第11回「サンクスギビングにローストチキン」
第11回「サンクスギビングにローストチキン」
アメリカ在住暦30年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します
更新日: 2018年10月23日
アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。
『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦30年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。
第11回「サンクスギビングにローストチキン」
アメリカでは最大行事と言われているサンクスギビングが間もなくやってきます。昔は宗教色の強い行事だったようですが、現代においては、たくさんの親族や友人が集まり、日々の出来事、人、物等に感謝する気持ちを持ちながら、楽しく食事をする日となっているようです。
そこで必ず登場するのが、ターキーです。サンクスギビング間近とあって、どこのスーパーにも所狭しとターキーが並らべられていますね。今回は、パーティーの予定もなく、家族等でささやかにお祝いしたい人向けに、しっとりと美味しいローストチキンをご紹介したいと思います。
今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト
チキン 丸ごと
チキン丸ごとは部位毎に購入するより、ケミカルが少なく安心です。オーガニックのものや、餌にホルモン剤を使用してないものなど様々なタイプがあります。値段は1lb(パウンド)2〜4ドルと安価です。安いチキンは、やはり脂肪の量が多く感じますので、オーガニックチキンがおすすめです。ローストチキンに限らず、普段から丸ごとで購入し、出刃包丁で部位ごとに分けて冷凍保存ができます。鶏ガラはスープにもなるので、捨てる所がありません。
チキンに詰めるスタッフィング
ストーブトップのスタッフィングですが、現地のスーパーで簡単に購入出来ます。今回は、チキンのお腹にたっぷり詰めて、鍋で蒸し焼きにします。
ローストチキンの香草蒸し
鶏丸一羽を購入し、お腹にスタッフィングを詰めて、お鍋で香草蒸しにします。ハーブ、野菜を入れることで、鶏の臭みがとれ、肉はしっとり柔らかに仕上がります。ぜひ、お試しください。
【食材と目安の量(6~8人分)】 ★印はおすすめ食材リストを参照
★・鶏丸ごと1羽(よく洗って水気を拭き取っておく)
・ブラックペーパー・・・小1
・ローズマリー・・・小1/2
・タイム・・・小1/2
・オールスパイス・・・小1/2
・塩・・・小1
<スタッフィング>
・ストーブトップ・・・1箱(6oz)
・玉ねぎ(5ミリの角切り)・・・1/2個
・セロリ(5ミリの角切り)・・・1本
・クルミ(粗みじん切り)・・・1/2 カップ
・湯(混ぜてパラパラになる程度)・・・適宜
<香味野菜>
・キャベツ (大きな葉のまま)・・・3枚
・セロリ(斜めスライス)・・・2本
・玉ねぎ(厚めのスライス)・・・1個
・ニンジン(斜めスライス)・・・1本
・エリンギ・・・2本
・グリーンオニオン(叩いてぶつ切り)・・・3本
・ショウガ(叩いてスライス)・・・1かけ
・パセリの茎(叩いてぶつ切り)・・・3〜5本
・にんにく(叩いてそのまま)・・・3かけ
<グレービーソース>
・みりん大2、酒大2、しょうゆ大4+裏ごししたスープ(200cc程度、足りなかったら、水を足して)
・水溶き片栗粉・・・片栗粉 小1/2 + 水 小1
【お料理の手順】
1: 鶏のお手羽先を中に入れ込み、ぶらぶらしないようにしてから、鶏の皮の表面にスパイス、塩等まぶす。お腹の中も同様にする。
2: スタッフィングの材料をすべて混ぜ合わせ、お湯を入れて、パラパラ程度にし、(香草蒸しするので、べたべた状態にしない)鶏のお腹へスタッフィングを詰め込む。(おしりから詰め込みますが、入り口付近に脂肪がついていたら、取り除く)しっかり詰めて、楊枝3本使って止める。(楊枝は、入り口付近の皮を重ねて、楊枝で刺すだけ)その後、鶏全体にオイルを塗る。
3: 厚めで、深めのフライパンを中火強で熱くしてから、オイルを大2を入れ、煙が出てきたら、鶏のお腹から焼いていく。3分〜5分程度焼くときれいな焦げ目がつくので、ひっくり返して背中側も焼く。
4: 鶏をフライパンから出して、フライパンの中の油を捨てる。次にフライパンの底にキャベツを敷き、鶏のお腹を上にして、キャベツの上に載せる。周りにブロッコリー以外の野菜を入れて蓋をする。
5: 中火で蓋をし、その後沸騰したら、弱火で焼く1時間程度、火にかけておく。出来上がる直前にブロッコリーを入れて、火を通す。きれいな緑色になったら、すぐに取り出す。
6: フライパンから、鶏を出し、大きなお皿に載せ、周りに野菜も出して、盛り付ける。
7: フライパンに残った汁を裏ごしして、小鍋に移し、沸騰させて、油を取り除く。そこへみりん、酒、しょうゆを入れて味付けをし、片栗粉でとろみをつけて出来上がり
【このレシピのポイント】
今回はストーブトップのスタッフィングを詰めましたが、中華おこわや、カレーピラフを詰めても、とても美味しいです。
もし、出来上がった鶏を切り分けた時に火の通りが完全でない場合は、切り分けた肉をマイクロウェーブで完全にする事も出来ますので、気軽に作ってみてください。
料理を食べた方の感想
「ローストチキンの香草蒸し」
グレービーソースが、和風な感じで美味しくいただけました。
蒸し焼きしているからか、鶏肉がしっとり柔らかで、美味しいです。残ったら、翌朝はサンドイッチでもよさそう。
一緒に香草蒸しした野菜が、柔らかくて味がしみていて、いくらでもいただけそう。肉と野菜とバランスよく食べられて、ヘルシーですね。
今回のまとめ
お鍋でローストチキン、いかがでしたでしょうか。残ったチキンは、チャーハン、サラダやスープの具にもなります。まるごと1羽、楽しめて美味しくいただけて、最高ですね。どうぞ、心もお腹もまんぷくなサンクスギビングをお過ごしください。