アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。
『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。
「とろとろがたまらない!あんかけ料理2種」

子供達の夏休みが殆ど自粛状態で過ぎ去り、気がついたら新学期の季節となってしまいました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
ここベイエリアは、コロナに加え、山火事が周辺で発生しているため、ダブルパンチを受けています。こちらも収束することを願うばかりです。
世の中で何が起きようとも、食事はかかせませんね。あまりストイックにならずにバランスよく食事を楽しむ事に心掛けて、レシピをご紹介したいと思います。
今回は皆さんに人気のあんかけ料理2種をご紹介します。見た目も豪華、ご飯にも良く合います。
意外に簡単ですので、どうぞお試しください。
おすすめ食材リスト
青梗菜

栄養価の高い人気の中国野菜です。アクが少ないので下ゆでの必要もなく、油と一緒に摂ることでビタミンやミネラル、豆腐や魚・肉類との組み合わせでカロチンやカルシウムの吸収率がアップする嬉しい食材です。アジア系スーパーなら手に入りやすく、今回は6株入りのパックを$2程度で購入しました。
鶏ガラスープの素

ちょっとお手軽にガラスープの味が欲しい時に便利です。日本のスーパーで購入しました。値段は$6.99でした。
キクラゲ

春から秋にかけて発生するきのこで、コリコリとした食感が何とも言えずに美味しいですね。主に中国、台湾、韓国、日本等の東アジアで食用とされています。炒め物、酢の物、和え物、スープ、サラダ、あんかけ料理と色々と楽しめます。今回は、韓国マーケットで1パック$3程度で購入しました。
青梗菜のエビあんかけ
青梗菜は、沸騰した湯に、塩、オイルを少し入れて軽く茹でると葉の部分が鮮やかな緑になります。栄養価も高い青梗菜をプロ並に盛り付けて、食卓を豪華にしてみてはいかがでしょうか。

【食材と目安の量(4〜6人分)】★印はおすすめ食材リストを参照
- 青梗菜・・・大6株 (1枚ずつはがしておく。芯に近くなったら、葉を剥がさず縦半分に切る)
- 生海老・・・大6尾(殻を外してあらみじん切りにし、酒小1で混ぜ合わせておく)
- カノーラ油・・・大1
- 根しょうが・・・大1/2(みじん切り)
- 片栗粉・・・大2(大2の水で溶く)
- 卵白・・・大1個分(軽くほぐしておく)
【A】
- 水・・・1カップ(200cc)
- ガラスープの素・・・小1
- 酒・・・大1
- 塩・・・小1/3
- こしょう・・・少々
レシピ
1. 大きな鍋、またはフライパンに水を5センチの高さ程入れ、沸騰させ、塩一つまみ、カノーラ油を少し入れてから、1枚ずつ剥がした青梗菜を色よくさっと茹でて、ザルにあげておく。


2. フライパンにカノーラ油を入れ、ショウガを香りが出てくるまで炒め、Aを入れる。


3. 2が沸騰したら下ごしらえした海老を入れ、更に沸騰したら、水溶き片栗粉を回すように加えとろみをつける。


4. 沸騰している3に、解きほぐした卵白を加え、軽く混ぜる。

5. 大皿に株が外側になるよう放射状に並べて、4のカニあんを真ん中にかけて出来上がり。

【レシピのポイント】
今回は、海老を使用しましたが、カニでも美味しく出来ますので、ぜひお試しください。カニ缶詰の場合、汁ごと使えて嬉しいですね。
青梗菜は、栄養価の高い野菜です。上手に油やたんぱく質と合わせて、ビタミン、ミネラルが摂取出来るよう工夫しました。
【料理を食べた方の感想】
・しょうがが効いていて、エビあんが青梗菜に良く合います。ご飯にのせても美味しかったです。
・見た目がキレイで美味しいので、ぜひ試してみたいと思います。
ぎせい豆腐
現在では豆腐が大変ポピュラーな食材になり、コスコや現地のスーパーでも簡単に購入出来るようになりました。そんな豆腐に一手間加えて、厚手の鍋で蒸し焼きをします。
鍋から出した後、仕上げにトロッとしたあんをかけますが、見た目にもとても美味しそうに仕上がります。

【食材と目安の量(6〜8人分)】★印はおすすめ食材リストを参照
- 木綿豆腐・・・1丁
- 卵・・・6個
- カニカマ・・・100グラム程度(3センチの長さにし、軽くほぐす)
【A】
- 人参・・・小1/2 ( ピーラーでそぎ切り)
- いんげん・・・4本〜6本(斜め薄切り)
- 干ししいたけ・・・大3枚(戻して薄切り、戻し汁50ccとっておく)
- キクラゲ・・・一掴み(千切り)
【B】
- 水・・・1カップ(200cc)
- しいたけ戻し汁・・・50cc
- 醤油・・・大3
- 麺つゆ・・・大1
- みりん・・・大1(なければ砂糖大1/2)
- 酒・・・大1
- かつおだしの素・・・小1/2
レシピ
1. 豆腐をキッチンペーパー大2枚の上に載せ、8等分して包んで水切りをしておく。

2. 小鍋にBの調味料、Aの野菜を入れて中火にかけ、いんげんの色が変わらない程度にさっと煮る。煮た野菜と煮汁は別々にし、とって置く。


3. ボールに、キッチンペーパーを外して水切りした豆腐を入れ、泡立て器か手でなめらかにし、そこへ2の煮た野菜、ほぐしたカニカマ、ほぐした卵を混ぜ合わせる。


4. 厚めの中鍋、または、厚めの少し深い中フライパン(直径18センチ位)を中火強にかけ、しっかり熱くなってきたら、カノーラ油を少し入れ、キッチンペーパーで全体にまぶし、3を流す。蓋をして表面が乾くまで弱火で30〜40分焼く。

5. 4の蓋を開けて、表面が固まっていたら火を消し、蓋を開けて15分間そのままにする。

6. 鍋のまわりをナイフで剥がし、皿を蓋のように置いてひっくり返して出す。

7. 1の煮汁を小鍋に入れて、沸騰したら水溶き片栗粉でとろみをつけ、鍋から出した豆腐の上からあんをかけて出来上がり。

【レシピのポイント】
今回は、厚手の鍋で蓋をして焼きますが、もしなければ水が染み込まないケーキ用の型に入れ、バットに水を張り、そこに型を置いて、オーブンで300°Fで約40分焼いて表面が固まれば出来上がりです。
キクラゲが手に入らなければ、代わりにひじきでも美味しくいただけます。
豆腐料理は、第17回「手軽に出来る豆腐を使ったメニュー」でも、紹介しています(レシピはこちら)。ぜひお試しください。
【料理を食べた方の感想】
・豆腐の中に野菜がいっぱいで美味しかったです。あんかけで豆腐のよさが引き立っていると思います。
・豆腐がふわふわしていて、野菜との歯触りも大好きでした。あんかけで味が引き立ってますね。
今回のまとめ
2つのあんかけ料理、いかがでしたか。
あんかけ料理は、子供からお年寄りまで、大人気の料理です。
まだまだパーティーが出来る状態ではありませんが、ぜひ、ご家族のために作ってみてください。
あんかけを上手に作るコツは、必ず沸騰してから、水溶き片栗粉を少しずつ回し入れ、更に沸騰するまでしっかり混ぜ合わせることです。そうするとあんが水っぽくなったり、戻ったりしません。
ぜひ、お試しください。