第3回「卵を使った春の季節にピッタリの4品レシピ」
第3回「卵を使った春の季節にピッタリの4品レシピ」
アメリカ在住暦30年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します。
更新日: 2018年02月15日
アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。
『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦30年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。
第3回 卵を使った春の季節にピッタリの4品レシピ
春の足音が感じられる季節になりました。ひな祭り等、お祝い事に喜ばれる料理を紹介したいと思います。今回は、卵を使った料理ですが、春の香りがしそうな4品をご紹介します。彩りもよく、ポットラック、家庭料理としても、喜ばれると思います。
1尾の鰻で、春色ちらしずし、茶巾ずし(鰻を入れて作った酢飯を少しよけて使用)、うな伊達巻(煮た鰻を4、5切れよけておく)同時に作られる時には、1つの料理で鰻を全部使わないよう、気をつけてください。
今回号のレシピに使うリダックおすすめ食材リスト
枝豆
リーク
ミックスカラー人参
クレソン
ギリシャには、「クレソンを食べて知恵を得よ」という言い伝えがあるくらい、カルシウムも豊富で強い骨や歯を作り、筋肉、神経、血液の健康にはかかせない野菜です。肉をたくさん食べる時にも、クレソンを食べる事によって、身体を浄化してくれる優れものです。サラダ、チャーハン、オムレツ、胡麻和え等、色々な料理に利用出来るのも楽しいですね。今回は、このクレソンを茹でて、うな伊達巻に挑戦です。
これからの季節にピッタリ「春色ちらしすし」
炊き立てのご飯で寿司飯を作り、柔らかく味付けしたうなぎを混ぜ合わせて、飾り付けをするだけでこれからの季節にピッタリ、簡単で、見た目も華やかなちらし寿司の完成です。
【食材と目安の量(5~6人分)】 ★印はおすすめ食材リストを参照
・米・・・3合+好みで雑穀米大2 (酢飯用の水加減で)
・すし酢・・・80cc
・鰻・・・大きめのもの1枚(縦に半分に切り、1センチの長さに切る)
※既に鰻にタレがついている場合、洗い流して、キッチンペーパーでよく水気を取る
・鰻を煮るたれ・・・砂糖大1、酒大1、みりん大1、醤油大2
・薄焼き卵・・・卵3個、砂糖小1、塩少々、水溶き片栗粉(片栗粉小1/2, 水大1)
・花形人参・・・8〜16枚(小さめの花型で抜いて、すし酢大3で、煮て照りを出す。煮すぎると崩れるので、注意)
・冷凍枝豆・・・30個位、解凍して、熱湯をくぐらせる
・冷凍小エビ・・・30尾位、解凍して、熱湯をくぐらせる
【お料理の手順】
1.炊き上がったすし用ご飯にすし酢をかけてすし飯を作る。
2.切ったうなぎを鍋に入れ、たれを入れて弱火で10分程度煮て、1に混ぜ合わせる。
【このレシピのおすすめポイント】
ここ10年、現地で入手出来る鰻の品質低下、鰻の減少が気になるこの頃です。この料理は、鰻をガッツリ食べられませんが、鰻を楽しむ事の出来る料理です。一旦タレを軽く洗い流して、特製たれで煮る事によって、少しは安心出来るし、身は柔らかくなり、骨っぽさのなくなるので、お子様からお年寄りまで楽しむ事が出来ます。見た目も春らしくきれいですのでひな祭りのお祝いにも合いそうですね。
見た目がとってもかわいい「茶巾寿司」
レシピ1の鰻の入った酢飯を少し取りよけて、茶巾寿司を作ります。カワイイ感じで、食卓を盛り上げてくれます。
【食材と目安の量】(5~6人分)
・レシピ1の鰻入りすし飯・・・ご飯茶碗山盛り1杯分
・冷凍枝豆・・・20粒程度(解凍し、熱湯をかけておく)
・カニカマ・・・4本(半分に切ってほぐす)
・卵 4個(砂糖小2、塩小1/4, 水溶き片栗粉「片栗粉小1、水大2、だしの素少々」)
・三つ葉・・・1束(色よく茹でておく。茶巾ずしを結ぶのに使用)
【お料理の手順】
1. 薄焼き卵を作る。ノンスティックフライパン(底の直径が18センチ程度のもの)を熱し、少しオイルを入れ、まんべんなく回し、キッチンペーパーで拭き取る。卵を流し入れる前に、オイルを拭き取ったキッチンペパーを水で濡らし軽く絞っておいたもので、フライパン全体を拭いてから、卵を流し入れる。(1回に卵半分程度の量、火加減は中火弱程度で)
2. 表面が乾いたら、フライパンから出し、また同様に濡れたキッチンペーパーで拭いてから、卵液を入れる。
4. 焼きあがった薄焼き卵の真ん中にすし飯を置き、四角にたたんだり、束ね合わせて上部で縛ったりして、作ってみてください。結ぶのに三つ葉を使います。茎が長ければクレソンでも代用出来ます。
「うな伊達巻」
お正月にかかせない伊達巻を、家庭で簡単に作る事が出来ます。甘さ控えめで、添加物なしの伊達巻用卵焼きの真ん中に具を入れて、太巻き寿司のように作ります。
【食材と目安の量】(5~6人分)
<伊達巻き用の生地>
・卵・・・4個
・酒・・・大1
・みりん・・・大1
・砂糖・・・大3
・はんぺん・・・1枚(ちぎってミキサーに入れる)
・クレソン・・・1束 色よく茹でておく
・うなぎ・・・すし飯に混ぜる前のうなぎを4切れ
・カニカマ・・・2~3本
【お料理の手順】
1.伊達巻用の生地の材料すべてをミキサーに入れ、混ぜ合わせる。熱く熱したフライパン(底の直径が20センチ前後)にオイルを入れて、全体に回し、余分なオイルは、キッチンペーパーで拭き取り、それを水で濡らして軽く絞り、再度フライパン全体を拭いて、よく混ざった生地を入れます。(中火弱)
2.卵の生地の表面が固まったら、焦げている面を下にして、巻きすの上に載せる。
3.両端を切って、真ん中より手前にのせ、うなぎ、かにカマ、水をよく切ったクレソンを並べる。(下写真参照)
5.完全に冷めたら、巻きすを外し、好みの厚さに切り、お皿に盛ります。
どのお寿司料理にもピッタリ「リークのかきたま汁」
日本人なら誰でも一度は長ネギ勘違いしますよね。日本の長ネギに比べるととても太くて香りも豊かで、煮ると柔らかくなります。長ネギが手に入りにくい場合、利用出来ます。
【食材と目安の量】(4~5人分)
・だし汁・・・750cc
・酒・・・大1
・醤油・・・小1
・砂糖・・・小1/2
・塩・・・小1(だし汁に塩分が入っている場合は、減らすこと)
・リーク・・・1本 (白い部分を4センチの長さに切って、千切り)
・卵・・・2個(溶いておく)
・水溶き片栗粉・・・片栗粉小2+水大2
【お料理の手順】
1.鍋にだし汁を沸騰させ、酒、塩、砂糖を入れて、味を調える。
2.次にリークを入れ、沸騰したら、水溶き片栗粉で、とろみをつける。
3.再度沸騰したら、ほぐした卵をまあるく流すように入れ、軽くかき混ぜて火を消し、出来上がり。
【おすすめのポイント】
リークを和風料理に使用していることがすごいですね。長ネギをたくさん使いたい時には、代用できますので、ぜひ、お試しください。
料理を食べた方の感想
ちらし寿司・・・えび、卵、枝豆と子供が好きそうな具材ばかり。大人の私が食べてもとても美味しいので家族みんなが喜ぶ一品です!
茶巾寿司・・・雑穀が入った寿司飯はヘルシーで美味!うなぎの味がしみ込み、枝豆とエビの食感も最高でした。食べるのが止まらなかったです。
うな伊達巻・・・ふんわりでしっとりとした卵焼きに巻かれた色鮮やかな具、食べても美味しい、見た目もきれいな一品でした。
リークのかきたま汁・・・シャキシャキしたネギの触感と出汁がしっかりときいたスープが食欲を掻き立てます。
今回のまとめ
卵は、色々な料理の主役にも、脇役にもなる素晴らしい食材です。もちろん栄養価も高いので、免疫力も高まり、風邪を引きにくくすることでしょう。また、黄色の鮮やかな彩りで、食卓が華やかになり、皆さんを幸せな気分にさせてくれるのではないでしょうか。