アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽に、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。
『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。
第87回「春よこいこい!!パンナコッタにマチェドニアを添えて」

眩しい限りの新緑に心癒される季節となりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。現地では間もなくイースターが訪れますが、イースターの日にちは毎年変わるようです。規定では、春分の日以降、最初の満月の次の日曜日に設定されるので、今年は4月20日のようです。今回は、イースターを意識した春らしいデザートをご紹介したいと思います。
今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト

バニラビーンペースト (Vanilla Bean Paste)
トレーダージョーズで初めて見かけたバニラエッセンス+バニラシード入りのペーストです。甘味もあり、とろっと粘りもあるので、直接パンナコッタの表面にかけて使用してみました。粒粒が入っているので、見た目にも美味しそうに仕上がります。約5ドルで購入しました。

ペパーミント(Peppermint)
シソ科の多年草で、日本ではハッカと呼ばれています。香りの主成分はメントールで、殺菌、口臭予防、消化促進、鎮痛等に効果があるようです。また、すっきりとした清涼感が好まれ、多くの国で使われています。地下茎で増えていくので、信じられないほど広がってしまいます。栽培する場合は、交雑しないよう注意しましょう。今回は我が家の庭で収穫しました。

紅茶ティーバック (Earl Grey Tea)
食材3 アールグレイは、1830年代にイギリスから中国に派遣された外交使節団の一員によって持ち帰られ、大の紅茶好きだったグレイ伯爵に献上されたことから、その名がついたようです。柑橘系の香りが爽やかで、すっきりとした味わいが特徴です。私は、ミルクティーにしたり、シフォンケーキを作る時にも使用します。今回は、トレーダージョーズにて約3ドルで購入しました。
レシピ1 パンナコッタ
パンナコッタ、という名は皆さんご存知の事と思いますが、昔、白い冷たいデザートとして、イタリア料理店で大人気になりましたね。他には、ブラマンジェ、ババロア、ミルクプリン、杏仁豆腐も、同様のデザートとしてありますが、一応それぞれに特徴があります。今回ご紹介するパンナコッタは、生クリームが多く、なめらかでもったりしているのが特徴ですが、生クリームの量を少し減らして、片栗粉でもったり感を出してみました。甘さも控えめで、お子様にもお年寄りにも喜ばれるデザートかと思います。

食材と目安の量(白菜半分) 印はおすすめ食材リストを参照
A
Knox・・・1パック(ゼラチン)
水・・・50cc
ミルク・・・300cc
Whipping Cream・・・300cc
グラニュー糖・・・大2〜3
B
片栗粉・・・小1
水・・・小1
グランマニエ・・・小2
Vanilla Bean Paste・・・適宜
お料理の手順
- Aの水を容器に入れ、Knoxを振り入れ軽く混ぜておく。
- ソースパンにミルク、生クリーム、砂糖を入れて中火にかけてよく混ぜ合わせる。沸騰直前に、混ぜ合わせたBを入れて混ぜ合わせてから火を消し、次に1を入れてよく混ぜ合わせる。
- 2の粗熱を熱くない程度に取る。鍋の蓋を使って写真のように5分毎に2、3度水を取り替える程度で粗熱が取れる。
- 水で濡らした器に3を入れる。入れたら、ラップをして冷蔵庫に移す。約2〜3時間で冷たく冷えて固まる。
- 4の1つの器をペティーナイフでパンナコッタと器の側面に切り離して皿に盛り、バニラビーンペーストを塗る。パンナコッタの回りにマチェドニアの果物を添え、ペパーミントの葉を飾る。器のままの場合は、表面にバニラビーンを薄く塗り、マチェドニアを添える。
レシピのポイント
出来上がったパンナコッタは、約5日間程度冷蔵庫で保存可能ですので、パーティー等の前に作り置きが出来てとても便利です。生地は柔らかめですが、もう少ししっかりさせたい場合は、Knoxを増やしてみましょう。
レシピ2 マチェドニア
マチェドニアは様々なフルーツが入っている様を色々な民族が住むマケドニア王国になぞらえたことから名づけられたようです。イタリアの甘くて冷たいフルーツサラダのことですが、フランス、スペイン、ラテンアメリカでも食べられています。冷蔵庫で5日間程度保存出来ます。

食材と目安の量(6人分) ★印はおすすめ食材リストを参照
湯・・・500cc
紅茶ティーバック・・・1包(アールグレイ使用)
グラニュー糖・・・大2〜3
白ワイン・・・大2
ミントの葉・・・4枚
フルーツ・・・適宜(苺、ブルーベリー、グレープ、プラム、オレンジ、グレープフルーツ、オロブロンコ、ブラックベリーを使用)何でもよいが、柑橘系は必ず入れること
お料理の手順
- 沸騰させた湯にティーバックを入れる。約1分位で湯から出し、グラニュー糖を入れて溶かし、白ワインを入れ、ミントの葉を入れる。
- パンナコッタと同様に1の粗熱を取り、蓋付きの容器に入れ、フルーツ類を入れる。
- 2を冷蔵庫で冷たく冷やしておく。
このレシピのポイント
紅茶の香りがフルーツとマッチして、少し大人の仕上がりになります。必ず柑橘系を入れるのがポイントです。様々なフルーツが織りなす味や香りがデザートを引き立ててくれます。マチェドニアとして頂いても、デザートの脇役でも大活躍間違いなしですね。
料理を食べた方の感想(レシピ1&2)
- 久しぶりのパンナコッタでしたが、プルンとしていて舌触りもよく、美味しく頂きました。
- フルーツとの相性が抜群ですね。フルーツの紅茶シロップ漬け、私も作ってみようと思います。
今回のまとめ
ここカリフォルニアのグロッセリーストアでは、春の訪れと共に、かなりの種類のフルーツが甘い香りと共に並べられています。マチェドニアは、そんな季節にぴったりのフルーツサラダです。そのまま食べても美味しく、パンナコッタのようなデザートのサイドディッシュにも合うのが嬉しいですね。春の香りが食卓に届いて、楽しい時間を過ごす事が出来たら何よりです。