第18回「Local、Raw:分かったようで分からない言葉たち」

第18回「Local、Raw:分かったようで分からない言葉たち」

更新日: 2019年05月16日

スーパーマーケットの陳列棚で見かける言葉。分かったようで分からない。そうお感じになったことはないでしょうか。日々入れ替わるトレンドワードを理解していくのは容易ではありません。その多くは商品の特徴を説明しています。意味をきちんと理解すれば、自分に相応しい商品を見つけることができます。しかし意味を取り違うと、自分に合わないものを選んでしまう危険性もあります。
何がよいかは一人一人異なります。一般的によいとされるものであっても、個々に見ていくと合う合わないはどうしても出てきます。最後は自分の判断。よく見かける言葉の意味を理解し、賢い選択に役立てましょう。本稿では、ここ数年多く見かけるようになったLocal、Rawという言葉を解説します。

(写真提供:Public Domain Pictures)

Local(ローカル)とは?

生鮮食品から加工食品まで、多くの食品に添えられている言葉です。日本語だと「地産地消」。近隣農家が栽培した食材であったり、地元企業や近隣の工場で生産された商品にこの言葉が添えられています。

サステナビリティに配慮した商品である

得意な人が得意なことを担当し、それぞれが生み出したものを共有する。これが生産量を最大化できる最適な方法であると経済学では考えられています。自由貿易が支持される理由もそこにあります。
しかしこの考え方を食品製造に適用した弊害が近年では指摘され始めています。一つは拡大する輸送エネルギー。生産地が限定された結果、輸送経路が長くなり、輸送エネルギーが多く必要とされてしまうからです。地球上を商品が駆け巡る現代の食品流通。地球の反対側から数ヶ月かけて商品が届くことも少なくありません。
もう一つは、大規模農業によるモノカルチャーが進み、土地がやせ細るという懸念。同じ土地で単一作物を繰り返し栽培すると、生産量は上がるものの、土がやせ細ってしまい、人工肥料なしに栽培できなくなってしまいます。輪作(複数作物を同じ土地で育てる農法)すれば上記懸念は生じないのですが、一般的にコストが高くついてしまいます。
これら二つの懸念から、多少価格が高くとも小規模の近隣農家から食材を購入する消費者が増えてきており、これがLocalという表示につながっています。加工食品であっても、Local商品の場合は近隣農家などから原材料を調達しているケースが多く見られます。

栄養価が高く、保存料も少ない

近隣農家で栽培された食材は通常、輸送時間が短く、新鮮な状態で店頭に並びます。採れたての野菜や果物が美味しいのは決して感覚的なものではありません。生鮮食品は収穫直後が最も栄養価が高く、時間が経つにつれて栄養価が目減りしていきます。収穫直後の栄養価を維持する技術も発展していますが、それでも新鮮なほうが望ましいのは変わりません。
収穫から消費までの時間が短ければ、保存料をゼロ、もしくは最小限にとどめることもできます。保存料の恩恵は無視できないものの、使わなくてもいいのであれば極力少なくしたいというのが消費者心理であり、それがLocal表示につながっていると言えます。

地元を応援する

地元農家を応援したい、という地元愛もLocal表示が広まった背景にあります。自分の住んでいる地域に愛着を持つのは自然なことです。そこが自分の生まれ育った地域であれば、なおさらです。この傾向はグローバル化が進めば進むほど強まっているように感じます。

地元経済の発展もLocal商品を指示する理由です。地元企業や地域にある工場で作られた商品を購入することで、結果的には地元の自治体の財源をサポートすることになり、地元に多くの職を根付かせることになります。

品質は自分の目でチェック

Local商品を選ぶ際に注意したいのは品質です。通常、Local表示されている商品の多くは良質なものです。しかしLocal表示が意味しているのは場所(産地や製造場所等)だけ。品質は各自で判断するしかありません。

Raw(ロー)とは?

(写真提供:flickr)

Rawという言葉はナッツやチョコレート、チーズなどでよく見かけます。Rawは「生(なま)」を意味し、加工段階で加熱処理していない、もしくは低温加熱のみであることを説明しています。ナッツであれば、ローストしていないことを意味します。チョコレートの場合は、製造工程に加え、原材料であるカカオやカカオバターが非加熱もしくは低温加熱のみで製造されていることを意味します。チーズの場合は原料のミルクに殺菌処理が施されていないことを意味しています。

栄養素が生きている

栄養、特にビタミンは熱に弱いため、加熱処理によってその多くが失われてしまいます加熱時間や加熱方法によって異なりますが、お肉をグリルした場合は6割程度のビタミBが失われ、野菜を茹でると半分近いビタミンCが失われるという研究結果もあります。
コールドプレストジュース(Cold Pressed Juice)が注目されたのも、ジュース製造工での熱処理を避けたいという想いが背景にあります。低温殺菌の乳製品を支持している造者や消費者は、高温殺菌によって栄養素や酵素が失われることを懸念しています。

加熱工程での副作用が少ない

加熱により生じ、身体に負担となる成分を避けることもRawが支持される理由です。例えば植物性オイル。植物性オイルの主成分はオメガ6と呼ばれる脂肪酸です。オメガは熱に弱く、加熱ですぐに酸化します。酸化したオイルが身体に入ると体内組織をサビさせてしまいます。オイルを使いまわして作った揚げ物が不健康であると言われる所以です。

ちなみ、高温調理する際はラード等の動物性脂肪やココナッツオイル、米油を使うようしましょう。これらは熱に強いため、熱による酸化負担を最小化できます。

Raw Foodという食事スタイル

このような懸念を背景に近年支持されるようになったのがRaw Foodという食事スタイルです。生のまま、もしくは40度以下の調理のみで作った料理のみを食べます。加熱できないのでお肉がメニューに含まれることが少なく、結果的にビーガン食(動物性食材をく使わない食事)のようなメニューに落ち着きます。
全ての食事をRaw Foodにする方は限られていますが、極力Rawのものを選ぶようにするというトレンドは一部の消費者に広まっています。

栄養不足や消化負担に注意

Raw Foodを志向する際に気を付けたいのは栄養不足です。前述の通り、Raw Foodを志向するとお肉や魚といった動物性食材を口にする機会が減ります。そのため、動物性食材に多く含まれるビタミンB群などの栄養素が不足する傾向あります。

またビタミンA、D、E、Kといった脂溶性ビタミンは、オイルと一緒に食べないと身体に吸収されません。Raw Foodの場合、オイルを使った調理が少なくなるため、これら栄養素の吸収が不十分になる可能性があります。
消化負担もRaw Foodのデメリットです。調理や下ごしらえには、食べ物を消化しやすくするという意味合いもあります。例えば難消化な食材であるナッツは、一晩水に浸けて発芽させることで、消化しやすくなります。なぜなら、ナッツや穀物、タネ類は害虫から自分を守るために反栄養素を持っているからです。反栄養素は人間の身体の中に入ると、消化酵素の働きを阻害します。つまり発芽させることで消化酵素が十分に働ける状態を作り出せるのです。ナッツを購入する際は、Rawであるだけでなく、Sprouted(発芽している)であることも確認するようにしてください。

本日はLocalとRawというトレンドワードを解説しました。こんな言葉を取り上げて欲いというご要望があれば、お気軽にリダックくらぶ事務局までお知らせください。

試して欲しい料理:いつものサラダを簡単グレードアップ

(写真提供:Pxhere)

サラダって美味しいんだなと欧米諸国でよく感じます。使っている素材は同じでも美味しく感じるのはなぜでしょうか。よく観察してみると、秘訣は塩加減とドレッシング。そして卵やチーズ、ナッツの使い方もさすがだなと感じることが多くあります。
例えば、半熟卵を使ったサラダ。半熟の目玉焼きを葉物野菜に和えてもいいですし、半熟ゆで卵をサラダの上にのせるだけでも美味しいです。

チーズやナッツをかけたサラダも美味しく感じます。チーズ専用のおろし器(Cheese Grater)でハード系チーズをおろしてかけたり、細かく刻んだナッツやベニバナの種(Safflower seed)をかけたり。

少しの工夫でいつものサラダがぐっとアップグレードされます。ぜひお試しください。

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著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com