第10回「これを食べなきゃもったいない!アメリカの美味しいエスニック料理 2」
こんにちは、アメリカ駐在妻ブロガーのミイです。
今回の記事でも前回に引き続き、
「アメリカに来たからには、ぜひこれを食べてほしい!」
という一押しのエスニック料理と、特におすすめのメニューについてご紹介していきます。
中国料理
アメリカの中国料理は、日本で食べる中華料理とはほぼ別物です。日本では大人気のチンジャオロースはまずお目にかかれませんし、餃子も皮は厚めで焼くより茹でるのが主流です。
逆に、日本にはないアメリカならではの美味しい中国料理もたくさんあり、その筆頭がオレンジチキンです。鶏の唐揚げにトロっとしたオレンジソースがまぶされている、見た目は酢豚のような料理です。
「鶏唐揚げにオレンジソースって・・・合うの?」
と不安に思われると思いますが、オレンジの香りは全くせず、酸味も少なく、けっこう甘めのソースです。唐揚げ自体にしっかり下味が染み込んでおり、ソースに塩気はあまりありません。子供が喜ぶ味なので、家族連れで中華を頼む時に候補に入れるといいでしょう。
Chicken Soong(鶏ひき肉のレタス包み)も、日本ではなかなかお目にかかれないオススメ中華のひとつです。鶏ひき肉やナッツ、カリカリに揚げた春雨などが入った肉餡を、自分でレタスに包んで食べます。味付けは、鶏肉のカシューナッツ炒めに近いあっさりした感じでパクパクいけます。
また、アメリカ中華の前菜で一度試してみていただきたいのが、Scallion Pancake(ネギ餅)です。輪切りのネギを混ぜ込んだ小麦粉生地を薄く揚げ焼きにした料理なのですが、シンプルだからこその素朴な旨味があり、チヂミが好きな方ならハマると思います。す。
なお、アメリカでは点心のことをdim sumと呼びます。日本では点心は中華街以外ではなかなか食べられませんが、アメリカではわりとポピュラーでレストランも多いので、ぜひお近くで評判のいい店を試してみてください。dim sumのお店ではウエイターさんもカタコト英語なことが多く、英語が苦手な方でもお互いカタコトであまり気負わず注文できます。
韓国料理
アメリカの韓国料理で人気なのは、なんといってもコリアンバーベキューです。いわゆる日本で言うところの焼肉ですが、焼いてからタレをつけるのではなく、すでにタレに浸かった状態のお肉を焼くのがアメリカ流です。人気店はいつも混んでいて、予約必須です。
また、コリアンフライドチキンも、日本では馴染みがありませんがとてもポピュラーです。手羽先や手羽元(Chiken Wings)の唐揚げに甘じょっぱいにんにく醤油のタレがかかってゴマが振られています。ガツンとしたお味でお酒が進みます。
コリアンフライドチキン専門店に行くと、醤油タレ以外にも、真っ赤な唐辛子ベースのタレなどたくさんのフレーバーが用意されており、大人数で行ってワイワイシェアするのも楽しいです。
タイ料理
タイ料理のラインナップはアメリカと日本ではあまり変わらず、生春巻き(Spring Roll)、春巻き(Summer Roll)、パパイヤサラダ(Som Tum)、トムヤムクン(Tom Yum)、パッタイ(Pad Thai) 、グリーンカレー(Green Curry)などが人気です。
しかし日本では馴染みのないものもないわけではなく、たとえばパイナップルをくり抜いた中にチャーハンが入っているパイナップルチャーハンや、トムヤムクンの辛みと酸味成分を抜いたトムカ(Tom Kha)スープはアメリカならではと言えそうです。どちらも全く辛くないので、子供連れにおすすめです。
なお、辛い料理をピリ辛程度に抑えて欲しい場合は、Can you make it mild?と言うと辛さ控えめで作ってもらえます。
また、アメリカのタイ料理店でぜひ試していただきたいのが、Thai Milk Teaです。まさかのオレンジ色(!)のミルクティーで、私も初めて見た時はその鮮やかさにギョッとしたものですが、飲んでみるとその美味しさに驚きます。濃い目に入れられた茶葉のコクがしっかりと感じられ、そこにエキゾチックな香りとコンデンスミルクの甘さが相まって、完璧なハーモニーを奏でています。
ただし、そのまま頼むと日本人には甘すぎるので、甘党の人はHalf Sweet(甘さ半分)、そうでない人は 30% Sweetと言って注文するとちょうど良いでしょう。Thai Milk Teaはタピオカミルクティー屋(Bubble Tea Shop)でもよくある人気のフレーバーで、色はどぎついですが騙されたと思ってぜひ一度トライしてみてください。
最後に、タイ料理店の中でも本格的な所だと、デザートにココナッツプリン(Coconut CustardやCoconut Milk Puddingなど、言い方が統一されていません)を頼めるところがあります。このプリンが実は私の一番のイチオシで、見かけたらぜひ試してみてください。醤油皿のような小さな陶器皿の中で蒸し焼きにされたプリンが、1オーダーで3皿ほど出てきます。食感はかなりモチモチしていてほんのり塩気が感じられ、私は初めて食べたときに「こんなに美味しいデザートがこの世にあったのか・・・!」と衝撃を受けました。
アメリカならではの日本料理
日本でイタリアンが流行って明太子パスタや照り焼きチキンピザが開発されたのと同様に、ここアメリカでも、アメリカで生み出された「日本人の知らない日本料理」が数多く存在するのをご存知でしょうか。
その最たるものがHibachi Grill(ヒバチグリル)で、鉄板焼きのような鉄板の上で、肉・シーフード・野菜・きのこなどを炒めて作る謎の料理です。お客さんの目の前でシェフが派手なパフォーマンスをしながら調理する店が多く、バーナーで火柱を上げたり、コテでジャグリングをしたりといった、曲芸のような料理ショーがアメリカ人に大人気です。
私は結構な捻くれ者なので、
「パフォーマンス分割高なだけで、どうせ味は大したことないんでしょ」
と決めつけてこのHibachiを長らく敬遠してきたのですが、駐在5年目にして食べる機会があり、なんと案外美味でした(笑)。なのでこの記事を読んだ皆様には、「そんなエセ日本食なんぞ食えるか!」という詰まらないプライドは捨てて、ぜひ素直な心でアメリカ発ジャパニーズカルチャーを試してみていただきたいです。
また、アメリカでお寿司屋さんに行くと、かなりの確率でSoftshell Crab Rollという巻き寿司がメニューにあります。ソフトシェルクラブとは、読んで字の如く殻ごと食べられる小さなカニのことで、小さな子供でも食べられるくらい柔らかいです。
このカニを丸ごと唐揚げにしたものが豪快に巻き寿司の中に入っているわけですが、これも日本では見たことがなく、かつ美味しいので、アメリカで日本料理店に行く機会があればぜひ試してみてください。
まとめ
さて、今回の記事では、アメリカに来たらぜひ食べていただきたいエスニック料理のうち、
- 中国料理
- 韓国料理
- タイ料理
- アメリカならではの日本料理
の4点をご紹介しました。
残念ながら自分の子育ての激化などの諸事情により、この第10回を最後に連載を終了することになりましたが、またどこかでお目にかかれたら嬉しいです。
今までありがとうございました!
著者プロフィール:
ミイ
駐妻目線のアメリカ生活情報サイトCHEWIFEを運営し、フツウの日本人がアメリカで快適に暮らすためのお役立ち情報を配信。
2020年からはペアレントインストラクターの資格を取得し、アメリカでの出産・育児・幼児教育についても多数の記事を執筆している。
ニューヨークで実際に0歳児と4歳児を育てる母でもあり、いかにアメリカ在住のメリットを生かしてラクに育児できるかを日々模索中。