第6回「アメリカでの詐欺対策(Identity theft etc.)」
第6回「アメリカでの詐欺対策(Identity theft etc.)」
アメリカの税金に関わる質問について分かりやすくお伝えします!
更新日: 2024年04月05日
アメリカでの税金に直接関係するトピックではありませんが、ここ最近在米日本人の方でも「なりすまし詐欺」の被害にあってしまった方々いるようです。
今回はアメリカでの詐欺対策についてお話させていただきたいと思います。
- アメリカでの詐欺
日本では「オレオレ詐欺」等が家族を装う詐欺が一般的になってしまっていますが、アメリカでは「なりすまし」による詐欺被害が多く報告されているようです。
よく聞く「なりすまし詐欺」は銀行やIRSを装い、個人情報を抜き出しお金をだまし取る詐欺行為です。
詐欺師は携帯に銀行を装いSMSを送り、「パスワードが流出しているので、このWebsiteからパスワードを変更してほしい。」等の文言と共に銀行のWebsiteのリンクを送ってきます。
このWebsiteは偽物なのですが、非常に精巧に作られており素人では見分けがつかないような見た目をしています。
このWebsiteにID、パスワード、ソーシャルセキュリティー番号等を入力してしまうと、詐欺師に全て情報が取られてしまうことになります。
また、別の詐欺ではIRSを装い次のようなメッセージを送ってくるようです。
「提出した確定申告に誤りがあり、至急追徴を納税しないと逮捕されるかもしれない。至急、ギフトカードを使って納税をしてほしい。」
「確定申告を確認したところ、追加で受け取れる還付金がある。還付金を振り込むので、銀行口座等の個人情報を教えてほしい。」
冷静に考えるとおかしなところ満載なのですが、突然の連絡に慌てて対応してしまう人がいるようです。
アメリカで暮らす方々に覚えておいてほしいことがいくつかあります。 - IRS又は州の課税当局は直接SMSやメールで連絡してこない
アメリカの課税当局は納税者に直接連絡して、追徴や還付金を教えてくれるほど親切ではありません。電話しても一時間放置して担当者がわからないと切るような人たちが個別に連絡してくることはあり得ません。
IRSや州の課税当局が納税者に連絡する際は原則郵送になります。SMSやメールでの連絡は詐欺と思っていただいて間違いないと思います。
もし、このようなSMSやメールを受け取った場合は、対応せず削除してください。 - 税金はギフトカードで支払うことはできない
詐欺被害のニュースを見るとApple等のギフトカードで支払ってしまう方々がいるようなのですが、納税はギフトカードで行うことはできません。
従って「ギフトカードで支払ってほしい」という内容は確実に詐欺です。このような内容のメッセージを受け取った場合も、対応せずメッセージを削除してください。 - 個人情報を容易に教えない
氏名、生年月日、ソーシャルセキュリティー番号等の個人情報を容易に共有するようなことは控えてください。これらの情報を使って悪いことをする人たちがたくさんいます。
これから確定申告のシーズンとなりますので、IRSや州の課税当局からの連絡に驚いてしまう方々がいるかもしれません。
偽物からの連絡の可能性もありますので、もし何か連絡がきた場合は冷静に対応をしていただければと思います。不安な場合は専門家へのご相談をお勧めいたします。
大森朋章(おおもりともあき)・米国公認会計士(ワシントン州)
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記事一覧
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- 第3回「米国における配偶者収入の取り扱い」
- 第2回「越境リモートワークの税金処理」
- 第1回「配偶者が就業した場合の確定申告」
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