第4回「サマーキャンプの選び方と準備」

第4回「サマーキャンプの選び方と準備」

更新日: 2016年04月28日

こんにちは。アメリカ現地校コンサルタントの高橋純子です。

このコラムでは、実際の在米日本人の保護者の方々から寄せられた、現地校や家庭教育などに関連した悩み相談への回答をわかりやすく説明いたします。

——————–

アメリカ現地校の学年度もあと2ヶ月、いよいよ終盤に突入しました。多くの子供達が6月末や7月にサマーキャンプに参加しますが、もうすでにこれらの予約は始まっており、人気のキャンプは春の時点で満員になってしまいます。そこで今回の教育コラムでは、今すぐキャンプを探さないと、というご家庭必読のキャンプ情報をお届けします。

サマーキャンプの選び方と準備について


Q. 7年生終了の娘を、今年の夏は初めてのキャンプに送り出そうと決めたのですが、まず日帰りキャンプにするか、お泊まりキャンプにするかで悩んでいます。

娘はまだ在米1年で、基本的な会話はなんとかできますが、流暢なおしゃべりにはまだ参加できません。ですので、本人もキャンプに行くのは億劫に感じているようです。

親としては少しでも英語が上達し、社交性をつけてくれればと願っていますが、このような英語レベルでも受け入れてもらえるでしょうか。また、どのような種類のキャンプが良いのか、どこで情報を得て、何をポイントにして決めれば良いのかを教えてください。

思春期に突入しつつある年齢なので、男女一緒のキャンプはどうなのかも少し心配です。この点も踏まえて注意事項をアドバイスいただけると幸いです。

A. 在米1年の娘さんをサマーキャンプに送り出そうと決定されたのは、とても勇気のいる、素晴らしいことだと思います。ではまずアメリカのサマーキャンプ一般について、次に、娘さんに適したキャンプについて、様々な角度から考えていきましょう。


サマーキャンプの種類

まずご存知のとおり、サマーキャンプには大きく分けてデイ・キャンプとスリープアウェイ・キャンプがあります。デイ・キャンプは日帰りのキャンプで、多くは、私立学校や教会、民間や非営利団体の施設などが、各年齢に応じた独自のプログラムを提供しています。

内容は一般的にスポーツ、水泳、ダンス、アート、自然観察(サイエンス)、遠足などでバランス良く構成されているものが多く、また少し学習的要素が含まれたものもあります。もちろん 演劇やミュージカルなど、テーマ別のデイ・キャンプもあります。

一般的に幼児から小学校3年生くらいまでは、親と離れて泊まれるスキルがまだ完全にできていない子も多いので、デイ・キャンプが最適となります。

スリープアウェイ・キャンプは、その名のとおり、お泊まりキャンプです。通常、多くの生徒が寝泊まりできるコテージ等を備えた施設で、都会から離れた自然の中で実施されます。このタイプのキャンプは、目的や内容も様々です。

総合的なものもあれば、 スポーツ中心のもの、演劇キャンプ、語学キャンプ、サイエンス・キャンプなど、種類もさまざまです。集団生活でのルールを守り、自分のことは自分で責任を持ってできるようになる小学校高学年(4〜5年生)以降が最適でしょう。

娘さんの場合ですが、すでに7年生終了の年齢ではあるものの、初めてのキャンプということなので、デイ・キャンプでもスリープアウェイ・キャンプでも、ご本人に合った内容で選択することが妥当だと思われます。英語が心配なのであれば、ESLのキャンプ、また男女一緒を避けられたいのであれば、女子だけのキャンプもあります。

サマーキャンプへ参加する目的

サマーキャンプは、キャンプにもよりますが、一般的に2〜3週間で1〜3千ドルほどかかる非常に高価なものです。そもそも参加させる価値があるのかどうかですが、これは家庭の教育的価値観により異なります。

現実として、6月中に学年度が終わると、アメリカの夏休みは9月末までとかなり長いですし、また日本のように大量の宿題も出ません。仕事をしている親も多いことを考えると、子供達が昼間いわゆる「野放し」になりかねません。

キャンプに行かせるのは、子供達が家や近所でブラブラしていたり、変な遊びを覚えるのを防ぐ意味もあると聞きます。また年齢が低い子供でも、毎日ベビーシッターを雇ってどのみちかなりの出費になるのであれば、何かを経験し、学び、スキルを身につけるようなプログラムに入れたほうが、意義のある休みになるでしょう。

例えば幼児の場合なら、水泳の初心者スキルを身につけるちょうど良い機会にもなりますし、都市部に在住の子供であれば、郊外の自然で思い切り身体を動かし、夏を楽しむ素晴らしい経験となりえます。そして新たな友達に出会い、社交性を身につけることも非常に重要です。

ミュージカルやダンス、一定のスポーツ、科学、生物系等々の専門性のあるキャンプであれば、ひと夏で何か一つの知識とスキルを身につける、という目的達成意識を持って臨むこともできます。

さらに日本人の子共には、英語がかなり上達して帰ってきた子達、アメリカ文化にかなり適応して帰ってきた子達もたくさんいます。このようなメリットを考えると、費用はかかりますが、その分キャンプに参加する価値は十分あると思われます。

目的に合ったキャンプの探し方

さて、本人に合ったキャンプの見つけ方ですが、多くの保護者は学校のクラスメートや友達の親に訊いて、口コミで見つけられるようです。仲良しのお友達同士で参加することも多く、そうすれば親としても安心なようですね。

また、一般の習い事教室には”Parenting”などの子供の教育関連の雑誌やコミュニティ紙が置いてありますので、そこにも多くのキャンプ主催者が広告を出しています。インターネットでは、http://find.acacamps.org/や、http://www.summercamps.comといったウエブサイトで、子供の条件に適したキャンプを見つけることもできます。

人気のあるキャンプは1月から募集を開始し、春前にはいっぱいになることも多々あるので、素早くチェックしてみてください。次にキャンプ候補を2、3件リストアップして、もしそのキャンプに行ったことのあるお友達がいれば、その子の親に「あそこのキャンプ、どうだった?」と聞いてみましょう。

そうでなければ、主催者に「英語があまり話せない子への対応は?」「男女交際に関するポリシーは?」等々の質問事項を問い合わせ、説明会や施設の見学などが可能であれば申し込みましょう。最終的には娘さんに合った条件が最多のキャンプに決定されると良いでしょう。

キャンプでの注意事項

さて、もしあまり英語が話せない娘さんが、 ESLでないキャンプに参加される場合、ご本人がより億劫になってしまう可能性があります。特に7年生の女の子達の社交は、「おしゃべり」が中心となり、会話に参加できないと嫌だな、というご本人の気持ちは当然です。これを理解した上で「それができるようになるために行くのよ」と励ましてあげてください。

前もってメールなどで、特別な注意を払ってもらえるようディレクターにお願いし、例えば言葉がわからない分、本人の得意な分野で能力が生かせるよう配慮してもらえると良いですね。またグループ活動の時は、必ずグループに入っていること、ひとりぼっちになっていないことを確認してもらいましょう。

ご相談者に限らず、夏に子供を初めてのキャンプ、また初めてのスリープアウェイ・キャンプに送り出す親御さんへのアドバイスですが、あまり心配ばかりせず、子供ができるだけ楽しめるよう万全に準備しておくことが大切です。

稀に適応出来ず、キャンプの途中で帰ってくる子もいますが、これはアメリカ人の子共でもあることですので、その時は潔く「行っただけでも勇気がある」と称えてあげましょう。またキャンプのポリシーにもよりますが、本人の都合でキャンプを途中でやめた場合、通常費用は戻らないものと理解しておきましょう。

最後にアメリカでは男子・女子関係なく、親から離れて独立心・自主性•責任感•自信を持たせる教育をしています。娘さんをキャンプに出されることを決意されたのは、この点でも大変意義のあることだと思います。

また子共にとってキャンプは、一生の思い出という心の宝物としても残ります。親御さんも子供がキャンプに出掛けている間に何かを学ぶなど、親子で実りのある夏になることをお祈りします。


著者プロフィール:

高橋純子
KOMETコンサルティング代表
コロンビア大学応用言語学博士課程
NYを中心に日本人家庭への教育サポート活動、また現地校適応のための トレーニング、教材開発などを展開。 現地の新聞などに教育コラム等多数執筆中。 DVD教材 “Hiroshi Goes to American School”(原作•制作), 著書に「アメリカ駐在:これで安心子どもの教育ナビ」(時事通信社)がある。
KOMET website: http://www.faminet.net/komet
お問い合わせは jtkomet@gmail.com 高橋まで。