第67回「夏にピッタリ!!寒天でひんやり前菜、デザート」

第67回「夏にピッタリ!!寒天でひんやり前菜、デザート」

アメリカでの健康な食生活を応援するおすすめレシピをご紹介します。

更新日: 2023年08月10日

アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽に、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。

海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。

『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。

第67回「夏にピッタリ!!寒天でひんやり前菜、デザート」

世界各地で最高気温を記録する今日この頃ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。暑さにも負けず夏休みを利用して各地へ旅行をされている方も多いかと思います。どうぞ健康にはくれぐれも気をつけて楽しい時間を過ごされます様、願っております。今回は、暑い夏にピッタリのひんやり前菜とデザートをご紹介したいと思います。寒天を使うため、喉ごしもよく食べやすく、カロリーが控えめなのも嬉しいですね。写真を見て判るように、食いしん坊の私が作りましたので具材が盛りだくさんですが、もっと小さな器で作られるのも喜ばれるかと思います。ぜひ、お楽しみください。

今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト

寒天
寒天は、天草等の紅藻類の粘液質を固めて凍結、乾燥させたものです。こちらでは、アガーアガー(agar-agar)と呼ばれています。似たようなものでゼラチンも同様に固まりますが、こちらは、牛や豚から作られているので動物性食品、寒天は海草から作られているので、植物性食品と大きな違いがあります。寒天は食物繊維が豊富なため腸の働きを促します。食事で適度に摂取したいものですね。今回は友人から頂いた日本からの寒天粉を使います。

白だし醤油
だし醤油とは違って色が薄いのが特徴です。食材の色を綺麗に仕上げたい場合には欠かせませんね。またしっかりとだしが効いていて、美味しく仕上がります。薄口醤油や白醤油も似た感じですが、だしは含まれていません。今回は、韓国マーケットで約8ドルで購入しました。

羊羹流し型
かなり昔に日本の生協で購入した流し型で、固めたものが引き出せるようになっているので、大変便利です。質のよいステンレスのものを購入したので、錆びることもなく衛生的です。羊羹、寒天、ゼリー等の料理の他、押し寿司にも利用出来て便利です。何より引き出せるのがよいですね。価格はステンレスの質で上下しますが、1000〜3000円程度かと思います。

煮びたし野菜の寒天寄せ

だしの効いたスープで煮込んだ旬の野菜を寒天で固めてしっかり冷やしてから頂きます。見た目にも綺麗なうえ、喉ごしもよいので、お子様、お年寄りの方にも喜ばれそうですね。ぜひお試しください。

【食材と目安の量(5人分)】印はおすすめ食材リストを参照

寒天パウダー・・・1パック
水・・・400cc


A
酒・・・大1
みりん・・・大1
塩・・・小½
昆布だしの素・・・小1
白こしょう・・・少々
白だし醤油・・・大1

水・・・400cc
だし醤油・・・大1
白だし醤油・・・大2
カボチャ・・・1/6個(1.5センチ角切り)
ズッキーニ・・・各々1/2本 緑、白(5ミリ輪切り、太ければ半月)
ベルペッパー(赤)・・・1/4個(5ミリの千切り)
しめじ・・・1/4パック(石づきを取って、バラバラにしておく)
人参・・・適宜(少し太めの人参を型で抜く)5枚
小海老・・・10尾(殻、尾を外しておく)今回は小さな海老なので30個位準備
枝豆・・・約30粒

お料理の手順

  1. 中鍋に水400cc、だし醤油2種類を入れ中火にかけ、カボチャを入れて5分煮てから、ズッキーニ、しめじを入れる。しんなりしたら、具だけをボールに移し、ベルペッパー、人参を入れて少し煮てから同様にボールに移し、最後に小海老、枝豆を入れて軽く煮たてて同様に移し、火を止める。
  2. 中鍋に水300cc、だし醤油2種を入れ中火にかけ、カボチャを入れて5分煮てから、ズッキーニ、しめじを入れる。しんなりしたら、ベルペッパー、人参を入れて少し煮てから野菜類をボールに移し、小海老、枝豆を入れて軽く煮たてて同様に移し、火を止める。
  3. 1と2のだし液を混ぜ合わせ、同様に粗熱を取る。
  4. 3の液が指を入れて冷めているようなら、器に3のだし液を1/3の高さまで流し入れてから、野菜類を入れ、液を野菜がかぶる位の高さに流し入れて、最後に小海老、枝豆を散らす。
  5. 4を冷蔵庫へ移し、冷たく冷やして出来上がり。

【レシピのポイント】
暑い夏にはピッタリのレシピです。今回は、和風だしにしましたが、コンソメを使って洋風にするのも喜ばれそうです。寒天は、常温でも固まり、少々暑い日でも、ゼラチンのように溶けたりしません。ビギナーの方でも扱い安い食材ですので、ぜひお試しください。

【料理を食べた方の感想】
・ちょっとおしゃれだし、だしが効いていて美味しくいただけました。
・食欲がなかったですが、冷たくて喉ごしがよかったので、完食です。  

フルーツの寒天寄せ

ファーマーズマーケットに足を運ぶと、フルーツの甘い香りが漂い、色とりどりの野菜や果物を目にする嬉しい季節になりました。今回は旬の果物を使って、寒天寄せに挑戦です。柔らかい果物が寒天に合うと思いますので、白桃、アプリコット等を使ってご紹介したいと思います。もし、ゴリゴリした固い桃しか手に入らない場合は、缶詰を利用されるとよいでしょう。庭で採れたアプリコット、白桃に加えて、缶詰の洋梨、黄桃も使いました。

【食材と目安の量(5人分)】印はおすすめ食材リストを参照

粉寒天・・・1パック
水・・・600cc
グラニュー糖・・・70g
グランマニエ・・・大1
桃類・・・中4個位(皮をむいて櫛形に切る)
ブルーベリー、チェリー、アプリコット等柔らかめの好きなフルーツを適宜準備

お料理の手順

  1. 中鍋に水と寒天パウダーを入れ、かき混ぜながら中火にかける。沸騰したら、砂糖、グランマニエを入れ、1分間沸騰させてから火を止め、粗熱を取る。
  2. 桃類は、櫛形に切り、アプリコットは1/3にし、苺はスライス等、食べやすい大きさに切る。
  3. 流し型に寒天液を5ミリの高さに流し、ブルーベリー以外の果物を並べ、寒天液を半分だけ流し、同様に果物を並べる。最後に残りの寒天液を流して平らにし、ブルーベリーを散らして出来上がり。ラップしてそのまま冷蔵庫で冷やす。

【レシピのポイント】
個々の器に入れて作る時には、切り分けないので、水の量を700ccに増やしてもよいでしょう。柔らかめの寒天がフルーツによく合います。出来上がった寒天液は、粗熱を取らなければならないので、鍋は熱伝導率のよいステンレスや銅の鍋がよいでしょう。鍋ごと冷水に浸けておくと、粗熱が取れます。ゼラチンと違って直ぐに固まるので、氷は入れないで作業してください。粗熱がとれてぬるま湯になり、少しトロッとした状態になったら、素早く作業してください。

【料理を食べた方の感想】
・寒天の甘さが控えめでフルーツの甘味で食べることが出来るのが良かったです。
・卵、ミルクアレルギーで食べられないデザートが多い息子ですが、これは喜んで食べてくれたので、ぜひ作って見たいです。  

今回のまとめ

寒天を使った前菜、デザートはいかがでしたか。今回は具材たっぷりでボリュームのあるものに仕上げました。料理好きなお子様なら、アート感覚でトライしてみるのも楽しそうですね。夏休みもいつの間にか残す所僅かとなりましたが、秋の訪れと共に新年度が始まります。今後も皆様が、安全且つ健康で過ごせますようにお祈り致します。

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