高校生活の楽しみの1つでもある部活動。日本とアメリカでは、運営の仕組みから考え方まで根本的に違いがあることに気づかされます。日本の部活動が「みんなで一緒に成長する場」のに対し、アメリカの部活動は「選ばれた選手が実力を発揮する場」という位置づけです。
日本の部活動の多くは、初心者や未経験者であっても入部することができますが、アメリカの部活動では、ほとんどどのスポーツにも“トライアウト”という厳しい入部テストが存在し、それにパスしなければ入部できません。しかも選抜は毎年行われます。コーチは実力のみで選抜し、枠から漏れた生徒は容赦なくカットされる、高校生とはいえかなりシビアな世界です。昨年は選手に選ばれたけれど、今年は選考に漏れてしまうということも珍しくありません。選手たちは毎年生き残りをかけて必死で練習をし、トライアウトに臨みます。
特に、バスケットボールやサッカーといった人数制限がありながら特に人気の高いスポーツでは、競争率が高く毎回熾烈な争いとなります。7、8歳くらいの頃から地域のクラブチームに所属したり、個人レッスンを受けたりする人もとても多いのも実情です。そうした膨大なお金と時間の投資により、高校入学時点ですでに10年近い経験を積んでいるケースも多々あります。そのため、未経験者が高校からこうした人気スポーツに挑むのは、日本よりもハードルが高い傾向にあります。
もしトライアウトに落ちてしまった場合は、別のスポーツのトライアウトを受けることもありますが、先ほど述べたような「未経験者は太刀打ちできない」壁が存在します。そのため、多くのアメリカの子供たちは、小さい頃から複数のスポーツを掛け持ちして多角的に身体能力を鍛え、本命のスポーツで枠に入れなくても別のスポーツ(例えばサッカーから陸上へ、アメフトからレスリングへ)で勝負ができるように備えています。年間を秋・冬・春の3つのシーズンに分けて、秋はアメフト、冬はバスケットボール、春は野球というふうに「シーズン制」という仕組みを取り入れているのも多様な挑戦を後押ししているといえるでしょう。
また、指導体制も対照的です。日本の部活動では主に学校の先生が顧問として指導しているところがまだまだ多いと思いますが、アメリカの高校では元アスリートやプロ経験者などの専門の外部コーチを有償で雇うのが一般的です。そして、選手はチームに選抜されると料金を払って高度な指導を受けます。また、規律も厳格で、無断欠席を1日すると試合に出場させてもらえない、無断欠席が2日でチームから除名、事前に連絡した欠席であっても3日以上あればチームから除名になるような厳しいルールがあるチームもあります。
このような厳しいトライアウト、外部の専門家による指導、実力主義のアメリカの高校の部活動は日本の部活動とは別物であり、とてもシビアな世界です。しかし、この中で得られる技術や学びは、アメリカ生活や今後のお子様の成長の過程で大変貴重で有意義なものとなるでしょう。






