卵子凍結の話1 ~卵子凍結のサイクル数~

卵子凍結を目的として初診に来られる方が近年増えてきている中で、特に30代前半の方を中心にパートナーをまだ決められていない女性が興味を持たれる疑問の一つとして、卵子凍結のベストな回数が挙げられるのでは無いでしょうか。

そもそも卵子凍結とは、女性が将来の妊娠の可能性を保つための先進的な生殖技術であり、女性が若くて卵子の質が高い時期に卵子を採取し、冷凍保存をする事です。 この技術により女性に柔軟な生殖選択肢とサポートを提供し、最適な時期に妊娠の夢を実現させたり、将来の妊娠計画を立てる事が可能となります。

ところが、全ての女性が一度で満足できる数の卵子を採取出来るわけではありません。まず、大切なのは患者さんの年齢に合わせた満足できる数を想定する事です。

一般的には、年齢が若いほど凍結させる卵子の目標数は少なく、年齢が高い分より多くなります。専門家によると、35歳以下の女性の場合には16個以上凍結することが目安で、40代に近づくにつれて卵子の染色体の異常が増えてくる為、より多くの凍結をお勧めしております。

また、合わせてご自身の卵巣貯蓄量を確認してみてください。

貯蓄量を測るホルモン値であるAMHが高い方は、一度の採卵で15個以上の卵子を採取することも可能ですが、一方でAMHが低い方は年齢が若い方でも2ー3回の採卵がでやっと満足の行く卵子の数を凍結出来るようになる場合が多いです。

卵巣機能が低下していても卵子凍結はするべきか?

不妊治療や卵子凍結を検討されている方であれば、また特に40歳以上の方が一度は持つ疑問の一つでは無いでしょうか。

結論として、卵子貯蓄量が低くなるからこそ、お早めに凍結をするベきです。

元々、卵巣貯蓄量は人によって異なり、35歳頃を目安に低下し始めると言われています。通常、 AMHの値でこの貯蓄量を評価します。AMHの値が 3−4の方は一度で多くの卵子を採卵する事ができ、逆にAMHの値が1以下の方は一度で少数の卵子しか採卵出来ない事が予測されます。

ただ、年齢に限らず、実際に35歳未満の方でもAMHの値が1以下の方はいらっしゃいますし、一方で40歳以上の方でもAMHの値が4を超える方はいらっしゃいます。

しかしこのAMHの値に関わらず、実際に胚を培養し、着床前遺伝子診断をしてみると圧倒的に年齢が若い方の卵子で培養した胚の方が育ちのグレードが良く、正常胚となる事が多いです。

その事から、卵巣機能が下がっている事は卵子の貯蓄量が小さくなっている事に繋がる為、お早目に凍結をした方が良いというわけです。

卵子凍結とは将来の自分への保険で行って頂くものであり、仮に20個や30個の卵子を凍結したとしても、将来、ご出産に繋がる保証はありません。

将来できるパートナーの精子の状態であったり、その時のご自身の子宮の状態で成功率は左右されます。

その事を踏まえて、卵子凍結を思い立った際には、しっかりとご自身の年齢とAMHなどを把握された上で、安心・満足いく予定を立てれるようにしましょう。

もし、今回のお話でもっとこんな事が聞いてみたい・詳しく知りたい、またアメリカでの卵子凍結や不妊治療に関してもっと知りたいという方はお気軽に
info@betterfreeze.comまでお問い合わせください。

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アメリカでの不妊治療クリニックの探し方

日本では2022年から不妊治療が保険の適用対象になりました。
それ以降、アメリカにお住いの日本の方にも不妊治療を受ける動きが変化しています。
2022年以前の不妊治療センターでは、自費で治療を受けていた日本人患者さんが多かったのに比べて、近年ではアメリカで不妊治療のベネフィットが無い方はほとんど帰国して治療をされている動きが目立ちます。しかし、アメリカ在住の日本人患者さんにとって、帰国して治療を受けることは決して簡単なことではありません。
不妊治療の特徴として、自費の場合、費用が高いのと治療を受ける時間に制限があることが挙げられます。30代や40代前半のアメリカ滞在中不妊治療患者さんがどのように限られた時間を有効に治療を受けるクリニックを決めれば良いのかをご紹介していきたいと思います。

まずは、アメリカでの保険の適応範囲を保険会社に調べて貰いましょう。
クリニック探しの第一歩は、お持ちの医療保険のカスタマーサービスに保険が使えるクリニックを聞いてみる事が一番効率良いです。その上で、あなたが通える範囲のクリニックのリストを作りましょう。
多くのケースで営業年数が長めのクリニックは各種保険を取り扱ってくれる場合が多いです。しかし、保険でカバーされるのが検査のみという場合もあります。そのため、作成したリストに入っているクリニックにお持ちの保険でどこまでカバーされるか必ず事前に確認をしましょう。
通常は、先生と初診の面談を済ませるとクリニックのファイナンシャルの担当者から保険の効く項目と聞かない項目を改めて説明して貰えます。実は、近年不妊治療のカバー範囲がとても良いプランを取り扱う会社は増えていて、中でも日本企業で勤めている方の保険は素晴らしいと、アメリカのクリニックでも知られており、実際に私が勤務しているクリニックもIVF治療 (顕微授精、着床前診断、年間保存費用等) の全てをカバーされる保険をお持ちの患者さんがたくさんいらっしゃいます。

成功率の高いクリニックの見つけ方
成功率はCDCのウェブサイト (https://www.cdc.gov/art/artdata/index.html) で調べてみる事が信頼性が高いです。
近年はクリニックの競争が激しく、どこも立派な内装や、ウェブサイトを作っていますが、CDCからはクリニックの強みが何なのか、どのようなケースが得意なのかがわかりやすくまとめられています。有名で奇麗なクリニックだからと言って、自分のケースに一番合っているとも限らないですし、例えば男性不妊を得意とするところと、得意としないところで秘尿科の先生のコネクションや培養士、整備が全く違いますので、結果も当然変わってきます。

日本で治療を決めたら、アメリカでできる事は、予め済ませておきましょう。
日本で治療を受けると決めた場合、帰国の回数等の時間とお金を有効に使いたいですよね?
精子の採取:かなり重度の男性不妊では無い限り、一回の採取で4-5管程冷凍保存しておく事が出来ます。男性パートナーが日本に一週間くらい滞在されるのであれば、二回採取しても良いかもしれません。
帰国前にできる検査:アメリカで保険を使える検査の部分だけでも済ませて、日本の先生と事前に治療予定を組んでおくのも効率的です。帰国前にバースコントロールを飲み始める事や、生理初期の基礎ホルモン値、基礎卵胞の超音波、感染症検査等を終わらせておくと一ヶ月分の予定が日本帰国前にできます。
帰国までの時間に余裕が無い場合:アメリカで注射を初めて、採卵数日前に日本に飛ぶ事も物理的に可能です。その場合は、日本のクリニックとの円滑なコミュニケーションを組んでおき、アメリカで超音波や血液検査等のモニタリングをしてくれる場所を抑えておく必要があります。

時間と費用のバランス
日本では一時帰国をされる方向けにIVF治療をスムーズに対応してくれるクリニックもありますが、全体的に検査項目が多く、治療に入るまでの時間が長いという印象があります。お時間にあまり余裕の無い場合や、検査の項目が多い場合、着床前診断を断られる等の場合はアメリカで治療を考えた方が良いケースもあります。
アメリカでの治療の特徴としては、基礎検査のパッケージがほとんどのケースで一ヶ月目で完了、二ヶ月目に採卵、三ヶ月目に移植といった早いペースで行なわれる事が多いです。 着床前診断は一般的にされていて、アメリカでは合法で経験豊富なドナー卵子、精子の使用や、代理母のケース等、日本では稀なケースも日常的に行われます。全ての患者さんに必要というわけでは無いですが、短期間で、多様化の治療プランを見積もってもらい、双方出費の比較とご自分の生殖適応ウィンドウと照らし合わせることが大切だと思います。

在米日本人不妊治療サポートデスクは皆様賢く不妊治療を受けて頂ける為のお手伝いをさせて頂き、ストレスフリーの不妊治療をゴールに活動しています。
さらに興味のある方はこちらのサイトからをご覧ください。

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