第60回「代用お餅で雑煮、ぜんざいを作ろう!!」
第60回「代用お餅で雑煮、ぜんざいを作ろう!!」
アメリカ在住暦30年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します
更新日: 2023年01月09日
アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽に、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。
『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。
第60回「代用お餅で雑煮、ぜんざいを作ろう!!」
新年明けましておめでとうございます。楽しいクリスマス、そして輝かしい新年をご家族で迎えられたことと思います。元旦と言えば、地方色豊かなお雑煮をそれぞれに作られたことでしょう。近年では、お餅のパック入りが、日系マーケットにて気軽に購入出来ます。日本人にとってつくづく便利な世の中になったものだと感心しております。今回は、お餅のかわりになる代用餅をご紹介したいと思います。餅ほど粘り気もなく、栄養価もアップ。お子様にもお年寄りにも喜ばれることでしょう。
今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト
餅粉
餅米を精白、水洗いし、粉にしてから乾燥させたものです。餅粉はもちもちとしていて、きめが細かくなめらかな食感で主に求肥や大福を作る時に使われます。みんなのレシピでも何度かご紹介していますが、とても便利です。現在ではアジア系マーケットなら何処でも購入出来ます。価格は、3ドル弱になります。
オールパーパス粉
スーパーで売られているアメリカの小麦粉が、日本の小麦粉に近い粉の種類は、オールパーパスフラワー(中力粉に近い)とブレッドフラワー(強力粉)でしょうか。その他にも全粒粉、膨らし粉や調味料を添加している粉、漂白していない粉、オーガニックの粉等、様々に加工された粉が所狭しと販売されています。とりあえず、何でもこなすオールマイティーがオールパーパスフラワーです。みんなのレシピでは、この粉を使って、クッキーやカレーパン、野菜まん等、紹介していますので、バックナンバーで確認してみてください。今回は、Safe Wayにて、約6ドルで購入しました。
手軽にカボチャすいとん雑煮
お正月には、様々なお雑煮を楽しまれたことと思います。今回は餅の代わりになるカボチャのすいとん入り雑煮をご紹介します。雑煮と同じ汁の中に入れるだけですが、餅のように粘りがないので、小さなお子様やお年寄りの方にも安心して食べていただけます。カボチャが入ることによって栄養価もプラスになる嬉しい雑煮ですね。
【食材と目安の量(4人分)】印はおすすめ食材リストを参照
- カボチャ・・・皮なしで150g(皮を切り落し、角切りにする)
- オールパーパスフラワー・・・100g
- だし醤油・・・小1〜2
- 卵・・・1/2個
- 水・・・適量(不要の場合もある)
ー--- - 雑煮の汁 ※参考例
- 鶏ガラスープ・・・適宜
- 大根・・・適宜(拍子切り)
- 人参・・・適宜(拍子切り)
- ネギ・・・適宜(斜め切り)
- 鶏肉・・・適宜(鶏ガラスープ後の肉を使用)
- ゆず・・・少々(千切り)
- 白だし醤油、塩、酒、みりん等
お料理の手順
下準備
* 中鍋に水をたっぷり入れて沸騰させておく。
- カボチャを鍋に入れ、水をカボチャの高さの2/3位まで入れ、火にかける。沸騰したら中火弱にし、串が通るようになったら、湯を捨てて、潰しておく。
- ボールにオールパースフラワー、卵、だし醤油、1を入れてゴムベラで混ぜ合わせる。ボロボロと粉っぽい感じになったら、手で混ぜ合わせる。手にくっつくようなら粉が足りないので加減する。ボールの中でよく練りながら混ぜ合わせたら、丸く長く伸ばし、包丁で切る。
- 2を指で広げて沸騰した湯の中へ入れる。浮き上がったら出来上がりなので、水の入ったボールに入れて、暫くしたらザルに移す。
- いつも作っている雑煮の汁を作り、食べるだけの量の3を入れ、少し煮て出来上がり。
【レシピのポイント】
カボチャのすいとんは、カボチャに水分が多い状態だと水を入れなくても練り上げられたりもするので、水を入れすぎないように耳たぶの固さにします。このカボチャすいとんは、お鍋やおでんの時にも大活躍。添加物なし、栄養たっぷりのすいとんは嬉しい限りです。
【料理を食べた方の感想】
・餅のような粘りがないですが、雑煮にマッチしていて、美味しくいただけました。
・幼い子に餅を食べさせるのは躊躇していましたが、これなら安心ですね。
さつまいも餅のデザート3種
ここアメリカでも簡単にさつまいもを購入することが出来ます。そのさつまいもを粉に混ぜて餅を作ります。さつまいもの風味もよく、餡、きな粉との相性もよいので、年齢問わず喜ばれることでしょう。
【食材と目安の量(4人分)】印はおすすめ食材リストを参照
- さつまいも・・・皮なしで150g(皮を切り落とし、角切りにする)
- オールパースフラワー・・・50g
- 餅粉・・・50g
- だし醤油・・・小1〜2
- 卵・・・1/2個
- 水・・・適量(不要の場合もある)
ー--- - ぜんざい用
- 餡・・・適宜
- 水・・・適宜
砂糖、塩で味を調整
ー--- - 餡餅用
- 餡・・・適宜
ー--- - きな粉餅用
- きな粉・・・適量
砂糖、塩で味を調整
お料理の手順
下準備
* 中鍋に水をたっぷり入れて沸騰させておく。
- つまいもを中鍋に入れ、水をさつまいもの2/3の高さ迄入れて火にかける。沸騰したら中火弱で煮て、串が通るようになったら、水気を切り、潰してなめらかにしておく。
- ボールにオールパースフラワー、餅粉、卵、だし醤油、1を入れてゴムベラで混ぜ合わせる。ボロボロと粉っぽい感じになったら、手で混ぜ合わせる。手にくっつくようなら粉が足りないので加減する。ボールの中でよく練りながら混ぜ合わせたら、丸く長く伸ばし、包丁で切る。
- 2を親指で押して凹ませる。沸騰した湯の中へ入れる。浮き上がったら出来上がりなので、水の入ったボールに入れて、暫くしたらザルに移す。
- ぜんざい、餡餅、きな粉餅をそれぞれに作る。
【レシピのポイント】
この餅は、餅粉も入るので、食感が柔らかくなり、和菓子にぴったりの餅に変身します。さつまいもの風味や甘味を味わえるのも魅力ですね。きな粉、餡の他、みつまめや、フルーツポンチに加えても美味しく頂けます。何より簡単に失敗なく出来るのが魅力です。
【料理を食べた方の感想】
・餅がなくても、これで充分餅の代わりになりそう。取り敢えず作ってみたいです。
・デザート用の餅、っていう感じです。不意のお客様にも対応出来そうで嬉しいです。
今回のまとめ
まだまだ寒い日々が続くなか、少しでもあたっかい料理を提供出来たらと思い、新しいメニューに取り組みました。初めの段階では、粉は餅粉のみで野菜は、バターナッツスクワッシュ、ヤムを試しましたが、食感も風味も喉ごしも今一つでした。その後、雑煮にはオールパーパスフラワーにカボチャを加えて、歯ごたえのある餅を作り、デザートには、オールパーパスフラワーと餅粉にさつまいもを加えて柔らかな歯ごたえの餅を作りました。どちらもそのまま食べても美味しいのが魅力です。皆様もぜひお試しください。