第3回「米国における配偶者収入の取り扱い」

第3回「米国における配偶者収入の取り扱い」

アメリカの税金に関わる質問について分かりやすくお伝えします!

更新日: 2023年10月10日

Q. アメリカでも扶養範囲内(日本円換算で年間103万円以内)で勤務する必要があるのでしょうか?

アメリカでは個人にかかる税金を考えるうえで、配偶者に対する日本の「扶養」に該当する考え方が無いと言って差し支えないかと思います。

従って、日本のように「いくら以内の収入で働かないといけない」ということを考える必要はありません。アメリカで給与を受け取り、配偶者の収入を併せて$27,700(2023年)を超える場合は確定申告を行う必要があります。(夫婦合算の場合)

日本とアメリカの個人にかかる税金の制度を比較して、一番大きな違いは「年末調整」になるかと思います。

日本でお仕事をされていた方はご存じかと思いますが、毎年10月頃に保険会社からはがきが送られてきて、人事部に提出すると12月に少しお金が戻ってくる「あの制度」です。

日本では収入が勤務先の会社からの給与のみの場合、基本的には会社が一年間の所得税を「年末調整」で精算してくれるので確定申告は不要となっています。(一定以上の収入がある人を除く) 一方アメリカでは、日本の年末調整に相当するものはありません。各自が毎年確定申告を通して税金の精算をする必要があります。従って、仮に103万円相当以下の給与収入だったとしても確定申告をする必要があります。

アメリカで配偶者が働く際に注意が必要になってくる点はいくつかありますが、会社によっては海外赴任に関わる手当を、配偶者の所得が無い前提で計算していることがあります。配偶者がアメリカで勤務することによって、駐在手当等の額に影響がある可能性もあります。

こちらの手当等についても、どのような影響が考えられるか勤務先の担当者様と確認が必要となります。

駐在員の配偶者がアメリカでお仕事される際は、日本・アメリカの両方で申告の制度や駐在員手当等について検討が必要になると思います。

大森朋章(おおもりともあき)・米国公認会計士(ワシントン州)
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