第29回「大人も子供もみんな大好きパン料理」

第29回「大人も子供もみんな大好きパン料理」

アメリカ在住暦33年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します。

更新日: 2020年04月27日

アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。

『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。

第29回「大人も子供も大好きパン料理」

先月に引き続き、不自由な生活を強いられている今日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。人との関わり方が大きく見直されていますが、まずはご家族!料理を通して楽しいことが増えていくことを祈るばかりです。
今月はコロナの影響で日本でも急増していると噂される”パン作り”に挑戦したいと思います。

今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト

カレーソースミックス(固形)

A2

市販のカレーソースミックスを使います。パン生地の中にカレールーを入れますので、とろみのつくタイプのものを使用してください。私はS&B、ハウス食品のポピュラーな物を使用し、別にスパイス等を足して味を調整しています。
S&Bのカレールーは大豆油等が入っていないので、ナッツアレルギーの方にも安心です。


りんご

A3

アメリカには、数多くの種類のりんごが売られています。日本のりんごに比べて、甘さとジューシーさが少し足りないですが、昔ならではの酸味のあるりんごが多く、お菓子作りには嬉しいですね。
●よいりんごを買うポイント
表面に張りがあるかどうか、表面にうっすらとへこみがないかどうか、をチェック。少しねっとりした感じの表面だと、収穫してからかなりの時間が経っている可能性があります。今回はGranny Smithを購入しました。

カレーパン

今回は、皆さんに大人気のカレーパンを、材料費を抑えられて、油切れがよくカロリー抑えめなレシピで紹介したいと思います。生地から作るにも関わらず、1時間半で24個を作る事が出来ます。Shelter in Place を利用して、ご家族皆さんで作られてはいかがでしょうか。食べきれない分は、冷凍出来るのも嬉しいですね!

食材と目安の量(24個分)

  • ラセットポテト・・・大2個、小さめなら3,4個(皮を厚めに向いて、2センチ位の角切り)
  • カノーラオイル・・・大2-3
  • にんにく・・・2かけ(つぶしてみじん切り)
  • 玉ねぎ・・・中2個(粗みじん切り)
  • 牛挽き肉・・・100グラム(赤ワイン大1で混ぜ合わせおく)
  • 人参・・・中1本(みじん切り)
  • りんご・・・2個(すりおろし)
  • 水・・・50cc-100cc(薄手の鍋の場合)
  • ローリエ・・・1枚
  • スパイス・・・大1/2(ガラムマサラ、シナモン、ナツメグ、カルダモン、クミン等)
【a】
  • カレールー・・・5,6かけ(Medium4とMild2は子供用)
  • ケチャップ・・・大2
  • ソース・・・大2(とんかつ、または中濃)
  • だし醤油・・・大1(なければ醤油)
  • レッドペッパー・・・小1/2〜小2(辛くしたい場合)
【A】陶器の小鉢300cc入る大きさのもの
  • ぬるま湯・・・100cc(指を入れて熱い程度43度以下)
  • イースト菌・・・大2
  • 砂糖・・・小1/4
【B】大きめのボール等使用
  • 小麦粉・・・500グラム(オールパーパス)
  • 砂糖・・・大4
  • 塩・・・小1
【C】
  • ミルク・・・220cc(40度程度に温める)
  • 卵・・・1個(温めたミルクへ入れてよく混ぜる)

レシピ

【ルー作り】

1. 切ったジャガイモに水をジャガイモの高さ手前迄入れ、火にかけ蓋をし、柔らかくなるまで煮る(ジャガイモが柔らかくなるのに時間がかかるので単独で煮る)。

2. 蓋が出来る厚手の鍋にオイル大2を入れ、にんにくを炒め、よい香りがしてきたら玉ねぎを入れて炒める。

3. 2をしっとりするまで炒め、次に赤ワインで混ぜ合わせておいた牛挽き肉を入れて炒め、肉の色が変わったら、人参、すりおろしたりんごを入れて混ぜ合わせる。

4. 3に1の軽く湯を切ったジャガイモ、スパイス、ローリエ、を入れてよく混ぜ、蓋をして20ー30分、中火弱程度で煮る。薄手の鍋の場合は、水100cc程度加える。

5. 生地の1次発酵の15分の間に4の鍋からローリエを取り出し、aを入れよく混ぜ合わせる。カレールーが少し固いようならミルクを足して調整する(材料分とは別に)。すくってボタッとした感じになったら、火を消し蓋を開けておく。

【生地作り】

下準備 生地の発酵に使う大きめの鍋に水を入れ沸騰させておく。1次発酵に使用。

6. ここから生地作り!陶器の小鉢にBのぬるま湯を最初に入れて、分量のイースト菌、砂糖を入れ、軽く混ぜ合わせ、カレールーを煮ている鍋の横に置く、と勝手に発酵してくれる。

7. 6の発酵の間に、大きめのボール等にBの材料を入れ、よく混ぜ合わせておく。Cは別の容器に準備しておく。

8. 6のイースト菌が約5分位で3倍〜5倍程度に膨らんだら、

オールパーパスの入ったBのボールに入れ、卵の入った暖かいミルクを少しずつ入れながらお箸等でぐるぐると混ぜ、馴染ませていく(最初から手でこねるとべったりとくっつくので)。

cのミルクは状態を見ながら入れること。ある程度馴染んだら箸を外し、手でこねる。

べたつくようなら粉を足し、丸くまとまったら、ボールの中で生地を上から思いっきり叩きつけるように100回繰り返す。

その後は1つにキレイに丸めて、少しのオイルを全体に薄くまぶしてボールに戻し、生地にラップをかぶせる。

9. 下準備の沸騰した鍋の火を消し蓋を開け、粗熱を軽く取り、生地の入ったボールを湯気の出ている鍋に設置して蓋をする。鍋が隙間だらけでもバスタオル等で覆うので大丈夫。1次発酵を15分で行う。

湯にボールが浸ってしまう場合は、小鉢や軽量カップ等を使って浸るのを防ぐ(イースト菌が43度以上になると死んでしまうので)。

10. 9の生地が2倍程度に膨らんでいるので、台にオールパーパス粉を軽く敷いて生地をのせ、ガスを抜いてナマコ上に伸ばし4等分してカチッと丸める(必ずスケッパーか包丁で切る)。

11. 10の4つの生地を一つずつ出して、細長く板の上で転がしながら伸ばし、スケッパーで6等分し、一つ一つ空気を抜きながら丸める(約50g)。触った時にフニャとせず、カチッとした感じに丸める。丸めた生地は、別の厚手のキッチンタオル等に少し間をおいて並べていく。この作業を4回繰り替えして24個分丸める。

12. 11の生地は、最初に丸めた生地から6個ずつ、麺棒、すりこぎ棒、なければ手で楕円(約7x10cm)に伸ばし、

同様にタオルの間に挟んでおく(伸ばした生地の中央が薄くならないよう注意する)。

13. 12の伸ばした生地に暖かいカレールーを適量置き、ルーが漏れないよう生地をぴったりと合わせていく(カレールーは温かいと成形後の発酵がスムーズに行われる)。

14. 13の合わせた生地の部分を、もう一度しっかり指で抑えて、

キッチンペーパーを敷いた天板等に閉じた箇所が下になるように置き、カレーパンのかたちにに整える。

同様に6個作れたら、12からの作業をあと3回繰り返す。

15. ミルクと、パン粉を準備し、最初に成形したカレーパンの生地からミルクをくぐらせ、次にパン粉をつける。この時に膨らんだ生地に指の跡をつけないよう、優しく行う。

16. 底が平らでなるべく面積の広い厚手の鍋、または高さのある厚手のフライパンに、カノーラ油を3センチの高さに入れ、中火にかける。
パン粉を落としてみて、シュワーと散るくらいの温度になったら、カレーパンに指跡をつけないよう、優しく持ち上げて入れる。
約1分程度でまわりの色が変わって来たらひっくり返し、様子を見ながら何度か上下を返し、キレイなきつね色に仕上げる(約3〜5分位)。

すぐに色が変わるようなら、火を弱める。大体中火弱位がよい。いつまでも色が変わらなければ火が弱い状態。

17. カレーパンを引き揚げる時には、油が滴れてきますが、必ず5、6回振ってしっかり揚げ油を落としてから、網等におく。

レシピのポイント
最初から上手に出来るよう、ポイントをいくつかお伝えします。
まず、カレールー。あまり緩いと生地に包むのがとても大変です。ボタッとした感じに仕上げましょう。仕上がったら、蓋を開けておいてください。更にボタッとしてきて包みやすいです。カレールーが冷たいと2次発酵が進まないので、温かいものを使いましょう。ぬるくても大丈夫です。何度かトライして慣れてきたら、カレールーを少し緩くしたり、独自のスパイスで自分なりのカレールーを作ってみましょう!!
生地については、あまりにも短時間で行いますので、生地作りのルールから外れはしますが、それなりにおいしく出来ます。
オススメの保存方法
カレーパンを1個ずつビニール袋に入れ、まとめてジップロックに入れておきます。朝必要なだけ取り出し、自然解凍でランチには食べる事が出来ます。家庭の冷凍庫は、長期間美味しさを保つ事は難しいので長くても3ヶ月以内でお楽しみください。

料理を食べた方の感想

・外はカリッと、パンが薄いのでもたれず何個でも食べられそうです。カレーは、程よい硬さがあるので食べやすく、ちょっとピリッとするのとジャガイモの存在感が美味しい。10歳の長男も9歳の次男もあっという間に完食でした。
・カレーパンと聞いて、自分でつくれるのかと思いましたが、レシピを見ると簡単そう。でも、中々本格的なカレーパンです。揚げたてが格別!自宅で揚げたてのカレーパンなんて贅沢ですね。冷凍したカレーパンもレンジで1分、その後オーブンで340°Fを3分位で出来たてのようにまわりはサクサク、中はトローリと、とても美味しくなりますよ。

今回のまとめ

カレーパン、いかがでしたでしょうか。
油で揚げるので、敬遠されてしまいがちですが、家庭なら酸化していないフレッシュなオイルで揚げられます。24個揚げた後の油の量があまり減っていないのも嬉しいですね。
揚げた後、カレーパンを1個ずつ油をよく切る事によって、カロリーを抑える事も出来ますし、パン生地も薄めに仕上げていますので、炭水化物の摂取量も抑えられます。
とても安心でヘルシーですので、手作りカレーパンをお楽しみください。

その他のおすすめ投稿