第43回「ハーブを使ったアイデア料理2種」

第43回「ハーブを使ったアイデア料理2種」

アメリカ在住暦33年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します。

更新日: 2021年07月02日

アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。

海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。

『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。

第43回「ハーブを使ったアイデア料理2種」

ここアメリカでは、ハーブは人気の植物。簡単に鉢植え出来ますので、手軽に栽培されている方が多いかと思います。今回は、そんなハーブを使った料理をご紹介したいと思います。ハーブは、料理の味や香りを引き立ててくれるエッセンス的な役割のほかに、体調を整えてくれる働きもあります。今回使用するハーブは一部ですが、他にもありますので、料理をされる時に、利用されるとよいかと思います。

おすすめ食材リスト

a3-1

バジル(basil)
古代ギリシャでは、バジルは「王様の薬草」と呼ばれ、古くからその効能が知られていました。現在でもイタリア料理には欠かせないハーブですね。カロチンやビタミンE、ミネラルも豊富なうえ、香り成分には、鎮静作用、食欲増進、抗菌作用の働きもあり、集中力を高める効果もあります。


a2-2

スペアミント(spearmint)
別名グリーンミントと呼ばれるハーブで、甘い香りがして刺激的ではなく、料理に使いやすいミントです。疲れている時にミントティーを飲むとリラックスし、気分がすっきりします。甘味があるので、ケーキやアイスクリームにもよく合います。地植えすると地下茎で広がってしまうので、鉢植えがよいようです。 


a4

ディル(dill)
セリ科のハーブで、酸味のある料理によく使われます。花、葉は生で、種はスパイスとして利用されます。清々しい爽やかな芳香があるので、ピクルス等を作る時には欠かせませんね。魚との相性も抜群で、食欲増進、消化促進、鎮静作用もあると言われています。


a1-1

ローズマリー(rosemary)
ローズマリーは、常緑低木で皆さんの庭には必ず植えてあるハーブの一つではないでしょうか。肉、魚、野菜のロースト等によく利用されます。香りが強いですが、気分をリフレッシュさせ、頭を活性化させたり、肌を引き締め生き生きとさせてくれる効果があるようです。若返りのハーブとして、料理に利用したいものです。(A-5)


a6

タイム(thyme)
原産地はヨーロッパ。防腐効果があるため、古代エジプトではミイラの防腐剤として使われていたと言われています。爽やかな芳香、殺菌効果もあり、加熱しても風味が落ちないため、煮込み、オーブン料理等、様々な調理法が楽しめます。タイムは殺菌力が強いので、お茶にしてうがいや口内洗浄に使う事も出来たり、また飲むことによって、二日酔いにも有効とされています。

ハーブピューレー

この季節最高にフレッシュなハーブが手に入りやすいので、食材で紹介しているハーブを使って、ピューレーを作ります。作ったピューレを使い、ハーブバター、ハーブマヨネーズ等ご紹介します。

【食材と目安の量(6〜8人分)】 印はおすすめ食材リストを参照

  • フレッシュハーブ・・・30-50グラム(バジル、ミント、ディル、ローズマリー、タイム等)
  • 水・・・2カップ
  • 砂糖・・・大1
  • オリーブオイル(E.V)・・・大2

料理の手順

  1. 鍋に水を入れ沸騰したら、砂糖を入れよくかき混ぜ、キレイに洗ったハーブの葉をさっと茹でて冷水でとり、きっちりと絞り水気を取っておく。 b1
  2. フードプロセッサーに水気をよく切ったハーブとオリーブオイルを入れ、ピューレーにして出来上がり。

【レシピのポイント】
沸騰させた水に砂糖を入れてさっと茹でると鮮やかな緑色がキレイに保てます。塩を入れて茹でると黒っぽくなってしまいますのでご注意ください。ハーブそれぞれの量は好みですが、バジル、ディル、ミントは多めにし、ローズマリー、タイムは少なめが良いかと思います。その他のハーブでお好きなものがありましたら、合わせてみてください。お気に入りのハーブピューレーが作れたら最高ですね!ぜひお試しください。

ハーブマヨネーズ

ただ混ぜるだけで、香り、彩り、栄養価も高いマヨネーズの出来上がり。ハーブの中には殺菌作用もあるので、野外の料理にも安心して使う事が出来ますね。野菜やクラッカーのディップや、サンドイッチ、サラダにも利用出来ます。

d1

【食材と目安の量(6〜8人分)】 印はおすすめ食材リストを参照

  • マヨネーズ・・・1カップ(200cc)
  • ハーブピューレー・・・大2-3
  • レモン汁・・・大1

料理の手順

 
  1. 上記の材料をボールに入れ、よく混ぜ合わせる。 c2c3

【レシピのポイント】
マヨネーズは、代替で利用出来るので便利ですね。シーザーズサラダのドレッシングを作る時に卵の代わりに利用したり、ケーキを焼く時にバターやオイルの代わりに使ったりも出来ます。そんなマヨネーズにハーブピューレーを混ぜ合わせるだけでよいので、ぜひ、お試しください。レモンの酸味が効いて爽やかな味に変身です。

【料理を食べた方の感想】
サンドイッチをハーブマヨネーズで作ったら爽やかな味と香りで美味しかったです。

ハーブバター

バターは、夢の世界へ案内してくれるような素晴らしい素材ですね。使い過ぎると不健康になるように思いますが、栄養価が高いので、適量を上手に利用したいものです。今回は、ハーブピューレーを混ぜることで、香りのよいバターを作ります。ソテーした魚等の上に載せるだけで、料理がワンランクアップすること間違いなしです。

d2

【食材と目安の量(バター1本分)】 

  • バター(salted)・・・1本分(固い状態)
  • ハーブピューレー・・・大2〜3

料理の手順

 
  1. バターとハーブピューレーをフードプロセッサーで混ぜ合わせる。 c1 d3
  2. パーチメントペーパーを広げ、円柱状に形作り、冷蔵庫で冷やして出来上がり。 d4 d5 d6

【レシピのポイント】
パーチメントペーパーを使うと、くっつかずに冷凍庫でも保存出来ます。急なお客様が来ても、慌てずに最高のおもてなしが出来ることでしょう。

【料理を食べた方の感想】
ムニエルはよく作りますが、ハーブバターで美味しさがアップしていて感動しました。ぜひ作りたいです。

今回のまとめ

ハーブを使ってのアイデア料理、いかがでしたでしょうか。ハーブは手軽に手に入り、何処の家庭でも庭、そして室内に鉢植えを置いておかれる方が多いことと思います。そんな癒しのハーブを使って 料理をされるのも楽しいことでしょう。

マヨネーズ、バターは、カロリーも高く敬遠されがちですが、そのまま食べるわけではないので、上手に利用して、バランスよい食生活が送れるようにしたいものです。殺菌作用のあるハーブも多いので、これからの時代にぴったりですね。

その他のおすすめ投稿