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第22回「なぜParticipation(授業参加)が評価されるの?アメリカの学校が見ている力とは」

こんにちは。

アメリカ・ニューヨークで教育コンサルタントをしている辻 沙織です。
このコラムでは、在米日本人の保護者の方々から寄せられる家庭教育や現地校に関する悩みにお答えし、アメリカの教育や学校、子育てに関するトピックをご紹介しています。

前回の記事では、アメリカの学校ではテストの点だけでなく、日々の学習への取り組みや授業中の様子も評価の対象になることをご紹介しました。
その中で、多くの学校が評価項目として挙げているのが Participation(授業参加)です。

「手を挙げる回数が多い子が評価されるのですか?」
「おとなしい子は不利なのでしょうか?」

保護者の方から、このような質問をいただくことがあります。
今回は、アメリカの学校でParticipationが評価される理由と、その背景にある教育の考え方についてご紹介したいと思います。

Participationとは「たくさん話すこと」ではない

Participationという言葉を聞くと、
「積極的に発言すること」
「手を挙げて意見を言うこと」
を想像する方もいるかもしれません。

もちろん発言することもParticipationの一つですが、それだけではありません。

アメリカの学校で評価されるParticipationには、

  • 授業に集中して取り組む
  • 質問をする
  • 自分の考えを共有する
  • 友達の意見に耳を傾ける
  • グループ活動に貢献する
  • 学びに主体的に関わる

といった様々な要素が含まれています。

つまりParticipationとは、
「どれだけ話したか」ではなく、「どのように学びに参加しているか」
を見るものなのです。

なぜParticipationが評価されるのか

アメリカの学校では、知識を覚えることだけでなく、
「考える力」を育てることが重視されています。
そのため授業では、ディスカッション, グループワーク, プロジェクト学習などが多く取り入れられています。
このような学習では、正解を覚えているだけでは十分ではありません。
自分で考え、他者の意見を聞き、必要に応じて考えを修正しながら学ぶことが求められます。
Participationは、そのような学習への関わり方を見るための大切な指標なのです。

発言は「正解」を言うためだけではない

ここで、多くの日本人保護者が驚かれることがあります。
それは、発言は正解を言うためだけのものではないということです。

アメリカの教室では、
“What do you think?”
“Why do you think that?”
“Can you explain your thinking?”

といった問いかけが日常的に行われています。
先生が知りたいのは、答えだけではありません。

子どもが、

  • どのように考えたのか
  • 何に注目したのか
  • 何を根拠にそう考えたのか

という思考のプロセスです。
テストでは最終的な答えは分かりますが、その答えにたどり着くまでの過程は見えません。
一方、授業中の発言やディスカッションを通して、先生は子どもの理解度や考え方を知ることができます。
だからこそParticipationも評価の対象となるのです。

「考えながら話す」ことにも価値がある

Participationというと、「すぐに手を挙げて発言する子」
が評価されるように感じるかもしれません。
しかし、実際の教室では必ずしもそうではありません。

私自身、アメリカの教室で、先生から指名された後に数秒間考えてから話し始める子どもたち
を数多く見てきました。
先生も、”Take your time.”(ゆっくり考えていいですよ)
と声をかけながら待つことがあります。
大切なのは、すぐに答えを出すことではありません
自分なりに考え、その考えを言葉にしてみようとすることです。
中には、”I’m not sure, but I think…”(よく分からないけれど、私はこう思います)と話し始める子どももいます。

こうした発言も、アメリカの教室では価値あるParticipationとして受け止められることがあり
ます。
なぜなら、その発言から先生は子どもの思考の過程を知ることができるからです。

家庭でできるサポート

Participationを伸ばすために、特別な練習が必要というわけではありません。
家庭の会話の中でも十分に育てることができます。

例えば、
「今日何を勉強したの?」だけでなく、
「どう思った?」
「なぜそう思ったの?」
と聞いてみるのも良いでしょう。
大切なのは正解を求めることではなく、自分の考えを言葉にする経験を積むことです。
家庭で安心して考えを話せる環境は、学校でのParticipationにもつながっていきます。

まとめ

Participationとは、たくさん話すことでも、目立つことでもありません。
自分の考えを表現し、他者の考えに耳を傾けながら学びに参加することです。
アメリカの学校がParticipationを評価するのは、そこに子どもの思考のプロセスや学びへの主
体的な関わりが表れるからです。

テストでは見えない力を知るための一つの手がかりとして、Participationは大切にされていま
す。

お子さんが「発言すること」を苦手に感じていたとしても、まずは自分の考えを持ち、それを
少しずつ言葉にしていく経験を積んでいけると良いですね。


Brooklyn de Kosodate 代表
米国にて教育学修士課程
ニューヨーク州・カリフォルニア州・ノースカロライナ州に教員資格を保持
米国公立小学校にて10年教鞭をとる。
その後、ブルックリンあおぞら学園で教育ディレクターを勤める
全米教育理事会より認定を取得
日本語で教育・発達に関するコンサルティングを行っている。
自身も一児の母
Brooklyn de Kosodate website: https://www.brooklyn-de-kosodate.com/
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