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第4回「Smishing テキスト・メッセージ詐欺」

アメリカでは、スマホの電話番号を使うSMS (Short Message Service 短いメッセージを交換するテキスト)が日常の通信手段です。 その中で、Smishing詐欺が横行しています。 これはSMSとPhishing(フィッシング)を組み合わせた言葉で、 FTC(連邦取引委員会)の調査によると、2024年には4.7億ドル(670億円)に及ぶ詐欺被害が出ています。

フィッシングという言葉は日本でも使われていますが、実在のサービスや企業をかたり被害者から個人情報または銀行口座やクレジットカードなどの財務上の情報を聞き出す行為です。Fishing (釣り) に通信システムで非合法なことをするというPhreakingを組み合わせて生まれた造語だと言われます。Smishingはフィッシングの一つで、テキストを使った詐欺行為を意味します。

先日、筆者に州交通局からと思わせるテキストが来て、E-ZPassという有料道路の電子支払いができておらず、すぐに払わないと高額の罰金を課すと言ってきました。慌ててクレジットカードの情報を 入れそうになったのですが、一呼吸おいて正式のサイトに入ってみると支払いは問題なく、これはSmishingだと気が付きました。しかし、現実にテキストで偽の警告を受け取ると慌ててしまい、Smishingの罠にはまってしまう人が多いでしょう。

関連して、VishingというVoice Phishingを縮めた言葉もあります。これは実際の電話のVoice(声)で警察官や税務署員などと名乗り、個人情報を聞き出そうとすることです。「あなたは宝くじが当たりました!」というVishingで、個人情報を聞き出すLottery Scam(宝くじ詐欺)もよく聞きます。日本で同様の詐欺が増大しているようですが、アメリカの生活も本当に油断できません。

(例文)Smishing can be particularly convincing, posing as a FedEx carrier, bank, or other known entity. Since the scam happens via text, people may be particularly vulnerable to them. (Time)

(訳)フェデックスや銀行その他の名の知れた組織を騙るSmishingは、特に信用してしまいがちです。詐欺行為にテキストが使われるので、とりわけ騙されやすいようです。

旦 英夫 (ニューヨーク州弁護士)
◆著書「米語ウォッチ・アメリカの今を読み解くキーワード131」(PHP)    
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