米国に駐在していると、出張や一時帰国などで国際線の利用が頻繁になります。そのたびに悩まされるのが、長蛇の列が当たり前の入国審査。特にJFKやLAXなどの大規模空港では、入国に1時間以上かかることも珍しくありません。
そこで強くおすすめしたいのが、米国の「Global Entry」プログラムへの登録です。
「Global Entry」とは?
Global Entryは、米国の国境警備局(CBP)が運営する「事前審査済み渡航者」向けの入国審査簡素化プログラムです。登録済みの利用者は、米国入国時に専用アプリあるいは専用キオスクを使って、数分で入国審査を完了できます。
さらに、TSA PreCheck(米国内のセキュリティ簡略化)も自動付与されるので、国内線・国際線ともに出発時のセキュリティーの待ち時間も大幅に短縮されます。セキュリティレーンでラップトップを取り出したりする手間がなくなるのはうれしいですね。
日本人が申請できるの?
はい。日本政府と米国政府が協定を結んでおり、日本のパスポート保持者も申請可能です。申請ステップ:
- 米国CBPのGlobal Entry公式サイトで$120の申請料を支払い、PendingReviewという状態になると「PASSID」とよばれる番号が出る https://ttp.dhs.gov/
- 日本で戸籍謄本を取り寄せ、余白にPASSIDを書き込み、東京出入国在留管理局の指定部署あてに郵送する
- 後日、承認(Conditionally Approved)の通知が来たら、面接をウェブ予約する。面接会場は、主要都市の主要空港や各所。ニューヨークでは、JFKのTerminal 4の1階のDiner前にGlobal Entryの面接用の部屋があります。
- 面接をして承認されると、利用可能に。ちなみに、子供の分は申請料無料※ですが、1~4の同様のステップを個別に踏む必要があります。
※14歳未満のお子様は現時点では申請不可となっています
1の$120は決して安い金額ではありませんが、以下のようにその費用がキャッシュバックされるクレジットカードがあるので、検討の価値ありです。2の戸籍謄本送付は、日本の実家と連携するなど、ひと手間が必要でここが一番のハードルかもしれません。
登録費用を実質無料にする方法
Global Entryの申請料は$120ですが、以下のような特定のクレジットカードを保有していれば、全額キャッシュバック(Statement Credit)されます。
主な対象カード(2025年7月現在):
| カード名 | 年会費 | 備考 |
|---|---|---|
| Chase Sapphire Reserve | $550 | Global EntryまたはTSA PreCheck申請費用を4年ごとに1回返金 |
| The Platinum Card® from American Express | $695 | 同上(Amex) |
| Capital One Venture Rewards Card | $95 | 同上(5年ごと) |
| Bank of America Premium Rewards® | $95 | 同上(4年ごと) |
| Citi / AAdvantage Executive World Elite | $595 | 同上(4年ごと) |
補足:申請料を対象カードで決済すれば、自動的に返金されます(数日〜数週間後にStatement Creditとして反映)。
駐在員・出張族にとっての価値
- 一時帰国・旅行からの米国再入国がスムーズ
- TSA PreCheckで米国内のセキュリティチェックも高速化
- 家族もそれぞれ登録すれば同様に恩恵あり
- 登録料をカバーするクレカがあれば、導入のハードルも低い!
注意点・補足
- 申請〜承認までに1〜2か月以上かかることもあるため、早めの行動を。
- 家族も個別に申請が必要(子ども含む)。
- Global Entryの面接予約枠が少ない空港もあるため、計画的に。
まとめ
駐在中の米国出入国がぐっと快適になるGlobal Entry。手続きに多少の時間はかかりますが、その効果は5年続きます。
さらに、対応クレジットカードを使えば費用も実質無料。これは使わない手はありません。
出張・一時帰国が多い方こそ、ぜひこの機会に申請をご検討ください。





