卵子凍結や体外受精を検討されている方から、「採卵をすると将来の閉経が早まるのではないか」といったご質問をいただくことがあります。特に、卵巣を刺激して一度に多くの卵子を採取するという点に、不安を感じる方も少なくありません。
自然な月経周期では、毎月複数の「基礎卵胞」が卵巣内に現れ、その中から1つだけが選ばれて排卵され、他の卵胞は自然に消えていきます。一方、卵子凍結や体外受精では、この基礎卵胞を一度に育てて採卵するため、FSH(卵胞刺激ホルモン)という注射を用いて、複数の卵胞を同時に成長させる処置を行います。
この処置により、一周期で10個以上の卵子が採れることもありますが、ここで重要なのは、「卵子の数を増やしているわけではない」という点です。注射で成長を促すのは、もともとその月に卵巣に存在していた卵胞であり、通常ならそのほとんどが排卵されずに自然消滅してしまう運命のものです。つまり、卵子凍結や体外受精で採卵をしても、将来の卵子のストックが減ったり、閉経時期が早まったりすることはありません。
また、注射や刺激により、見えなかった小さな卵胞が成長してくることもあり、採卵数には個人差があります。治療前にはホルモン値の測定や超音波検査で基礎卵胞の数を確認し、採卵可能な卵子の目安を把握します。
ただし、採卵を短期間に何度も繰り返すような過度な刺激は、身体への負担が大きくなる可能性があります。特に体外受精で複数周期にわたる治療を計画している方は、医師と相談しながら間隔を調整することが大切です。
FSH注射とは?科学的な解説
FSH(卵胞刺激ホルモン)は、脳の下垂体から分泌されるホルモンで、卵巣内の卵胞の成長を促す役割があります。卵子凍結や体外受精では、このホルモンを合成した注射を用いて、複数の卵胞を同時に発育させます。注射は通常、生理開始から2〜3日目より10〜14日間継続して投与され、卵胞が十分に成熟した時点で採卵を行います。FSH注射は、もともと卵巣内に存在する卵胞の発育をサポートするものであり、新たな卵子を作り出すことはありません。そのため、卵巣の加齢を早めたり、閉経を促進したりする心配は不要です。
卵子凍結も体外受精も、将来の妊娠に備える大切な選択肢です。ご自身の身体の声に耳を傾け、信頼できる医師と相談しながら、安心して一歩ずつ治療を進めていきましょう。焦らず、丁寧に向き合うことが、良い結果に繋がります。
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