「アメリカ独立の舞台」フィラデルフィアってどんな街?

「アメリカ独立の舞台」フィラデルフィアってどんな街?

アメリカ革命にちなむスポットが豊富なフィラデルフィアをご紹介。

更新日: 2021年02月21日

今年はアメリカ独立宣言から245周年を迎えます。
今回は独立の舞台となったフィラデルフィアをご案内いたします。
フィラデルフィアは全米第5位、東海岸2位を誇るペンシルバニア州の中心都市で、ニューヨークからアムトラックという列車で約1時間半南西、ワシントンDCから約2時間北東に位置し、列車やバスなど公共の交通機関にてアクセスしやすい街です。

「フィラデルフィア」の由来

1682年にウィリアム・ペンが、クェーカー教徒を率いて入植地を開き、その中心地を彼らが理想とした「友愛」を意味するギリシア語からフィラデルフィアと命名。
Phil は「愛」を、adelphi は「兄弟」を意味するギリシア語ということです。そう知ると、この街の名前を呼ぶだけでなんだかあったかい気持ちになります。
そしてウィリアム・ペンはシティーホールの屋根の上から今でも市内を見守っています。

またアメリカ屈指の名門、アイビーリーグの一つ、全米で初めてユニバーシティーという名がつけられたペンシルバニア大学(University of Pennsylvania) は北米で最初に医学部(1765年)、全米で最初にビジネス・スクール(1881年)を設置したことでも知られており、日本にもキャンパスがある州立の総合大学であるテンプル大学など、優秀な学生が世界中から集まる学園都市でもあります。

自由の鐘と独立記念館

まずは、ヒストリカルディストリクトと呼ばれる歴史記念地区へ。
1776年7月4日、にもともと大陸議会の議事堂だったこの建物にイギリス植民地下にあった13州の代表が集まり、トーマスジェファーソンが起草した独立宣言にサインして、アメリカ独立宣言が行われた、世界遺産にも登録されている『独立記念館(インディペンデンスホール)』、独立、自由の象徴となった、自由の鐘(リバティーベル)が展示されている『リバティーベルセンター』、『インディペンデンスビジターセンター』など、数々の歴史的な施設が徒歩圏内に並んでいます。

『独立記念館』の敷地内にはセキュリティーチェックを受けて入ることができます。建物の中に入るにはツアー(無料)に参加する必要があり、現在(2021年2月現在)は、先着順で1時間に9名までの限定、国立公園ということでパークレンジャーによるガイディングに従って見学することになります。
アメリカの歴史を理解していないと少し難しい内容でもあり、あまり時間的余裕がない方は外観を眺めるだけでもお勧めいたします。

『リバティーベルセンター』は無料で入場、見学ができ展示も見ごたえがあります。1776年7月8日、この鐘の鳴り響く音は、フィラデルフィアの市民をアメリカ独立宣言の朗読へと招集させました。
鐘に記されている聖書の言葉「地上すべてにおいて、すべての住民に自由を宣言する」は、この自由の象徴の目的を誇り高く宣言しています。

数々の歴史的資料の展示の一番奥に、亀裂が入りもう音が鳴ることはなくなった少し痛々しい自由の鐘を近くで見ると、時間を忘れて引き込まれてしまう不思議な感覚を覚えます。
アメリカの独立、そして奴隷制からの自由、国民性と自由において最も親しみのある象徴の一つであり、国際的な自由の偶像としても愛されている鐘は、今でも圧倒的存在感で、自由と希望を人々の心に鳴らし続けているかのようです。

リバティーベルセンターから通りを挟んで向かい側にある『インディペンデンスビジターセンター』は、展示はもちろんのこと、お土産屋さんとお手洗いがあるので、この地区を訪れる際は覚えておくと便利です。

30万点の所蔵を誇るアメリカ第3位の美術館

フィラデルフィアはあらゆるアートを楽しめる街としても人気があります。

独立から100年を記念して設立されたフィラデルフィア美術館は、30万点の所蔵を誇るアメリカ第3位の美術館。ゴッホのひまわり、セザンヌの大水浴など数々の印象派の名作とともに、日本の茶室やお寺がそのまま再現されているアジア美術セクションと、様々な分野の展示があります。

そして映画ロッキーの中で、シルベスタスタローン扮する主人公ロッキーがトレーニングのために駆け上がった美術館前の階段、ロッキーステップでも有名で、ここを訪れるならファンでなくともロッキーの銅像と記念写真を撮らずにはいられません。

バーンズコレクション

バーンズコレクションは、美術収集家であったバーンズ博士が個人で集めた、ルノアールやマティス、ピカソなど約2500点の世界最大のモダニストと後期印象派コレクションを誇る美術館。

博士が交通事故で亡くなった後、門外不出と言われたフィラデルフィア郊外メリオンにあったコレクションを、2012年フィラデルフィア美術館の近くに移設して再オープンとなりました。
バーンズ博士の邸宅内を再現し、各部屋にそのまま博士が生前飾った通りに数々の名作が展示されており、世界中の美術館の中でもかなりユニークです。

こだわり溢れる独自の美学と感性によって壁に散りばめられた展示方法は、知らずに行くと正直驚き、戸惑いを覚えるかもしれません。
H.I.S.では幻のバーンズコレクションというオンラインツアーを行っており、こちらで予習をなさって現地に行かれますとより一層楽しんでいただけると思います。

屋外ミュージアムさながらの壁画アート

そして街中に壁画アートプログラムによって作られた 3,500点を超える建物の壁に書かれたミューラルアート(カバー画像)は、世に広く知られているストリートアート、グラフィティーとはまた違った、メッセージ性の強い美しいアートで、今の躍動感や時代を感じられ、まるで屋外ミュージアムさながらです。

名物「フィラデルフィア・チーズステーキ」

またフィラデルフィア名物といえば、フィラデルフィア・チーズステーキ。いったいどんなステーキ?

実はビーフ、玉ねぎを炒めたものにとろーり溶けたチーズかけてはさんだあったかいサンドイッチのことなのです。

フィラデルフィアの公式サンドイッチと呼ばれる、ホーギーはイタリアンバゲットにプロシュートや野菜をお好みで挟みドレッシングで仕上げた冷たいサンドイッチ。こちらも絶品でどっかりお肉が苦手な人も大丈夫です。

これは余談なのですが、フィラデルフィアの名前がついたクリームチーズが販売され世界中に広まったこともあり、クリームチーズとサーモンを組み合わせた巻き寿司はフィラデルフィアロールと呼ばれています。
こちらはフィラデルフィア発祥ではないそうですが、すし飯、クリームチーズとサーモン、海苔をインサイドアウトに巻いた巻きずしにお醤油をちょっとつけて、という意外な組み合わせ、東海岸にいらっしゃったら一度お試し下さい。これが絶妙にマッチしておいしいですよ!

コロナの前まではニューヨークから仕事帰りにアムトラックに飛び乗ってコンサートに行ったり、気軽に気分転換に出かけていた身近な都市フィラデルフィア。このように歴史に芸術に見どころにあふれていますので、これから自由に行き来ができるようになりましたら、日帰りでも、のんびり1泊2日の小旅行でも、足を運ばれてはいかがでしょうか?


HIS International Tours (NY) Inc.

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フィラデルフィア・幻のバーンズコレクション
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執筆提供:HIS International Tours, Inc 柳原敦子
写真提供 © PHLCBV

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