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第20回「逆カルチャーショック〜日本に帰って気づいたこと」

みなさま、こんにちは。アメリカ駐在ライフアドバイザーの松谷麻子です。

”カルチャーショック”という言葉を調べてみると、「自分が「当たり前」だと思っていた価値観や習慣が全く通用しない環境に置かれたとき、大きな違いに直面して感じる心理的な戸惑いやストレス」とあります。駐在で初めての海外生活をスタートする人にとっては、この状況は避けては通れない問題ではないでしょうか。
初めて渡米して訪れた公園では、映画で出てくるような丸ごとりんごを齧る姿がを見て本当に食べてる!と驚きました。修理業者の方が、家の中で靴を脱いでくれず、仕方なく終わった後に掃除をする羽目になったこともありました。後々、レジ袋や靴カバーで対応できることを知りました。

渡米当初はことあるごとに日本との違いに驚かされ、常識が通用しないことへの苛立ち、そして日本だったらあり得ない!という気持ちに支配され、違いを楽しむ余裕もなく気持ちが沈んでしまう、そんな毎日の繰り返しでした。このカルチャーショックは概ね1年くらいで落ち着く方が多いと思います。私も、少しずつ日本と比べることをやめたり、アメリカの文化の良さを見つけられたり。時間が解決して慣れていきました。私の好きだったアメリカ文化は、どこの家にも乾燥機があること、大きな食洗機があること、返品天国、現金入らずのカード社会、運転ルールがわかりやすいところ、車で赤信号でも右折(日本の場合は左折)できる、という物理的なことから、人の目を気にしなくていい、というマインドでしょうか。
もし今もなお日本と比較して苦しんでいる方がいるとしたら、アメリカの好きなところをあげてみるといいかもしれません。

さて、今回の本題の本帰国後の日本への”逆カルチャーショック”というのはご存じでしょうか。カルチャーショックの定義からすると、本帰国は住み慣れた国に戻るだけ、言葉も通じる住み慣れた国での暮らしを再スタートするので、渡米の時のような戸惑いはないはずですよね。しかしながら、実は日本の当たり前だと思っていたことを違和感として感じてしまうという、逆カルチャーショックという現象に悩まされることがあります。

私自身も2回本帰国を経験しておりますが、やはり2014年に帰国した1回目の方が強く感じました。買い物で失敗してもすぐ返品できたアメリカに対して、日本は破損など理由がない限り返品ができず、新品を破棄せざるをえなかったことや、ちょっと大きいものは粗大ゴミとして出さないといけないことなど思い出されます。当時は電話予約や粗大ゴミチケットをコンビニで現金でしか買えず、ゴミ一つ出すのにもとても面倒でした。
2023年に2回目の本帰国をした際は、意外にも?日本のIT化が積極的に進んでいて正直びっくりしました。しかしながら、お店のポイントシステムの煩雑さや電子マネーの種類の多さに戸惑い結局何も使えなかったり、アカウント登録が必要なことも面倒に感じました。またコンビニなどでも実際のお金の受け取りなどが全て機械化されていたり、どんどん進化してる!と思いきや、一方で教育現場ではまだ現金での集金や、手書きでプリントの提出があったり・・。毎年同じ内容を細かく記入する生徒の個人情報などは、オンライン化されたアメリカでは存在すらしませんでした。
またアメリカではオーガニックのものがとても手軽に手に入る環境だったのが日本ではまだオーガニック市場が成熟していないと感じてしまったり。数年間しっかりとアメリカと向き合って暮らした分、感じるものが大きかったのかもしれません。

もちろん、食生活や言葉が通じる安心感、親切なサービス、時間通りに動く公共交通機関など、アメリカ生活を経験したからこそ「日本ってすごい!」と感じることもたくさんあります。アメリカで感じたカルチャーショックに比べたら、精神的な負担は少ないかもしれません。

だからこそ私は、この逆カルチャーショックを通して、「日本とアメリカ、どちらが正しいか」ではなく、「それぞれの良いところを暮らしに取り入れよう」と考えるようになりました。

海外生活を経験すると、「当たり前」は国によって違うことを実感します。そして本帰国後に違和感を覚えるのは、日本が変わったわけでもなく、自分がおかしくなったからでもありません。それだけ海外での暮らしが、自分の価値観を広げてくれた証なのだと思います。

もし今、本帰国後の違和感に戸惑っている方がいたら、焦って元の自分に戻ろうとしなくても大丈夫。海外で得た視点は、これからの暮らしをより豊かにしてくれる大切な財産です。日本と海外、それぞれの「いいとこどり」を楽しみながら、自分らしい暮らしを作っていけたらいいですね。


松谷あさこ 駐妻SmartLife代表 3児の母
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