんので、予めご了承ください。

試して欲しい食材:Rhubarb(ルバーブ)

赤いセロリのような野菜を見たことはありませんか?または、パイの具材として”Rhubarb(ルバーブ)”という言葉をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
これはルバーブと呼ばれる野菜です。旬は春から夏にかけて。肉厚な葉を持つ野菜です。
主に食用されるのは茎の部分で、使われ方は野菜というより果物に近いです。例えば、ルバーブジャムやルバーブ入りのパイなどはアメリカでは定番です。

お菓子作りが得意な方はアメリカ風のお菓子としてぜひルバーブを使ってみてください。苦手な場合は瓶詰めされたルバーブ・ジャムを試してみてください。スッキリした甘みがパンやヨーグルトによく合います。

21 Days体質改善チャレンジプログラムのご紹介

ご紹介した体質改善10箇条の実践をオンラインサポートするプログラムを開催しています。日本で栄養療法を長年実践されてきた内科医の方との共同プログラムです。現在、期間限定のモニター価格で提供しており、リダックくらぶ会員様向けに更に20%の割引が適用になります。(詳細はこちらの特典ページを参照してください)。
完全オンラインでのプログラム運営に加え、米国東海岸時間や西海岸時間に合わせた開催も予定していますので、リダックくらぶの方は非常に参加しやすい内容になっています。
プログラムに関する詳細はこちらを参照してください

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第11回「デトックスの準備は出来ていますか?」

私のいるニューヨークでも春らしい日が増えてきました。春から夏の薄着シーズンに向けて、断食やジュース・デトックスなどを検討し始める方も増えているのではないでしょうか。近年はデトックスが一般にも広く浸透してきたため、お試し感覚で始められるようにもなりました。
デトックスの効果は多岐にわたります。鼻づまりや便秘といった日々のつらい症状の回復を促したり、感情を高揚させる(平たく言うと、元気になる)効果もあります。スピリチュアルな感覚を得る方も多く、頭がすっきりして、人生の目的が明確になると感じる方もいるようです。
しかしながらデトックスは、「食べなければいい」、「ジュースだけ飲んでいればいい」、というような単純なものではありません。場合によっては、デトックスによって体調を崩してしまうこともあります。デトックスについて相談されることは多いものの、私がデトックスをお奨めするケースが少ない理由はそこにあります。デトックスを始めるには、それなりの準備と注意が必要なのです。
そこで本稿ではデトックスの仕組みやデトックス開始にあたっての注意事項や準備事項などをお伝えしたいと思います。本稿では断食/ファースティングやジュースクレンズのような食べ物系のデトックスを前提にお話します。食べ物系以外にも、サウナのような発汗系やアーユルベーダのような断食・ハーブ・運動等を含む複合系まで、様々なデトックス法があります。これら他のデトックス法においても、今回の話には応用できる面が多くあります。ぜひお楽しみください。

デトックスとは?

デトックスとは身体から毒素を排出すること、またはその機能を指します。英語だとDetoxification。単にDetoxと略されることもしばしばあります。
メディアでは「デトックス・プログラム」のように短期間の集中的な取り組みのように取り上げられていますが、本来は呼吸のように人間が生まれてから死ぬまで一生止まることのない、恒常的な機能の一つです。
またデトックスと聞くと、毒素の排出ばかりに注目してしまいがちですが、デトックスの真の目的は、毒素を排出した結果として、身体が効率的に働けるようにすることです。前述したつらい症状からの回復や気分の高揚などはまさに、毒素が取り除かれ身体が望ましい状態で機能した結果と言えるでしょう。そうなんです、人間はきちんと機能さえすれば、元気で気分よく暮らせる動物なんです。

毒素には2種類ある

さて先ほどから何度も出てきている「毒素」とはそもそも何でしょうか。毒素には体内で発生する体内毒素と、周囲の環境から入ってくる環境毒素の2種類があります。
体内毒素とは、細胞の老廃物や消化不良のまま体内に留まった食品、消化器官の中で発生した細菌などです。また体内毒素には、大量に摂りすぎると身体に悪影響を与えるために毒素として排出されるものも含まれます。例えば、水。水でさえ大量に摂取すれば一種の毒であり、東洋医学における「水毒」の考え方に通じるところです。
環境毒素は、我々の周囲にある化学物質や重金属、農薬・着色料・防腐剤などで、汚染された大気や水、化粧品等の日用品、日々の食事などを通じ、身体に入り込んでくるものです。

デトックスを司る多様な臓器

ではこれら毒素はどのように排出されていくのでしょうか。
体内毒素は、発生した場所から血液やリンパ、消化器官を介して、便・尿・汗の一部として排出されます。鼻水などの体液として排出される場合もあります。環境毒素も同様に、口や鼻から取り込まれた後、消化器官や肺に送り込まれ、便・尿・汗・呼吸の一部として排出されます。
ここで注目したいのが関係する臓器の多さ。デトックスと聞くと、つい便や尿に注目しがちですが、その前段階として血液・リンパ・消化器官(特に肝臓・たんのう・小腸・大腸)がとても重要な役割を果たしています。つまりデトックスは身体中の臓器を総動員した一大プロジェクトなのです。
しかし裏を返すと、関係する臓器が一つでも機能していないとデトックスは思ったように進まないとも言えます。むしろその臓器がボトルネックとなり、最悪の場合、そのボトルネックに毒素が蓄積されてしまうのです。これが、私がデトックスを簡単にはお奨めしていない理由です。

デトックスで気を付けたい4つのポイント

では血液・リンパ・消化器官を正常機能させ、効果的なデトックスを実現するために気をつけるべきことは何でしょうか。少なくも4つのポイントがあります。

1. 充分な水分補給
人間の身体の約60%は水で出来ています。その大半が血漿(けっしょう、血液中の液体成分)です。血漿の90%は水です。血液には酸素や栄養を全身に運ぶだけでなく、毒素を全身から集めてくる役割もあります。水分摂取が不十分では、毒素が思うように収集できません。
リンパも水が主成分です。血液が心臓というポンプの力で全身を巡るのとは異なり、リンパにはポンプ役がいないため、身体の動きだけでゆっくりと全身を巡っていきます。毒素はリンパから肝臓に送られますが、水分不足でリンパが詰まって毒素を送れません。

2. バランスの取れた食事
デトックス前やデトックス中は食事の内容と量に気を付ける必要があります。まず添加物の多い加工食品を限りなく減らしましょう。毒素を排出する一方で、毒素を取り込んでいては元も子もありません。
食事の量も控えめにすることを習慣づけてください。歴史的に、人類は飢餓と常に隣り合わせで生きてきました。そのため我々の身体は多少毒素が溜まっても、食べ物があるうちに少しでも栄養を消化・吸収しておこうとします。食事の量が多いと、消化器官はその消化・吸収に目処がつくまで、デトックスに力を割きません。

3. 良い脂肪の摂取
出来ればデトックスの数ヶ月前から、良い脂肪の摂取を心がけてください。胆汁は肝臓で濾過された毒素を腸に流し込む役割があります。脂肪は胆汁の大切な構成要素です。質の悪い脂肪を摂取しているとサラサラした胆汁が作れず、毒素を腸に流せないどころか毒素が胆汁の通り道で詰まってしまいます。
また排出されない毒素は長年にわたり、脂肪の奥にも封じ込められます。これを取り出すには柔軟でしなやかな細胞膜が必須であり、それを作るのにも良い脂肪が不可欠です。
では良い脂肪とはなんでしょうか。それは自然界に存在している脂肪です。動物性・植物性は問いません。悪い脂肪とはなんでしょうか。工業的に加工・抽出された油です。例外はあるものの、プラスチックの透明容器に入っているサラサラした油(いわゆるサラダ油)や、ショートニング、マーガリンに使われている油が悪い油に該当するとお考えください。

4. 血糖値コントロール
血糖値は肝臓・すい臓・副腎の3つの臓器がコントロールしています。肝臓には血液やリンパが運んだ毒素を濾過する役目があります。しかし糖分摂取が多く血糖値の乱れている状態では、毒素の濾過に力を注げません。(血糖値コントロールに関しては、糖質制限の記事や副腎疲労の記事もご参照ください)
またビタミンB郡は、血糖値コントロールとデトックスの両方で重要な役割を果たしています。血糖値コントロールでビタミンB郡を使い果たしていては、デトックスもままなりません。

正しい食生活とプチ断食のコンビネーションがおすすめ

上記を見てお気づきの方も多いと思います。端的に言うと、バランスの取れた良質な食生活がデトックスには必須ということです。またさらに言うと、そういう食生活を心がけてさえいれば、「さーデトックスだ!」と意気込まなくても、自然と身体がデトックスしてくれているのです。
ただ食生活がどうしても乱れてしまう時期もあると思います。また環境毒素の蔓延した現代社会において、デトックスの必要性が高まっているのも事実です。
そこで私がよくおすすめするのがプチ断食です。英語ではIntermittent Fastingと称されることが多いです。簡単に言うと、1日24時間のうち、16時間は食事をしない、もしくは食事を最小限に留める、というものです。
16時間と聞くと非常に長く感じられるかもしれませんが、夜6時の夕飯後、翌日の10時まで何も食べなければ、16時間のプチ断食が完了です。どうしても就寝前や朝にお腹が空いてしまう方は、少量の具のスープや味噌汁を飲むのがおすすめです。私は卵とじスープを愛飲しています。
なお副腎疲労の方は体内でのエネルギー生成の能力が落ちているため、就寝前や起床後の軽食は必ず摂るようにしてください。

試して欲しい食材:ロマネスコ(Romanesco)

ブロッコリーのようでブロッコリーでないこの野菜を見たことはないですか?これはロマネスコと呼ばれるイタリア食材です。分類上はカリフラワーの一種であり、食感もカリフラワーに近いものがあります。寒冷期が旬ですので、秋口から出回り始め、春先までスーパーなどで見かけると思います。見た目が美しいので、見ているだけで気分が高揚しますね。 料理する際はカリフラワーやブロッコリーと同じように考えていただいて問題ありません。シンプルに茹でたり、蒸したりして、塩やマヨネーズをつけて食べるのがおすすめです。レストランでも前菜でよく見かける気がします。ビタミン・ミネラルが豊富な食材なので、野菜不足に悩む冬場に頼もしい食材です。ブロッコリーが苦手なお子様も、青臭さがなく見た目も楽しいロマネスコなら食べられるかもしれません。日本ではあまり見かけない食材です。ぜひ米国滞在中にお試しください。

(photo from Wikimedia Commons)

21 Days体質改善チャレンジプログラムのご紹介

日本で栄養療法を長年実践されてきた内科医の関医師と、食事による体質改善プログラムを始めました。現在、期間限定のモニター価格で提供しており、リダックくらぶ会員様向けに更に20%の割引が適用になります。(詳細はこちらの特典ページを参照してください)。
継続できることを最も大切に考えているため、期間中に実践いただく食事内容はいたってシンプルです。また完全オンラインでのプログラム運営に加え、米国東海岸時間や西海岸時間に合わせた開催も予定していますので、リダックくらぶの方は非常に参加しやすい内容になっています。
プログラムに関する詳細はこちらを参照してください

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第10回「免活のススメー食事が与える免疫への影響」

いつでも元気な人がいます。たまに体調を崩す人もいます。頻繁に体調を崩す人もいます。いつもは元気そうなのに、ときおりとても具合の悪そうな人もいます。さて、免疫が強いのは誰でしょう?
「免活」という言葉を目にするようになりました。免疫を高める活動を略して、免活。食事、運動、睡眠といった生活習慣を整え、人間が本来持っている免疫機能を最大限に引き出すのが免活です。「腸活」という言葉も目にするようになりました。発酵食品によって腸内環境を整える活動を略して、腸活。腸活の目的は免疫力を高めること。つまり免活の一部です。 しかし免疫の仕組みや、発酵食品と免疫力アップの関係までを理解している方は少ないのではないでしょうか。深いことは考えず、とりあえずヨーグルトをたくさん食べて免疫を上げよう!という手もあります。しかしこのアプローチには落とし穴があります。そしてそんな落とし穴にはまっている方が結構多いと感じます。
そこで本稿では免疫の基礎をご説明し、食生活がどう免疫に影響するかを解説します。やるからにはぜひ、意味のある免活・腸活に取り組んでください。

免疫とは?

免疫とは、外敵から身体を防御するために備わっている仕組みです。外敵は大きく四種類に分かれます。まず細菌類。1~5/1000ミリメートルの小さな生物群です。自分達だけで繁殖可能な生物で、15分で2倍に、5時間あれば百万倍単位に増殖できるだけの繁殖力を持っています。二つ目はウィルスです。細菌の1/1000という非常に小さな生物です。細菌と違い、自分達だけでは繁殖できません。そのため細胞内の物質に依存して繁殖します。そして住み着いた細胞が死滅した時に一気に勢力を拡大します。この拡大能力の高さが「コンピューターウィルス」という言葉の由来になっているのです。三つ目の外敵は寄生虫です。マラリア等の原生生物や、サナダムシ、ギョウチュウなどは寄生虫に分類されます。そして最後が真菌類。カビや酵母など。悪名高き代表例がカンシダ菌です。

三層から成る免疫システム

これら外敵から身体を守るため、人間には三層の防御システムが備わっています。例えて言うなら、防御壁、監視員、専門部隊。

1. 防御壁
まずは外敵の侵入を阻止するための防御壁。とても重要であるのに、なぜか見過ごされがちな存在です。防御壁が崩れていては、他の二層をいくら強化しても効果は限定的です。
人間には防御壁が二種類あります。まず物理的な防御壁。物理的な防御壁には、皮膚やまつげといった外から見える防御壁と、食べた物が気管に入るのを防ぐ喉頭蓋や消化器官の粘膜といった外から見えない防御壁があります。外から見えない防御壁の傷みは発見が遅れることが多く、多くの不調の原因になっています。
もう一つの防御壁が化学的な防御壁。最も強力な化学的防御壁が胃酸です。胃酸はphが0.8~3と酸性度が非常に高く、口から消化器官に入り込んだ外敵の駆除に大きな役割を担っています。皮脂も弱酸性で、皮膚上での外敵駆除に一役買っています。
これら物理的・化学的な防御壁の効果をサポートするのが、せき、鼻水、嘔吐、尿、便といった排出機能。きれいな話ではありませんが、免役を語る上で欠かせない存在です。

2. 監視員
防御壁を乗り越えた外敵を待ち構えるのが、監視員とも言うべき白血球。文字通り、外敵を“食べて”撃墜します。攻撃判断は自分の体内に存在するものか否かというシンプルな二択です。そして答えが否であれば、一気に攻撃します。また外敵タイプによっては、専門部隊に外敵の侵入を伝達し、専門部隊を配置につかせることもあります。
監視員の働きをサポートする仕組みもあります。その一つが炎症。血管を拡張させ、全身から感染箇所に白血球が集まりやすくします。また抗菌作用のある物質を生成し、外敵の増殖を抑制する仕組みもあります。
とはいえ、あくまで監視員レベルの防御。未知の外敵などに臨機応変に対応するほどのスキルは持ち合わせていません。そこで登場する最後の砦が専門部隊です。

3. 専門部隊
監視員からの連絡を受け、外敵タイプに応じたカスタマイズ攻撃を仕掛けるのが専門部隊です。未知の外敵であっても、強力な攻撃を仕掛けることで撃退します。またその経験を活かし、次の襲来に備えた、カスタマイズ攻撃(抗体)も開発します。そのおかげで、2回目以降は人間が感知できないほどの速さで外敵を撃退します。
専門部隊が攻撃する外敵を「抗原」と呼びます。厄介なのが、上記で紹介した病原菌だけでなく、いかなるタンパク質も抗原になり得ること。代表例が花粉や薬剤などで、アレルギーなどはこの専門部隊での機能異常が原因と考えられています。

腸内細菌叢が免疫三層を強力サポート


これら免疫三層を陰ながらサポートしているのが腸内細菌です。人間の腸には100~1,000兆の腸内細菌が生息していると考えられており(細胞の数の約10倍!)、重さにすると1~2kgにもなります。現在、発見されている種類だけでも100~1,000種類あり、これらが絶妙なバランスを取りながら、腸内細菌の世界(腸内細菌叢)を形成しています。
ここ数年、腸内細菌叢の健全性が人の健康を大きく左右することが分かってきています。例えば、防御壁としての腸内細菌叢。消化器官の粘膜に至る前に、腸内細菌叢ではじかれてしまう外敵も多いでしょう。監視員レベルでは、抗菌物質の生成補助や白血球の働きを助けていることも分かっています。さらに専門部隊レベルでも、白血球が抗体を生成するのを助ける働きを担っています。さらに腸内での栄養素の生成にも関わっており、免役だけでなく健康全般を下支えしている存在でもあります。

たまの病気がちょうどいい

では冒頭の質問に戻ります。いつでも元気な人、たまに体調を崩す人、頻繁に体調を崩す人、ときおり重度の体調不良に見舞われる人。どの人の免疫力が最も強いと言えるでしょうか。
もちろん一概には言えませんが、たまに風邪を引く人の免疫力が強いと私は考えます。なぜなら、非常に多くの外敵に囲まれた現代社会において、免役反応が全く見られないのは異常であり、逆に免疫が機能していない恐れがあるからです。かといって、体調を崩しすぎるのは免疫が弱っている、もしくは、正常機能していない証拠です。

免疫を高める5つのポイント

では免疫力を高めるためにはどんな食生活が望ましいのでしょうか。少なくともポイントが5つあります。

1. 糖質コントロール
副腎疲労の記事でご紹介した通り、糖質の多い食事の後は一時的に血糖値があがるものの、その後急降下し、血糖不足という生命の危機に瀕します。
これが免疫にも悪い影響を与えます。生命の危機ですから、多少体調が悪くとも免疫機能は抑制され、危機から脱することが優先されます。たまにであれば危機から脱した後に外敵を駆除すればいいですが、毎日のように免疫機能が抑制されてしまっては外敵は体内に溜まってくばかり。気づいた時は非常に重い不調に悩まされることになってしまいます。
ストレスの多い方によく見られるのは免役の暴走です。副腎疲労が進み、副腎ホルモンを十分に生成できなくなると、今度は免疫を抑制する術が失われ免役が暴走してしまうのです。これに肥満が重なるとさらに状況は悪化します。なぜなら体脂肪から生成される炎症促進物質が、暴走している免疫をさらに勢いづけてしまうためです。
加えて、糖質はそもそも悪玉菌の大好物です。糖質の多い食事を続けていると、腸内環境が悪玉菌優勢になり、免役システムをサポートできなくなってしまいます。

2. 良質な脂肪
脂肪も免疫には非常に大切です。ポイントはバランスと質。
脂肪は体内でエネルギーに変換されるだけでなく、細胞膜の重要な構成要素として利用されます。このときに重要なのが脂肪の種類のバランス。動物性脂肪のように常温でも固まりやすい脂肪と、植物性脂肪のように常温ではサラサラしている脂肪の両方があって初めて、丈夫で柔軟な細胞膜が構成できます。逆にこのバランスが崩れると、外敵が入り放題の弱い細胞膜になったり、逆に免疫物質が細胞内に入り込めないくらい固い細胞膜になってしまいます。
特に重要な脂肪がOmega 3、Omega 6と呼ばれる脂肪で、これら脂肪は体内では生成できません(詳細はお肉選びの記事を参照ください)。Omega 3には炎症を抑える効果が、Omega 6には炎症を促す効果があります。どちらも免疫には必須の効果であり、Omega 3 : Omega 6を1: 1~3の比で摂るように心がけてください。現代食はOmega 6が多くなる傾向があるため、意識的に魚などからOmega 3を摂るようにしましょう。

3. 適度な水分摂取
水分補給も免疫には欠かせません。白血球が感染箇所に集結するにはリンパや血液の流れがスムースであることが必須条件です。また汗や唾液、粘液といった防御壁も水分不足では十分に生成できません。さらに、水分不足になると免役を促進する物質が必要以上に生成されてしまい、無用な免疫反応を起こしてしまいます。
1日中水を飲み続ける必要はありませんが、スープや野菜などの食事から摂る水分も含め、1日に1.5リットルくらいの水分は摂るようにしてください。

4. 胃酸の分泌促進
前述の通り、胃酸は防御壁の中心的存在です。現代人は胃酸が少ないと言われており、日本人はその中でも特に少ないと言われています。遺伝的な影響もあると思いますが、何よりもストレスが一番大きな要因だと思います。なぜならストレス環境下では胃酸が分泌されないからです。オフィスの机でランチを取ったり、業務メールを見ながら食事なさっている方も多いと思いますが、その状態では胃酸が十分に分泌されず、外敵の駆除も滞ってしまいます。また不十分な胃酸分泌のために消化不良の状態で小腸に送られた食べ物が腸内環境や腸壁を傷めてしまいます。ランチの15分程度だけでもリラックスできる場所で食事するようにしてください。

5. 腸のメンテナンス
最後の5つ目が腸活です。腸活ではやるべきことが三つあります。腸壁の修復、腸内細菌叢のメンテナンス、腸壁を傷める食材の回避です。ストレスの多い現代人の腸壁は多かれ少なかれ傷んでいます。この修復に最適なのがボーン・ブロス(動物の骨スープ)です。自宅でも簡単に作れますし、米国のお肉屋さんであれば、ボーン・ブロスを販売しているお店もあります。和風が好みであれば、あら汁でも代用可能です。
腸内細菌叢のメンテナンスには、発酵食品を日常的に摂ることを心がけてください。日本食であれば、味噌、納豆、ぬか漬けなど。洋食であればヨーグルトやザワークラウト、コンブチャなどが一般的です。
最後に腸壁を傷める食材ですが、代表的なのは小麦や大麦に含まれるグルテン(乳タンパク)です。グルテンフリーに関しては、こちらの記事を参考にしてください。また大量の生野菜も避けましょう。サラダなどはヘルシーなイメージがありますが、人間は食物繊維が消化できないため、食べすぎると腸を傷める原因になってしまいます。サラダであれば1日1回程度を目安にしてください。
これら三点すべてに共通して気を付けていただきたいのが品質です。食品添加物などが使われていないものを選んでください。添加物は腸内環境を乱してしまいます。また無農薬またはオーガニックの食材で作られたものを選んでください。ザワークラウトなどは、ザワークラウトという名のただの酢漬け(発酵されていない)であることも多くありますのでご注意ください。

冬の免疫向上は鍋や煮込み料理が一番

ではどんな食事が理想的でしょうか。この季節であれば鍋や煮込み料理がおすすめです。動物の骨や魚介等からきちんと出汁を取り、そこに肉・魚・野菜などをバランスよく入れてお召し上がりください。身体が温まれば、それだけで免疫力が高まります。酢醤油で鍋を食べれば胃酸分泌も促されます。煮込み料理であれば、北欧系の料理のようにザワークラウトをたっぷり入れるのもいいと思います。

試して欲しい料理:ボーン・ブロス

食材を煮込んで作ったスープはブロスと呼ばれ、動物の骨を煮込んで作ったスープがボーン・ブロス、魚を煮込んだ場合はフィッシュ・ブロス、野菜を煮込んだ場合はベジタブル・ブロスと呼ばれます。その中でもボーン・ブロスは免疫向上の代表的な料理として、ここ数年、栄養療法の世界で非常に注目されています。

(photo from pixabay)
作るのはとても簡単。大きな鍋に丸ごとの鶏肉や牛・豚の骨を煮立たせてから、弱火で3時間ほど煮込めば出来上がりです。出来たものを小瓶などに移し替えてから、二番出汁を取ることもできます。出来上がったスープに塩コショウだけ足して飲んでもいいですし、卵とじスープにするのも美味しいです。ぜひお試しください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第9回「疲れが抜けない、は立派な病気」

子供のころ、外遊びから帰ってくると「うわー、つかれたー!!!」と床に寝そべったり、ソファーに飛び乗ったりしていました。あれから約20年、社会人になり大きな仕事も任せてもらえるようになった30歳代前後のころ、仕事から帰ってくると「あ~、疲れた・・・」と沈み込むようにソファーに座り込むようになりました。明るく爽快な疲れが、まるで重りを引っ張って生活しているかのような疲れに変わっていました。これはいったい何なのか。年齢を重ね体力が落ちるというのはこういうことなのかと半ばあきらめモードでした。

しかし30歳代も後半に入ってから、それが間違いであることに気付きました。そしていま40歳、当時のような疲れは減り、むしろ爽快な疲れを感じることの方が多くなった気がします。改めていま振り返ると、30歳代前半の私は完全な「副腎疲労」に陥っていたと思います。

本稿では、誰でも十分に陥りがちな隠れた現代病の1つ、「副腎疲労症候群(Adrenal Fatigue Syndrome、以下では副腎疲労と略)」を取り上げます。異国の地でマイノリティとして生活する一方、責任だけは重くのしかかりがちな駐在員生活。買い物、近所付き合いから子どもの教育まで、日本の常識が通じない日々の生活。米国生活には副腎疲労になる要素が十分すぎるほどあります。下記のセルフチェックリストを見て、ひょっとしたら・・・とお感じの方はぜひ食事を含めた生活改善に取り組んでみてください。

副腎はストレス臓器

副腎疲労とは、副腎の使い過ぎにより副腎が機能しなくなってしまった状態を言います。副腎は左右の腎臓の上に位置している、くるみ大の小さな臓器です。ストレス臓器という別名の通り、代表的な副腎の役割はストレス環境下での身体機能のコントロールです。具体的には、アドレナリンやコーチゾル等のホルモンを生成して、血圧・体温・心拍を高めたり、血糖値を高く保つように働きかけたりします。また、ストレス環境下で注力できない免疫機能などは、むしろ抑制するように働きかけます。なおここでいうストレスとは、精神的なものだけでなく、激しい運動のような肉体的なものも含みます。

例えば、自分が山道で足を滑らせ崖から落ちそうになっているところを想像してみてください。これは生命の危機ですから、とてもストレスのかかる場面です。いまなすべきことは、とにかくもとの山道に戻ること。そのために全身の力を総動員して体勢を立て直します。仮に山道に戻れたとしても、一緒に歩いていた友人がまだ崖でもがいていたら、何を置いてもその友人を助けるでしょう。一方、それまで友人と話していた内容は忘れ、お腹がすいていたとしても、そんなことは状況が落ち着くまで忘れているでしょう。これがまさに副腎が機能している状態です。自分と友人を安全な場所に戻すことに全機能を集中させ、それ以外の機能を完全にシャットダウンしているのです。

もちろん、このような極端なストレスに出くわすことはほとんどないでしょう。しかし現代人は、これとは違ったタイプのストレスにさらされ続けています。

ストレスだらけの現代社会

現代人は非常に高いストレスの下で生活しています。生活スピードは早くなる一方ですし、テクノロジーの発達により、どこでも仕事ができるようになってしまいました。格差が広がったおかげで、上層部で働く人には大きな責任がのしかかり、それ以外の人には金銭面での不安が常につきまといます。プライベートにおいても、SNS等から入ってくる情報が全て楽しいわけでもなく、むしろ心理的プレッシャーに感じてしまう方も少なくありません。街の明かりや室内WiFiからの電磁波などで、快適な睡眠すら確保できないのが現代生活です。生命の危機ほどのストレスはないものの、一定のストレスが24時間かかり続けているのです。

副腎を使い過ぎた結果が副腎疲労

副腎疲労とはこのような継続的なストレスの下で、副腎が疲弊し、ひどい場合には機能停止してしまった状態です。副腎疲労になると以下のような症状が出てきます。

副腎疲労チェックリスト

・ 寝起きがつらい、寝ても疲れが取れない
・ 塩気の強い食べ物が無性に欲する
・ 気力が薄れてきた、気力が出ない、落ち込みやすい
・ 性欲が落ちた
・ 病気の回復に時間がかかるようになった
・ 横になった状態から立ち上がると、立ちくらみがする
・ コーヒーなどの刺激物がないと一日を過ごせない
・ 物忘れが多い、仕事などに集中できない
・ 怒りっぽい、我慢できなくなってきた
・ 夕方になると元気になってくる
・ 花粉症や、特定食材に対するアレルギー/過敏反応がある
・ 冷え性である、寒さに弱い
・ 原因不明の震えやけいれんがある

副腎疲労はある日突然出てくるような症状ではなく、日々少しずつその症状が増え、ひどくなっていきます。上記リストに思い当たる項目が3個以上あるようなら、少なからず副腎疲労に陥っている可能性を考えた方がよいでしょう。

悪い食事が副腎疲労に拍車をかける

食に関するコラムで副腎疲労を取り上げた理由は、食事が副腎疲労を引き起こす主要なストレスの1つだからです。食事が副腎疲労にどうかかわっているかを一つ一つ見ていきましょう。

1. 血糖値コントロールの乱れ
糖質制限の記事でご紹介した通り、エネルギー源である糖が体内で不足した際、筋肉や脂肪から糖を作りだす機能が動きだします。この機能をコントロールしているのが副腎です。菓子パンなどの糖質の多い食事をしていると一時的に血糖値があがるものの、その後急降下し、血糖不足に陥ります。血糖不足は生命の危機というストレス状態ですので、その状況を打開するために副腎が登場するのです。

本来、血糖不足は飢餓のときにしか起きませんでした。しかし糖質の多い食事をしている方の場合、食事の度に副腎が登場しなければなりません。スナックや甘みの強い飲み物を常用している方であれば、さらに副腎の登場回数は増えます。副腎がこれだけ頻繁に働くことは想定されていないため、このような食生活では数年もしないうちに副腎疲労に陥ってしまいます。

2. コレステロール不足
副腎が生成するホルモンの多くはステロイドホルモンと呼ばれる、コレステロールを原料としたホルモンです。ストレス環境下で分泌されるアドレナリンやノルアドレナリンと言ったホルモンも、コレステロールを原料に副腎が生成するホルモンです。

しかし「コレステロールは悪」という説があまりにも浸透し過ぎ、現代人の多くがコレステロール不足です。過剰な血中コレステロールは心臓疾患につながる可能性が高く、注意すべきであることは事実です。しかし必要以上にコレステロールを避けていては副腎ホルモンや性ホルモンを生成できず、人として機能できなくなってしまいます。

ちなみにテストステロンなどの性ホルモンも副腎がコレステロールから作ります。精力減退もコレステロール不足や副腎疲労による性ホルモンの生成不足が原因である可能性もあります。

3. 消化不良
食べ物の消化に関して、口に入れればあとは胃腸がうまいことやってくれる、と思っていませんか。食べ物は口に入れただけでは消化・吸収されません。消化器官がフル稼働して初めて、吸収が可能になります。

消化は脳から始まります。食べ物のことを考えると消化液の分泌が始まります。次が口です。食べ物が物理的に分解され、一部は化学的にも分解されます。その次が胃です。強い酸によって、主にタンパク質が分解されます。そして十二指腸と小腸で最終的な分解が完了し、栄養として吸収されます。

しかし副腎疲労の方はストレス環境下にいることが多く、消化が思うように進みません。例えば仕事が非常に忙しい方。常に仕事のことを考えているので消化液の分泌が滞ります。また急いで食べるため、食べ物は物理的に分解されません。消化液が十分でない上に、物理的な分解も終えていない食べ物は消化不良のまま小腸に届きます。しかし物理的にも化学的にも分解されていない食べ物を吸収する術を小腸は持っていません。そのため、栄養は吸収されず、そのまま排泄されます。もっと悪いケースでは腸壁を傷つけたり、食べ物が腸内で腐敗します。これがまた別の症状を引き起こし、さらなるストレスを副腎に与えることになります。

副腎に優しい食生活とは?

ではどんな食生活を心がけるべきでしょうか。前述した3つの要素を意識すべきではあるものの、大前提としてバランスの取れた食事をまず意識してください。なぜならバランスの悪い食事は最終的に身体機能の不具合を引き起こし、それがストレスとなって副腎を疲弊させるからです。

バランスのよい食事の考え方は様々ですが、もっとも取り組みやすいのは動物性食材と植物性食材をバランスよく摂ること。しかし、あまり深く考える必要はありません。定食タイプの食事を摂ることで基本的なバランスは維持できます。

動物性食材(肉、魚、卵など)が身体を作る一方、植物性食材(葉物野菜、根菜、イモ類、穀物)はエネルギー源となったり、デトックスも促します。状態によっては一時的にどちらかを優先すべきことはありますが、長期的にはこの二つをバランスよく摂ることが必要です。

それに加え、食材の質も大切です。添加物や残留農薬を極力避け、より新鮮なものを選びましょう。

これら前提を踏まえた上で、まず血糖値を上げやすい食材は避けましょう。そのために、植物性食材は葉物野菜や根菜を中心に添え、イモ類や穀物は控えめにしましょう。もちろんケーキや菓子パンなどの小麦製品や果物/野菜ジュースなどは血糖値を急上昇させますので控えましょう。

コレステロールを動物性食材からきちんと摂りましょう。コレステロールは悪であるという思い込みから、鶏肉のササミなどのあっさりとした食べ物に偏っている方もいらっしゃいます。しかし副腎疲労の回復のためには卵や脂身を食べることも大切です。

そして、これら食材をゆっくりリラックスした状態で食べましょう。一番簡単なのは家族や友人、同僚と食事すること。時間が無く一人で食事するときも、食事に集中できる環境を選びましょう。職場ではデスクから離れて食事するのが理想です。こうしたちょっとした工夫が消化力を高め、結局はパフォーマンスの向上にもつながります。

運動と睡眠についても一言だけ

身体を動かすと血流やリンパの流れがよくなるため、酸素・栄養素が全身に運ばれるとともに、デトックスも促されます。結果、肉体的にも心理的にもストレスが軽減されますので、副腎疲労の方に運動はおすすめです。ただし激しいスポーツは控えめにしましょう。控えることでストレスになってしまうのであれば仕方ありませんが、激しいスポーツもストレス源になりえます。無視しないで楽しめる程度の運動を心がけましょう。

睡眠不足も代表的なストレスです。最低でも6時間、できれば7時間前後の睡眠は取るようにしましょう。100年前の米国では平均睡眠時間が9時間くらいあったそうです。100年前よりストレスの増えている現在。睡眠は軽視できませんね。

爽快な疲れを取り戻しましょう

副腎疲労は一度なってしまうと回復に年単位の時間がかかります。私も生活改善を始めて3年くらい経ったころにやっと、副腎疲労の症状が和らいできました。優先すべきは副腎疲労にならないこと。早め早めの対策を心がけて、毎日気持ちよく「疲れたー!!!」と言えるようになってください。

試して欲しい食材:アボカド

アボカドを知らない方はほとんどいらっしゃらないでしょう。そんな中、あえてアボカドをご紹介したい理由は二つ。栄養価の高さと利用範囲の広さです。

アボカドと言えば良質な脂肪源として広く知られています。アボカドに多く含まれる一価脂肪酸は比較的安定した脂肪です。体内で酸化しにくく、一価脂肪酸を多めにとることでメタボリック・シンドロームの予防にもなると言われています。ビタミン・ミネラルが豊富であることもアボカドの特徴です。ビタミン・ミネラルを他の果物から摂ろうとすると果糖も摂ってしまいますが、アボカドであれば糖質が低いため安心です。葉酸の豊富なので、妊娠中の方にもおすすめです。

アボカドの食べ方というと、メキシコ料理のワカモレが有名です。また冷菜としてトマトと一緒に食べたり、サラダの具の1つにすることも多いです。しかしアボカドはそれ以外にも利用方法があります。

(Photo by Yoichi Nakamura)

1つはお菓子作りの材料にすること。脂肪分が豊富なので、ケーキやアイスクリーム作りなどで活用できます。特に乳製品にアレルギーのある方は、食感は維持しつつアレルゲンを避けられるので重宝するはずです。

個人的にはスープに入れるのが最近のお気に入りです。ブロック状のアボカドを出来上がったスープなどにそのまま入れてみてください。数分置くと表面がトロッとしてとても美味しいです。写真は卵チキンスープにアボカドを加えたものです。

これから寒くなってくるので、生のアボカドは身体を冷やしてしまう恐れがあります。ぜひスープと一緒にアボカドを楽しんでみてください。

参考文献:
“Adrenal Fatigue, The 21st Century Stress Syndrome”, James L. Wilson, N.D., D.C., Ph. D.

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第8回「糖質制限はするべきか!?」

糖質制限はご存知ですか。栄養療法の世界(特に欧米)で徐々に浸透してきた糖質制限が、ここ数年で一気に日本国内に広がっています。
英語では一般的に、Low Carb Dietと言われます。Lowは低い、CarbはCarbohydrate(炭水化物)の略、Dietは食事法という意味。つまり低炭水化物食事法。炭水化物は糖質と食物繊維から成りますが、意図するのは糖質制限であり、日本語の場合と同じです。
同じ糖質制限とはいえ、その目的は日米間で若干異なります。日本ではライザップの影響もあり、減量による個人の健康維持が主な目的です。米国でも、個人の健康維持という目的はありますが、それ以上に、肥満や糖尿病といった疾病対策、つまり社会問題の解決が期待される食事法として注目されています。
いずれにせよ、ここまで広がるとブームに乗じた広告目的の情報も混在してくるため、糖質制限の是非を判断することすら難しくなってきます。糖質制限の効果を訴求する情報が増える一方で、その効果を疑問視する情報も増えてくるからです。実際、週刊ポストに「糖質制限すると糖尿病になる」という記事が掲載され、最近ネット上で話題になりました。
私は基本的に糖質制限に賛同しています。現代食は糖質偏重な傾向があるため、多少なりとも糖質制限することで健康改善が見込めると思っています。ただしいくつか注意すべき点もあります。そこで本稿では、糖質制限の概要や、実践する上での注意点などをお知らせしたいと思います。ぜひご参考ください。

糖質制限とは?

糖質制限では通常、一日の糖質摂取を20~60グラムに制限します。お茶碗1杯の白米の糖質が60グラム弱ですので、糖質制限するのであれば、ご飯1日1杯までということになります。リンゴなら3個程度です。
糖質というと砂糖だけを思い浮かべる方も多いですが、全ての炭水化物に糖質は含まれます。炭水化物の代表例は以下の通りです。

●穀物: 米、パン、麺類、トウモロコシ、など
●果物: りんご、梨、バナナ、など
●芋類: ジャガイモ、サツマイモ、など
●葉物:キャベツ、レタス、ほうれん草、など
●根菜:ニンジン、ゴボウ、大根、など

糖尿病患者に施されている1日の糖質を20グラムに抑えるような厳格な糖質制限では、葉物や根菜等を除く全ての炭水化物を控えるように指導されます。ただし健常者が減量目的で取り組む糖質制限であれば、多少の穀物・果物・芋類も許容するのが一般的です。

なぜ糖質制限で痩せるのか

人間が活動には(仮に寝ているだけでも)、エネルギーが必要です。そのエネルギー源が糖質です。糖質は人間が生きていく上で不可欠な存在です。
それだけ大切な糖質ですので、糖質欠乏は生命の危機であり、緊急時に備えた糖の備蓄が必須です。その1つが、肝臓と全身の筋肉細胞に蓄えられている糖です。しかしこの備蓄にも上限があるため、長期の糖質不足に耐えるにはより本格的な備蓄が必要です。
その備蓄形態が体脂肪です。体脂肪は非常に燃費のよいエネルギー源で、新たに糖質を摂取せずとも、体脂肪をエネルギーに変えれば数日から数週間は生き続けることができます。
これら備蓄用の糖は、食料が豊富なときに蓄えられます。そして糖質不足が生じたときのバックアップとして使われます。つまり体脂肪とは、食料の安定供給が見込めなかった長い歴史の中で、飢餓等の食料難のときでも生き延びられるように人類が編み出した画期的な方法だったのです。
しかし現代は食べ物が常に豊富です。蓄えるばかりで蓄えたものを使う機会がほとんどありません。またこのような状態を人類は経験したことがないため、十分な備蓄が完了しても、それを止めることなく、備蓄し続けてしまいます。これが最終的に肥満体を作り上げてしまうのです。
糖質制限とは、この異常な状態を解消するための苦肉の策と言えます。意識的に摂取する糖質量を抑制することで、人工的な飢餓状態を作り上げ、蓄積した糖、つまり体脂肪をエネルギーに変換する機会を作りだしているのです。

脂質は制限しなくてよい?

Fat doesn’t make you fat、というフレーズをお聞きになった方もいらっしゃると思います。「脂肪を食べても太らない」という意味。直感的には、脂肪を食べればそれが体脂肪になると考えがちです。豚の角煮や豚骨スープを見ると、なんとなく太りやすいような気がします。しかし、これは間違いである、というのがこのフレーズの意図するところです。上述した通り、体脂肪は糖の備蓄形態であり、その原料は糖だからです。
では食べた脂肪はどこにいくのでしょうか。脂肪には多くの役割がありますが、その中でも重要なのが細胞膜の形成です。我々の体内には10~100兆もの細胞があり、その細胞の表面は細胞膜により保護されています。この細胞膜の主原料が脂肪です。細胞は常にものすごい勢いで作り変えられていますので、脂肪の供給が滞ると健康な細胞が作れません。
もうひとつ重要な脂肪の役割はホルモン生成です。ホルモンは体内で使われるコミュニケーターのようなもので、ホルモン無しで我々の身体が正常に機能することはありません。ホルモンも常に生成・利用されていますので、その原料である脂肪の供給は必須です。
糖質制限が広がる前のダイエット法はカロリー制限の考えが根底にあったため、重量当たりのカロリーが大きい脂肪の制限がダイエットの中心にありました。しかし前述の通り、体脂肪は糖から出来るため、脂肪を制限しても痩せることなく、むしろ細胞の入れ替えが滞るために肌が荒れたり、必要なホルモンが作れなくなるために心身に異常が生じてしまうケースが多発していました。

そもそも肥満の何が悪いの?

減量目的で注目されている糖質制限ですが、そもそも肥満の何がいけないのでしょうか。世界には体脂肪を富の象徴や美しさの要素と考える文化もあり、見た目だけの問題であれば、わざわざ体脂肪を減らす必要もないのでは?と考える方もいらっしゃると思います。
体脂肪を過剰に蓄えた場合の一番の問題は炎症が促され過ぎてしまうことです。炎症はなくてはならない免疫機能の1つですが、過剰に炎症が進むと、心身の健康に支障が出ます。
身近な例だと心臓発作などの心疾患。直接的な原因は血管内の炎症であり、過剰に炎症していると心疾患の発症リスクがあがってしまいます。またアルツハイマー病などの脳疾患も、脳内の炎症が原因の一つと考えられています。

糖質制限での注意事項

高い効果が見込め、心疾患や脳疾患といった現代病の抑制にもつながる糖質制限ですが、全ての方に推奨できるものでもありません。特に過度な糖質制限(1日の糖質摂取量を20グラム以下に制限するなど)には大きなリスクも伴います。また糖質さえ控えれば何を食べてもいいのかというと、そういうでもありません。糖質制限を検討・実践するにあたり、特にご注意いただきたいのはストレスと食物繊維です。

1. ストレス
まずストレスの多い生活をなさっている方に厳格な糖質制限はおすすめしません。なぜなら副腎疲労を進行させてしまうリスクがあるためです。ストレスは仕事だけでなく、激しい運動もストレスになりえます。副腎とは、腎臓の上に左右1つずつ存在するクルミ大の小さな臓器です。別名ストレス臓器とも呼ばれる副腎は、ストレス環境下で活躍する臓器でアドレナリンなどのストレス対応ホルモンを生成します。例えば、生死を分けるような瞬間に、いつもは考えられないような力が出るのは、副腎の力によるところが大きいです。血糖値コントロールも副腎のストレス対応能力の1つで、飢餓というストレス環境下でも体脂肪から糖を生成することで、我々の生命活動をサポートしてくれます。
ストレスの多い生活をなさっている方というのは、常に副腎が働いています。ストレス環境下でしか登場するはずがなかった副腎が、ストレスフルな現代生活では止まることなく一日中、働き続けています。これに糖質制限というストレスまで加われば、遅かれ早かれ、副腎は疲弊し、機能不全に陥ってしまいます。これが副腎疲労という現代病です。そのため、仕事や子育てなどにストレスを感じていらっしゃる方は特に、糖質制限には慎重な対応を心がけましょう。

2. 食物繊維
二つ目の注意点は食物繊維を摂り過ぎることです。野菜類は、ビタミン・ミネラルを供給してくれる栄養価の高い食べ物である一方、食物繊維も多く含んでいます。食物繊維は便秘解消等の健康的なイメージがありますが、腸内環境が乱れていたり、大量の食物繊維を摂取した場合には、逆に腸を傷めてしまうことになりかねません。なぜなら、人間は食物繊維を消化できず、その消化を腸内細菌に依存しているためです。
糖質制限食の典型的なメニューがチキンサラダですが、例えばこれを1日2回食べた場合、このサラダをきちんと消化できる方は非常に少ないと思います。糖質制限を試みる方の多くは、それまで糖質偏重の食生活をしており、そういった方の腸内環境は悪玉菌優勢で、食物繊維を消化できるだけの善玉菌を保持していないからです。また抗生物質や食品添加物でも善玉菌は減ってしまいますので、現代人の生活の中で正常な腸内環境を維持することは簡単ではありません。
そのため糖質制限するのであれば、食物繊維過多にならないよう、肉・魚や卵・乳製品と言った動物性食品を上手に取り入れた食事を摂るようにしてください。また、ぬか漬けやザワークラウト等の発酵食品は、発酵段階で食物繊維の消化が進んでいるため、腸への負担を軽減できます。

根本原因に目を向けましょう

肥満の原因は過剰な糖の摂取です。しかし根本原因、つまり糖質偏重な食生活に至ってしまった原因はなんでしょうか。多くの場合、その原因は心理面にあります。ストレスの多い生活が続き、甘いものや糖質の多いお酒でストレス解消するクセがついてしまった方は少なくないはずです。その場合、仮に糖質制限で一時的に体重が落ちたとしても、そのストレスの原因を解消しない限り、糖質偏重の食生活に戻ってしまいます。
効率主義も糖質偏重になる原因です。仕事や家事に追われ、最短の時間で食事を摂ろうとすると、パンや麺類、おにぎりといった糖質偏重な食事になりがちです。そして一度、糖質偏重な食生活に戻ってしまうと、ここから抜け出すのは容易ではありません。なぜなら糖質には中毒性があるからです。糖質にはなんと、コカインの8倍の中毒性があると動物実験から分かっています。
糖質制限で減量を実現できた場合はぜひ、そもそも糖質制限が必要になってしまった理由は何かを考えてみてください。糖質制限を一定期間続けると、肌の調子が良くなったり、精神的に落ち着いてきたりと、減量以外の効果を発見なさる方も少なくありません。これを機に、糖質制限を健康的な生活を始めるきっかけと捉え、生活習慣全般の改善に取り組んでみてください。

試して欲しい食材:多様な洋梨

9月に入り、ニューヨークのファーマーズ・マーケットでも梨を見かけるようになりました。Asian Pearとして日本の梨も販売されていますが、圧倒的に多いのはPear(洋梨)です。リンゴ同様に皮ごと食べることができ、野菜と一緒に煮込んだり、パイにしたりと活用範囲が広い果物です。

代表的な洋梨は以下、Bartlett、Comice、Boscの3種類です。

Bartlett
Bartlettは薄い緑~黄緑色をした梨です。甘みが強く、身が詰まってます。購入後は熟れるのが早く、数日経つと色が変わり、柔らかく、少し水っぽくなります。
購入後すぐに召し上がるのをおすすめします。

Comice
ComiceもBartlett同様に薄い緑色をした品種で、表面に薄い茶色の斑点があります。形はBartlettよりも丸みを帯びています。
みずみずしい味が特徴で、噛むと果汁が一気にあふれてきます。日本の二十世紀梨に近い食感です。
Comiceも購入後に熟すのが早いですが、見た目に分かりづらいのでお気を付けください。

Bosc
Boscは茶色の梨です。味は日本の長十郎や豊水という梨に近いです。
ジャリジャリした食感で、甘みもしっかりあります。BartlettやComiceよりも日持ちする傾向があります。

日本に住んでいたこと、私は洋梨が苦手でした。でもこちらで洋梨を食べてから、洋梨が好きになりました。皆さまもぜひ食べ比べして、好みの梨を見つけてみてください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第7回「本物のグルテンフリーのすすめ」

これまで食材の選び方や値札の見方といった、食材購入の基本をご紹介してきました。少しでも皆様のお買い物にお役立ていただけていれば幸いです。
ただこれら基本だけでは戸惑うこともまだ多く、特にグルテン・フリー(Gluten Free)やビーガン(Vegan)といったトレンド・ワードをどう判断すべきか迷う方も多いと思います。またトレンド・ワードは米国で広まってから、日本に持ち込まれることが多いため、日本語の情報源が限られ、調べるのも一苦労だと思います。
そこで今回は、ここ数年の代表的なトレンドワードである「グルテンフリー」について解説したいと思います。グルテンフリーは非常に意味のある食事法である一方、落とし穴や実践の難しさも伴います。ぜひ本稿を参考にグルテンフリーの実践をご検討ください。

急拡大するグルテンへの注目

グルテンは小麦や大麦等に含まれるたんぱく質で、グリアジンとグルテニンという二つのたんぱく質で構成されています。グルテニンはパンやパスタ等のモチモチ感を演出している成分で、小麦製品の爆発的な人気の一端を担っていると言えるでしょう。また食品だけでなく、歯磨き粉やスキンケア商品、ヘアケア商品などのあらゆる商品にグルテンは利用されています。
これほどまでに我々の生活に浸透しているグルテンですが、近年は「グルテンを避ける」という意味で注目を集めています。なぜ避けなければならないのでしょうか。
グルテンは、セリアック病(Celiac Disease)という自己免疫疾患(アレルギー)を引き起こす成分として以前から知られていました。しかしこれが近年、セリアック病でない人にも悪影響を及ぼすことが分かってきました。そしてスポーツ選手やファッションモデル、セレブリティ達がグルテンを除いた食事(グルテン・フリー食/Gluten Free Diet)を取り入れるようになり、グルテンの認知度が一気に上がりました。テニスのジョコビッチ選手がグルテンフリーにしてから戦績が急上昇したのは有名な話です。
アメリカでのグルテンフリー浸透は相当なもので、ある調査によれば30%の人がグルテンフリーを心がけたいと考えているそうです。

グルテンフリーは減量に効果的?

グルテンフリーの効果としてよく言われるのが減量効果。確かにグルテンフリーにすると痩せる可能性は高いです。なぜならグルテンを避けるために小麦製品を控えた結果、小麦に含まれる糖質も避けることになり、過剰な血糖値の上昇を避けられるからです(過剰な血糖は脂肪に変換される)。
しかしこれはあくまで副次効果であり、グルテンフリーの本当の価値ではありません。また取り組み方次第では体重増加を引き起こす恐れも十分にあります。グルテンフリーの本当の価値を理解している人は少なく、グルテンフリーの知ったかぶりをなじる企画(https://www.youtube.com/watch?v=AdJFE1sp4Fw)が人気を博すほどです。

腸壁の損傷回避がグルテンフリーの価値

例えばパンを食べたとします。パンは小麦で出来ていますので通常、グルテンが入ってます。パンは消化器官で分解され、必要な栄養素は吸収され、不要なものは排泄されます。
しかしグルテンの消化力は人によって異なります。また一定の消化力を有していたとしても、大量のグルテンを消化できるわけではありません。そのため、グルテンの消化力が低い方(諸説によりますが10人中1人~3人程度)や大量にグルテンを摂取した場合、未消化のグルテンが腸壁を傷めてしまうことが分かってます。そのためグルテンフリーにすると、この腸壁の損傷を食い止められ、場合によっては腸壁の回復にもつながるのです。

腸は免疫の要であり、第二の脳

栄養療法の世界でここ数年最も注目されているのが腸の重要性です。その中でも人間の免疫力に関して腸の果たす役割の大きさが特に注目されています。
腸壁は、胃酸で殺菌しきれなかったバクテリアやウィルス等の外敵が体内に取り込まれるのを防ぐ門番の役割があります。また免疫機能の70%は腸にあるとも言われています。逆に言うと、腸壁が劣化していては外敵が体内に入りたい放題ですし、免疫が正常に機能しないことでアレルギー症状を引き起こすこともあります(アレルギーは免疫機能の異常反応)。
また腸は第二の脳とも言われており、主要な神経伝達物質の多くが腸で生成されています。特に幸せホルモンとして有名なセロトニンの90%が腸で生成されていると言われています。
このような重要な役割を担っている腸の天敵がグルテン。そのためグルテンフリーはぜひ実践していただきたいのですが、落とし穴や実践の難しさがつきまといます。

落とし穴はグルテンフリー・ジャンク

最近では、スーパーマーケットに「Gluten Free」と表示された商品が非常に増えました。例えば、グルテンフリー・パスタなどです。しかしこれら商品は、小麦を他のもの(米やとうもろこしなど)に置き換えただけのものであることが多く、食べたときの満足度を維持するために砂糖を追加していることも多くあります。
またグルテンフリーだからとつい安心して食べすぎると血糖値スパイクを引き起こします。なぜならグルテンが除かれただけで、米やコーンであれば炭水化物(つまり糖質)であることに変わりがないためです。詳細は省きますが、この血糖値スパイクこそが、肥満を含むほぼ全ての生活習慣病の根本原因と考えられています。
つまりグルテンは避けられるものの、糖質量や血糖値の上げやすさは変わらないか、むしろ悪化している可能性もあり、これがグルテンフリーを謳っている商品の一部がグルテンフリー・ジャンクと揶揄される理由です。
したがって本当に意味のあるグルテンフリーを実践するためには、もともとグルテンを含まないものを選ぶようにする必要があります。パンや麺類の代わりにお米を食べる。揚げ物の代わりに焼き物や蒸し物を食べる。ビールの代わりにワインを飲む。しょうゆや味噌は本来グルテンを含まない食品ですので、昔ながらの製法で作っている商品(原材料に小麦を含まない)を選ぶ。そういった本物のグルテンフリーであれば、副作用を心配せずに、身体に優しいグルテンフリーを実践できます。

グルテンフリーが難しい理由は中毒性

ところが、グルテンフリーは数日続けるのも並大抵のことではありません。これはグルテンが持つ中毒性のためです。グルテンは消化される過程でモルヒネのような中毒性の強い物質に変わります。パンやケーキ、パスタ等を食べると気分がいいのは、この中毒性によるところが大きい。禁酒や禁煙が難しいように、禁グルテンも難しいのです。
また小麦などの炭水化物は最終的に砂糖(グルコース)に分解されます。さらにケーキやお菓子類など、グルテンを含む食品には砂糖が多く使われています。そして砂糖にはコカインの8倍の中毒性があると言われています。つまりグルテンフリーにするには、禁グルテンと禁砂糖のダブルパンチに耐えないといけないのです。これは本当に意思の固い方でない限り、簡単には続けられません。

実践のポイントは「仲間」と「今よりもグルテンフリーな生活」

グルテンフリーを実践する際にまず心がけていただきたいのは「仲間」を募ることです。特に家族や職場仲間のように、日々顔を合わせている人と一緒に取り組めば、モチベーションの維持や実践テクニックの共有も可能になります。
「今よりもグルテンフリーな生活」を目指すこともポイントです。いまがグルテンまみれの生活であれば、明日はグルテンをその70%程度にする。翌週は50%にする。来月は20%にする。完璧を目指して途中で断念しグルテンまみれの生活に戻るより、少しでもグルテンフリーに近づける方がよっぽど意味のあることです。
生活習慣を変えるのは簡単ではありませんが、変えたことによる効果は想像以上です。手前味噌ですが、私が栄養療法に目覚めたきっかけはグルテンフリーです。倦怠感や異様な眠気が無くなり、気分のアップダウンも激減しました。数か月に1度は起きていたアレルギー症状に似た鼻炎も、ほとんど起きなくなりました。
ぜひこの機会に真のグルテンフリー生活を取り入れてみてください。

試して欲しいおかず:ザワークラウト

(Photo by Jeremy Keith)

(Photo by Jules)

今日は手軽に食べれる健康的なおかず、ザワークラウト(Sauerkraut)をご紹介します。ザワークラウトはキャベツを乳酸発酵させた西洋の漬物です。はい、「ドイツなどでソーセージと一緒についてくる、あの漬物」です。
赤キャベツで作られたものもあり、彩豊かな盛り付けに一役買ってくれるザワークラウトですが、今回特にザワークラウトをご紹介したかった理由は、グルテンフリーとの相性がとてもよく、ザワークラウトに含まれる善玉菌が腸内環境を整えてくれるからです。

では善玉菌が豊富だと何がいいのでしょうか。答えは食物繊維の消化です。食物繊維が腸にいいと言われますが、これはあくまで腸に善玉菌が豊富にいる場合です。なぜなら食物繊維は胃酸や消化酵素では消化できず、善玉菌が消化するからです。
つまり善玉菌がないと食物繊維は消化できず、逆に消化されない食物繊維が腸内に残り腸内環境を荒らす原因になってしまいます。春から夏にかけては葉物野菜が美味しく、秋は根菜が美味しい季節です。これら食材に含まれる豊富な食物繊維を消化するには善玉菌が必須なのです。
オイルも加えて撹拌すれば完成です。食べる前にお好みで岩塩やブラックペッパーをかけても美味しいです。

ザワークラウトはスーパーマーケットで瓶詰めされて販売されていますし、ファーマーズマーケットなどでも自家製のザワークラウトを購入することができます。
購入時に気を付けていただきたいのは、必ず乳酸発酵(Lacto-Fermentation)されたもの選ぶこと。瓶詰めされて冷蔵販売されているものであれば、おそらく大丈夫です。逆に室温で販売されているものは、ただの塩漬けである可能性もあるのでご注意ください。
ザワークラウトから善玉菌を腸に蓄えて、ぜひ春・夏・秋の季節の野菜を腸から楽しんでみてください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。



著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第6回「もう迷わない、アメリカでの値札の見方」

レジに行くまで、いくら払うか分からない。アメリカで誰もが一度は感じる不安です。
カード決済が浸透しているので、レジまで行ったあげく現金が足りずに買うものを減らすなんてことは少なくなりました。
とはいえ、同じ商品が店によって倍近く価格が異なることは当たり前。支払いを終えるまで、いくら払うか分からないという不安はぬぐえません。
そこで、そんな不安感を少しでも解消していただこうと、今回は食材購入時の値札の見方をご紹介します。

「販売価格」と「単位価格」

食材に使わる値札は、「販売価格」と「単位価格」の二つで構成されています。
一般的に、販売価格の周辺には「Retail Price」または「You Pay」と、単位価格の周辺には「Unit Price」とプリントされています。ただし、表現や値札のデザインが統一されているわけではないので困ります。

例えば下の写真はいずれも左に単位価格、右に販売価格がプリントされていますが、色合いやRetail Price等の記載内容は異なります。慣れるまではよく値札を確認するようにしましょう。

ちなみに表示価格は税抜きであることにご注意ください。税率は州によって異なりますが、通常5%~10%の間です。0%の州もあります。

販売価格は、私たちが支払う値段

販売価格は購入者である私たちが支払う値段です。食材の場合、販売価格の表示形態はPer Each(EAと記載)とPer Pound(LBと記載)の2種類に大別されます。

Per Eachは日本人が親しみやすい表示形態。一つ・二つ・・・、ひと箱・ふた箱・・・、ひと袋、ふた袋・・・など、数えられるものの一つ分の値段です。Per Eachの派生形でPer Bunchという表示もたまに見かけます。これはアスパラガスやにんじん等、ゴム等で束ねられた食材一束分の値段を示しています。ファーマーズマーケットでよく見かける表示形態で、暗算が基本のファーマーズマーケットでは、これが販売側の計算間違いを防ぐ手段にもなっているのでしょう。いずれにせよ、Per EachやPer Bunchは直観的に分かるので、問題ないですね。
foodlabo_02
日本人が苦手とするのはPer Poundです。Pound(パウンド)は重量を示す単位。お肉であれば日本でもグラム単位で販売されているので、携帯アプリなどでグラムをパウンドに変換すれば、おおよその価格を想像できます。(単位変換の計算方法はこちらの記事をご参照ください) 困るのが生鮮食品。通常、秤が店内に設置されていますが、毎回計量するのも手間なので「多分こんなもんだろう」と自分を納得させている方も多いのではないでしょうか。
foodlabo_04

1パウンドのイメージを持っていれば安心

Per Pound表示を目にしたとき、自分の中に1 Pound分の食材がイメージ出来ていると価格見積が簡単にできます。
以下が、日本人がよく購入する生鮮食品の1 Pound分のイメージです。この量に対して、自分がどのくらい購入するつもりなのかを考えれば、おのずと購入額を推定できます。

1 Poundの野菜や果物ってどのくらい?
(photos by Samantha Bolton)

foodlabo_17

手のひらで握れる大きさのほうれんそう2束分

foodlabo_06

中程度の大きさのにんじん5本分

foodlabo_07

中程度の大きさの玉ねぎ2個分

foodlabo_08

中程度の大きさのバナナ3本分

foodlabo_09

中程度の大きさのいちご15~20個分

foodlabo_10

中程度の大きさのりんご3つ分

「単位価格」は商品比較のため

販売価格の横に添えられている単位価格は、販売価格を商品重量で除した値です。この目的は同類の他商品との比較です。単位は商品によって異なりますが、グラム(Gram)・パウンド(Pound)・クォート(Quart)・パイント(Pint)などが一般的です。例えば右の写真を見てください。どちらも販売価格が$12.99のオリーブオイルです。しかし単位価格は左側の商品のほうが安いことが分かります(1パイント当たり、左は $8.15 、右は$12.30)。つまり、仮に好みや品質に違いがないとすると、左側の商品の方がお買い得だと分かります。
foodlabo_11

よくある落とし穴

次は値札を見るときに陥りやすい落とし穴を見ていきましょう。お店側に悪意はなくとも、慣れないとつい間違ってしまうものです。

「X for $Y」のディスカウントはX個買わないと適用されない?!

答えはNo。例えば、右の写真のように「2 for $5」と表示されていると、2つ買わないとディカウントが適用されないように思われがちです。でも、そんなことはありません。一つだけ買っても、$2.50を請求されるのみです。必要な数だけ購入しましょう。
foodlabo_12

ドラッグストアの値札に注意!

日用品がなんでも揃うドラッグストアは何かと便利。でもドラッグストアの値札は少しトリッキー。例えば、この商品はいくらだと思いますか。「2つで$5」と思った方は要注意です。なぜなら「2つで$5」はメンバー向けの価格だからです。メンバーでないと「1つで$4.79」を請求されてしまいます。一番大きく表示されているのが販売価格だと思い込んでいると、ついこの落とし穴にはまってしまいます。ドラッグストアのメンバー登録はたいがい無料です。よく行くお店であれば、メンバー登録してしまった方が混乱が少なくていいですね。

foodlabo13

値札の並びを信用しない

美しく陳列された商品棚、元あった場所に商品を戻すお客さん。残念ながらアメリカで、このような常識は通じません。夕方の混雑した時間帯など、商品が陳列棚に散乱していることも珍しくありません。
foodlabo14
そんな時によく起きるのが、この写真のような値札と商品の不一致。一見するとPlainヨーグルトが$1.59で売られているように見えますが、それは間違い。元は1列ずつ陳列されていたStrawberryとPlainが、何かの理由でStrawberryが2列になり、Plainが右に押し出されてしまっています。そして押し出された先にあったのは別の商品の値札。こんなことはアメリカのスーパーマーケットでは日常茶飯事です。
foodlabo15
さらにこの写真のように、どう考えても値札と商品が一致しないこともよくあります。

ドンと構えて、楽しみましょう

残念ながら、慣れるまでは混乱したり落とし穴に引っかかることが多いかもしれません。しかしアメリカ人の普段の生活を覗けるいい機会でもあるのが買い物時間。また在住者ならではの面白い体験が出来るのも買い物時間です。

先日も私がキクラゲを買おうとしたところ、レジの方がキクラゲを知らないために商品コードを打ち込めないということがありました。隣のレジの店員さんも分からない、キクラゲに商品タグがついているわけもなく、私も英語名を忘れてしまい助けることもできない。そこで店員さんが言いました、「分からないから、あげる!」と。実はこんな経験は初めてではなく、以前もレモングラスをタダでもらってしまいました。
食材の買い物は避けて通れない時間。構えすぎず、気楽な気持ちで買い物時間を楽しみましょう。

試して欲しい食材:バジル

(Photo by Jules)

春から夏にかけて、葉物野菜やハーブが多く出回ります。茶色が目立った秋冬から一転、ファーマーズマーケットに行けばこれでもかとたくさんの緑の食材が出迎えてくれます。その中から今日はバジルをご紹介します。

バジルは日本人にも馴染みのあるハーブだと思いますが、どちらかというと外食時に食べるものというイメージではないでしょうか。でもせっかく安価に高品質なバジルを手に入れられるアメリカに住んでいるのですから、ぜひ自宅での調理にも活かしてみてください。

バジルの代表的な使い方がペストソースです。パスタと和えたり、ジャムの代わりにパンにのせたり、またはローストチキン用のソースとしても使えます。フードプロセッサーさえあれば、作るのもとても簡単。まずバジルと松の実(Pine Nuts)をフードプロセッサーに入れ、細かく刻みます。さらにニンニクとチーズ(パルメザンチーズなど)を加えて、ペースト状になるまで回し続けます。さらにオリーブオイルも加えて撹拌すれば完成です。食べる前にお好みで岩塩やブラックペッパーをかけても美味しいです。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第5回「牛乳はどれを選べば良いの?」

アメリカのスーパーマーケットで驚くこと(戸惑う理由)の1つが牛乳の種類の多さ。ブランドの多さはもとより、乳牛の飼育方法から乳脂肪率、殺菌方法まで、全種類試していたら数年かかってしまいそうなくらいです。

これには消費者の健康意識の高さだけでなく、ここ数年の間に起こった牛乳のメリット/デメリットに対する考え方の大きな転換があります。

そこで本稿では、この考え方の転換に関する解説も交え、私なりの牛乳選びの基準をお伝えしたいと思います。ぜひ日々のお買い物の参考にしてください。

基本原則:Grass-fedの牛から摂ったOrganicの牛乳


牛乳選びの基本原則は牛肉選びと同じ。つまり、Grass-fed の牛(牧草を食べて育った牛)から摂ったOrganicの牛乳であることが基本原則です。

第2回「牛肉や豚肉は一体どれを選べば良いの?」でご紹介した通り、Grass-fedの牛肉は一般的な牛肉よりも栄養価が高く、栄養バランスもとれています。これは牛乳も同じ。

Grass-fedの牛から摂った牛乳の方が、栄養価もそのバランスも優れています。

Organicであることも重要です。Organicの牛乳の方が一般的な牛乳よりも栄養価とそのバランスが優れていることを複数の研究により確認されています。加えて、Organicであれば人工的に生成された成長ホルモンや遺伝子組み換え飼料も使われておらず安心です。

種類はWhole Milkを推奨


種類はWhole Milk(成分無調整の牛乳)をおすすめします。

Low Fat Milk(低脂肪乳)のほうが健康的であるとお考えの方も多いと思います。低脂肪信仰は、「乳製品や牛肉等に含まれる脂肪、特に飽和脂肪酸が心臓疾患の原因である」という考えとともに1960年代ごろから広まりました。また飽和脂肪酸は体内でも作り出せるため、わざわざ食べ物から摂る必要がないという考えもこれを下支えしました。

しかしこの考えが必ずしも正しくないことが近年明らかになっており、適量の飽和脂肪酸を食事から摂る必要性が見直されています。我々の身体は細胞の集合体であり、細胞膜の多くが飽和脂肪酸で作られていることを考えれば、当然のこととも言えます。

またWhole MilkがLow Fat Milkよりも太りやすい、というのも誤解です。太りやすい食べ物とは、血糖値を上げやすい食べ物です。なぜなら、必要以上の血糖を将来のエネルギーとして蓄積した結果が脂肪だからです。Whole MilkとLow Fat Milkの血糖値の上げやすさは同じです。つまり太りやすさには差異がないと考えて問題ありません。

むしろ脂肪は満腹感を醸成する作用があるため、Whole Milkの方が自然と摂取量が減り、太りにくいとさえ言えます。実際にこのことを証明している研究もあります。

このように Whole MilkとLow Fat Milkに大差はない(むしろWhole Milkの方が優れているとも言える)ため、より自然な形で提供されているWhole Milkを私は選択しています。

殺菌・均質化処理は最小限のものを

殺菌(Pasteurization)や均質化(Homogenization)は最小限のものを選びましょう。つまり「Low-Temp Pasteurization」、「Non-homogenized」と表示されているものがおすすめです。

殺菌処理は、牛乳を一定時間熱することで人体に悪影響を及ぼしかねない細菌を除去するために行われます。またこれにより、賞味期限を引き延ばすこともできます。しかし残念ながら、悪影響のある細菌だけでなく、牛乳の栄養素や消化酵素もダメージを受けることが分かっています。

殺菌処理は、製造・流通に衛生的な環境を用意できなかった1800年代に発達した技術です。現在のような衛生的な環境が整った時代であれば、殺菌処理は最低限で十分です。

均質化処理は、乳脂肪を細かく分解して乳脂肪が固まらないようにする処理です。見た目にきれいで舌触りもよくなりますし、製造・流通業者にとっても扱いやすいものになります。しかし安全性とは無関係であり、見た目や舌触りが気にならないのであれば、あえて手を加えたものを購入する必要はありません。

生乳は自己責任で

では、生乳(Raw Milk)はどうでしょうか。殺菌も均質化もされていない状態の牛乳が生乳ですので、それが最良の選択のようにも思えます。実際、アメリカには生乳推奨派が一定数存在し、全50州のうち、生乳の消費を完全に禁止しているのは20州だけです。カリフォルニア州を含む13州は一般店舗での生乳販売も許可しています。

私は生乳の栄養価の高さを支持しているため、生乳が手に入ったときは喜んで飲んでいます。しかし人に奨める際は慎重になります。特に免疫機能が弱いお子様や高齢者、胎児への影響が懸念される妊婦や授乳中の方は避けるようにお伝えしています。

生乳の販売が許可されている州にお住まいの方は試してみるのもいいと思いますが、あくまで自己責任であることは認識しておきましょう。

牛乳は消化不良やアレルギー反応を引き起こしやすい


牛乳は非常に長い間、栄養価の高い食材として人々に愛されてきました。人類が初めて牛乳を飲んだのは1万年~6千年前だと言われています。日本でも飛鳥時代(7世紀ごろ)には乳製品が中国から伝わっていたと言われています。

一方で、牛乳が卵や小麦と同じく、多くの方に不快な症状を引き起こす食品の1つであることも事実です。牛乳が引き起こす症状の要因は大きく3つあります。

まず乳糖(Lactose)です。乳糖の消化にはそのための消化酵素が必要です。しかしながら、25%~90%(研究によって値が異なる)の人はこの消化酵素を体内で作れないと言われています。また作れたとしても、摂取量に見合うだけの消化酵素を作れているかは分かりません。そのため、消化酵素がない、また不足した場合に「お腹が緩む」ということが起きてしまいます。

乳タンパク(Casein)も要因になりえます。乳タンパクが要因になるのは、それが適切に消化されず、消化過程でアヘンと同様の構造を持つ化学物質に変化してしまった時です。そしてこの化学物質が吸収され脳に送られた結果、脳機能を阻害し、自閉症や精神疾患、鬱などを引き起こすと言われています。

牛乳アレルギーは、牛乳に含まれる多くの抗原によって引き起こされます。例えば幼児期の激しい腹痛は、牛乳が持つ抗原が主な要因と考えられており、牛乳を飲んだ母親からの母乳でも乳児に激しい腹痛を引き起こすと言われています。

ヨーグルト等の発酵食品であれば不快な症状を回避できる可能性あり


これら要因の影響を抑制できる方法が発酵(Fermentation)です。そして牛乳の代表的な発酵食品がヨーグルトです。

十分な発酵を経ると乳糖や乳タンパク、各種抗原が分解され、人間が安全に消化・吸収しやすい状態に牛乳は変化します。発酵によって全ての症状を回避できるわけではありませんが、症状を和らげたり、場合によっては回避できる可能性は十分にあります。

症状緩和のために発酵食品を選択する場合は発酵期間に注意してください。発酵期間が十分でないと、症状緩和の効果も限定的になります。特に市販の発酵食品は十分な発酵期間を経ていないものも多いため、注意してください。

乳製品もファーマーズマーケットで


牛乳やその他乳製品もぜひファーマーズマーケットで購入してみてください。大きめのファーマーズマーケットに行けば、牛乳からバター、チーズ、ヨーグルトまでなんでも揃います。

ファーマーズマーケットで乳製品を購入するメリットはなんといっても鮮度です。乳製品は棚に陳列されているものと思いがちですが、牛乳が牛の母乳であることを考えたら、これが異常なことだと気づきます。どれだけ流通環境を整えたとしても、産地直送の鮮度には敵いません。

またファーマーズマーケットで販売されるヨーグルト等の発酵食品は、長い時間をかけて発酵させられていることが多く、市販のヨーグルトで不調が生じる方でも、ファーマーズマーケットのヨーグルトなら大丈夫ということもあります。発酵期間等をお店の方に確認しながら、負担の少ない乳製品を探してみてください。

試して欲しいアメリカ食材:Artichoke

今回ご紹介するのはArtichok(アーティチョーク)です。

私にとって、アーティチョークは思い出深い野菜です。スペイン南部の山奥にある、総人口20人くらい小さな村に住む方を訪ねた際、暖炉で作った「焼きアーティチョーク」をご馳走になりました。

それが人生初のアーティチョークで、本当に美味しかったのを覚えています。その後アメリカに住むようになり、アーティチョークがスーパーマーケットなどで当たり前のように並ぶ食材であることを知りました。見た目は大きな花のつぼみのようですが、食べるとホクホクしていて、まるでジャガイモのようです。ぜひ米国在住中にアーティチョークの美味しさを体験してみてください。

スペインでの体験から、私が一番好きな食べ方は「焼きアーティチョーク」です。本体上部2cm程度を切り落とし、それぞれのガクの先端部分もハサミで切り落とします。その後、本体を縦に半分に切り、中の繊維部分を取り除き、ガクだけの状態にします。これを一度蒸してから、オリーブオイルと塩・コショウをかけて、最後にオーブンで焼き上げます。ハーブと一緒に焼いたり、焼きあがったものにバジルソースなどをかけても美味しいと思います。春はハーブも豊富なので、ぜひいろいろと試してみてください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第4回「魚介類はどれを選べば良いの?」

魚介類は日本食の象徴的な食材です。アメリカで肉や小麦・とうもろこし等の穀物中心の食生活を送っていると、お寿司や焼き魚が恋しくなる方も多いと思います。

しかし農地や牧草地と違い、海は広くどこまでもつながっているため、魚介類の飼育環境をコントロールすることは非常に難しく、制度・法令で管理できる範囲にも限界があります。しかしこれが逆に、我々の購入判断を比較的シンプルにもしてくれます。

本稿では私が魚介類を購入する際の判断基準をご紹介します。ぜひ日々のお買い物の参考にしてください。

魚介類にOrganic認証基準はない


魚介類の場合、野菜・果物や肉類を購入する際の最低基準としていた「Organicであること」を購入判断に使えません。

なぜなら、魚介類に対するOrganic認証基準が策定されていないためです(米国、2017年1月現在)。ただこれは考えてみれば当然です。止まることのない海流の下で、餌や養殖場の海水の品質を一定基準に合わせることは限りなく不可能だからです。

室内養殖であれば技術的には可能でしょうが、食品安全・環境保全を目的とするOrganic認証の考え方に合いません。魚介類に対するOrganic認証基準をUSDAが一応は検討しているようですが、上記理由から将来的に策定される可能性は極めて低いと考えています。

魚介類はLocalのWildを選びましょう


では魚介類は何を基準に購入すべきでしょうか。私はLocal(ローカル)かつWild(ワイルド)の魚介類を選ぶようにしています。

Localとは、販売拠点近郊(同州もしくはその近接州)で得た食材という意味のフレーズで、魚介類に限らず、野菜・果物や肉類、加工食品にまで使われます。このフレーズは、新鮮さや環境負荷の少なさをアピールするために使われます。

輸送方法や捕獲直後の裁き方にも左右されますが、Localなほうが新鮮であり、輸送距離・時間が短ければ短いほど、移動・冷蔵にかかるエネルギ―を抑えられます。また輸送時間が短いということは、腐敗や細菌繁殖を防止するための措置を最小限にできます。

Wildはその名の通り、天然モノという意味。これと対になるのがFarm-raised(ファームレイズド)。養殖モノを意味するフレーズです。

Wildは栄養価が高い


WildとFarm-raisedの栄養価の違いは、その育成環境を考えれば明白です。

大海原で自由に泳ぎ回り、天然の生きた獲物を食べて育った天然モノが、人間が人工的に用意した場所と餌で育った養殖モノよりも、栄養価が低いとは考えられません。またWildの栄養価の高さは多くの研究でも明らかになっています。鮭を例に栄養価の違いを見てみましょう。

Omega 3の含有量はWildがFarm-raisedの約1.5倍です。

Omega 6 / Omega 3比は、Farm-raisedが0.25程度であるのに対し、Wildは0.05~0.1です。Omega 6 / Omega 3比の理想値は1~3です。

魚介類以外から摂取する脂肪は圧倒的にOmega 6の方が多いため、食事全体のバランスを考えると、魚介類のOmega 6/ Omega 3比は出来るだけ低い値である方が理想です。

※Omega 3に関する解説は前々号をご参照ください。前々号はこちら

Wildは汚染物質の混入リスクが低い


汚染物質の混入リスクもWildに軍配が上がります。

世界中で販売されている鮭の汚染状況を調査した研究者は、「天然モノの鮭に比べ、養殖モノは圧倒的に多くの汚染物質を含んでいる」と述べています。

またこの研究で、養殖モノは天然モノに比べ、8倍上のPCB(ポリ塩化ビフェニール)を含んでいることも明らかになっています。PCBとは、ガンや生殖機能障害などの健康被害と強い関連があると考えられている汚染物質です。

アレルギー、重金属、プリン体に配慮


魚介類を購入するときに配慮すべきはアレルギー、重金属、プリン体の3つです。

甲殻類にアレルギーのある方は少なくありません。アレルギーテストで陽性になった方は、Wildであっても甲殻類は避けましょう。一方、自己診断で甲殻類アレルギーとお考えの方は一度アレルギーテストを受けてみてください。なぜなら、甲殻類アレルギーと自己診断している方の中には、甲殻類ではなく、甲殻類を調理する際によく使われるMSG(グルタミン酸ナトリウム、うま味調味料)に反応している方も少なからずいらっしゃるからです。

こういう方は、アレルギーテストの結果が陰性であれば、甲殻類を食べれるようになるかもしれません。またMSGを避けることで、気づかないうちに陥っていた不調も解消できるかもしれません。

重金属も魚介類の購入には気になるところです。特に大型の魚や深海魚には重金属が多く混入しているリスクがあります。体内に蓄積された重金属には、慢性疲労から脳障害まで、多くの疾患との相関が疑われています。

免疫機能、特に腸内環境が整っている方は、魚介類に混入する程度の重金属は排出できます。しかし現代人の大半は、食の乱れや日々のストレス・疲労から免疫機能が弱っています。そのため、特にこだわりが無かったり、他にも選択肢がある場合は、大型の魚や深海魚は避けた方が賢明でしょう。

プリン体と痛風との関係も、魚介類の購入時には気になると思います。ただ痛風を意識するのであれば、プリン体だけでなく、糖質やアルコールの摂取量も気にしましょう。

痛風は関節炎の一種で、激しい痛みとともに、しこりや炎症が関節とその周辺の組織に生じます。痛風の原因は血中尿酸値の上昇です。血中尿酸値が上昇し、その尿酸が針のような結晶を生成して、痛風が生じます。

血中尿酸値の主な上昇要因はアルコール、糖質、プリン体の大量摂取です。食事で取り込まれる尿酸は全体の2-3割程度と言われており、また過剰な尿酸を排出する機能も人間は有しているため、適量の摂取であれば問題ありません。しかし長期間にわたって尿酸値を上昇させるような上記食品を大量に食べ続けていると、やがて痛風を発症してしまいます。

魚介類もファーマーズマーケットで購入可能


ファーマーズマーケットは野菜・果物だけと思っていませんか。

確かに野菜・果物が大半を占めますが、沿岸部にある中規模以上のファーマーズマーケットであれば、最低1件は魚屋さんが来ているはずです。ぜひ彼らに「Are they local? Are they wild?」と聞いてみましょう。嬉しそうに「Yes!」と返してくれるはずです。

試して欲しいアメリカ食材:Kohlrabi

(Photo by Yoichiro Nakamura)

今回ご紹介するのはKohlrabi(コールラビ)です。

日本語では蕪甘藍(かぶかんらん)と呼ばれるようですが、むしろカタカナ書きのコールラビの方が浸透しているかもしれません。地中海地方が原産地で、旬は冬です。冬のファーマーズマーケットは野菜・果物が少ないのでさみしいですが、そんな気持ちをKohlrabiは救ってくれます。

食感はカブとりんごの間のような感じでしょうか。生だとシャキシャキとした食感を楽しめます。加熱調理するとほんのりとした甘さが際立ちます。生でも炒めても美味しいですが、ローストしてポテトチップスのように食べる形がおすすめです。小さいお子様にも喜ばれる料理だと思います。

(Photo by Yoichiro Nakamura)

薄くスライスしたKohlrabiをオリーブオイルで和えた後、岩塩を振りかけます。それをベーキングシートに並べ、300°Fくらいで予熱したオーブンに入れます。頃合いを見てKohlrabiを裏返しし、両面ともにカラッとしたらオーブンから取り出し、軽く塩を振ります。

お好みでコショウをかけても美味しいです。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第3回「鶏肉や卵は一体どれを選べば良いの?」

今回は、前回号の動物性食材を選ぶ時の考え方-牛肉・豚肉編に続く第2弾として、鶏肉・卵の選び方や、日本人だとついつい食べたくなる卵の生食についてもご紹介いたします。

鶏肉や卵はどれを選べば良いのか?選ぶ基準はまず栄養価。これは数値化できるので判断が容易です。次に飼料や飼育方法。これには動物愛護や飼育者の健康に関する議論が付きまといます。しかしこれには「正解」がありません。
消費者個人が、自分の価値観に従って判断することが求められます。私の価値観を一つの判断基準として参考いただき、鶏肉・卵に対する皆さま自身の判断基準を考えてみてください。

Organicが大前提

鶏肉や卵を選ぶ時の大前提は、Organic(オーガニック)であること。
USDA(United States Department of Agriculture)によると、抗生物質や成長ホルモンの不使用、Organic飼料(遺伝子組み換えでない飼料など)による飼育、屋外への経路確保などがOrganic認証には求められます。

つまり、Organicでない鶏肉・卵は、成長ホルモンや遺伝子組み換え飼料により飼育された恐れがあるということです。

細分化する飼育環境

鶏肉・卵には、飼育環境を説明するフレーズが牛肉・豚肉以上に多く存在します。
食用鶏の飼育環境は大きく4種類。それを分かりやすく人間の生活環境に例えると以下のようなイメージです。

1. Battery Cage(バタリーケイジ)
靴箱サイズの檻の中で身動き取れず、清潔感もない → 場末のカプセルホテル

2. Cage-free(ケイジフリー)
檻はないが、大きな納屋にすし詰め状態 → 雑魚寝

3. Enriched Colony(アンリッチドコロニー)
檻ではあるが、それなりに動ける → ルームシェア

4. Pasture-raised/Free-range(パスチュアレイズド/フリーレンジ)
草の上を自由に動ける → 1ルームの部屋以上

スペースの関係上、写真は掲載しませんが、上記フレーズでイメージができるのではないでしょうか。
その違いは一目瞭然です。

鶏肉はPasture-raised/Free-rangeを選択

これら飼育環境は鶏肉の栄養価に影響するのでしょうか。

答えはYes&No。

Pasture-raised/Free-rangeのような自然に近い飼育環境で育った鶏肉の方がOmega 3を多く含むという結果が多くの研究から出ています。しかし、その差は決して大きくありません。
※Omega 3に関する解説は前回号をご参照ください。前回号はこちら

ビタミンEの量に関しては、飼育環境がほとんど影響しないという研究結果が大半です。つまり、栄養価だけ見るとPasture-raised/Free-rangeの鶏肉にこだわる必要はなさそうです。

ただそれでも私はPasture-raised/Free-rangeの鶏肉を選んでいます。なぜならBattery Cageで飼育されている鶏のことを考えると、その飼育方法を支持することはできないと感じるからです。

飼育者の健康もPasture-raised/Free-rangeを選択する理由です。
Cage-freeやEnriched Colonyの場合、鶏が自由に動き回れる半面、それによって舞い上がった粉塵を飼育者が吸い込み、飼育者の健康を阻害していることが報告されています。

Pasture-raisedとBattery Cageの鶏肉の価格差は大きいですが、もともと安価な鶏肉ですので、価格差といっても数ドル程度です。
数ドルを渋ってまで、劣悪な飼育環境・労働環境を支持したいとは思えません。

卵もPasture-raised/Free-rangeを選択

一方、卵に関しては飼育環境による栄養価の違いが明白であり、迷わずPasture-raised/Free-rangeを選んでいます。

Pasture-raisedの卵には、Battery Cageの卵の1.7倍のOmega 3が含まれているという研究結果があります。量に関しても、Pasture-raised/Free-rangeの卵がBattery Cageの卵の10倍近い、265 mgのOmega 3を含んでいるという研究結果があります。

これは卵をOmega 3の貴重な供給源と考えてよいレベルです。

Gradeに本質的な意味はない

卵のパッケージには、前述した飼育環境の他に、Gradeも記載されています。

GradeはAA/A/Bの3段階で記されています。Gradeは日本語にもなっている単語なので日本人にとっては目につきやすい表示です。

しかし意味するものは、その言葉からの連想するものと異なります。

以下が各Gradeの意味です。

AA:白身が厚く、硬め。黄身がこんもりと高い。殻にヒビや汚れがない
A:基本的にはAAと同様だが、白身がやや薄め
B:白身が薄く、黄身も広がっている可能性がある。殻にヒビはないが、若干の汚れが付着している可能性がある

つまりGradeから分かるのは見た目とヒビの有無だけで、本質的な意味を感じません。

そのため私自身、Gradeを見て卵を選ぶことはありません。もちろんAAやAの方が新鮮だと思いますが、スーパー等で売られているものは通常AAかAで、Bは主に加工用に使われています。

卵の生食は避けるのが賢明

日本人にとって、卵の生食は食文化の1つ。

旅館の朝食の定番は生卵ご飯ですし、誰しも一度は牛丼に生卵をかけて食べたことがあるはず。しかしながらこれが許されるのは、卵の衛生管理が行き届いた日本でのみ。米国での卵の生食にはリスクが伴います。

最も代表的なリスクはサルモネラ菌。FDA(U.S. Food&Drug Administration)では、毎年79,000件の食中毒がサルモネラ菌によって引き起こされ、30件は死亡に至ると推定しています。サルモネラ菌の食中毒にかかると通常、サルモネラ菌摂取後12~72時間以内に下痢・発熱・嘔吐等が発生し、治療を受けないと4日~1週間近く、その状態が続くと考えられています。

サルモネラ菌の食中毒を避けるには、十分に調理した状態で卵を食べる以外に方法はありません。残念なことに、サルモネラ菌の有無をOrganic認証や飼育環境、Gradeによって判別することはできません。仮にOrganicでPasture-raisedなGrade AAの卵であっても、サルモネラ菌が付着している可能性はあります。

試して欲しいアメリカ食材:Sunchoke

cloroxcleanupcleaner

(Photo by Yoichiro Nakamura)

今回ご紹介するのはSunchoke(サンチョーク)です。

Jerusalem artichoke(イェルサレム アーティチョーク)と呼ばれることもあります。日本語名はキクイモです。旬は秋で、そのころのファーマーズマーケットに行くと必ずお目にかかれます。Sunchokeはキク科の一種で、白いショウガのような見た目です。

加熱調理すると、皮に近い部分はヌルっと、芯に近い部分はシャリっとした食感です。

おすすめの調理法はロースト。Sunchokeを食べたい大きさに切り、オリーブオイルと塩を素手でもみ込み、オーブンでローストします。1cm~2cm程度にスライスするのが一般的ですが、縦に切ったり、切らずにそのままローストすると食感が際立ちます。

cloroxcleanupcleaner

(Photo by Tavallai)

ロースト時間の目安は350°Fのオーブンで30分間程度。切り方によって、ロースト時間を調整してください。お好みでローズマリーやタイムを一緒にもみ込んでも美味しいですし、オリーブオイルの代わりにバターやギ―を使うと一味違った美味しさを楽しめると思います。

サツマイモやゴボウなどの根菜類に、ニンニクも添えてローストすると、秋の味覚を堪能できる一皿が簡単に出来上がります。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報の利用にあたりトラブルが発生した場合、利用者又は第三者に損害が生じた場合であっても、本コーナーが利用者の自己責任のもとに利用されるものであることを鑑み、損害賠償その他一切の責任を負担致しません。予めご了承ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第2回「牛肉や豚肉は一体どれを選べば良いの?」

動物性脂肪が問題視されていた過去数十年から一転、動物性食材の重要性が近年、改めて見直されています。もともと狩猟生活を送っていた人間にとって、動物性食材は不可欠。動物性食材から摂取する脂肪・タンパク質・ビタミン・ミネラルは、人間の成長・健康に欠かせない栄養素です。

しかし現代の動物性食材の種類は非常に多岐にわたります。オーガニックか、非オーガニックかだけでなく、飼料や飼育方法、栄養価や食感/味まで、考慮すべきことが非常に多い。これが消費者の幅広いニーズを満たす一方で、混乱させている原因です。アメリカ人でも困惑しているくらいですから、アメリカ生活の短い日本人が困惑しないわけはありません。

そこで本稿から3回にわたり、動物性食材の購入時に目にする英語の解説とともに、私がどのような基準に基づいて購入判断しているかをご紹介します。最初にお断りしておきますが、飼料や飼育方法には動物愛護に関する議論が常に付きまといます。しかしこの議論に「正解」はありません。消費者個人が、自分の価値観に従って判断することが求められます。私の価値観を好まない方もいらっしゃると思いますが、あくまで一つの判断基準として参考いただき、皆さま自身の判断基準の確立にお役立てください。
今回は牛肉と豚肉を取り上げます。次号以降、鶏肉・卵・魚介についても取り上げる予定です。

全ての肉・卵はOrganicが基本

牛肉や豚肉に限らず、全ての肉・卵はOrganic(オーガニック)であることを最低条件に考えています。野菜同様に、肉・卵に関してもUSDA(United States Department of Agriculture)がOrganicの認証基準を定めています。この認証基準によると、抗生物質や成長ホルモンの不使用、Organic飼料(遺伝子組み換えでない飼料など)による飼育、屋外への経路確保などがOrganic認証には求められます。裏を返せば、Organicでない肉・卵は、成長ホルモンや遺伝子組み換え飼料により飼育された牛・豚・鶏などから得られた恐れがあります。そのため肉・卵に関してはOrganicのみを購入するようにしています。

牛肉はGrass-fedを選択

その上で、牛肉はGrass-fed(グラスフェド)を選ぶようにしています。Grass-fedとはその名の通り、牧草を食べて育ったという意味。これと対になるのがGrain-fed(グレインフェド)。これは穀物飼料で育ったことを意味します。幅広く浸透している飼育方法でありConventional(コンベンショナル)とも呼ばれます。

飼料が異なるということは、肉の栄養価も異なるはず。Grass-fedとGrain-fedでは、どちらの栄養価が高いのでしょうか。栄養価の違いをOmega 3(オメガ3)含有量と、Omega 3とOmega 6(オメガ6)の比から見てみましょう。

Omega 3含有量に注目する理由は、Omega 3が体内では生成できない必須脂肪酸(つまり食べ物からの摂取が必須な脂肪酸)で、現代疾患の予防・改善に不可欠な栄養素だからです。Omega 3の代表例は、魚に多く含まれるDHAやEPAなどです。これらOmega 3は脳機能の維持・発達に重要な役割を果たしており、アルツハイマー病などの脳疾患の予防や、胎児・幼児の脳の成長にも欠かせないと言われています。また炎症鎮静効果もあり、心疾患の予防・改善効果も認められています。うつ病の予防効果も確認されています。

Omega 3とOmega 6の比率も大切です。Omega 6はサラダ油などに多く含まれる必須脂肪酸で、その最も重要な性質のひとつが炎症促進です。炎症は健康維持に不可欠な身体機能です。免疫システムを発動させるためには炎症が不可欠です。問題なのは慢性的な炎症。慢性的な炎症が原因で引き起こされる代表例が心疾患です。そのため、炎症促進するOmega 6と、炎症鎮静するOmega 3のバランスがとても重要になるのです。理想的なOmega 3とOmega 6の比率は、1:1~3。残念ながら、Omega 6偏重な現代の食生活では、この比率が1:10~20にまで達していると言われています。

Grass-fed beefとGrain-fed beefのOmega 3含有量を比較した研究結果を見てみると、Grass-fed beefの方がGrain-fed beefよりも1.5~2倍のOmega 3を含んでいることが報告されています。Omega 3とOmega 6の比率もGrass-fed beefの方が優れています。Grass-fed beefでは1:2.5程度のOmega 3とOmega 6の比率が、Grain-fed beefだと1:10近くまで跳ね上がってしまいます。さらにGrass-fed beefに比べて、Grain-fed beefは脂肪分が多いため、この影響が拡大してしまいます。

予算が限られる場合は牛肉を購入しない

しかしGrass-fed beefは高額です。豚肉や鶏肉の倍近い値段のする牛肉において、さらに値が張るGrass-fed beefの日常的な購入は、我が家の家計に大きく影響します。かと言って、Grain-fed beefの購入も気が進みません。牛は本来草食動物であり、穀物で飼育されるべきではないと考えるからです。そのため、お祝い事やどうしても牛肉が食べたい場合以外は、牛肉の購入を見送ることも少なくありません。

豚肉はPasture-raised/Free-rangeを選択

自然な形で育てられた豚肉にはPasture-raised(パスチュアレイズド)というフレーズがつけられます。Free-range(フリーレンジ)というフレーズが使われることもあります。いずれにせよこれらは、牧草地で飼育されたという意味です。豚は雑食であるため、飼料には牧草だけでなく虫や穀物なども含まれます。

牛肉と同様に、豚肉もより自然に飼育された場合(Pasture-raisedやFree-range)の方が、栄養価が高いという調査結果があります。例えばOmega 3含有量に関して比較すると、自然な形で飼育された豚肉の方が1.3~1.4倍のOmega 3が含まれます。Omega 3とOmega 6比率も、Pasture-raisedを含む全ての飼育方法の平均だと1:12~31なのに対し、Pasture-raisedのような自然な環境で育った場合は、1:12~18におさまります。

しかしながらGrass-fed beefとGrain-fed beefほどの開きがないのも事実です。Omega 3とOmega 6の比率も、理想値(1:1~3)には程遠い値です。では豚肉の場合はPasture-raisedでなくてもよいのでしょうか。私はPasture-raisedを購入するようにしています。これは我が家が豚バラのような脂肪分の多い部位を購入することが多く、栄養価の違いを受けやすいからです。また価格が牛肉ほど高いわけでもなく、お財布への影響が限られることも心理面で影響しています。

食材選択は投票のようなもの

「結局、高いものを選ぶのか・・・」とお感じの方も多いと思います。正直なところ、お財布への影響は非常に大きいです。栄養価の違いはあれど、価格差に見合うだけの違いがあるかというと、判断の難しいところです。

研究結果の信ぴょう性についても、実は半信半疑です。研究にはお金がかかるため、そのお金を出資する組織(政府、企業など)がどの研究にも存在します。ごく少数の例外を除き、その出資組織の思惑が研究結果に影響を与えているでしょう。なんらかの研究やデータ分析に携わった経験のある方であればご存知でしょうが、同じデータであっても全く異なる結論を出すことは十分に可能です。

となると、動物性食品の購入基準は結局、購入者の価値観によるところが大きい。牛や豚にどのような飼育環境を与えたいか。栄養価と価格差に、これら価値観を天秤にかけた結果として、何を選ぶかが決まります。

一種の投票行為とも言えます。得票数の多い飼育方法は拡大します。票を得られなかった飼育方法は衰退していきます。どの飼育方法が広まってほしいか、という視点で食材選びしてみると、価格だけに左右されない、一味違った楽しみ方が出来るはずです。

ファーマーズマーケットや生産者からの直売で本物に出会う

ぜひお近くのファーマーズマーケットや生産者を訪ねてみてください。そこでは商業用に作られたフレーズを超越した、本物のお肉や卵に出会うことができます。美味しいかどうかは主観です。でも本物を一度でも味わってみるのは貴重な経験だと思います。アメリカには本物に出会うチャンスが身近にあります。ぜひこの機会をお見逃しなく。

試して欲しいアメリカ食材:Spaghetti Squash

今回ご紹介するのはSpaghetti Squash(スパゲッティ スクォッシュ、日本名:キンシウリ、ソウメンカボチャ)。Squashは瓜の一種で、皮の柔らかいSummer Squashと、皮の堅いWinter Squashに分かれます。Summer Squashの代表例はキュウリやズッキーニです。Spaghetti SquashはWinter Squashに類するもので、秋から冬にかけて旬が訪れます。
Spaghetti Squashはその名の通り、スパゲッティのように食べられます。ただ食感はしゃりしゃりした感じです。

作り方は簡単。Spaghetti Squashを半分に切り、種を取り除き、オイル(ココナッツオイル推奨)を全体にたらして塩・コショウします。これをオーブン皿にのせて、予熱した375°Fのオーブンで30分~45分間ローストします。時間は大きさや皮の厚さで調整してください。またオーブン皿に水を少し張って加熱すると、蒸し焼きにもできます。出来上がったら、中身をフォークでガリガリ削り出して、お皿に盛れば完成。淵から中央に向かって削るときれいに削れます。お好みで、塩・コショウやオリーブオイル、バター、ハーブなども足してみてください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

第1回「オーガニック食材って何が良いの?野菜・果物編」

今号から隔月で寄稿することになりました、中村洋一郎と申します。
普段は、企業向けの健康経営コンサルティング( Corporate Wellness Consulting)や栄養療法ワークショップ(Nutritional Therapy Workshop)と、個人向けの栄養療法カウンセリング(Nutritional Therapy Counseling)を行っています。

食文化は日本とアメリカで大きく異なります。アメリカの食材やレシピなど、多くの情報がタイムリーに日本でも手に入るようになりましたが、実際にアメリカに来てみていかがでしょうか?なんの迷いも無く、スーパーやレストランで買い物や食事が出来ている方は少ないのではないでしょうか?

例えば人参やさつま芋。日本でも当たり前の食材でさえ、アメリカのものは形も歯ざわりも大きく異なります。例えば、日本では特別な存在であったグルテンフリー(Gluten Free)。アメリカでは当然のごとく街に溢れています。アメリカの食文化が好きな方でさえ、アメリカの食生活に初めはとまどうのではないでしょうか。

そこで「アメリカ食生活LABO」では、アメリカの食生活における戸惑いを解消できるような情報を発信していきたいと思います。
身体はすべての資本。その身体を作っているのが日々の食生活。大切な食生活をストレス無く送っていただく一助となれば幸いです。

第1回のテーマは、食品購入時に誰もが一度はとまどう「オーガニック(Organic)食材」について。今回は野菜・果物を中心にお話します。

地球に優しいOrganic

アメリカの青果売り場で目につくのがOrganicの表示。同じ食材でも、Organicは価格が1.5~2倍以上に跳ね上がります。高いので何かが良さそうですが、一体何が良いのでしょうか。Organic基準は、生態系の循環性・多様性を守ることを目的に、USDA(United States Department of Agriculture:米国農務省)によって厳正に規定・管理されています。

例えば農産物をOrganicとして販売するためには、USDAの規定する有機農法による栽培が求められ、化学合成された農薬や遺伝子組み換え物質、食品照射、下水汚泥などの使用は禁止されています。

しかし生態系を守るためだけに、1.5~2倍の値段を払って野菜や果物を購入する人がどれだけいるでしょうか?残念ですが、決して多くはないでしょう。ではなぜOrganicがこれほどまでに急成長したのでしょうか。それはOrganicが、消費者自身にも利益をたらすことが明らかになってきたためです。

自分にも優しいOrganic

消費者にとってのメリットの一つが、混入する有害物質の少なさです。ヨーロッパの研究グループが過去数十年に渡るOrganic関連研究レポートを評価した結果、Organicの方がConventional(Organic基準を満たしていない食材)に比べ、平均して48%もカドミウムの混入が少ないことを明らかにしています。残留農薬も、Organicのほうが少ないことも分かっています。

カドミウムはよく知られた、発がん性の重金属。癌が死因のトップである日本人にとって、できるだけ避けたい重金属です。農薬も、たとえ少量でも残っていれば、消化の過程で腸壁を痛め、その結果、免疫機能を弱めることになります。腸の健康は、脳の働きやメンタルの安定にも影響します。異国の地で暮らし、メンタル面での負荷を無意識のうちに受けている皆さんには、ぜひ真剣に考えていただきたい点です。

またOrganicの栄養価がConventionalに比べ高いことも明らかになっています。QLIF( Quality Low Input Food) プロジェクトによると、OrganicはConventionalに比べ、40%も多く抗酸化物質を含んでおり、鉄分や亜鉛等のミネラル分も豊富とのことです。

抗酸化物質はアンチエイジングには欠かせない存在。鉄分は血中で酸素を運搬するヘモグロビンの主要構成要素であり、レバーや葉物の野菜に多く含まれます。鉄分が不足すれば、酸素を体内に運搬できず、疲れやすくなり慢性疲労にもつながります。カキに多く含まれる亜鉛は、身体中の酵素反応を助けており、特に胃酸の生成、また皮膚や骨の強化には欠かせません。鉄分や亜鉛の不足は現代人の特徴であり、Organic食材が注目されるのも頷けます。

Organic生活は難しい!?

Organicのことを説明すると、「いいのは分かっているけど、いつでも買えるわけではない」という声をよく聞きます。おっしゃるとおり、Organicが浸透しているアメリカでさえ、買いたいOrganic食材をいつでもどこでも買える環境はありません。

「食費がかさむので、Organicは子供だけ。自分はConventionalで我慢」という方もいます。しかし親がきちんと栄養を摂り、心身ともに安定していることは、子供が栄養豊富な食事をすることと同じくらい大切ではないでしょうか。そもそも子供は、親に長生きして欲しいものですしね。

「今よりも、ちょっとだけOrganicな生活」へ

Organicを生活に取り込むコツは「100%を目指さないこと」です。目指すのは「今よりもちょっとだけOrganicな生活」。

その際にぜひ参考にして欲しいのが、The Environmental Working Group という非営利団体が発表している、EWG’s Shopper’s Guide to Pesticides in Produce™というリスト。これは代表的な48品目における残留農薬量をランキングしたものです。

このリストを使えば、どの食材はOrganicにこだわり、どれはConventionalでもよしとするか、が判断しやすくなります。

•残留農薬が多い食材の場合は、極力Organicを購入するか、代替品を検討する

残留農薬が多い野菜・果物

順位 野菜 果物
1 セロリ/Celery いちご/Strawberries
2 ほうれんそう/Spinach りんご/Apples
3 トマト/Tomatoes ネクタリン/Nectarines
4 パプリカ/Bell Peppers 桃/Peaches
5 きゅうり/Cucumbers ぶどう/Grapes


•残留農薬が少ない食材の場合は、Conventionalでも可とする

残留農薬が少ない野菜・果物

順位 野菜 果物
1 アボカド/Avocados パイナップル/Pineapples
2 キャベツ/Cabbage マンゴー/mangos
3 さやインゲン/Sweet peas キウイ/Kiwi
4 たまねぎ/Onions ハニードゥメロン/honeydew Melon
5 アスパラガス/Asparagus グレープフルーツ/Grapefruit

上級者はファーマーズマーケットも

一方で、出来ることなら完璧を目指したい、という方もいらっしゃるでしょう。そんな方にはファーマーズマーケットをおすすめします。

ファーマーズマーケットでは、Organic基準で認められている農薬さえも使用していない無農薬ファームなどが、採れたての野菜を販売しています(Conventionalな青果のみを扱うお店もありますのでご注意ください)。

Organicといっても「100% Organic」「95% Organic」「70% Organic」の3種類があり、通常スーパーなどで販売されているのは「95% Organic」です。100% Organicを目指すのであれば、ファーマーズマーケットで無農薬ファームから直接購入するほか、方法はありません。

お店の方は皆、気さくな方ばかりで、ファーマーズマーケットは行くだけでも楽しいです。ご近所でファーマーズマーケットが開催されている場合はぜひ一度、足を運んでみてください。

究極的には、何を信頼するか?

Organicにするか、Conventionalでもよしとするかの判断は、究極的には「何を信頼するか」です。たとえOrganic認定マークが無くとも(Organic認定にはそれなりの費用がかかる)、私はファーマーズマーケットで出会う農家の方を信頼していますので、彼らが無農薬だというのであれば、信頼して購入しています。皆様も試行錯誤する中で、ぜひ自分なりの判断基準を見つけてください。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com

アメリカ食生活LABO

今号から隔月で寄稿することになりました、中村洋一郎と申します。

普段は、企業向けの健康経営コンサルティング( Corporate Wellness Consulting)や栄養療法ワークショップ(Nutritional Therapy Workshop)と、個人向けの栄養療法カウンセリング(Nutritional Therapy Counseling)を行っています。

食文化は日本とアメリカで大きく異なります。アメリカの食材やレシピなど、多くの情報がタイムリーに日本でも手に入るようになりましたが、実際にアメリカに来てみていかがでしょうか?なんの迷いも無く、スーパーやレストランで買い物や食事が出来ている方は少ないのではないでしょうか?

例えば人参やさつま芋。日本でも当たり前の食材でさえ、アメリカのものは形も歯ざわりも大きく異なります。例えば、日本では特別な存在であったグルテンフリー(Gluten Free)。アメリカでは当然のごとく街に溢れています。アメリカの食文化が好きな方でさえ、アメリカの食生活に初めはとまどうのではないでしょうか。

そこで「アメリカ食生活LABO」では、アメリカの食生活における戸惑いを解消できるような情報を発信していきたいと思います。 身体はすべての資本。その身体を作っているのが日々の食生活。
大切な食生活をストレス無く送っていただく一助となれば幸いです。

記事一覧