第44回「ちょっとお洒落なアーティチョークを使って」

第44回「ちょっとお洒落なアーティチョークを使って」

アメリカ在住暦33年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します。

更新日: 2021年08月02日

アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。

海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。

『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦33年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。

「ちょっとお洒落なアーティチョークを使って」

夏到来!まだまだ安心は出来ませんが、子供達の元気な姿や笑い声が聞こえてくるようになりました。公園ではスポーツキャンプも行われていて、子供達の笑顔が眩しく感じる今日この頃です。

日本ではあまり馴染みのない食材、アーティチョークですが、こちらではグロッセリーストアーには必ず並んでいるポピュラーな野菜です。食感は百合根に、味わいはそら豆に似ている感じです。そんな素朴なアーティチョークを使った料理を、前回号でご紹介した「ハーブを使ったアイデア料理2種」のハーブマヨネーズ、ハーブバターを使ってご紹介します。

おすすめ食材リスト

アーティチョーク(Artichoke)
アーティチョークは、15世紀にイタリアで本格的に栽培が始まったと言われています。原産は地中海沿岸から 中央アジアにかけてですが、イタリア、フランスをはじめ、ヨーロッパやアメリカで人気のある野菜です。今回は、Costcoで大4個入りのパックを約6.50ドルで購入しました。トレーダージョーズにもありますが小ぶりで4個入り約3ドル位で購入出来ます。ガクがふっくらしていて、緑色が鮮やかで切り口が新鮮なものがよいとされています。


ジャガイモ(Potato)
今回は小粒のジャガイモを紹介します。色は、黄、紫、白、赤と色々ありますが、そのままローストして皮ごと食べられます。彩りがきれいなので、ステーキや魚料理などのサイドディッシュにも最適ですね。ジャガイモの芽、緑化したジャガイモにはソラニンと呼ばれる毒素が含まれますので、きちんと取り除いてから使いましょう。

アーティチョークとハーブマヨネーズでアパタイザー

アーティチョークは、切るとアクが出て真っ黒になってしまいますので、アク止めとしてレモンを用意して、上手に下処理をしていきます。食べられる部分は茎に近い辺りだけですが、葉の根元にハーブマヨネーズをつけ、歯でしごいていただきます。ワインにもよく合いますので、ぜひお試しください。

【食材と目安の量(4人分)】 印はおすすめ食材リストを参照

  • アーティチョーク・・・1〜2個
  • レモン・・・1個(半分に切っておく)
  • ハーブマヨネーズ・・・適宜

料理の手順

(下処理)アーティチョークの下処理

  1. アーティチョークの茎に近い部分の葉をくぼみがある辺りまで剥がし、茎の部分の固い表皮をむいて、次に葉の中央部分より上部を切 り落とし、切り口に半分に切ったレモンをすりつけてアク止めをする。
  2. 1のアーティチョークを茎の方から縦半分に切り、茎の付け根近くにぎっしり詰まった繊毛をペティーナイフか先の尖った包丁でえぐるようにし、半分に切ったレモンでアク止めをしながら切り離す。ボールに残り半分のレモン汁を絞り水を入れ、アクが出ないようアーティチョークを浸しておく。
  3. 鍋にアーティチョークが浸る位の水を入れ、塩を一つまみ入れて火にかける。茎が下になるようにし、中火で約20〜30分程度茹でる。茎の上部の辺りに竹串をさしてスッと通れば茹で上がり。
  4. 4をザルにあげ、粗熱が取れたら大皿にそのまま移し、ハーブマヨネーズを添える。

【レシピのポイント】
作り方の1から3までは、アーティチョークを使うための下ごしらえになります。この作業は、切ることによって黒ずんで品質が落ちるのを防ぐために行いますので、マスター出来たら、色々なアーティチョークの料理に挑戦出来そうですね。ぜひお試しください。

【料理を食べた方の感想】
ハーブマヨネーズとよく合い、美味しくいただきました。

アー ティチョークのフリットハーブマヨネーズ添え

フリットとは、イタリア版の天ぷらのようなもので、魚介類、野菜等使われます。衣にビールを使用しますが、ビールに含まれる炭酸とアルコールで、衣はサクサクに仕上がります。アーティチョークは下処理が済んだ生の状態のものを使用します。

【食材と目安の量(4人分)】 印はおすすめ食材リストを参照

  • アーティチョーク・・・1〜2個(下処理済みのもの)
  • オールパーパス・・・1カップ(200cc)約80g
  • ビール・・・100cc
  • 卵・・・ 1個
  • 塩・・・ 小1/2
  • ハーブマヨネーズ・・・適宜
  • レモン・・・1個(櫛切り)
  • 食用油(オリーブオイルライトがベスト)・・・適宜

料理の手順

 

(下準備)小さめの鍋にオイルを入れ、中火にかけておく。

  1. 下処理の済んだレモン水に浸してあるアーティチョークを縦4つに切り分け、切り口にレモンの切り口を塗りつけ、レモン水に再度浸す。
  2. ボールに卵をほぐしビール、塩を入れてよく混ぜ合わせ、オールパーパスを加えて混ぜ合わせる。
  3. アーティチョークをレモン水から取り出し、水気をキッチンペーパーで拭き取り、2の衣をつけて揚げる。(揚げ温度は、衣を少し落としてみて下まで落ちる前にさっと上がってくる状態、185℃程度)両面がきつね色なったら、油をしっかり切り、網、またはキッチンペーパーに置いておく。
  4. 3を皿に盛り付け、ハーブマヨネーズ、櫛切りにしたレモンを添えて出来上がり。

【レシピのポイント】
今回は、アーティチョークのみですが、日本の天ぷらをイメージして色々とフリットにしてみるのも楽しそうですね。レモンを絞りハーブマヨネーズをつけて頂くと、一層美味しく頂けると思います。

【料理を食べた方の感想】
レモンの酸味が揚げ物をさっぱりさせていてよかったです。アーティチョークにハーブの味がよく合いました。

アーティチョーク、ポテトのチーズ焼き

厚手のフライパンを使い、パーチメントペーパーを敷いて蓋をし、蒸し焼きにします。中火弱から弱火で調理しますので、電気、ガス代の節約になりますね。手間いらずで本格的な一品になります。

【食材と目安の量(4人分)】 

  • アーティチョーク・・・1〜2個(下処理済みのもの)
  • ポテト小粒、あれば黄、紫、白・・・10〜15個程度
  • オリーブオイル・・・適宜
  • ブラックペッパー・・・適宜
  • 塩・・・ 適宜
  • ハーブバター・・・大2程度
  • 溶けるチーズ・・・適宜(好みのチーズを好みの量で)

料理の手順

 

(下準備)アーティチョークとハーブマヨネーズでアパタイザーの料理と同様、下処理をして、茹でてザルにあげておく。

  1. ジャガイモをよく洗って、皮ごと使う。少し大きめのジャガイモは半分に切り、厚手の大きめのフライパンにパーチメントペーパーを敷いた上にジャガイモを平らに入れる。
  2. 1にオリーブオイルを回しかけブラッ クペッパーと塩を少し多めにかけて蓋をし、火を中火強にかける。
  3. 2のフライパンが熱くなり、焼ける音が聞こえるようになったら、火を弱火強にし、10分位毎に蓋を開けてジャガイモの上下を入れ替えて火を通す。約30分程度焼いたら茹でたアーティチョークを縦4つ割りにし、ジャガイモの上に置いてなるべく平らにする。
  4. 3にハーブバターを何ヶ所かに置き、好みの溶けるチーズを全体に散らし、蓋をして、約10分焼いてチーズが溶けていたら出来上がり。

【レシピのポイント】
最後にハーブバターを散らすことによって、ジャガイモやアーティチョークの美味しさがさらにアップするのが嬉しいですね。もし、焦げ目をつけたいようなら、最後にオーブンをBroilにして3分〜5分程度焼かれるとよいでしょう。

【料理を食べた方の感想】
彩りがキレイなのとハーブの香りが美味しさを引き立ててました。見た目がよいのが気に入りましたので、作ってみようと思います。

今回のまとめ

アーティチョーク、いかがでしたでしょうか。食べる部分がほんのちょっとで下処理も大変ですが、ここアメリカで手軽に購入出来る食材なので、ぜひ挑戦してみてください。

先月は、ハーブピューレを使ったハーブマヨネーズ、ハーブバターの作り方(前回号のリンク)を紹介しましたが、使い方の説明があまり出来ませんでしたので、今回は、アーティチョークと合わせてレシピをお届けしました。ワイン等のお酒にもよく合い、ちょっとお洒落な雰囲気にもなれるメニューですので、家での食事や、パーティー等で腕を奮ってみてはいかがでしょうか。

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