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【医師監修】その不調「隠れ低血糖」かも?!
健康な人も注意が必要な「隠れ低血糖」の危険性と予防策

近年、「隠れ低血糖」という言葉が注目されています。低血糖は一般的に糖尿病の治療中におこることが知られていますが、健康な人でも食後に血糖が急上昇した後や過激な運動後などに、血糖が急降下することで見られることがあります。検査では異常が見つからないのに、何となくだるい、元気が出ないと思っていたら、低血糖の症状だったという可能性もあります。そんな状態を「隠れ低血糖」といいます。今回は、隠れ低血糖の危険性と予防法について、医師に解説してもらいました。
1. 隠れ低血糖の危険性
隠れ低血糖に多いのは、食後に血糖値が急上昇した後、インスリンの過剰分泌によって血糖値が急激に低下し、血糖値が70mg/dL以下に下がり、眠くなったりだるくなったりする状態ですが、それは、脳や神経の働きに影響を与えます。特に「隠れ低血糖」は自覚しにくく、長期的に繰り返されることで以下のようなリスクが高まります。
- 脳機能の低下:血糖値が下がると、脳へのエネルギー供給が不足し、集中力や記憶力の低下を引き起こす可能性がある。
- 自律神経の乱れ:血糖値の急変動は交感神経と副交感神経のバランスを崩し、慢性的な疲労や不眠、動悸などを引き起こす。
- 糖尿病発症リスクの増加:血糖値の乱高下が続くとインスリンの分泌異常を招き、将来的に糖尿病になりやすくなる可能性がある。
2. 特に働き盛りの20〜40代に多い
隠れ低血糖は年齢に関係なく発生する可能性がありますが、それぞれの年代で原因も変わってきます。特に20〜40代の忙しい人、50代以上の糖尿病予備軍の人は隠れ低血糖になりやすいので、食事や生活習慣を見直すことが大切です。
働き盛りの20〜40代の原因
- 朝食抜きや不規則な食事時間で、血糖値が変動しやすい。
- 糖質中心の食事(コンビニ弁当、丼もの、ファストフード、菓子パンなど)、カフェイン(コーヒー、エナジードリンク)やアルコール摂取の後には、血糖値が急上昇し、その後急降下しやすい。
- ストレスや睡眠不足で自律神経が乱れ、インスリン分泌が乱れやすい。
50〜60代の原因
- 代謝やインスリンの働きの低下により、血糖値が急激に上がりやすく、その後急降下しやすい。
- 糖尿病予備軍やメタボの人は、インスリン抵抗性があることが多く、血糖値の乱高下が起こりやすい。
- ストレスや更年期障害でホルモンバランスや自律神経が乱れ、血糖値が不安定になりやすい。
10代に多い原因
- 朝食を抜く、甘いジュースやお菓子を頻繁に摂取するなど、食生活が偏りがちで糖質過多になりやすい。
- 成長期のホルモン変動により、血糖値が不安定になりやすい。
- 部活動や運動前後に適切な栄養補給をしないと、活動中や活動後に低血糖になりやすい。
3. 低血糖の主な症状
インスリンや糖尿病薬を使用していない場合、低血糖の症状は、他の病気や単なる体調不良と勘違いされやすいですが、食後に以下のような身体的、精神的症状が現れる場合は隠れ低血糖の可能性があり、注意が必要です。
身体的症状
- 疲労感・倦怠感
- ふらつき・めまい
- 頭痛
- 手足の震え
- 発汗
- 強い空腹感
精神的症状
- イライラしやすい
- 不安感・パニック症状
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
食事をした直後に眠くなる人は、血糖値の急変動が関係している可能性があります。
4. 隠れ低血糖の予防策
隠れ低血糖を防ぐためには、日常生活での食事や習慣の見直しが重要です。すぐに実践できる予防法を紹介します。

① 食生活の改善
- 低GI食品を取り入れる
玄米、全粒粉パン、オートミール、ナッツなどの低GI食品は血糖値の急上昇を防ぎます。 - 糖質はタンパク質や脂質と一緒に
米やパンだけを食べるのではなく、卵やチーズ、肉、魚などタンパク質と一緒に摂ることで血糖値の急上昇を防ぎます。 - 食物繊維を意識する
野菜や豆類、海藻などの食物繊維は血糖値の上昇を抑え、腸内環境を整える効果があります。 - 食事の間隔を空けすぎない
長時間空腹状態になると血糖値が降下するため、3〜4時間おきに軽食を摂るようにします。
② ストレス管理
- ストレス管理を行う
ストレスによって自律神経やホルモンが不安定になり、血糖値にも影響がでるため、適度な運動や趣味などでリラックスしたり、環境を整えたりするなどして、ストレスを溜めない対策を取りましょう。 - 軽い運動で血糖値の安定化
ウォーキングや軽い筋トレは、血糖値の安定化に役立ちます。特に食後30分以内の軽い運動は、血糖値の急上昇を抑える効果があります。 - 睡眠をしっかりとる
睡眠不足はインスリンの働きを鈍化させ、血糖値が安定しなくなるので、良質な睡眠をとるようにします。
③ 血糖値の動きを把握する
市販の血糖値測定器や持続血糖モニタリング(CGM)を利用することで、自分の血糖値を測定することで、隠れ低血糖になっていないかを確認できます。
隠れ低血糖は、気づかないうちに私たちの健康に影響を与え、長期的には糖尿病や自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。適切な食事管理、規則正しい生活習慣、良質の睡眠、運動の習慣化によって血糖値の急変動を防ぎ、健康な体を維持しましょう。気になる症状が続くようなら、ヨクミルで日本人医師に相談してください。

監修医紹介
武岡幸代先生(内科・総合診療科)
腎臓病や高血圧、内分泌、消化器などの治療経験が豊富で、アメリカ生活が長く、海外で生活する方の医療に関する悩みを深く理解して、利用者に寄り添った相談で評判が高い。東洋医学や栄養管理、食事療法などにも詳しく、心身ともに健やかな生活ができるようにアドバイスしてくれます。 2024年には、アビヒナブ・シン著の『良い眠りの科学』の日本語訳を担当するなど、多方面で活躍している。
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アメリカ在住/40代女性 Sさん
しっかり寝ても原因不明の疲労感があり、相談することにしました。こちらの病院は休診日だったので、予約の電話すらできなかったところ、アプリからすぐに予約と相談ができて助かりました。オンライン相談では、私の話に共感してくれて、考えられる原因とすぐに実践できる対処法をわかりやすく説明してくれました。とても親身になってくれる先生で、相談して本当によかったです。
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