退去インスペクション

退去インスペクション

退去時に物件の状態確認を行う「退去インスペクション」について説明します。

更新日: 2020年09月23日

原状復帰義務

米国で物件を賃貸する際に最も気をつけるべき点は、借主には入居時と同じ状態で返す「原状復帰義務」があります。これが敷金返却の大前提です。新築等で入居した場合以外は、どこまで清掃すべきかの認識が貸主と借主の間で異なることはありますが、基本的には賃貸中に発生した汚れや不具合は借主の責任となります。貸主に敷金を使う口実を与えないようにするためにも、できる限り入居時と同じ状態に戻すようにしましょう。

また、ゴミなどは勿論、良かれと思って残す家具や洗浄機能付き便座なども、廃棄費用を請求される場合があるので注意してください。不要な家具の処分、取り付けた設備備品の撤去は退去インスペクションまでにその撤去を行っておく必要があります。 洗浄機能付き便座の場合、取り外し時に加圧の関係でパイプが破損する場合があります。取り外しも専門業者に依頼されることをお勧めします。
※ビルにより、清掃料が既に請求される場合もございます。

清掃

前述のとおり、貸主には入居時と同じ状態で返す必要があります。最後にまとめて清掃しようと思っても、引越しと退去が同時で時間的な制約があり、ついには思うような清掃ができずに、中途半端に終わってしまったり、時間がないために強い洗剤などを使い、かえってダメージを与えてしまうことになったりします。また清掃が不十分な状態での引き渡しは印象が悪く、貸主が細部にわったて点検することになり、借主は一層不利になります。その対策として、退去前にはプロフェッショナルクリーニングを利用されることをお勧めします。掃除箇所の例は以下のとおりです。

キッチン:
オーブン、ガスレンジ、換気扇などの油よごれやこげなどを落とします。洗剤が強すぎて剥げたり、金属たわしで傷をつけたりすることがあるので注意しましょう。

バスルーム:
シャワー、バスタブ、洗面台、トイレなどきれいに清掃し、カビなどが生えていたらきれいに取り除きましょう。ウォシュレットを利用している場合は、専門業者に依頼して、早めに取り外しておくほうがよいでしょう。

洗濯機と乾燥機:
洗濯機を開けると匂いがする場合は、ゴムの部分などにカビが生えている可能性があるため、よく確認してきれいに清掃しましょう。乾燥機の綿ぼこりは取り除きましょう。

壁:
入居時の壁の色と違う色にペイントした場合やテレビや大きな額などを壁に掛けて大きな穴が開いている場合は、入居時の状態に戻します。ただ、ご自身で補修するとムラが強くでたりする場合もありますので、事前に貸主に相談されることをお勧めします。

木製床:
水拭きをするとコーティングが取れてしまいますので、乾拭きで清掃しましょう。
※原状回復の費用を会社負担とされている企業の場合でも、この事前対処の費用は会社負担と認められない場合があるので、ご注意ください。

設備の修理

借主に「原状復帰義務」がある以上、賃貸中に壊したり傷つけたりしたものには修復の義務があります。
ただし、勝手に設備を交換したり、材質を変えたりできません。事前に、破損箇所を貸主に報告の上、修理が必要か相談されることをお勧めいたします。特に、コンドミニアムの場合は、退去後に貸主に修理してもらうと、事後報告になるために貸主が本当に請求どおりの修理をしたのかなど確認できず、もめるケースもあります。貸主が業者と結託して請求書などを偽造等している場合は、借主や不動産エージェントのような個人レベルでは対抗できず、弁護士などの専門家に依頼せざるを得なくなります。納得できる金額で修理したい場合は、退去前に自費で修復しておくことが望ましいでしょう。

退去インスペクション

賃貸ビルは管理人またはハンディマン、コンドミニアムは貸主、または貸主のエージェントが、退去時に物件の状態確認を行います。それを、退去インスペクション(Move-out Inspection)と言います。ビルによっては、お客様が退去された後に行う場合もありますが、退去インスペクション、及び鍵の返却の日程を貸主とご相談ください。

退去インスペクション当日は、入居時に撮影した写真や貸主に報告した入居時の状態を証明するものがあれば、それも合わせて準備されることをお勧めします。敷金が全額戻るのかどうか、差し引かれる場合はその詳細をその場で確認しましょう。 解約日から約 60 日前後に、敷金が小切手で返還されますので、退去インスペクションの際に、小切手の郵送先をお伝えください。

退去時に退去インスペクションを行っていただけない場合は、後日のトラブルを避けるために、ご自身で退去時の「原状」を明らかにするためにダメージ箇所の写真(できれば日付入り)を撮り、貸主に送っておくとよいでしょう。

上記は、2020年9月時点の情報となり、不動産関連情報を一般化し作成した参考資料です。記載の内容については予告なく変更となる場合がありますので、予めご了承ください。掲載情報の適用可否はお客様の責任においてご判断いただくことを前提としており、弊社は責任を負いません。

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