第8回 「プレイデートの意義と注意点」

第8回 「プレイデートの意義と注意点」

アメリカでの教育や子育てに関連した悩み相談にお答えします。

更新日: 2016年12月16日

こんにちは。アメリカ現地校コンサルタントの高橋純子です。

このコラムでは、実際の在米日本人の保護者の方々から寄せられた、現地校や家庭教育などに関連した悩み相談への回答をわかりやすく説明いたします。

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今回のテーマは子供のプレイデートです。これはなんといっても親の社交性が鍵となります。またプレイデートは、子供の交友関係を充実させ、社会的な人間性を学ぶ上でも重要なポイントとなります。今回はこれからプレイデートをする親子さんへの注意点、またプレイデートを拒否する子供を持つ親御さんからの相談を取り上げます。

プレイデートをしたい


Q.

今年9月からキンダーに入った娘は、クラスにお友達はできているのですが、プレイデートに誘われたことがありません。娘はあるクラスメートのアメリカ人の女の子とプレイデートをしたいと言っています。
その子のお母さんとは朝に挨拶する程度ですが、こちらからどのように誘えば良いでしょうか。また、私は英語に自信がないのですが、もしあちらのお母さんも一緒に来るようでしたら、会話などで少し不安になってしまいます。

どのようなことに気をつければいいでしょう?

A.

プレイデートは文字通り「遊びの約束」のことですが、子供らが仲良くても、親同士が計画しないと実現に至りません。多くの保護者は、送り迎え時やボランティアなどの機会に、他の保護者と挨拶しあったり、いろいろ世間話をしたりしていますが、その時に娘さんがプレイデートをしたいと言っている、とそのまま相手の親に伝えてみてはどうでしょう。
例えば、 “My daughter wants to have a playdate with ○○. Is she available anytime soon?” (うちの娘が○○ちゃんとプレイデートしたいと言っています。近いうちに空いている時間はありますか?)などと気軽に聞いてみましょう。
そして何曜日の何時と設定し、温かくて天気が良ければ公園、寒ければ子供向けのミュージアムやどちらかの家、またバーガー店やアイスクリーム屋さんにおやつを食べに行く、というのもいいですね。
子供が小さかったり、まだお互いをよく知らないうちは、両方の親やベビーシッターが同伴することが多いですが、慣れてくれば、片方の親が両方の子らを学校でピックアップするなどのアレンジも可能になってきます。

また、ご相談者は英語での会話に不安ということですが、もし相手のお母さんも一緒に来られるのであれば、母親どうし友達になる良いチャンスです。確かに慣れない言語で、あまりよく知らない相手と二人きりになるのは勇気がいることなので、最初は公園や何かのイベントに一緒に行くという形のほうが気楽かもしれません。
もし家に来られるのであれば、相手のお母さんとは家で「お茶をする」という感覚で、できるだけ気軽に接してください。今回初めてしっかりと会話をするのであれば、自分の紹介も兼ねて、こちらからいろいろな質問を用意しておくと良いでしょう。例えば
“Are you originally from here?”(もともと地元の出身ですか?)
“How does your daughter like school so far?”(娘さんは今のところ学校は気に入っていますか?)
“What do you think of Ms./Mr. XX (teacher’s name)?”(XX担任の印象は?)
などが質問としては典型的でしょう。またこれまでに学校で起こった出来事の話をしたり、子供の悩みなどでどうしたらいいか相談したり、学校行事やこれからのイベントでわからないことも聞いてみるといいですね。

このようにプレイデートは親同士の社交にもなりますので、積極的にチャレンジしてください。

尚、家に相手の子供を呼ぶ時の注意点ですが、基本的には一緒に遊び始めても、おもちゃの取り合いなどけんかになる場合も多々あります。その時は仲裁して、きちんと言い聞かせましょう。
おやつを出す時は、相手の子に食べ物のアレルギーや制約がないか、あらかじめお母さんに聞いてください。またもう一人呼んで、3人のプレイデートになった場合、結局2対1という構図でけんかに終わることがあります。これを避けるためにも、プレイデートは是非2人を基本にしてください。

子供がプレイデートをしたがらない


Q.

在米1年、小3の息子は英語があまりできず、なかなか友達ができません。現在土•日も含めて英語の家庭教師や補習校の宿題、その他の習い事が非常に忙しく、プレイデートをする余裕もありません。帰宅後たまに時間がある時でも、「英語が話せないから誰とも遊びたくない」と言い、タブレットなどで一人遊びを好みます。
親としても、本人が嫌ならこのままでいいかと考えていました。しかし、最近の面談で、担任から社交性の無さを指摘されてしまいました。プレイデートはそんなに必要なことでしょうか。

A.

小3くらいの学年になると、キンダーや1年生の時のような「言葉が通じなくても遊べる」という事が難しくなってきます。なので、英語での会話に自信がない息子さんにとって、友達と遊びたくない気持ちはよく理解できます。
その反面、習い事と一人タブレットでゲームのみをしているのは、本人にとってあまり好ましい状態は無いかもしれません。またプレイデートをしないと、遊びからの英語を学べず、いつまでも会話ができないのでますますプレイデートができない、という悪循環に陥ってしまいます。

 

「プレイデートは必要ですか?」というご質問ですが、率直な答えは「はい、必要です」になります。。ある程度までの習い事は多くの家庭がさせていますが、土•日も含めて毎日忙しいとなると、友達と自由に遊ぶ時間は学校の休み時間以外ありません。
是非平日に最低一日はプレイデートができる「社交の日」を設けるなどスケジュールに余裕を持つべきでしょう。

息子さんは、昼休みなどは他の子供たらと遊んでいるのでしょうか?いくら自分で「英語が話せない。一人でいるほうが楽だから」などと思っていても、遊び友達のいない子供は、これがストレスとなって内面に溜まっていきます。

また、これまで習い事重視であまり社交性のないお子さんを多数見てきましたが、勉強ができる、チェスができる、といったことは教育的価値観の基本の一部であり、もっと社会性を伸ばす訓練や、本人の精神的満足度を重用視するべきだと思います。

全く遊びの時間のない子が、ストレス発散のためにいじめをしたり、急に泣きじゃくるようなケースも過去にいくつかありました。

プレイデートの相手ですが、アメリカ人である必要は全くありません。息子さんがESLのクラスを取っているのであれば、ESLの友達でも良いのです。補習校の日本人の子でも家が近ければ呼べますし、家で二人でできるゲームをやって遊ばせてもいいと思います。

他人と関わり、人間関係を築くということが重要だと思います。子供は楽しい時間や自由な発想を相手と共有したりしながら、多くの重要なルールや事柄を学びます。

友達を思いやったり、相手とシェアする心を育てることも、勉強や習い事と同様に重要な事だと思います。是非、参考にしてみてください。


著者プロフィール:

高橋純子
KOMETコンサルティング代表
コロンビア大学応用言語学博士課程
NYを中心に日本人家庭への教育サポート活動、また現地校適応のための トレーニング、教材開発などを展開。 現地の新聞などに教育コラム等多数執筆中。 DVD教材 “Hiroshi Goes to American School”(原作•制作), 著書に「アメリカ駐在:これで安心子どもの教育ナビ」(時事通信社)がある。
KOMET website: http://www.faminet.net/komet
お問い合わせは jtkomet@gmail.com 高橋まで。

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