第27回 実は8割の人がやっている?!「歯科医が教える」歯ぎしりの弊害と利点

第27回 実は8割の人がやっている?!「歯科医が教える」歯ぎしりの弊害と利点

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更新日: 2024年03月08日

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実は8割の人がやっている?! 「歯科医が教える」歯ぎしりの弊害と利点

歯ぎしりは、歯を強くこすり合わせたり、食いしばったりする症状を指します。これには様々な原因があり、その弊害も多岐にわたります。今回は、歯ぎしりについて探ってみました。

(1)歯ぎしりの種類と原因

歯ぎしりは、寝ているときにしているときにしているものと思いがちですが、実際は、起きている時間にも無意識にしています。それを含めると、約8割の人が歯ぎしりや食いしばりをしているという調査結果があります。
歯ぎしりには大きく3つのタイプがあり、「ギリギリ」と上下の歯を擦り合わせるタイプのもの、「ググッ」と上下の歯を食いしばるもの、上下の歯をカチカチ噛み合わせるものです。強い場合は、体重の何倍もの力が歯にかかるとも言われています。

歯ぎしりの原因 歯ぎしりには、下記のような原因があると考えられています。

  1. ストレスと不安
    ストレスの影響で筋肉が緊張し、歯ぎしりが引き起こされることがあります。
  2. 歯の不快感
      歯の歪みや噛み合わせの問題で、不快感を解消しようと無意識に歯を擦り合わせていることがあります。
  3. アルコールとカフェインの摂取
      酒やカフェインで神経が興奮して歯ぎしりを誘発することがあるとされています。

過度な歯ぎしりの危険性 それだけの強い力が加わる歯ぎしりには、下記のような弊害や危険性があります。

  1. 歯の損傷
    歯の表面のエナメル質がすり減り、歯が割れたり、かけたり、詰め物が取れたりする可能性があります。
  2. 歯周病の悪化
    歯が揺さぶられるため、歯茎から出血する、歯が動くなど症状が悪化しやすくなります。
  3. 顎関節症
    顎関節に圧力がかかり、開閉時に痛みや音がするような顎関節症を発症する可能性があります。
  4. 頭痛・肩こり・顔の痛み
    筋肉の過度の緊張を引き起こし、頭痛や肩こり、こめかみなど顔の痛みをもたらすことがあります。
  5. 睡眠障害
    睡眠中に歯ぎしりを発生すると、良質な睡眠を妨げ疲労感を引き起こすことがあります。
  6. 美容にも影響
    歯並びに変化が生じたり、筋肉に負荷がかかることで顔の歪んだり、エラが張ったり、こめかみに白髪が増えたりすることがあります。

(2)歯ぎしりには、良い効果もある?!

上記の「危険性」を見ると、ネガティブなことばかりのように思えますが、歯ぎしりには良い効果もあるのです。

ストレス発散
歯ぎしりはストレスなどの原因となるものに対して起こる、自己防衛反応だと考えられています。人は日常生活でのストレスを発散するために、歯ぎしりや食いしばりという行動を無意識のうちにとっています。マウスピースなどで歯ぎしりだけを軽減させると、ストレスが解消できず心身に支障が出る可能性もあります。

逆流性食道炎を防ぐ
最近、歯ぎしりと大きな関係があると注目されているのが逆流性食道炎です。逆流性食道炎は、人が横になったときに胃液が食道に逆流し、胸やけを起こす病気です。食道に逆流した胃液を戻そうと歯ぎしりをしている可能性があると考えられています。

(3)お子様の歯ぎしりに注意

お子様が歯ぎしりをしていることに気づいた場合、注意してあげてください。新しい環境(移転・新学期)によるストレスや、下に兄弟ができて新しい家族が増えたことなどによるストレスが多いです。歯ぎしりが、お子様が感じているストレスのバロメーターになりますので、普段よりも話をするとか抱きしめるとか愛情をもって接してあげてください。

(4)歯ぎしりを軽減するには

歯ぎしりには良い点があることも分かりましたが、過度の歯ぎしりは弊害も大きいので、軽減させるようにしましょう。軽減させるにはその原因に合わせて、噛み合わせを改善すること、ストレスを溜めないこと、睡眠の質を高めるために、就寝前にはPCやスマホを見ないようにすることなどがあります。
過度の歯ぎしりの心配がある方、歯に違和感がある方などは、ヨクミルで早めにご相談ください。

監修:医師 細井麻生氏

ヨクミルご利用者の声

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歯が変色していた子どもの相談で、原因や治療について教えてもらった
オランダ在住/40代男性 Yさん

子どもの歯が変色していたので相談したところ、打撲が原因の可能性があるということでした。歯の状態によって今後の治療方法が異なるので、歯髄が死んでしまっている場合と、そうではない場合に分けて教えていただきました。原因や今後の治療の選択肢などについて、日本語で理解できて良かったです。状況を確認できたので、現地の医師に治療してもらうときにも、英語での説明も理解しやすいものと思います。分かりやすい説明と、親身になって相談に乗ってくださる先生で安心できました。

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