第82回「庭のバジルの葉を使って料理を楽しく!!」
第82回「庭のバジルの葉を使って料理を楽しく!!」
アメリカでの健康な食生活を応援するおすすめレシピをご紹介します。
更新日: 2024年11月14日
アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽に、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。
『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。
第82回「庭のバジルの葉を使って料理を楽しく!!」
少しずつ風が冷たくなり始め、冬の到来を感じるこの頃ですが、如何お過ごしでしょうか。子供達が楽しみにしていたハローウィンも興奮のなか過ぎ去り、間もなく感謝祭がやってきます。我が家の庭に育っているバジルは初夏から収穫していますが、後数回の収穫で終わりそうです。そのバジルを使った料理をご紹介したいと思います。育てやすくて、栄養価も高いバジルをお楽しみいただけたら幸いです。
今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト
バジル(basil)
古代ギリシャでは、「王様の薬草」と呼ばれて、古くから効能が知られています。カロテンやビタミンE、体で作る事の出来ないミネラルも豊富に含まれています。また抗菌作用、集中力を高める効果もあるようです。ここカリフォルニアでは、スイートバジルが主流で、トレーダージョーズにて、一鉢、または一パック約3ドル程度で購入出来ます。庭での収穫も種から簡単に栽培出来て、ある程度大きくなったら、枝先を摘むようにするち大きな株に成長し、長い間収穫が楽しめます。
アンチョビー缶
アンチョビーは、カタクチイワシのフィレを塩蔵熟成させたもので、缶詰、瓶詰め、ペースト状のチューブ入りがあります。塩気と旨味があるので、パスタ料理等美味しく仕上げてくれます。製品によって塩分が違うので、使用時には味見して加減してください。今回は、SafeWayで約3ドル弱で購入しました。
モッツァレラチーズ(Mozzarella cheese)
原産はイタリアで、本来は濃厚な水牛乳で作られていましたが、現在は、牛乳で作られて入るものが多く、世界中で作られています。ナポリ名物のマルゲリータには欠かせないチーズです。今回は、トレーダージョーズにて、1パック約6ドルで購入しました。
レッドペッパー入り瓶詰(Fire roasted red peppers)
日本ではパプリカと言われているものですが、ピーマンと比べて肉厚で甘味があり、ジューシーなのが特徴です。栄養的にも優れており、ぜひ、食卓で使いこなしたい食材です。今回は、丸ごと焼いて焦げ目をつけ、皮を剥いたものが瓶詰めになっているものを使用しました。トレーダージョーズで約3ドルで購入しました。
シーフードの缶詰(4種)
マルゲリータに使用するものは、オリーブオイル漬けになっているカラマリ、ムール貝、サーディンを使います。そのまま食べても美味しいですが、トッピングの具としてもぜひ使ってみたい食材です。残ったものはサラダにトッピングしても美味しそうですね。サーディンは、各々約2ドル、ムール貝は約2ドル、カラマリは約4ドルで、トレーダージョーズで購入しました。
生ハム( Prosciutto)
生ハムとは、豚の後ろ足を塩漬けにして、乾燥熟成させたもので、古代ローマ帝国から生ハム職人が存在していたようです。現在も皆から愛されている生ハムですが、スーパーなら何処でも手に入るようになりました。今回は、トレーダージョーズにて、約3.50ドルで購入しました。
パン用めん棒
表面に凹凸がついていて、生地に残ったガスを抜きながら、伸ばすことが出来る便利なめん棒です。軽くて洗いやすく、衛生面でも安心なタイプになっています。サイズは色々ありますが、日本で30センチ、15センチ用を購入しました。値段は、500〜1000円程度かと思います。
マルゲリータ風ピザ
ピザはアメリカ定番の食事ですが、日本食を主流にされている人達にとっては、少し重い食事に感じます。そこで、添加物もなしで失敗なく簡単に出来るピザ生地を紹介したいと思います。生地は薄く仕上げるので、カロリーも低く抑えられるし、胃や腸に負担も掛かりにくくなります。簡単に出来る冷蔵発酵なので、生地の仕上がりもよく、簡単に薄く伸ばすことが出来ます。
【食材と目安の量(6〜8人分)】印はおすすめ食材リストを参照
下準備:マルゲリータ風ピザを作る前日に生地を作って冷蔵庫で発酵させておく。
ピザ生地 10枚分
A
オールパーパス粉・・・400g
塩・・・小1/2〜3/4
砂糖・・・小1
B
ぬるま湯・・・100cc(38°c〜40°c)
ドライイースト・・・大1
砂糖・・・小1/2
C
ぬるま湯・・・200cc〜220cc
オリーブ油・・・大1
Pesto sauce風
バジルの葉・・・約100〜120g(葉を茎から外してから洗って水気をしっかり取っておく)
にんにく・・・1かけ
エシャロット・・・小1個
アンチョビー・・・3〜4枚
エキストラバージンオリーブ油・・・150〜180cc
塩・・・小1/3〜1(アンチョビーの塩気が強いので、味見をして塩を足す。少し塩辛くする)
アーモンドフラワー・・・大1
パルメザンチーズ・・・100cc
Topping
トマト・・・適宜(薄切り)
レッドペッパー瓶・・・適宜(適当に切る)
マッシュルーム・・・1パック(薄切りにしてオリーブ油、にんにく少々で炒めておく)
モッツァレラチーズ・・・1パック
生ハム・・・1パック
トマトピューレチューブ・・・適宜(pesro sauceの代わりに使用)
バジル葉・・・適宜(飾り付け)
お料理の手順
下準備 *バジルの葉(材料を参照)
- 前日の作業は、ピザ生地を作る。Aをボールに混ぜ合わせ、Bを小鉢に上から順に入れて混ぜ合わせ、更に別にCを混ぜておく。Aの入ったボールにBを入れ、混ぜ合わせてからCを入れて、更に混ぜ合わせ、一つにまとめる。ベタベタするようならオールパーパス粉を少しふり、ボールの中で約50回程度、生地を持ち上げて叩く。生地がまとまってなめらかになったら、丸めてオリーブ油を全体にまぶしビニールの袋に入れ、なるべく空気を抜いた状態で密封し、冷蔵庫で寝かせる。ここまでの作業を前日に行っておくと、1時発酵を気にしないで置いておくことが出来る。
- Pesto sauce風を作る。フードプロセッサーへ、にんにく、エシャロット、アンチョビーを入れ、微塵にする。次にバジルの葉を2回くらいに分けて入れ、微塵にする。次にオリーブ油を少しずつ足して混ぜ合わせ、なめらかにする。次にアーモンドフラワー、パルメザンチーズを入れ、最後にソースが固めならオリーブ油を足し、塩気は強めに塩を足す。
- 前日に作った生地がビニールの袋の中でパンパンになっているので冷蔵庫からまな板に出し、オールパーパス粉を使いながら伸ばし、8等分にして丸めて、約10分間布をかけて休ませる。生地は少し膨らんでくる。次に麺棒で約直径20〜22㎝に丸く薄く伸ばし、最後にめん棒に巻きつけて4のフライパンに広げる。
- 厚手の蓋付き大フライパンを熱し、熱くなったら中火にし、オリーブ油を入れて焼く。焼けたらひっくり返して両面を焼く。焼き上がった状態で冷凍保存も可能。
- 4が全部焼けたら、次にピザを作る。焼いた1枚の生地をフライパンに入れ、バジルソースを伸ばし、その上にトマト、ベルペッパー、マッシュルーム、モッツァレラチーズを載せ、蓋をする。チーズが溶けたら生ハム、バジルの葉を散らす。この要領で、ペストソースの代わりにトマトペーストチューブを生地に使用したり、カラマリ、ムール貝、サーディンのオイル漬けをトッピングして、好きな組み合わせで作る。
- Pesto sauce を使ったパスタ。茹でたパスタの水気と湯気を切ってから、ソースを多めに混ぜ合わせる。塩気が足りなければ、パルメザンチーズ、塩で味を整える。
- 出来上がった3の生地を8等分し、ハマスのチップとして使用。
【レシピのポイント】
捏ねた生地を冷蔵発酵にすると、1次発酵の時間を気にしないでほおっておけるのが何よりです。私は、いつもパンを作る前日に捏ねて、冷蔵発酵にしています。時間をゆっくりかけて発酵するので、生地が良い状態に仕上がります。とても薄い生地に仕上がりますので、カロリーを低く抑えられること、市販品と違って、気になる添加物も一切なしなのが嬉しいですね。
Pesto Sauce は洗ったバジルの葉の水気を除去したいので、サラダスピナー、キッチンペーパー等を利用されるとよいと思います。パスタに和える時には、茹で上がりの熱いパスタに混ぜてしまうと、綺麗な緑色が黒ずむので、少し湯毛を切ってから混ぜましょう。
【料理を食べた方の感想】
・夫がペストソースの大ファン。早速作ってみたいです。
・生地が薄くて底はクリスピー。ワインに合う前菜で気に入りました。
・ハマスを食べたことがなかったのですが、オリーブオイルと共にパン生地と食べてみましたが、とても美味しかったです。
今回のまとめ
今回の料理はいかがでしたか。マルゲリータは元々トマトソースを使用しますが、ペストソースでもなかなか美味しいので、ご紹介させていただきました。正しいペストソースとは少し食材が違っていますが、息子が松の実アレルギーなため、アーモンドフラワーを使用等、少し安上がりに出来ています。でも、オリーブオイルは必ずエキストラバージンをご使用ください。出来上がりが今ひとつになってしまいます。
7才の孫は、この緑のパスタが大好き!!遊びにくると庭で葉を摘んで渡されるので、その度にペストソースを作っています。栄養的にも素晴らしい一品ですので、ぜひお試しください。