第23回「医師監修 – 盲腸(虫垂炎)の徹底解説:症状、治療と予防」

第23回「医師監修 – 盲腸(虫垂炎)の徹底解説:症状、治療と予防」

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更新日: 2023年11月07日

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【医師監修】盲腸(虫垂炎)の徹底解説:症状、治療と予防

海外住んでいると、急な腹痛に襲われたとき「もしかして盲腸?」と不安になることもあると思います。そこで今回は、盲腸とはどんな病気なのか、その原因や自分で判断するときの基準などを探ってみました。

虫垂炎(盲腸)とはどんな病気?

小腸と大腸の間にある盲腸に付いている、5〜10cm程度の突起を虫垂といいます。この虫垂が、異物や糞石(大腸の内容物が固結して石状となったもの)などが原因で閉塞し、炎症を起こす病気が虫垂炎で、一般的に「盲腸」と呼ばれています。急に激しい腹痛をもたらす病気を「急性腹症」と呼びますが、虫垂炎はその中で最も多い病気です。
2、3歳くらいの幼児から小中学生、20代くらいまでの発症率が比較的高いですが、高齢者を含め、男女問わずどの世代にも見られます。粘膜のみに炎症がある「カタル性虫垂炎」、虫垂壁全体が炎症している「蜂窩織炎性(ほうかしきえんせい)虫垂炎」、壁に壊死が発生している「壊疽性(えそせい)虫垂炎」に分類されます。

盲腸は生活習慣が原因・・・?

急性虫垂炎は、虫垂に急な炎症が起こることによって発病します。虫垂が炎症を起こす原因は、便が硬くなった糞石など、腸内に長くとどまっている異物が虫垂をふさいだり、虫垂がねじれたりして、血流が悪くなることで発症すると考えられています。
詳しい原因はわかっていませんが、食べ過ぎ、飲み過ぎ、不規則な生活、便秘、過労など、日頃の生活習慣によって症状が誘発されると考えられています。

痛みの位置が移動するのが特徴

虫垂炎は、腹の右下部分が痛むといわれますが、最初は虫垂の根元が詰まって圧迫されるため、初期段階ではみぞおちや、へその周りに痛みが出ることが多く、吐き気や嘔吐、下痢を伴うこともあります。
腹痛は、位置を変えながらだんだんと強くなります。虫垂が化膿している状態のため、放置すると虫垂内に膿がたまり、それが右下腹の痛みになって表れます。痛みでこの部分の腹筋が緊張して硬くなることもあります。この段階では発熱も生じます。炎症を起こした虫垂は、腸内細菌による感染を起こしたり、外部からの細菌で炎症を起こしやすくなったりします。
さらに悪化すると穴が開いたり破裂したりして、膿が腹腔内へ流れ出て、腹膜炎などを起こし命にかかわることもあるので注意が必要です。前述のように痛みを感じる場所が、進行具合によって移動するのが虫垂炎の特徴ですが、こうした経過をたどらないケースも少なくありません。乳幼児は腹全体が痛いと感じ、高齢者はそれほど痛みを感じないこともあるようです。

子どもの腹痛はよくありますが、虫垂炎で膿が広範囲に広がると高熱が出て、おなかを触られるだけでも痛がり、痛みから背中を丸めた姿勢になることがあります。虫垂炎と同じような場所が痛くなる病気でよく間違われるものに、大腸憩室炎、急性腸炎、附属器炎、腸間膜リンパ節炎などがあります。いずれも炎症を起こしているので、腹痛とともに熱が出たり白血球が増加したりします。

病院に行くべきかの判断は?

虫垂炎は、発見が遅れると危険な合併症をひき起こしますので、早期の発見と治療が必要です。自己判断の基準として、みぞおちから右下に移動するような腹痛を感じたら、痛い場所を上から手で押してみます。押しても痛みを感じなければ、便秘や軽い腸炎、痛みがあれば虫垂炎の可能性があります。押したときより手を放したときのほうが痛い場合は、腹膜炎の特徴的所見で、腹膜への炎症の波及が疑われます。
子どもの場合は、まずは触ってみて嫌がらないかどうか判断の目安になります。痛みを伝えるのが難しい幼児の場合、食欲不振、嘔吐などの症状などで判明することもあります。いつもと違う様子なら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

以下の症状がみられている場合は、早めに病院に行くようにしてください。

  • 発熱と腹痛がある
  • 腹痛と吐き気、嘔吐が続く
  • 食事がとれないほどの痛みがある
  • みぞおちや右下腹部に鈍痛が続く
  • 歩くと右下腹部に痛みが響く
  • みぞおちの痛みが右下腹部に移動した

上記ほどではないけど気になる症状がある場合、慢性的な痛みがある場合、判断がつかない場合は、ヨクミルで消化器内科、総合診療科などの先生に相談してください。

監修:医師 野田一郎氏

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