第25回「小豆を煮て簡単和菓子に挑戦!」

第25回「小豆を煮て簡単和菓子に挑戦!」

アメリカ在住暦30年のお料理研究家が簡単で美味しいレシピをご紹介します。

更新日: 2019年12月30日

アメリカで新生活が始まると日本のスーパーで気軽で、かつ、安価だった食材が急に手に入らなくなり、得意料理のレシピがガラっと変わってしまった、という方も多いかと思います。
海外という慣れない環境で、食材も変わり、家族や自分自身にとって美味しくて健康的で、簡単に作れる料理はなかなか見つけるのが難しいですよね。さらに、日本ではあまり馴染みのないみんなで持ち寄りながらのパーティー「ポットラック」に招待された時のメニューは”日本食が良いのか”、”冷めても美味しいか”、”食べやすいか”など頭を悩ませます。

『みんなのレシピ』では、アメリカ在住暦30年のお料理研究家が日本でもお馴染みの料理から日本ではあまり目にしない食材を使ったレシピまで、誰でも簡単に作れて、健康で、美味しいお料理レシピを紹介していきます。

第25回「小豆を煮て簡単和菓子に挑戦!」

秋も深まる中ハロウィンから始まり、サンクスギビング、クリスマス、そしてお正月と、楽しい行事が目白押しでしたね。それぞれの行事毎に、パーティーやお出かけ、旅行などご家族やお友達と充分楽しまれたりしたことと思います。
今回は、失敗せずおいしく作れる小豆あんの作り方を最初にご紹介致します。その出来上がった小豆餡を使った簡単レシピを2つご紹介するので是非挑戦してみてください。
小豆は、和菓子にはかかせませんし、身体にも良いので、多めに作って小分けにし、冷凍しておくと何かと使い勝手が良いのでおススメです。

今回号のレシピに使うおすすめ食材リスト

小豆(アズキ)

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アズキは、健康維持に適した低脂肪、高タンパクな食品で、肉に含まれる栄養素を摂取することが出来ます。ベジタリアンの方々には嬉しい食品ですね。また、ビタミンB1, B2も多く含まれるので、炭水化物、脂質の分解する働きにも優れています。ミネラルも豊富で食物繊維も多いのが特徴です。今回は、韓国産のオーガニックの小豆を購入しました。なるべく新しい物を購入してください。あまり古いと、豆が柔らかくならない時があります。


もち米

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もち米は、お正月の餅やお祝いの時のお赤飯など日本人には馴染みの深い食材です。近年人気の高い和菓子も、もち米がよく使われます。洋菓子のようにバターや生クリーム等の乳製品を使用しないので、カロリーは低めで、ダイエットデザートとしても注目されています。もち米はアジアのマーケットなら何処でも購入可能です。今回は、オーガニックのもち米を購入、値段は10ドル前後でした。


餅粉 (Sweet rice flour)

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カリフォルニアのKoda Farmsで作られている餅粉でおススメです。アジアのマーケットならたいていの場所で購入可能で、今回は韓国マーケットにて2ドル前後で購入しました。最近では、現地のスーパーでも見かけることがあるのでお近くのスーパーでチェックしてみてください。


白玉粉

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白玉粉はももち粉の仲間ですが、更に精製されているので高品質になります。白玉粉を餅粉に少し混ぜることによって、大福の餅がなめらかになるのでおススメです。ただし、どうしても手に入らない場合は、もち粉だけでも問題ありません。

今回号のレシピに使うおすすめアイテム

ソース用しゃもじ

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小豆は、砂糖を入れてから鍋の底が焦げ付かないよう気をつけなければなりません。丸いしゃもじの場合は、底に接触している部分が少なくかき混ぜていても、焦げついてきます。しゃもじが平らな場合は、鍋の底をまんべんなく混ぜ合わせることが出来るので、あんこやホワイトソース作りの場合は、必須アイテムです。


さらしの布

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おはぎを成形する時に使用します。昔の手ぬぐい、またはガーゼのハンカチ等が作りやすいと思います。もし、どちらもないようでしたら、破れにくいキッチンペーパーでお試しください。

小豆餡(アズキあん)

あんこを作らなくても、プラスティックのパック、缶詰に入ったものを、アジアのマーケットで手軽に買うことが出来ます。でも、手作りはおいしくて安全、甘さの調整も出来ますし、小豆を2度茹でこぼす事によってアクがなくなり、小豆本来の豆の味を楽しむ事が出来ます。多めに作って、ジップロックに小分けして冷凍しておくと便利ですね。ふと、お汁粉やぜんざいが食べたくなった時、トーストにぬりたい時、餅にからめたい時、かぼちゃの煮物に入れたい時にも大活躍です。このレシピで簡単に小豆餡が出来ますので、ぜひ、お試しください。

【食材と目安の量(10〜15人分)】 ★印はおすすめ食材リストを参照
※この料理で使用するカップは、日本カップになります。(200cc)

  • ★小豆・・・3カップ(600cc)
  • 水 ・・・6カップ(2度のゆでこぼしの後に入れる水)
  • 砂糖・・・3カップ(グラニュー糖を使用しますが、ザラメ、三温糖、白砂糖でも大丈夫。)
  • 塩 ・・・小1/3

【お料理の手順】

  1. 小豆をキレイに洗い、少し深めの鍋に入れて、小豆の高さの倍の水を入れて中火強にかける。煮立ったら、すぐにお湯を捨てて、また新しい水を入れて火にかける。合計で2回ゆでこぼしを行う。
  2. 1に茹でこぼした小豆と水を6カップ入れる。煮立ったら、弱火にして蓋をし、3~4数時間煮る。時々かき混ぜながら、全体の豆が柔らかくなって水気がなくなるまで火に掛ける。
  3. 2弱火から中火弱にし、砂糖を入れる。砂糖を入れるとかなりゆるくなりますが、ここで平たいしゃもじを使ってかき混ぜながら火を加えていく。あんこがはねて手につくと熱いので、はねないよう、鍋の底がこげないよう混ぜあわせる。かき混ぜる時間は約5〜10分程度。混ぜる事によって、艶が出てきます。
  4. 3の餡に塩を加え、さらに混ぜ合わせる。しゃもじで少し筋が出来るようになり、しゃもじから餡がポタッと落ちる程度になれば、出来上がり。冷めると少し固まってきます。ポタッ、が、ボッタリという具合になります。

【このレシピのポイント】
餡作りのコツは、最初にアクを取り除くことが大事です。また砂糖を入れる前なら、水分がなくならない限り、焦げる事もありませんから、弱火でコトコトと煮るだけ。いつの間にか小豆がふっくらと煮えて、水分がなくなっています。その時が砂糖を入れるタイミングです。後は、平たいしゃもじで混ぜて艶を出し、水分をとばすだけ。

おはぎ

作った餡を利用して、おはぎを作ります。もち米を炊いて半殺しにします。半殺しとは、炊き上がったもち米をすりこぎ棒でついて半分位餅状にすることです。さらしの布を使って、おはぎを作ります。とてもキレイに仕上がります。

【食材と目安の量(10人分~)】 ★印はおすすめ食材リストを参照

  • ★餅米・・・2合(水加減は、米の高さより5ミリ程高く)
  • 塩 ・・・小1/3
  • 砂糖・・・大1/2
  • 小豆餡・・・適宜
    おはぎを乗せるアルミのカップを用意しましょう
  • アルミカップ・・・1パック

【お料理の手順】

  1. 餅米を水で洗い、厚めの鍋に入れ、水は餅米の高さより5ミリ程高く入れる。蓋をして20分から30分置く。
  2. 1の蓋を開け、水が5ミリの高さ迄なければ水を足して米から5ミリの高さにし、中火弱に掛け、沸騰してきたら2分程沸騰させ、弱火で10分。(もし、もち米が生っぽかったら、50cc程水を入れて、同様に繰り返す)その後鍋ごとひっくり返して5分で出来上がり。
  3. 2に砂糖、塩を入れ、すりこぎ棒を杵代わりにして、もちごはんを半分程度ついて潰す。
  4. 3の半分潰したもち米をおはぎの形に握る。
  5. さらしの布に餡を広げて、その中に握った4を載せ、布を上手に使って丸めておはぎの形にする。
  6. 出来上がった5をアルミ等のカップに載せて出来上がり。

【このレシピのポイント】
手作りの小豆餡で、お店顔負けのおはぎが簡単に出来ます。小豆餡は甘さ控えめですので、餅米に塩を入れて、味を引き立たせています。砂糖を入れるのは、餅米が硬くなるのを抑えます。ポットラック、手土産にもってこいですね。

大福

作った餡を利用して大福を作ります。餅は、もち粉、白玉粉を使ってフライパンで作ります。少し力が必要ですが、簡単に大福用の餅が出来ますのでお試しください。

【食材と目安の量(10人分~)】 ★印はおすすめ食材リストを参照

【A】

  • ★餅粉・・・半箱(225g)
  • ★白玉粉・・・60g
  • 砂糖・・・大2
  • 水・・・ 380cc
  • 油・・・適宜(フライパンを拭く)
  • 小豆餡・・・適宜
  • 片栗粉・・・適宜
    大福を入れるアルミのカップを用意しましょう
  • アルミカップ・・・1パック

【お料理の手順】

  1. 白玉粉の入ったボールに水を少しずつ入れて、なめらかにする。なめらかになったら、餅粉、砂糖の入ったボールに移して残りの水を入れて全体をなめらかにする。
  2. 厚手のフライパンを熱く熱し、オイル少し入れて、キッチンペーパーで全体に馴染ませ、練った1を入れる。
  3. 弱火強にし、蓋をし、そのまま5分。その後蓋を開けて中火にし、しゃもじ等で餅を混ぜ合わせる。最初は生の白の色ですが、熱が加わる事によって、少し透明感が出てくるので、よく練る。
  4. ボールに片栗粉を広げ、餅をその中に入れる。粉を使って直径3センチ程のボールを作る。
  5. ボール状の餅を中心が薄くならないよう広げ、丸めた餡を載せ餅を少しずつ引き寄せて餡を包む。
  6. 片栗粉再度まぶして出来上がり。

【このレシピのポイント】
餅をなめらかにするために白玉粉を入れますが、餅粉と白玉粉を一緒にして水で混ぜると白玉粉の粒粒がなめらかになりません。必ず別にして、白玉粉をなめらかにしてから、餅粉のボールにいれてください。また、フライパンでよく練ったにも関わらず、生っぽいようでしたら、マイクロウェーブで1分程度温めてください。フライパンの底についた餅は、もう一度弱火にかけておくと、自然にはがれてきてお煎餅のようになります。醤油をかけると香ばしい香りがして、お子様のおやつによいですね。

料理を食べた方の感想

「おはぎ」
・大人の甘さの小豆餡がとても美味しい。アメリカではなかなか食べられない日本の味です。
・アメリカでは美味しいおはぎが見つけられないのでこんなに美味しいおはぎを食べれて幸せでした。甘さ控えめでお米の歯ごたえがよく、2~3個食べられそうでした!

「大福」
・おもちのやわらかさが程よく、塩味と甘みがマッチしたような絶妙な味加減。とても美味しかったです。
・小豆あんと皮のやわらかさが口の中で溶けて幸せを感じるこれこそ大福です。

今回のまとめ

日本人にとって最大行事のお正月が終えて、皆さん新たな気持ちで新年を迎えた事でしょう。料理は人をつないでくれます。多忙な毎日を過ごされているとは思いますが、栄養価の高い小豆を使った和菓子をぜひ、お試しください。

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