第6回「もう迷わない、アメリカでの値札の見方」

第6回「もう迷わない、アメリカでの値札の見方」

更新日: 2017年05月18日

レジに行くまで、いくら払うか分からない。アメリカで誰もが一度は感じる不安です。
カード決済が浸透しているので、レジまで行ったあげく現金が足りずに買うものを減らすなんてことは少なくなりました。
とはいえ、同じ商品が店によって倍近く価格が異なることは当たり前。支払いを終えるまで、いくら払うか分からないという不安はぬぐえません。
そこで、そんな不安感を少しでも解消していただこうと、今回は食材購入時の値札の見方をご紹介します。

「販売価格」と「単位価格」

食材に使わる値札は、「販売価格」と「単位価格」の二つで構成されています。
一般的に、販売価格の周辺には「Retail Price」または「You Pay」と、単位価格の周辺には「Unit Price」とプリントされています。ただし、表現や値札のデザインが統一されているわけではないので困ります。

例えば下の写真はいずれも左に単位価格、右に販売価格がプリントされていますが、色合いやRetail Price等の記載内容は異なります。慣れるまではよく値札を確認するようにしましょう。

ちなみに表示価格は税抜きであることにご注意ください。税率は州によって異なりますが、通常5%~10%の間です。0%の州もあります。

販売価格は、私たちが支払う値段

販売価格は購入者である私たちが支払う値段です。食材の場合、販売価格の表示形態はPer Each(EAと記載)とPer Pound(LBと記載)の2種類に大別されます。

Per Eachは日本人が親しみやすい表示形態。一つ・二つ・・・、ひと箱・ふた箱・・・、ひと袋、ふた袋・・・など、数えられるものの一つ分の値段です。Per Eachの派生形でPer Bunchという表示もたまに見かけます。これはアスパラガスやにんじん等、ゴム等で束ねられた食材一束分の値段を示しています。ファーマーズマーケットでよく見かける表示形態で、暗算が基本のファーマーズマーケットでは、これが販売側の計算間違いを防ぐ手段にもなっているのでしょう。いずれにせよ、Per EachやPer Bunchは直観的に分かるので、問題ないですね。
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日本人が苦手とするのはPer Poundです。Pound(パウンド)は重量を示す単位。お肉であれば日本でもグラム単位で販売されているので、携帯アプリなどでグラムをパウンドに変換すれば、おおよその価格を想像できます。(単位変換の計算方法はこちらの記事をご参照ください) 困るのが生鮮食品。通常、秤が店内に設置されていますが、毎回計量するのも手間なので「多分こんなもんだろう」と自分を納得させている方も多いのではないでしょうか。
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1パウンドのイメージを持っていれば安心

Per Pound表示を目にしたとき、自分の中に1 Pound分の食材がイメージ出来ていると価格見積が簡単にできます。
以下が、日本人がよく購入する生鮮食品の1 Pound分のイメージです。この量に対して、自分がどのくらい購入するつもりなのかを考えれば、おのずと購入額を推定できます。

1 Poundの野菜や果物ってどのくらい?
(photos by Samantha Bolton)

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手のひらで握れる大きさのほうれんそう2束分

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中程度の大きさのにんじん5本分

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中程度の大きさの玉ねぎ2個分

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中程度の大きさのバナナ3本分

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中程度の大きさのいちご15~20個分

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中程度の大きさのりんご3つ分

「単位価格」は商品比較のため

販売価格の横に添えられている単位価格は、販売価格を商品重量で除した値です。この目的は同類の他商品との比較です。単位は商品によって異なりますが、グラム(Gram)・パウンド(Pound)・クォート(Quart)・パイント(Pint)などが一般的です。例えば右の写真を見てください。どちらも販売価格が$12.99のオリーブオイルです。しかし単位価格は左側の商品のほうが安いことが分かります(1パイント当たり、左は $8.15 、右は$12.30)。つまり、仮に好みや品質に違いがないとすると、左側の商品の方がお買い得だと分かります。
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よくある落とし穴

次は値札を見るときに陥りやすい落とし穴を見ていきましょう。お店側に悪意はなくとも、慣れないとつい間違ってしまうものです。

「X for $Y」のディスカウントはX個買わないと適用されない?!

答えはNo。例えば、右の写真のように「2 for $5」と表示されていると、2つ買わないとディカウントが適用されないように思われがちです。でも、そんなことはありません。一つだけ買っても、$2.50を請求されるのみです。必要な数だけ購入しましょう。
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ドラッグストアの値札に注意!

日用品がなんでも揃うドラッグストアは何かと便利。でもドラッグストアの値札は少しトリッキー。例えば、この商品はいくらだと思いますか。「2つで$5」と思った方は要注意です。なぜなら「2つで$5」はメンバー向けの価格だからです。メンバーでないと「1つで$4.79」を請求されてしまいます。一番大きく表示されているのが販売価格だと思い込んでいると、ついこの落とし穴にはまってしまいます。ドラッグストアのメンバー登録はたいがい無料です。よく行くお店であれば、メンバー登録してしまった方が混乱が少なくていいですね。

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値札の並びを信用しない

美しく陳列された商品棚、元あった場所に商品を戻すお客さん。残念ながらアメリカで、このような常識は通じません。夕方の混雑した時間帯など、商品が陳列棚に散乱していることも珍しくありません。
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そんな時によく起きるのが、この写真のような値札と商品の不一致。一見するとPlainヨーグルトが$1.59で売られているように見えますが、それは間違い。元は1列ずつ陳列されていたStrawberryとPlainが、何かの理由でStrawberryが2列になり、Plainが右に押し出されてしまっています。そして押し出された先にあったのは別の商品の値札。こんなことはアメリカのスーパーマーケットでは日常茶飯事です。
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さらにこの写真のように、どう考えても値札と商品が一致しないこともよくあります。

ドンと構えて、楽しみましょう

残念ながら、慣れるまでは混乱したり落とし穴に引っかかることが多いかもしれません。しかしアメリカ人の普段の生活を覗けるいい機会でもあるのが買い物時間。また在住者ならではの面白い体験が出来るのも買い物時間です。

先日も私がキクラゲを買おうとしたところ、レジの方がキクラゲを知らないために商品コードを打ち込めないということがありました。隣のレジの店員さんも分からない、キクラゲに商品タグがついているわけもなく、私も英語名を忘れてしまい助けることもできない。そこで店員さんが言いました、「分からないから、あげる!」と。実はこんな経験は初めてではなく、以前もレモングラスをタダでもらってしまいました。
食材の買い物は避けて通れない時間。構えすぎず、気楽な気持ちで買い物時間を楽しみましょう。

試して欲しい食材:バジル

(Photo by Jules)

春から夏にかけて、葉物野菜やハーブが多く出回ります。茶色が目立った秋冬から一転、ファーマーズマーケットに行けばこれでもかとたくさんの緑の食材が出迎えてくれます。その中から今日はバジルをご紹介します。

バジルは日本人にも馴染みのあるハーブだと思いますが、どちらかというと外食時に食べるものというイメージではないでしょうか。でもせっかく安価に高品質なバジルを手に入れられるアメリカに住んでいるのですから、ぜひ自宅での調理にも活かしてみてください。

バジルの代表的な使い方がペストソースです。パスタと和えたり、ジャムの代わりにパンにのせたり、またはローストチキン用のソースとしても使えます。フードプロセッサーさえあれば、作るのもとても簡単。まずバジルと松の実(Pine Nuts)をフードプロセッサーに入れ、細かく刻みます。さらにニンニクとチーズ(パルメザンチーズなど)を加えて、ペースト状になるまで回し続けます。さらにオリーブオイルも加えて撹拌すれば完成です。食べる前にお好みで岩塩やブラックペッパーをかけても美味しいです。

※本コーナーの掲載情報は情報提供を第一の目的としております。掲載情報は自己責任の下でご利用ください。


著者プロフィール:

中村洋一郎
OPEN Laboratory, Inc.代表
Website: www.open-laboratory.com
Instagram: https://www.instagram.com/yoichiro.yokun.nakamura/
Twitter:https://twitter.com/yoichiro32
・米国栄養療法協会認定 栄養療法コンサルタント(NTC)
・バブソン大学 経営学修士(MBA)
・企業向けに、能力開発やヘルスケアコスト削減を目的とした、栄養療法関連サービスを提供中。個人向けには、副腎疲労等の生活習慣病改善を目的とした栄養療法カウンセリングを提供
・ニューヨーク市主催サマープログラム(SYEP)での栄養関連セミナー講師や、米国航空宇宙局(NASA)主催エンジニア向けイベント(ボストン地区)での栄養関連セミナー講師等を担当
お問合せはこちら yoichiro@open-laboratory.com