第1回「駐在を機に、家庭やプライベートを充実させよう」

第1回「駐在を機に、家庭やプライベートを充実させよう」

アメリカ駐在妻ブロガーが実体験をもとに暮らしのコツをご紹介。

更新日: 2021年10月04日

こんにちは、アメリカ駐在妻ブロガーのミイと申します。
今月から、リダックくらぶメンバーの皆さまに向けて、アメリカ生活を快適に楽しむためのコツをテーマに隔月で執筆させて頂くことになりました。

皆さまが、レジャーやグルメ等のアメリカならではの楽しい部分・お得な部分を堪能しつつ、なおかつ言語や文化の違いをうまく乗り越えて安心して暮らせるよう、自分の経験談や失敗談を交えながらお話していきたいと思います。

第1回「駐在を機に、家庭やプライベートを充実させよう」

初回の今回は、アメリカ駐在ならではの「仕事とプライベートのバランス」についてご紹介いたします。といっても、このテーマはコロナ前とコロナ後で大きく内容が分かれますので、まず今回は、コロナ以前のワークライフバランスについて書いてみたいと思います。

アメリカ人は仕事よりプライベート優先!?

アメリカと日本の最大の文化の違いは、何といっても仕事とプライベートの比率です。

どんなに仕事が山積みでも、5時になればパソコンの電源を落として家に帰りますし、あらかじめアサインされた業務内容以上のことは、「それは私の仕事ではありません」とバッサリ断ります。

そんなアメリカ人と一緒に働くからこそ、そのしわ寄せで日本人駐在員の業務量が増える・・・という話も聞きますが、一方でアメリカの、

  • アフター5の付き合いを強要されない文化
  • 会社にそこまで尽くさなくても許される文化

で働くことは、日本では当たり前だと思っていたライフスタイルを見直す良いきっかけになります。

飲み会は日本の半分以下

私が駐在妻の視点から、夫がアメリカで働いてくれて良かったと思う点は、圧倒的に飲み会が少ないことです。

車社会のアメリカではそもそも外でお酒を飲みにくいため、コロナ以前でも、飲み会は3か月に一度あるかないか。それも、歓迎会や送別会などの特別なイベントでしか集まりません。

さらに、子供がまだ小さい等の理由で終業後に時間を作るのが難しいメンバーがいる場合は、最初の1時間だけ出席して帰ったり、そもそも夜は避けて昼のランチ会にしたりと柔軟に対応してもらえます。

そんな社会だと、妻側からも、「今日は早めに帰ってきて欲しい」と言い出しやすく、育児中の夫婦にありがちな、ずっと妻が不満を溜め込んでいきなり爆発!といった事態も避けられます。

土日のホームパーティーは家族ぐるみ

「それでは、アメリカでは社員同士の交流は全くないの?」
と言われると実はそうでもなく、アメリカでは、飲み会の代わりにホームパーティーがとても盛んです。

しかもアメリカのホームパーティーは、家族同伴が当たり前。一番オーソドックスなのは、誰かの庭や公園などを使ったBBQですが、たいていは男性陣が買い出しから調理から全てやってくれるので、妻側はとてもラクです。

私も夫の会社関係のBBQには何度も参加してきましたが、恥ずかしながら一度もお肉を焼いたことがなく、子供を膝に乗せながら他の奥様や女性駐在員の方とおしゃべりして、さらに夫が肉を焼き終えたら、子供を任せてのんびりしていました。

唯一、私はお酒が苦手なので、夫には好きに飲んでもらって帰りは私が運転していましたが、それも夫婦そろってお酒好きなご家庭では、旦那さんの方が運転手であることも多く、こういう妻ファーストなアメリカの文化って素晴らしいなと感じます(笑)。

こういう場に出席すると、日本では料理なんて全くしない旦那様でも、「あれ、同僚のあいつ、やけに手際がいいな。俺も手伝わないとまずいかな・・・」 という心理が働き、見よう見まねで色々と覚えていってくれます。

その経験をきっかけに、妻から夫に家事の負担について相談しやすくなるというのも、アメリカのBBQの大きなメリットのひとつです。

もちろん、「貴重な土日は、パーティーよりも家でゆっくりしていたい!」という方もいらっしゃると思いますが(私もどちらかというとそっちのタイプです)、それならそれで、「今回は私はやめておきます」と断りを入れれば意思を尊重してもらえ、特に煩わしいしがらみはありません。

家族イベントのために有給を取りやすい

アメリカでは、日本ではありえないような私的な理由で有給を取っても許される雰囲気があります。

たとえば、私が一番びっくりしたのは、息子のデイケアで行われたハロウィンパーティーでのことでした。アメリカのデイケアは、日本で言うところの保育園で、共働きの家庭が子供を朝から晩まで預ける場所です。

そこで私は先生に、「ハロウィンパーティーは3時からだから、来られたら来てね」と言われて「ごめんなさい、ちょっと行けません」と断ったのですが、いつもより少し早い5時に迎えに行くと、すでに息子以外の子供はみんな帰ってしまっていました。

慌てて息子に話を聞くと、お友達はみんなお父さんかお母さんがパーティーに出席していて、パーティーが終わったら家族で家に帰っていったとのこと。今回ばかりは、面の皮が厚い私も大いに反省しました。

まさか全員のお父さんお母さんが、子供のパーティーのために時間休を取っているとは。おそるべしアメリカ。

しかし逆を言うと、「ハロウィンなので休みます」と言える雰囲気が会社にあるということでもあり、日本の企業戦士の皆さまも、アメリカ駐在を機に学校に子供の成長を見に行くチャンスを掴んでみてはいかがでしょうか。

アメリカ駐在は家庭やプライベートを充実させるチャンス

さて、ここまでで、

  • アメリカには、家族やプライベートを大事にする文化がある
  • 飲み会が少なく、アフター5も自分の時間を取りやすい
  • ホームパーティーは家族ぐるみで招待される
  • 家族のイベントを理由に有給を取りやすい

ということをご紹介しました。
このように、アメリカで生活していると、休日もアフター5も家族と過ごす時間が増え、日本では見落としがちだった家族のありがたみや、子供の成長などが見えてきます。

駐在中は業務量も増えてしまうのが辛いところですが、日々の仕事さえこなしていれば「帰ります」「休みます」と言いやすいことは確かであるため、どの程度のプライベートを確保してどう使うか、ご自身にとって最良のバランスを模索してみてください。

また、私のような駐在妻の皆さんも、どうぞお気を強く持って、「今年のハロウィン、休めないの?」と提案してみてください(笑)。

なお、次回の記事では、コロナ禍でリモートワークになったご家庭でのワークライフバランスや家族の在り方について執筆したいと思います。お楽しみに!


著者プロフィール:

ミイ
駐妻目線のアメリカ生活情報サイトCHEWIFEを運営し、フツウの日本人がアメリカで快適に暮らすためのお役立ち情報を配信。

2020年からはペアレントインストラクターの資格を取得し、アメリカでの出産・育児・幼児教育についても多数の記事を執筆している。

ニューヨークで実際に0歳児と4歳児を育てる母でもあり、いかにアメリカ在住のメリットを生かしてラクに育児できるかを日々模索中。

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