第1回「ポイ活のはじめ方」

今回は、アメリカでのポイ活の定番であるクレジットカードの活用について、基本から解説したいと思います。アメリカ生活に慣れてくるにつれ「ポイントで今回はタダで旅行ができた」「おトクなカードがあるから紹介するよ」などという声が耳に入る機会が出てくるかと思います。聞いたことがない方でも、「なんとなく気になる」「おトクとは言うけど何か落とし穴もありそうで面倒」など、関心はあるもののなかなか時間が取れなかったり、実際の行動を取るのに必要な情報が足りないと感じている方向けに、私自身の体験も踏まえてお伝えしたいと思います。

昔の自分に教えてあげたい・・

私も日本にいた頃は、クレジットカードで航空会社のマイルを効率よく貯めたり、ふるさと納税、iDecoなど、やり方次第で「おトク」となることには割と熱心に取り組んでいました。公認会計士という性格上、他にも株式・債券・仮想通貨など金融リテラシーを高めるのに役立ちそうなものには関心をもって取り組んでいました。そんな私ですが、アメリカに赴任した当初は、なんせ子供の学校などの生活の立上げや仕事に慣れるのに忙しくてポイ活どころではありませんでした。まともにポイ活といえるレベルの行動を始めたのは赴任して2年目の頃だったので、今思えばもったいなかったな、と感じます。今から赴任当時の自分に教えてあげるつもりで、ここまで5年以上アメリカでポイ活してきた中で、「要するにこういうこと」というのをまとめてみます。ご参考になれば幸いです。

本当におトク?

まず、「おトクとは言うけど何か落とし穴もありそうで面倒」という点、なにしろこれは私が当時思っていたことです。モヤモヤしたまま時間だけが過ぎていったので、これに関して私なりの結論を先に書きます。「おトク」というのは、日本のカードと比べて考えると、段違いでおトクなのはこれはもう間違いありません。日本ですと、カードの入会ボーナスは大体数千円相当、良くても1万円前後だと思いますが、アメリカでは一つ桁が違うほどです。使った金額に対するポイント付与率も大きいです。どういうからくりでそんなことが可能なのでしょうか?これは、カード社会のアメリカにおいて、(審査の基準を満たすような属性の人達は)一人あたりのカード使用額は日本より大きく、またカード会社が我々からでなく加盟店から得る手数料収益も大きい構造があるためです。カード会社は、数年でアメリカからいなくなってしまう駐在員ではなく、何十年単位でカードで消費し続ける個人を念頭にボーナスプログラムを組んでいます。大胆なボーナスポイントの付与は、カード会社が採算度外視でやっているものではなく、トータルではカード会社にとって合理的な新規顧客獲得手段だと考えられます。このような背景から、ボーナスマイルや付与率のノリが日本水準のままのカードだけでアメリカ生活を終えてしまうのは、本当にもったいないことだと今は断言できます。

落とし穴は?

「何か落とし穴もありそう」について敢えて挙げるとすると、管理の仕方によっては、年会費を何回か払っているうちに、入会ボーナスでもらった額が相殺されてしまう場合があり得ること、です。もう一つは、カードを複数でもつと家計の支出の管理が大変になる、というこの二点かと思います。いずれも対策する方法は豊富にあるので、そこは別の回で解説します。「面倒」については、こればかりは家計に対する個人の考え方次第になります。「そこまでしてトクしたいか」「その労力を他に費やしたい」というのもごもっともだと思います。合う・合わない、は確かにあると思います。おカネに困っていないご家庭もおられるかとも思います^^)。最後は、「得も損も人による」ものなので、「ほぼ全員にあてはまるケース」から、「人によっては損得が別れるケース」、など段階を追ってお話したいと思います。

どうはじめたらいいか?

まずは、はじめの一歩としてほとんどの人で共通して通るステップを解説したいと思います。そのために、最低限知っておきたい以下の基礎知識を抑えつつ、何をしていけばいいのか、を解説します。

  • クレジットヒストリー
  • ポイントの種類(入会、紹介、継続、使用ポイント)
  • Chaseの「5/24ルール」
  • ミニマムスペンド

クレジットヒストリー

アメリカで生活するにあたり、ほとんどの方がSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)を取得するかと思います。これがないとカードが作れないですし、アメリカで生活する上でSSNとパスポートは自分の身分保証の拠り所になりますね。なので、クレジットカードの話とは関係なく、なるべく早く取得しておきたいものです。このSSNと紐づけて、その個人の支払い能力をその履歴(クレジットヒストリー略して「クレヒス」)をもとに第三者機関がスコア化したものがクレジットスコアで、カード会社が入会審査の時に参照しています。つまり、これがないとここで言うポイ活が始められないほど重要なものです。しかし、誰もが最初はヒストリー「無」の状態ですから、最初に必要な情報としてはそれをどう構築していくかですね。日本出身の方ですと、最初のアプローチはSSNもクレヒスも不要で作れるJALUSA CARDもしくはANA CARD USAというクレジットカードでヒストリーを作っていく、ほぼこの一択(JALかANAかという意味では二択)です。SSNなしでも作れてしまうこのカードの注意点としては、SSNが取得できたあとに連絡するのを忘れると、クレヒスへの反映が滞るという点です(私がそうでした!)。自分のアメリカでの支払い履歴が公式にクレジットヒストリーとしてリンクされる大事なアクションなので、これがアメリカポイ活の第一ステップとなります。配偶者がいる方は、配偶者の分もお忘れなく! ちなみにJAL/ANAどちらのカードもリダックくらぶ入会特典で初年度年会費が無料になるので、こちらも是非お忘れなく。

JALリンク https://redacclub.com/benefit/jalusacard/
ANAリンク https://redacclub.com/benefit/anacard-usa/

その後のクレジットスコアの上げ方についての解説サイトは日米たくさんあり、その重要性の高さを表していますが、基本的には、カードの支払いを期日内に支払うこと、期日前であっても最大使用可能額の30%以内に残高が収まるように支払いを進めておくこと、この2つを意識していれば大丈夫です。クレジットスコアは、通常カード会社のウェブを通じて確認可能で、JAL/ANAカードも当然今自分がスコアがいくらなのか見ることができます。

ポイントの種類

「おトク」と言われている特典ですが、そのもらい方・使い方としては各カード会社が発行するポイントを特典に変換して、旅行に使ったりすることになります。そのポイントの種類は、入会ボーナス、カードの使用額に応じたポイント、紹介ボーナス、継続ボーナスの四種類に分類できます。入会ボーナスは、入会後に最低使用額(ミニマムスペンド)を期間内に使うことで得られるもので、ものによっては$1,000を超える価値もあるので、カードを選ぶ上で非常に重要な要素です。カード使用額に応じたポイントは、$1ごとに1ポイント、のようなものでイメージしやすいかと思います。レストランだと4倍、ガソリンだと3倍、など品目によって付与率に特色がカードによって分かれており、中長期で差が出てくるポイントです。紹介ボーナスは、友人など他の人の入会を仲介することでもらえるポイントで、1人につき$100から場合によっては$200相当の紹介ボーナスがもらえます。継続ボーナスは、会員を翌年継続するともらえるポイントのことで、これにより実質年会費が無料になるものもあれば、このプログラムがないカードもあります。特に渡米後まもない初期段階では、この中でも入会ボーナスのおトクさを第一優先、次に使用に応じたポイント付与率、他はおまけ、ぐらいにして検討すると良いです。

Chaseの「5/24ルール」

American Expressと並んでポイ活の王道であるChase系のクレジットカードですが、5/24という暗黙のルールがあるので、それを踏まえた上でカードを作る順番を決めていくのがスマートです。基礎知識として挙げた四つのうち、これが一番とっつきにくいかと思うので、最初はその存在があることを認識しておくだけでも大丈夫です。これは5月24日に何かがある、わけではなく、過去24ヶ月(2年)以内に5枚以上のクレジットカード(Chase以外も含む個人カードすべて)をアメリカで作っていると、Chaseが発行するクレジットカードを新たに作れないというルールです。別のカードを5枚以上作った後になってから、Chaseカードが欲しくなっても作れないからご注意を、ということです。ひとまずはこのルールがあるということだけを知っておけばいい、と先程書いた理由は、そもそもChaseは審査が厳しく、クレジットヒストリー構築間もない状態では作りたくても作れないカードだからです。個人差はありますが、Chaseの審査が通るようになるのに1年程度はかかると考えておきましょう。まずは比較的審査が緩やかなAmexで自分に合ったカードをまず1枚作ってみる、というのをおすすめします。多くの人が勧めるAmerican Express Gold Cardが王道ではありますが、1枚目として万人に最適か、というと人によって異なってくるので、この辺りは別の回に解説させてください。

ミニマムスペンド

おトクな入会ボーナスですが、入会したら無条件でもらえるわけではありません。例えば「入会ボーナス7万ポイント。ただし入会後3か月以内に$1,500以上カードを使うこと」というような、ミニマムスペンド(最低必要使用額、略してミニスぺ)が設定されているのが普通です。入会ボーナス目当てで加入するわけですから、それがもらえないと意味ありません。一方で、ボーナスのために本来不必要な買い物をするのは本末転倒ですね。加入前にはこの「ミニスぺ」とご自身の消費行動が合っているかを確認した上で加入のタイミングを決めることをおすすめします。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。それでは今から何をしておくべきか?のまとめです。

  • SSNの取得
  • ANA/JAL発行のUSAクレジットカードにSSNを連絡する
  • ANA/JALのクレジットカードサイトで自分のクレジットスコアを確認する
  • 最初に入会するAmexを検討する(Amex Gold Card等)

ここまでが、ほとんどの日本からの赴任者が辿る道で、これをなるべく早く短く行うことが、アメリカでのポイ活(私にとっては旅行の貴重な財源)のはじめの一歩、となります。次回は、「最初の1枚」からChaseを絡めた複数枚を選ぶ際の考え方を解説したいと思います。

ケニー
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