第9回「ピクニックに持って行きたいおにぎり特集」

第9回「ピクニックに持って行きたいおにぎり特集」

アメリカ在住暦30年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します。

更新日: 2018年08月27日

アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。

『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦30年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。

第9回「ピクニックに持って行きたいおにぎり特集」

いつのまにか夏が過ぎ去り、秋の気配が感じられる季節となりました。鮮やかな色彩のなか、ピクニック、ハイキング、ちょっとした旅行も楽しみですね。そんな時に、おいしいおにぎりがあったら、どんなに嬉しいでしょう。 今回は、おにぎりの握り方、おにぎりの具を中心におにぎり特集としました。もち米を使ったおにぎり、雑穀の入った白米のおにぎり等、全部で5種類のおにぎりをご紹介致します。

今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト

えごまの葉

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とても似ている葉ですが、左の葉は、韓国マーケットで購入したえごま(Sesame leaf)、右は、お馴染みの青しその葉です。えごまは、しそのような独特の香りはなく、ごまのような味がします。韓国人が好んで焼肉と一緒に食したりします。
しそは、中国原産の一年草で、日本では、平安時代以前から栽培されていたと言われています。ビタミン類、ミネラル類が多く含まれ、特にカロチンとカルシウムの量は、野菜の中では群を抜いています。香り成分には、防腐作用がありますので、おにぎりには最適ですね。

梅干し

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梅の原産地は、中国を含むアジア東部ですが、中国では、なんと2100年以上もの昔から、既に生活に役立てていました。梅干しとなって日本に登場するのは、平安時代。梅干しは戦国時代には、兵糧にも加えられ、貴重な薬でもあったようです。 梅干しが、おにぎりにかかせないのは、味のアクセントになるだけでなく、ご飯が腐るのを防いでくれますので、とても頼もしい縁の下の力持ちですね。

今回号のレシピに使うおすすめ便利アイテム

おにぎり用の型

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手で握られるのもよいですが、型で握ると、さらにプロのようなおにぎりを作ることが出来ます。今回は、2種類の型を使用します。使用される時には、必ず、ボールに水を張り、その中におにぎりの型を浸しながら使用してください。ご飯が型にくっついてしまうのを防ぐことが出来ます。


蒸し器でつくる本格的な赤飯おにぎり

小豆さえ煮ておけば、簡単に短時間で出来るのが魅力。お祝いやポットラックにも、ピクニックのお弁当にも喜ばれそう!!

【食材と目安の量(6~8人分)】  ★印はおすすめ食材リストを参照

・小豆・・・50cc(洗って2度茹でこぼし)
・水・・・200cc
・もち米・・・3合
・米・・・1合
・キノア・・・大2(好みで)
・水・・・1 カップ (200cc)
・塩・・・適宜
・黒ごま・・・適宜

【お料理の手順】

1: 小なべに洗った小豆、水を多めに入れ、沸騰したら、水を入れ替えて、2度茹でこぼしをしてアクを抜ぬく。

2: 茹でこぼした小豆に200ccの水を入れて沸騰させたら、弱火にし、15分〜20分煮て火を消す。(小豆が割れないようにする。)


3: もち米、米、キノアを洗い、たっぷりの水に15分つけておいたら、ザルに上げる。(長くつけておくと、ベタベタしたお赤飯になるので、注意)


4: 蒸し器の鍋に適宜に水を入れ、蓋をして火にかけておく。

5: 深めのフライパンに1カップの水を入れ、沸騰したらザルにあげた米、小豆と汁、を入れてかき混ぜる。火を中火弱にし、ゆっくりと米に水分を含ませる。全体に水分がなくなり、鍋底に米がくっつくようになったら、火を消す。


6: 5を蒸し器に入れ、蓋をし、中火強で15分蒸し上げる。(蒸し器の蓋から蒸気が出る位の強めの火加減で15分、蓋を開けて1度かき混ぜて蓋をし、同様の状態で5分蒸したら、出来上がり。)


7: 俵型にお赤飯を軽く少し山に詰め、蓋をし、かるーく押して、型から出し、塩をまぶし、片面に黒ごまをふりかける。

【このレシピのポイント】
お赤飯は、お祝いの時に作られる事が多いので、小豆の腹がわれないよう、気をつけましょう。昔は、小豆のお腹が割れていると、切腹を意味したようですので、本当はささげ(小豆より小さく、煮ても割れない)を使います。しかし、現地では、ささげを購入出来ないことがありますので、小豆を煮すぎないようにして、代用します。 もち米に普通の米を混ぜたり、フライパンで水分を含ませてから、蒸し上げて作りますので、米一粒一粒がしっかりとつややかに仕上がります。この方法で、山菜おこわ等、簡単においしく作る事が出来ますので、ぜひ、お試しください。

エゴマ、青シソを使ったおにぎり

【食材と目安の量(6~8人分)】  ★印はおすすめ食材リストを参照
・★大根の葉(みじん切り)・・・1株
・塩・・・小1/2
・ちりめんじゃこ・・・適宜
・しそわかめ・・・適宜
・梅干し(手でちぎって種を除く)・・・適宜
・エゴマ、青じそ(一枚ずつパラッと塩を振って15分置き、絞る)

1: 大根の葉の下ごしらえをする。ボールにみじん切りにした大根の葉を入れ、塩小1/2で混ぜ合わせる。そのまま15分程度おいてから、きっちりと絞り出来上がり。沢山出来るので、ジップロックに入れてフリーザーで保存可能。

2: エゴマ、青じそ以外の材料を入れて混ぜ合わせます。

3: 写真のようにラップの上にえごま、又は青しそを敷いて混ぜご飯を適宜載せる。(ご飯は熱いうちにえごま、しその上に置かないように。色が変わってしまいます。)

4: ラップに包みながら形を整えれば完成。(握る時には、瞬間に力を入れてギュッと2、3回で握り、外側はカチッと、中はフワフワに作りましょう。)

【このレシピのポイント】
大根の葉は、冷凍しておくと、おにぎり以外にも、みそ汁の具に、チャーハンに、ハンバーグの中にと、色々使うことが出来ます。混ぜご飯を包む、えごま、しその葉は、どちらもなかなか美味しくいただけますので、ぜひ、お試しください。また、カルシウム、ミネラル、ビタミンも豊富で、健康によいおにぎり!!なのが何よりですね。

おにぎりの具(鶏つくね団子)の作り方

とりつくねがおにぎりの具になります。ショウガが入ることによって、臭みも消えますので、お子様からお年寄りまで皆さんに喜ばれることでしょう。

【食材と目安の量(6~8人分)】  ★印はおすすめ食材リストを参照

・鶏挽き肉・・・200グラム
・玉ねぎ(みじん切り)・・・1/4個(中玉ねぎの大きさ)
・しょうが(すりおろし)ひとかけ
・白ごま・・・大1
・片栗粉・・・大1
・酒・・・大1
・醤油・・・小1/2

鶏つくねのタレA
・醤油・・・大3
・砂糖・・・大3

【お料理の手順】

1: タレAの材料以外をボールに入れ、粘りが出るまで、よくかき混ぜる。

2: フライパンに油を敷き、スプーンですくって、小さな楕円形にし、両面きつね色に焼く。一度では焼けないので、何度か繰り返す。

3: 2が焼き終わったら、フライパンの油を拭き取り、タレAを入れる。細かい泡が全体にたち、艶が出てきたら、焼いたつくねを入れて、タレを絡ませる。さらに艶が出てきて、タレがトロッとしてきたら、出来上がり。

【このレシピのポイント】
おにぎりの具だけでなく、お弁当のおかず、酒の肴にもなり、とても重宝すると思います。フリーザーで保存する事ができますので、作りおきするのもよいですね。ぜひ、お試しください。

具だくさんのおにぎり3種

ご紹介した鶏つくねを使ったおにぎりなど、具がいっぱい入ったおにぎりを3種類作ります。具を多めにすることで、ご飯の摂取量が減ります。握るのも、中はふわふわ、外側はカチッとしたおにぎりに挑戦しましょう!

【食材と目安の量(6~8人分)】  ★印はおすすめ食材リストを参照

・ご飯・・・3合

①鮭、昆布佃煮、梅干し、トビコ
・塩鮭・・・1切れ(焼いておく)
・昆布の佃煮 適宜 (好みで千切りのもや四角いものを使用)
・梅干し・・・4、5個 (ほぐして種を取り除いておく)
・トビコ・・・適宜 (タラコや明太子でもOK)

②鶏つくね団子、梅干し
・鶏つくね団子
・梅干し

③唐揚げ
・鶏唐揚げ
・ホットマヨネーズ(sriracha hot chili sauce +マヨネーズ)
・マヨネーズ

【お料理の手順】

1: 水につけてある型を取り出し、ご飯を半分位入れ、真ん中を少しくぼませて、【鮭、昆布佃煮、梅干し、トビコ】の材料を全部載せる。その上にご飯を少し山にしてのせ、型の蓋をして、手のひらで、一気に2度程体重をかけたら、おにぎりの出来上がり。

おにぎりは、ぎゅうーっと握ると、中のご飯まで固くなってしまいますが、瞬間に力を加え、ぎゅっと握ると、中のご飯は、フワフワ、外側のごはんは、ガチッとします。

2: 1の要領で、【鶏の唐揚げ、チリソース、マヨネーズ】と【鶏つくね団子、梅干し】の具を入れて作る。

【このレシピのポイント】
たかがおにぎり、されどおにぎり。ご飯が敬遠されているこの頃ですが、ご飯ほど、おかずの味を引き立ててくれ、お腹も心も満たしてくれる食材はないのでは?お米を食べすぎないよう、具を大きくして作るのも楽しいですね。おにぎりのごはんから具がはみ出ても、それはそれで美味しそうに見えます。

料理を食べた方の感想

「赤飯おにぎり」
もち米なのに食感がそこまで重くなく、パクパク食べられました。小豆の食感もばっちりでした。

「エゴマ、青シソを使ったおにぎり」
シソの味と香りが噛んだ瞬間に広がるさわやかなおにぎり。さっぱりしててシラスとの相性が抜群です。

「シャケ・昆布・梅干し・トビコおにぎり」
おにぎりの具と言えば、の具が全部入った贅沢おにぎりです。美味しくてあっという間になくなってしまいました。

「つくね・梅干しおにぎり」
しょうがが効いたつくねとアクセント的に味わえる梅干しがとても美味しいおにぎりです。

「からあげ」
ピリ辛のソースが唐揚げにマッチ、ご飯との相性も良い。

今回のまとめ

簡単なおにぎりをおいしくいただくために、気軽にお伝えしようと思いましたが、なかなか難かしく、冷や汗ものでした。うまく伝わりましたでしょうか。美味しいおにぎりは、ぎゅーーっと握るのでなく、瞬間に力を入れて、2、3回でギュッと!!もち米は、やさしくそっと!!

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