コロナ禍でのアメリカ出産の最新事情

コロナ禍でのアメリカ出産の最新事情

「アメリカの出産事情はコロナでどう変わったか?」実体験を交えて詳しくご紹介。

更新日: 2021年07月23日

こんにちは、ニューヨークで駐在妻目線の情報サイトを運営している、ブロガーのミイです。

コロナ前の2017年に第一子を、そしてコロナ後の2021年に第二子をアメリカの同じ病院で出産した経験を踏まえて、「アメリカの出産事情はコロナでどう変わったか」について寄稿させていただきます。

現在妊娠中の方や、これから出産を考えている方への助けになれば幸いです。

産後24時間のスピード退院

アメリカの病院では、コロナ前は分娩後48時間で母子ともに退院することが一般的でした。つまり、産後の入院は2泊ということですね。

それがコロナ後、私が出産したNYU Langone Hospital (Long Island)を含めた複数の病院で、感染防止の観点から24時間(1泊)に短縮されています。

そのため、短い入院期間中に、産後のダメージを引きずりながら、

  • 出生届の提出とソーシャルセキュリティーの申請
  • 赤ちゃんの各種検査(血液、聴力など)
  • 搾乳機の保険申請(加入している医療保険によっては病院で自動搾乳機が無料でもらえます)
  • 赤ちゃんのケアについてナースに教えてもらう
  • 母乳コンサルテーション
  • 男の子の場合は割礼手術(希望する方のみ)

等のタスクをこなさなければならず、休む時間がありません。

また、自分から積極的に要求しないと病院側からは特に申し出てもらえない手続きも多いので、入院中にやるべきことは出産前にリスト化しておき、自分できちんと進捗確認することをお勧めします。

現に私の場合、産後すぐに割礼手術を要望しましたがリクエストが通っておらず、何度も確認してなんとか退院間際に手術してもらいました。

なお、コロナ前は入院中に新生児のフォトサービスを提供する病院もありましたが、コロナ後は取りやめているところが多いようです。

家族の立ち会い・面会に制限がある

アメリカでは、ほとんどのカップルが立ち会い出産を希望するため、

「うちは夫が仕事で来られません」

などと言おうものなら「えっ、冷たい旦那さんなのね・・・」と驚かれます。

そのため、コロナ禍でもパートナーの立ち会いは許可している病院が多いです。

しかし、パートナー以外の家族、特に子供はまだコロナワクチンが接種できないこともあり、立ち会いはおろか産後の面会も遠慮して欲しいと言われることがあります。

私が出産したニューヨークのNYU Langone Hospital (Long Island)でも、コロナ後は8歳以下の子供がそもそも来院禁止となっており、4歳の長男がいる我が家では思わぬ障壁となりました。

幸い、長男がデイケアに通っている平日昼間に出産できたので、夫に立ち会いはしてもらえましたが、分娩後すぐに長男のお迎えの時間になってしまい、そこから退院まで夫の助けなしに一人で新生児のお世話をすることになってしまいました。

私が産んだ病院ではナースが赤ちゃんを預かってくれるサービスはなく、産後のダメージを引きずりながら一晩中赤ちゃんを一人で抱っこするのはとてもキツかったです。

立ち会いや面会の制限については、病院によってポリシーが違いますので、特に上の子がいるご家庭は、産院を決める際によくよく話を聞いておくことをお勧めします。

なお、マスクについては、妊婦本人は分娩中は外してもOK、付き添いの家族はマスク必須というところが多いようです。

出産前の病院見学ツアーができない

アメリカの産婦人科では、毎月の妊婦検診はドクターの個別オフィスで行いますが、出産はドクターの提携している大学病院で行うことになります。

しかし、いざ出産という時になって、今まで行ったこともない大学病院に初めて行くのは不安ですよね。そのため病院側は妊婦さんやそのパートナーに向けて、安定期のうちに分娩室や病室などを案内する「病院見学ツアー」を開催してくれます。

しかし、コロナ後は感染防止の観点からこのツアーを中止している病院も多く、出産本番に初めて大学病院に行く妊婦さんも増えてきました。

そうなると、

  • 陣痛で苦しい中、車をどこに駐車していいかわからない
  • 病院のどの建物(入り口)に入ればいいかわからない
  • パジャマや歯ブラシなどの入院グッズをどの程度病院側で用意して貰えるかわからない
  • 食べ物を買いたいが売店がどこかわからない

といった思わぬトラブルが起こることがあります。

事前にドクターに確認したり、陣痛が強くなりすぎる前に余裕を持って病院に到着するようにしておくと良いでしょう。

妊婦検診がバーチャルになることも

コロナ後は、ドクターの方針によっては毎月の妊婦検診をオフィスではなく、ZOOMのようなテレビ電話で済ませることもあります。

さすがにエコー検査はオンラインではできないので、エコーが必要な回はオフィスに出向くことになりますが、それ以外は自宅で検診を受けられるため、上の子がまだ幼いなどで外出するのが難しい妊婦さんは、バーチャル検診を受け付けている産婦人科医を探すと良いでしょう。

まとめ

さて、ここまでで、コロナ後のアメリカの出産事情の変化について、

  • 産後24時間のスピード退院
  • 家族の立ち会い・面会に制限がある
  • 出産前の病院見学ツアーができない
  • 妊婦健診がバーチャルになることも

という4点をご紹介しました。

アメリカでの出産育児についてもっと詳しく知りたいという方は、駐妻目線のアメリカ生活情報サイトCHEWIFEにて、お役立ち情報やお得情報を配信しています。少しでもお役に立てれば幸いです。


著者プロフィール:

ミイ
駐妻目線のアメリカ生活情報サイトCHEWIFEを運営し、フツウの日本人がアメリカで快適に暮らすためのお役立ち情報を配信。

2020年からはペアレントインストラクターの資格を取得し、アメリカでの出産・育児・幼児教育についても多数の記事を執筆している。

ニューヨークで実際に0歳児と4歳児を育てる母でもあり、いかにアメリカ在住のメリットを生かしてラクに育児できるかを日々模索中。

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